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世界卓球蘇州大会WEB速報

 ITTF(国際卓球連盟)の年次総会(AGM)が28日に開かれ、新たにサントメ・プリンシペと南スーダンが加盟し、加盟協会数が222に達した。これはスポーツ競技連盟としては最多。昨年のAGMで222となり、バレーボールと並んで一番になったが、加盟協会数ではこれで「地球上最多加盟の協会」となった。
 ITTFのバイカート会長は「これはITTFとしてとても誇るべき出来事だ」とコメント。卓球というスポーツが、どこでも誰でもできるスポーツであることの証左を示した。前任のシャララ会長が1999年に就任してから44協会が増えたことになるし、オリンピック活動に参加している4協会がまだITTFに加盟していないために、さらに増える可能性もあることになる。
[大会第4日目・4月29日のタイムテーブル]

●女子シングルス2回戦 
11:00〜 平野美宇 vs. キム・ジョン(北朝鮮)
●混合ダブルス4回戦
12:00〜 吉村/石川 vs. 李尚洙/朴英淑(韓国)
12:00〜 丹羽/平野早 vs. 黄鎮廷/杜凱栞(香港)
●女子シングルス2回戦
13:00〜 伊藤美誠 vs. レイ・ジェンファン(オーストラリア)3コート
●男子シングルス2回戦
14:00〜 水谷隼 vs. カルデラノ(ブラジル)3コート
14:45〜 丹羽考希 vs. ワン・ツォンイー(ポーランド)
●女子ダブルス3回戦
15:30〜 福原/若宮 vs. ジルベライゼン/ヴィンター(ドイツ)
●男子ダブルス3回戦
16:30〜 森薗/大島 vs. ヤカブ/ゴラク(ポーランド)
16:30〜 松平/丹羽 vs. アポローニャ/モンテイロ(ポルトガル)
●女子シングルス2回戦
17:15〜 石川佳純 vs. パスカウスキーン(リトアニア)
17:15〜 平野早矢香 vs. マテロバ(チェコ)
18:15〜 福原愛 vs. ビレンコ(ウクライナ)

●男子シングルス2回戦
20:45〜 村松雄斗 vs. 陳衛星(オーストリア)
21:30〜 吉田雅己 vs. フレイタス(ポルトガル)
●混合ダブルス準々決勝 22:30〜

大会第4日目の蘇州博覧国際センター。昨夜、土砂降りの雷雨が洗っていった蘇州の街。今日は風が少しひんやりしております。
今日は男女シングルス2回戦と男女ダブルス3回戦、そして混合ダブルスはメダル決定戦である準々決勝まで行われる。ここでメダル獲得を決めれば、日本チームもさらに勢いに乗れる。日本選手のタイムテーブルは上記のとおり(日本時間)。

下写真は、昨日の男子ダブルス2回戦で激突した馬龍/ボルと張継科/許シン。張継科/許シンがゲームカウント0ー2から逆転したが、ボルも前陣でのカウンタードライブで許シンのパワードライブを打ち抜くなど、中国選手に引けをとならいプレーを見せた。
 男子シングルス1回戦で、タイペイ男子のエース・荘智淵が敗れた。対戦相手はカットのパッタンチュース。昨年のJA全農世界卓球・東京大会の予選リーグでも敗れた相手。パッタンチュースのバックカットの変化が読み切れず、ミスが多く出た。第6ゲーム6ー10から大観衆の「荘智淵、加油(ガンバレ)!」の声援をバックに大逆転したが、最終ゲームも序盤から離され、9ー10まで追いすがるも最後はフォアドライブが大きくオーバーミス。試合後、足早にコートを去った。

 昨年の男子ワールドカップで活躍し、ITTFのスターアワードを受賞したクアドリ・アルナも1回戦敗退。インドのグナナセカランの堅いブロックに振り回され、弱点であるバックをつぶされた。調子が上がる前にコートを去るのは残念だ。
  • 荘智淵、苦い敗戦…

  • アルナ、男子ワールドカップの再現はならず

  • パッタンチュースが荘智淵を破った瞬間

●男子ダブルス2回戦
森薗/大島   −11、9,6,2、−9、3 フランチスカ/シュテガー(ドイツ)
松平/丹羽  10、5,6,7  O.アサール/K.アサール(エジプト)

森薗/大島がフランチスカ/シュテガーを破る殊勲の星!
大きな武器であるチキータで積極的に先手を取り、ドイツペアを後ろに下げた森薗/大島は、無理に強打せず、冷静に攻略。ドイツペアはフランチスカが、シングルスに比べると攻撃の手数が少なかった。試合後、「すみません! シャトルバスがもう出ちゃうので!」とミックスゾーンを駆け抜けていったふたり。明日もきっと勝者としてミックスゾーンに現れ、そしてしっかりコメントしてくれるだろう。

