欧州リポート

　ブンデスリーガ第9節に吉田雅己、森薗政崇が出場。好調の吉田は今節でも勝利。今季の通算成績を8勝2敗とし、プレイヤーランキング（勝利数-敗戦数の数のランキング。同数の場合勝利数の多い者が上位）は1位ボル、2位ガチーナにつづく3位に浮上。チームも快勝で2位をキープしている。一方の森薗はここまで個人成績6勝7敗、チームも前節まで6連敗中で最下位。今節こそ連敗を脱出したいところだったが、森薗がフィルス、王熹と、カットマン2人に連敗でチームも敗戦。今節も勝利に届かなかった。結果は下記のとおり。

11月30日ブンデスリーガ第9節

＜グレンツァオ　3－0　ミュールハウゼン＞

○ガチーナ　-8、-5、4、13、9　ヒールシャー

○吉田　10、11、4　ブルギス

○グロット　8、3、14　ヴォジツキ



＜デュッセルドルフ　3－1　シュヴァレンベルク＞

○ボル　-6、3、7、3　ツボイ

　ギオニス　9、-6、-7、-5　メンゲル○

○アチャンタ　11、-8、11、9　ドゥダ

○ボル　5、6、9　メンゲル



＜ザールブリュッケン　3－1　ハーゲン＞

○マテネ　5、4、-9、5　江宏傑

○トキッチ　9、-8、10、8　イオネスク

　アポローニャ　4、-5、-3、-7　ワルサー○
○トキッチ　9、-4、-8、10、3　江宏傑



＜マーバーツェル　3－1　フリッケンハウゼン＞

○フィルス　2、10、8　森薗

　王熹　-8、-9、9、6、-9　パイコフ○

○ズース　-10、7、6、-8、4　チウ・リャン

○王熹　-8、9、10、-5、5　森薗



＜ブレーメン　3－1　オクセンハウゼン＞

○シュテガー　-5、4、5、4　ゴーズィ

○クリサン　9、4、4　ピチフォード

　チオティ　-9、-7、-9　スカチコフ○

○シュテガー　5、-9、8、8　カルデラノ



☆吉田雅己通算成績：シングルス8勝2敗（第9節終了時点）

☆森薗政崇通算成績：シングルス6勝9敗（第9節終了時点）

　水谷隼所属のUMMC（ロシア）がECLグループC第5戦を行い、ザールブリュッケン（ドイツ）をストレートで下してグループリーグ突破を決めた。トップで出場の水谷がザールブリュッケンのエース・アポローニャと対戦しストレートの快勝でチームを勢いづけると、2番シバエフ、3番モンテイロがフルゲームの競り合いを制し、グループリーグ最終戦を残し決勝進出を決めた。
　グループA3位の吉田海偉所属のオリンピアウニア（ポーランド）はグループA最下位のロスキレ（デンマーク）と対戦。吉田は1番、4番で出場し、2勝をあげて勝利に貢献した。しかし第5戦を終えて3位と、未だグループリーグ突破は厳しい状況だ。
　グループCの松平賢二所属のアンジェ（フランス）は明日28日に試合が行われる。アンジェはグループリーグ突破のためには明日のオストロフ（チェコ）戦での勝利が絶対条件となる。

2014／2015　ヨーロッパチャンピオンズリーグ・グループC第5戦

＜UMMC（ロシア）　3ー0　ザールブリュッケン（ドイツ）＞

○水谷　7、9、6　アポローニャ

○シバエフ　-6、-8、6、4、7　マテネ

○モンテイロ　-4、-8、4、9、10　トキッチ



2014／2015　ヨーロッパチャンピオンズリーグ・グループA第5戦

＜オリンピアウニア（ポーランド）　3ー1　ロスキレ（デンマーク）＞

○吉田　7、-9、5、7　ニールセン

　ワン・ヤン　-6、4、-10、-9　ベンツェン○

○バルトシュ　11、7、-7、9　ツグウェル

○吉田　4、7、3　ベンツェン

　フランスリーグ・プロA第7節に松平賢二が出場。10月28日に行われた第5節に出場後、日本国内での試合のために帰国、全日本社会人では優勝を果たすも、11月18日のプロA第6節のシャルトレ戦、11月21日のECL第4戦のUMMC戦ではオーダーから外れていた松平。この試合がアンジェとしてはおよそ1ヵ月ぶりの出場となった。
　現在3位のアンジェは昨シーズンのECL王者・ポントワーズと対戦。松平は2番でK.カールソンを下し、4番で世界ランク9位のフレイタスと対戦、1、3ゲーム目を奪い、4ゲーム目も11本とあと一歩に迫ったが、最後はフルゲーム9本で敗れた。試合の結果は下記のとおり。


