速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界卓球東京大会WEB速報

 試合後、沈痛な面持ちでミックスゾーンに現れた日本男子チーム。充実感を漂わせて、ITTFのインタビューを受けるギリシャとはあまりに対照的だった。ラストでクレアンガに敗れた岸川聖也のコメント。

「ぼくが2番でイオニスに勝っていれば完全に流れをもってこれたと思う。ギリシャにカット(イオニス)がいるのはわかっていて、対策も積んできたのに勝てなかった。地元開催というプレッシャーはなかったし、出足からすごく良い状態で試合に入っていけたので、残念です。これが実力ですね。
 ラストのクレアンガ戦は、第1ゲームをジュースで落として、第2ゲームからは相手も調子が出てガンガン振ってきた。カットとあれだけの試合をした後に、攻撃型とやる難しさはありました。
 日本は過去2大会とも予選リーグで1敗してからメダルを獲得できている。まだ1位通過のチャンスはあるし、気持ちを切り替えて頑張ります」

 ギリシャ戦では2点を落とした岸川だが、この選手の存在感は他の選手には代えがたいものだ。これから必ず、彼の力を必要とする場面が出てくる。まだ戦いは始まったばかりだ。上写真左は岸川、右はイオニス、下は日本ベンチ
 〈日本 2−3 ギリシャ〉

○水谷 -8、9、-5、9、5 クレアンガ

 岸川 5、-8、10、-8、-7 イオニス○

 松平 -9、11、-9、6、-9 パパイエオリウー○

○水谷 7、-7、8、6 イオニス
 岸川 -10、-4、-8 クレアンガ○

 長い長いラリーから、クレアンガが破壊的なバックのパワードライブを決めた瞬間、日本の黒星発進が決まった。昨年のヨーロッパ選手権団体2位のギリシャ。侮ってはいけない相手だった。日本に油断はなかったが、初戦の緊張につけこまれ、攻撃的な卓球に押し切られた。42歳のクレアンガ、、、お見事。
 〈日本 2−2 ギリシャ〉

○水谷 -8、9、-5、9、5 クレアンガ

 岸川 5、-8、10、-8、-7 イオニス○

 松平 -9、11、-9、6、-9 パパイエオリウー○

○水谷 7、-7、8、6 イオニス
 岸川 -10、-4 クレアンガ

 日本は4番水谷がイオニスを落ち着いて料理したが、ラスト岸川が第1ゲーム8-5のリードを守れず逆転され、第2ゲームからクレアンガのバックパワードライブがビシビシ決まっている。日本苦しい。聖也、何とか踏みとどまってくれ!
 3番で松平健太がギリシャのパパイエオリウーに敗れ、現在4番の水谷がイオニスと対戦中。ラストはクレアンガと岸川だ。日本頑張れ!!

 と応援しながら会場を見渡すと、意外とお客さんが少ない。あれれ、大会前はチケットがなかなか取れないという情報があったが、初日だからか、お客さんは2割から3割程度。このWEBを観ているみなさん、意外とチケットはまだあるようなので、あきらめずに日本チームの応援に来てください。
  • 会場は意外にスカスカです

●男子予選リーグ
 〈日本 1−1 ギリシャ〉
○水谷 -8、9、-5、9、5 クレアンガ
 岸川 5、-8、10、-8、-7 イオニス○
 松平 -9 パパイエオリウー
 水谷 vs. イオニス
 岸川 vs. クレアンガ

 男子予選リーグ第1戦、日本はギリシャに予想外の苦戦を強いられている。トップ水谷がクレアンガにゲームカウント2-1とリードされながら、からくも逆転勝ち。最後は中陣からカウンターのバックハンドが炸裂したが、続く岸川がカットのイオニスに敗れた。出足から気合い満点、安定したドライブをイオニスのバックに集め、主導権を握った岸川だが、中盤からフォアの打ち合いで分が悪くなり、カット打ちにもややミスが出た。第5ゲーム中盤で見せたイオニスのパワードライブは攻撃型以上の威力だった。

 3番松平もパパイエオリウーに対し、1ゲーム目を逆転されて落とした。さすがに日本チームの動きはやや硬く、特にレシーブで安全に行く場面が多い。なんとかこの初戦を乗り切りたい。
  • 水谷、最終ゲームにようやく目が覚めたか