前陣速攻の松平/丹羽ペアは、対照的に後ろに下がって粘るアサール兄弟ペアに快勝。試合後、丹羽は「相手は後ろから入れるだけだったんで、ぼくらの調子が上がったような試合でしたね」とコメント。松平は「ストレートで勝ったのが収穫。ワールドツアーでは1ゲーム目は様子を見ることもありますが、1ゲーム目からいろいろなサービスを出して、どんどん攻めていきました」と語った。
  • 森薗(奥)/大島、プレーに自信が出てきた

  • エジプトペアの粘りを断ち切った松平(右)/丹羽

  • エジプトペアはコースの厳しい攻めをしのぎ切れず

●女子ダブルス2回戦
福原/若宮 -8、11、2、5、4 リ・ミギョン/リ・ミョンスン(北朝鮮)
リー・ジエ/リー・チェン(オランダ/ポーランド) 8、-6、8、8、−9、-4、9 平野美/伊藤

女子ダブルス2回戦、第1シードの福原/若宮が北朝鮮ペアに4ー1で勝利。北朝鮮ペアとの対戦というと、07年ザグレブ大会での苦い記憶がちらりと頭をよぎるが、2ゲーム目をジュースで取ってからは福原/若宮ペアにエンジンがかかった。「2ゲーム目からパターンがわかってきたのでカット、カットよりも良かったかもしれない。相手も2ゲーム目から守りになってやりやすくなった」と試合後の若宮。ボールが伸びないプラスチックボールでは、カットと攻撃の変則ペアは難しい部分がある。「冷静になって戦うことができたし、お互いの良いところが出せた。明日につながる試合ができた」(福原)

一方、平野美/伊藤はゲームオールでカットペアに惜しくも敗れ、2回戦で姿を消した。ゲームカウント1ー3とされた第5ゲーム、劣勢の中から追いつき、第6ゲームは10ー0と大きくリード。第7ゲームも中盤で7ー4として、勝利まであと一歩だったが、あと一歩打ち切れず。NT合宿でも対カットペアを想定した練習を積んできていたが、帰化選手ペアは最後まで粘り強かった。
  • 福原/若宮、北朝鮮ペアを破る

  • 平野美/伊藤、あと一本が遠かった

  • カットペアの本領、粘りを見せたリー・ジエ/リー・チェン

●男子シングルス1回戦
村松雄斗 8、9、10、7 モンテイロ(ブラジル)

吉田雅己 7、−4、6、8、−7、3 ジブラ(スロベニア)

世界選手権初出場の村松と吉田も男子シングルス1回戦を突破。日本男子は4人が明日の2回戦に進出だ。
村松は第1ゲーム5ー8、第2ゲーム6ー7など、中盤ではリードされながらも逆転。バックカットは表ソフトから粒高に変え、より切れ味が増し、滞空時間の長いカットになっている。一撃必殺のバックドライブを放つ機会は少なかったが、第3ゲームは11ー10から強烈な3球目パワードライブを決め、大きく吠えた。試合後、「試合前にラケットコントロールで、ラケットのエッジが欠けていて使えないと言われた」と試合の裏側を明かした村松。「これで負けたら相当監督にも怒られたと思います。せっかく世界選手権に選ばれて、そんなことで棒に振りたくなかった」と覚悟を決めてのプレーが好結果につながった。

吉田は威力あるバックドライブを操る左腕のジブラを相手に、序盤こそ硬さが見えたものの、要所を締めてストレートで勝利した。うれしい世界選手権初勝利だ。
  • 村松、アクシデントにもしっかり対処

  • モンテイロは切れた村松のバックカットを打ちあぐむ

上写真左は大会最年長、52歳で出場の何志文(スペイン)。相変わらず名人芸のサービスとショートで、威力ある両ハンドドライブを誇る若手のディヤス(ポーランド)と大接戦を繰り広げたが、最後はディヤスの積極一貫の攻めに敗れた。
上写真右は、今大会ちょーっと髪型をイメージチェンジした馬龍。短髪のイメージがあるので、何だか違和感も……。これも初優勝に向けた、決意の表れか?