2014／2015　フランスリーグ・プロA第7節

＜ポントワーズ　4－1　アンジェ＞

○フレイタス　10、-9、5、-8、5　ヨン・パーソン

　K.カールソン　7、-7、-7、-6　松平○

○王建軍　9、-8、10、7　ブロシエ

○フレイタス　-7、7、-8、11、9　松平

○王建軍　9、-9、2、8　ヨン・パーソン

☆松平賢二フランス・プロA通算成績
シングルス4勝3敗（第7節終了時点）


　週末に行われたブンデスリーガ第8節に吉田雅己、森薗政崇が出場。オクセンハウゼンと対戦したグレンツァオの吉田は1番でピチフォードと対戦。1ゲーム目こそ奪われるも、その後は3ゲームを連取し勝利に貢献。チームも2位をキープしている。
　ミュールハウゼン戦に出場した森薗は2番でブルギスを下すも、4番でヒールシャーにストレートで敗れた。チームも森薗の1点のみで敗戦、これで9月7日のシュヴァレンベルク戦に勝利して以降勝ちがなく、6連敗で、最下位に転落した。
　試合の結果は下記のとおり。

11月23日ブンデスリーガ第8節

＜グレンツァオ　3－1　オクセンハウゼン＞

○吉田　-6、11、10、5　ピチフォード

　ガチーナ　2、-7、6、-6、-10　ゴーズィ○

○グロット　-8、4、7、6　カルデラノ

○ガチーナ　6、6、9　ピチフォード



＜ミュールハウゼン　3－1　フリッケンハウゼン＞

○ヒールシャー　6、5、7　パイコフ

　ブルギス　-11、-6、-3　森薗○

○ヴォジツキ　6、-10、7、-9、5　チウ・リャン

○ヒールシャー　8、10、12　森薗



＜ザールブリュッケン　3－0　ブレーメン＞

○アポローニャ　2、-6、6、8　クリサン

○トキッチ　-8、8、9、9　シュテガー

○マテネ　-5、5、10、2　スッチ


＜デュッセルドルフ　3－1　マーバーツェル＞

○アチャンタ　10、9、8　王熹

○ボル　8、7、5　フィルス

　ギオニス　6、-12、-6、9、-6　ズース○

○ボル　-10、6、-7、3、6　王熹



＜シュヴァレンベルク　3－1　ハーゲン＞

○メンゲル　9、6、9　江宏傑

○ドゥダ　7、-10、8、9　ワルサー

　コジッチ　-5、16、10、-3、-10　イオネスク○
○メンゲル　9、-8、6、-10、7　ワルサー

☆吉田雅己通算成績：シングルス7勝2敗（第8節終了時点）

☆森薗政崇通算成績：シングルス6勝7敗（第8節終了時点）

ECL（ヨーロッパチャンピオンズリーグ）グループリーグ第4戦が行われ、水谷隼所属のUMMC（ロシア）、松平賢二所属のアンジェ（フランス）、吉田海偉所属のオリンピアウニア（ポーランド）が試合を行った。
　グループCのUMMCとアンジェは2度目の対戦。前回の対戦では水谷が出場するも、松平はビザが間に合わなかったために欠場、ECLでの日本人対決は実現せず。今回こそはと期待したが、松平は先日のフランスリーグに続き、今回もオーダーを外れ、日本人対決は実現しなかった。水谷は2番と4番に出場し、レグー、ルンクイストを下す2勝の活躍で勝利に貢献。グループリーグ突破に王手をかけた。
　グループAのオリンピアウニアは強豪・オレンブルグ（ロシア）と対戦。吉田は3番で出場し、スミルノフに勝利したが、この1本のみにとどまり、チームは敗戦。残り2試合を残して、グループリーグ突破は厳しい状況に追い込まれている。
　試合の結果は下記の通り