  • クレアンガ、連続バックドライブで観客をうならせた

 3階席に赤の軍団。
 最初はワールドカップの韓国応援団を想起させたので、韓国応援団かと。ところが、女子の韓国対オランダ戦では拍手もまばら。
 そしてやおら大きな北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の旗を取り出した。よく見ると、日本の国家斉唱の時には起立せずに座ったまま。おそらく朝鮮学校の学生なのだろう。23年前の1991年の千葉大会の統一チーム「コリア」を知らない世代だ。
 北朝鮮チームのビザ(入国査証)が発給されることが決まってから、朝鮮総連は大量にチケットを購入。毎日、「赤い軍団」は応援で盛り上げてくれるのだろう。ちなみに「イギョラ!」は「頑張れ」という意味。
 初日の4時から予定されていた開会式だったが、女子の韓国対オランダの試合が長引いたために1時間遅れの5時からスタートした。
 中国開催以外では、最近は開会式は質素に行うのが定番。そして東京大会もタップダンスが披露されたのみで、実にあっさりと終わった。
 そして国際卓球連盟のシャララ会長は「日本は東日本大震災の後、この世界大会を復興に向けての大きな挑戦にしてほしい」とあいさつ。
 30日には連盟の総会が開かれる。そこで重大発表があることは世界の卓球関係者の間では公然の秘密。詳細はその日の記者会見の後に、報告しよう。
  • シャララ会長の挨拶

初日から熱戦が繰り広げられている世界選手権東京大会。会場内の試合はもちろんだが、会場の外も見所満載だ。各メーカーブースはもちろん、飲食店、テレビ東京の人気番組のショップ、マシン相手に卓球を楽しめるアトラクションコーナーなどもあり、平日にも関わらず賑わいを見せている。
会場に足を運ぶ際にはぜひ会場の外でも世界選手権を楽しんでいってもらいたい。
  • ずらっと並ぶメーカーブース

  • トップ選手に挑戦!人気のアトラクションコーナー

 女子チャンピオンシップディビジョンに世界選手権史上初めて参戦したルクセンブルク。シンガポールという強敵にも臆せずに戦い、1番ドヌッテが馮天薇から1ゲームを奪取。2番では御年50歳の倪夏蓮が、ユ・モンユをゲームオールまで追い詰めた。ルクセンブルク女子チームの監督は「若い選手たちは素晴らしいプレーをしてくれた。ぼくたちのような小さい国でも、シンガポールを揺るがすことができた」と興奮の面持ち。「ロシアやフランスとは五分五分、そこが勝負だ」。

 人口わずか50万人あまりのルクセンブルク。「ナショナルトレーニングセンターはあるんですか?」と質問したら、横にいたルクセンブルク卓球協会のハートマン会長が「世界一のテーブルテニスセンターがあるんだ!」と待ってましたとばかりに話し出した。そう、上海にある中国卓球学院のヨーロッパ分院が、ルクセンブルクにできたばかり。もちろん、ルクセンブルクの選手のためだけの強化施設ではありませんが、強力な追い風となることは間違いない。

 ちなみに倪夏蓮はこの代々木第一体育館で行われた83年世界選手権東京大会に出場している。ハートマン会長も選手として出たそうですよ。
  • 馮天薇から1ゲームを奪ったドヌッテ

  • 女子卓球界のレジェンド、倪夏蓮

 女子チャンピオンシップディビジョンも予選リーグ第1戦がスタート。前回3位の韓国は、初戦からオランダという厳しい対戦カードとなった。

 トップはカットの徐孝元と、ベテランの左ペンドラ、リー・ジャオの対戦。徐孝元が攻撃型顔負けのパワードライブを決めたかと思えば、リー・ジャオは徐のフォアへ逃げるサービスから強打を打ち込む。リー・ジャオのミドルへのコース取りは見事で、鉄壁を誇る徐孝元のカットを何度となく打ち抜いた。
 ゲームカウント2−2の最終ゲーム。先にリー・ジャオが2回マッチポイントを奪い、次に徐孝元が3回のマッチポイント。手に汗握る大熱戦、観客席からは徐孝元に「ファイティーン!」の声援も飛んだが、最後はリー・ジャオの粘り勝ち。16−14で勝負を決めた。韓国は続く梁夏銀がカットのリー・ジエを攻略し、ただいま1−1。これは長い一戦になりそうだ。
  • 粘り強いメンタル、名勝負製造機のリー・ジャオ

  • 徐孝元はほろ苦い世界団体デビュー