下写真左は、中・後陣での豪快なプレーで、大いに観客を沸かせたカルデラノ。ブラジルの新星は、規格外のスケールとパワーの持ち主。2回戦では日本の水谷隼と対戦する。
下写真右は、皆さんお待ちかねのクレアンガ。残念ながら、初戦でイングランドのピチフォードに競り負けた。豪快な両ハンドのスイングは健在なのだが、ピチフォードに高い打球点で上から狙われ、ラリー戦で優位に立てなかった。前回大会では金珉鉐(韓国)を下して健在振りをアピールしたが……。
●男子シングルス1回戦
水谷 11、9、3、4 プラトノフ(ベラルーシ)
グルーツ(デンマーク) 6、ー8、ー7、6、12、ー3、5 松平
丹羽孝希  4、2、8、7 ヤカブ(ハンガリー)

男子シングルス1回戦、前回大会ベスト8の松平健太が、初戦でデンマークのグルーツに敗れた。松平はゲームカウント2ー2の第5ゲーム、10ー3のゲームポイントから10ー7と挽回され、ここでタイムアウト。しかし、相手に傾いた流れを止められず、10ー10に追いつかれる。
そのあとも11ー10、12ー11と計9回のゲームポイントを握りながら、このゲームを12ー14と逆転で落とした。最終ゲームは相手にレシーブから攻められ、出足で許したリードを最後まで詰められなかった。試合を通じて、サービスがすべて台から出てしまい、置きにいったところを狙われた印象だ。「5ゲーム目にリードしてから凡ミスが続いて、相手のペースになってしまった。はじめからサービス・レシーブで自分の思うようなパターンにならず、先に攻められてしまった」(松平)。

09年横浜大会で馬琳を追い詰める大活躍を見せた後、11年ロッテルダム大会で初戦敗退。13年パリ大会ではベスト8に入り、今大会は再び初戦で苦汁をなめた松平健太。交互にやってくる好成績と無念の敗戦。しかし、まだメダル候補である丹羽とのダブルスがある。

グルーツは今シーズン、ドイツ・ブンデスリーガ男子1部のグレンツァオで、吉田雅己のチームメイトだった選手。「とてもハッピーだよ。だって、健太は世界選手権でベスト8まで行った選手だから。5ゲーム目の3−10の時にはあきらめかけていたけど、点数が近くなってから自分の気持ちを切らさないようにしたし、7−10で相手のタイムアウトの後は、自分が良いプレーがあった。最終ゲームの前はとにかく相手にプレッシャーをかけていこうとした。ラリーになったらリスクを取った攻撃を仕掛けたのも良かったと思う」。22歳の金星だった。
ちなみに名前の発音「グルーツ」は、現地で確認したもの。表記がブレやすい選手ですが、この「グルーツ」を採用しています。
  • 松平健太、1回戦で敗退

  • グロス、積極的なプレーを貫いた

会場で結構な数の観客から声をかけられたり、サインをねだられている平野美宇ちゃん。中国のネットでは、昨年のアジア競技大会への出場をきっかけに「なんてカワイイ!」「第2の福原愛だ!」と話題を集めた。観客の前は素通りする選手も多い中で、天真爛漫な笑顔で手を振る美宇ちゃん。ますます人気が高まりそう。
●女子シングルス1回戦
平野美 ー7、7、8、7、4 バトラ(インド)
石川 6、6、6、5 スラドコバ(カザフスタン)
平野 7、7、ー10、8、4 シルバ(ブラジル)
福原 6、7、9、8 フェヘル(セルビア)
伊藤 7、2、ー10、6、8 メディナ(コロンビア)

日本女子、シングルス1回戦は5人揃って勝利。明日の2回戦進出を決めた。

世界戦のシングルスデビューを果たしたのは平野美宇と伊藤美誠。平野美は右シェーク・バック粒高攻守型のバトラに勝利。反転を駆使し、あまいボールには強打をたたき込むバトラは嫌な相手だったが、平野は粒高のボールに対しては強攻せず、裏ソフト面のボールをうまく攻めた。コース取りも、長身のバトラのミドルへの攻めをうまく混ぜていた。
「相手は粒高で反転もしてきたのでやりにくかった。勝ちたいと思ったら自然に声が出てました。世界選手権だけど、負けたらどうしようというような気持ちはなかった」(平野美)

伊藤は、コロコロとした体型のコロンビアのメディナに思わぬ洗礼。メディナは優れたボールセンスだけでなく、意外なほど粘り強かった。しかし、試合の中盤から左右に振るだけでなく、前後への揺さぶりを入れて攻略。「見たことがない相手で、まったくわからないまま試合に入りました。やりづらくはないけど、パワーがあって強かった。世界選手権はイメージしたとおりです。いつもどおりできたかなと思う。ダブルスでスタートできたので、2人で気持ち的にも楽になった」(伊藤)。
  • 平野美宇、バトラをきっちり攻略

  • 競った場面でも落ち着いていた伊藤美誠

  • 伊藤をヒヤリとさせたメディナ

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※上記リンクは2015年4月時点のものです。