2014／2015　ヨーロッパチャンピオンズリーグ・グループC第4戦

＜UMMC（ロシア）　3ー2　アンジェ（フランス）＞

　モンテイロ　-8、-10、-6　ルンクイスト○

○水谷　6、4、-11、4　レグー

　シバエフ　11、-5、-8、6、-6　ブロシエ○

○水谷　5、-9、8、-8、6　ルンクイスト
○モンテイロ　-8、5、7、6　レグー

2014／2015　ヨーロッパチャンピオンズリーグ・グループA第4戦

＜オレンブルグ（ロシア）　3ー1　オリンピアウニア（ポーランド）＞

○サムソノフ　8、5、4　ワン・ヤン

○オフチャロフ　11、7、8　ザトウカ

　スミルノフ　10、-8、-4、-9　吉田○

○オフチャロフ　-7、8、-9、7、5　ワン・ヤン

ECL第5戦はUMMCが11月26日、アンジェとオリンピアウニアは11月28日に行われる。　

　11月20日にスウェーデンリーグ第7節が行われ、神巧也が出場。デビュー戦となった前節では2勝の活躍でチームの勝利に貢献した神。今回は2番でアービッドソンにフルゲームで勝利したが、4番でトゥルンクィストに敗戦、チームも1-4で敗れた。スパルバーゲンの現在の順位は3勝3敗1分けで5位となっている。試合の結果は下記のとおり

11月20日　スウェーデンリーグ第7節

＜スパルバーゲン　1－4　レコード＞

　バーグマン　-11、-7、-8　トゥルンクィスト○

○神　-4、6、6、-7、1　アービッドソン

　ワルドナー　-9、-12、-7　オブスロ○

　神　12、-8、-4、-7　トゥルンクィスト○
　ワルドナー　-10、-8、-3　アービッドソン○

☆神巧也通算成績　3勝1敗（第7節終了時点）

　次節は12月1日に「ファルケンベリ・フットワーク」の元祖、ファルケンベリと対戦する。

　11月9、17日にブンデスリーガ第７節の2試合が行われた。吉田のグレンツァオ、森薗のフリッケンハウゼンは11月2日に第７節を終了している。結果は下記のとおり。

11月9日ブンデスリーガ第7節

＜デュッセルドルフ　3－2　ミュールハウゼン＞

○ギオニス　9、6、-8、5　ブルギス

　アチャンタ　8、-9、-6、-6　ヒールシャー○

　ハイスター　-3、7、-8、-6　ヴォジツキ○

○ギオニス　7、8、-7、7　ヒールシャー
○アチャンタ　-5、4、5、9　ブルギス

11月17日ブンデスリーガ第7節

＜ブレーメン　3－1　ハーゲン＞

○シュテガー　-5、-4、10、9、6　イオネスク

○クリサン　5、6、10　江宏傑

　スッチ　-12、-9、10、-6　ワルサー○

○シュテガー　-8、-8、4、6、8　江宏傑

　現在第7節までが終了したブンデスリーガ。ここまでのプレイヤーランキング（勝利数-敗戦数の数のランキング。同数の場合勝利数の多い者が上位）を見てみよう。
※カッコ内は（国名／所属チーム・勝利数：敗戦数）

ブンデスリーガプレイヤーランキングTOP10（第7節終了時点）
1：ガチーナ（クロアチア／グレンツァオ・9：4）
2：ゴーズィ（フランス／オクセンハウゼン・7：2）
3：ボル（ドイツ／デュッセルドルフ・6：1）
4：ギオニス（ギリシャ／デュッセルドルフ・6：2）
4：吉田雅己（日本／グレンツァオ・6：2）
4：アポローニャ（ポルトガル／ザールブリュッケン・6：2）
7：フランチスカ（ドイツ／デュッセルドルフ・4：0）
8：シュテガー（ドイツ／ブレーメン・7：4）
9：チオティ（ルーマニア／ブレーメン・4：1）
9：ズース（ドイツ／マーバーツェル・4：1）
9：アチャンタ（インド／デュッセルドルフ・4：1）
※4位、9位は同率で3人が並ぶ

　トップは吉田の同僚・ガチーナ。吉田もギオニス、アポローニャという世界のトップ選手と並んで4位につけており、この二人が現在2位と好調のグレンツァオを牽引している。昨シーズンは12勝11敗の成績で15位だった吉田だが、今シーズンはどこまで勝ち星を伸ばすことができるか注目だ。首位を走るデュッセルドルフからはトップ10に4人がランクイン。フランチスカが足の故障のため戦列を離れているが、4番手のアチャンタがその穴をしっかりと埋めている。トップ10以下では出場試合数こそ少ないが、ボルをストレートで下したカルデラノ（ブラジル／オクセンハウゼン）が3勝0敗で12位。森薗は現在5勝6敗の22位。これからの巻き返しに期待したい。

　1部に吉田雅己、森薗政崇、2部には小澤吉大、三部航平、及川瑞基らが参戦している今季の男子ブンデスリーガ。女子ブンデスリーガにも日本人選手2人が参戦している。
　一人は女子1部のベーブリンゲンに所属する吉田光希、もう一人は2部のクレーヴェに所属する元全日本チャンプの梅村礼だ。吉田はここまでシングルス5勝3敗、ダブルス3勝3敗、梅村はシングルス4勝2敗、ダブルスは3勝0敗の成績を残している。梅村は9月14日以降出場がないが、吉田は昨日行われた第6節にも出場した。結果は下記のとおり。


11月16日ブンデスリーガ第6節
＜ベーブリンゲン　6－1　バート・ドリブルク＞

　シュー／カイム　-11、3、-6、10、-8　トドロビッチ／ノット○

○ゴッシュ／吉田　-11、5、11、-8、9　ミッテルハム／クマレサン

○ゴッシュ　3、1、3　トドロビッチ

○吉田　-5、8、11、-4、3　ミッテルハム
○シュー　6、-7、10、7　クマレサン
○カイム　9、-9、-5、6、8　ノット
○ゴッシュ　-9、7、4、-10、7　ミッテルハム
☆吉田光希通算成績シングルス5勝3敗、ダブルス3勝3敗（第6節終了時点）


　吉田はクロアチアで3シーズンプレーした後、昨シーズンはブンデスリーガ2部のザールブリュッケンに所属、今シーズンから1部のベーブリンゲンに移籍。先日の長崎国体に長崎代表として出場し、ヨーロッパを主戦場とする吉田にとっては久々の「国内試合」となったが、女子選手離れした強烈な両ハンドと、観客を惹きつけるパフォーマンスで優勝に貢献、存在感を見せた。日本を離れ、ヨーロッパで戦う異彩の球人・吉田光希のさらなる活躍にも期待だ。

　週末に行われたブンデスリーガ2部に小澤吉大、三部航平、及川瑞基が出場。三部、及川の所属するフリッケンハウゼンⅡは15日、16日と2日続けてのゲームとなった。
　11月15日の試合に出場した三部は前節に続き3勝の活躍。1ゲームも落とすことなく勝利に貢献した。翌16日の試合には三部に変わり及川が出場。9月27日に行われた第4節以来の出場となった及川はシングルスの1勝のみに止まり、チームも連勝ならず。前節で今シーズン発黒星を喫した小澤はダブルスで敗れるも、シングルスでは1993年世界選手権ベスト8、現在46歳の大ベテラン・ポドピンカ（ベルギー）から勝利をあげた。試合の結果は下記のとおり。



＜11月15日 ブンデスリーガ２部　フリッケンハウゼンⅡ 6－2 ルールスタッド・ヘルネ＞

○三部／チウ・ダン　7、6、4　マックバース／シュチェチン

○三部　7、7、9　ガブロフスキ

○三部　8、7、8　スボティッチ

☆三部航平2部通算成績：単7勝1敗／複3勝1敗　（第8節終了時点）

＜11月16日 ブンデスリーガ２部　フリッケンハウゼンⅡ 3－6 グリーンヴェッターバッハ＞

　及川／サルグ　-7、9、-7、3、-8　ロブレス／ウォーカー○

　及川　-8、7、-8、-10　ジブラット○

○及川　7、6、11　ロブレス
☆及川瑞基2部通算成績：単5勝2敗／複1勝3敗　（第8節終了時点）

＜11月16日 ブンデスリーガ2部　ユーリッヒ 6－1 フェルステンフェルトブルック＞

　ミュールバッハ／小澤　-7、-9、9、-3　シュライナー／ポドピンカ○

○小澤　4、-9、9、6　ポドピンカ

☆小澤吉大2部通算成績：単8勝1敗／複4勝2敗　（第7節終了時点）

　第8節は小澤のユーリッヒが11月30日、三部、及川のフリッケンハウゼンⅡは約1ヵ月後の12月14日に開催される。

　ドイツ・ブンデスリーガ、フランス・プロAを始め、海外でプレーする日本選手が増えているが、スウェーデンリーグに明治大4年の神巧也選手が参戦。11月3日のシェーヴリンゲ戦でデビューし２勝をあげ、華々しいデビューを飾った。ちなみに神の所属するスパルバーゲンには卓球界のレジェンド・ワルドナーも所属している。　

↓スウェーデンでの試合、生活に関しては神選手のブログもご覧ください
http://world-tt.com/blog/jin/

次戦は11月20日に行われる。

11月3日　スウェーデンリーグ第６節
＜スパルバーゲン　4－0　シェーブリンゲ＞
○ワルドナー　7、-9、5、-10、6　ゴーズィ
○神　5、12、10　アン・シュー
○バーグマン　9、-8、6、8　モリーン
○神　-9、7、10、8　ゴーズィ
☆神巧也通算成績　2勝0敗（第６節終了時点）