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欧州リポート

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 3月27日・4月11日にECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)女子決勝が行われた。

 3月27日の決勝第1戦ではアウェイのクロッパッハ(ドイツ)がフロシュベルグ(オーストリア)を3-2で下して勝利。3番でトート(ハンガリー)が朱虹(中国)を破る活躍を見せた。フロシュベルグは元ヨーロッパ女王のリュウ・ジャ(オーストリア)が呉佳多(ドイツ)、王越古(シンガポール)を撃破したが、あとが続かなかった。

 そして迎えた4月11日の決勝第2戦。トップで王越古が朱虹を破り、一気に優位に立ったクロッパッハだったが、2番で呉佳多がリュウ・ジャに敗れると、3番でもトートがリ・チャンビン(オーストリア)に敗れて一転、窮地に。4番、助っ人の王越古に託したが、またしてもリュウ・ジャの意地の速攻についていけずに1-3で敗れ、まさかの逆転負け。昨季に続いて2位となった。

 フロシュベルグは初優勝。リュウ・ジャ、リ・チャンビンのオーストリア勢に、チェコのエース・バチェノフスカ、そして助っ人中国選手の朱虹が主力。朱虹は、昨季クロッパッハに所属しており準優勝。そして今季は優勝と、ECLにおいて素晴らしい安定感を見せる。

●ECL女子決勝 ※左側のチームがホーム
3月27日
フロシュベルグ 2-3 クロッパッハ
○リュウ・ジャ 10、4、10 呉佳多
 バチェノフスカ -7、9、-8、9、-7 王越古○
 朱虹 -10、4、-5、10、-6 トート○
○リュウ・ジャ 6、2、7 王越古
 バチェノフスカ -9、-5、-9 呉佳多○

4月11日
クロッパッハ 1-3 フロシュベルグ
○王越古 -7、8、-9、9、9 朱虹
 呉佳多 8、-6、-10、-10 リュウ・ジャ○
 トート -7、10、10、-6、-9 リ・チャンビン○
 王越古 -8、3、-5、-5 リュウ・ジャ○
 4月7・11日、ドイツ・ブンデスリーガ1部に高木和卓と松平健太が出場した。7日、ユーリッヒの高木和卓はデュッセルドルフ戦に出場。1番でフレイタス(ポルトガル)をゲームオールで下したが、4番ではズース(ドイツ)にはゲームオールで敗れ、ボル不在のデュッセルドルフに1-3で敗戦した。

 フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグの松平健太は11日のオクセンハオゼン戦に登場。トップでアポローニャ(ポルトガル)と対戦したが、1-3で敗れた。3番ではシュテガー(ドイツ)がクリサン(ルーマニア)を破る活躍を見せたが、反撃もここまででフリッケンハオゼン・ヴュルツブルグは1-3で敗れた。

高木和卓(ユーリッヒ)
4月7日 vs.デュッセルドルフ
○高木和 -7、-5、9、10、6 フレイタス
 高木和 12、-5、-7、8、-7 ズース○
通算:単11勝11敗、複1勝1敗

松平健太(フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ)
4月11日 vs.オクセンハオゼン
 松平 -9、4、-10、-5 アポローニャ○
通算:11勝4敗、複1勝1敗

 4月10・12日にECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子準決勝第1戦が行われた。

 10日はエヌボン(フランス)vs.オクセンハオゼン(ドイツ)の一戦。柳承敏(韓国)、クレアンガ(ギリシャ)擁するエヌボンが有利かと思われたが、オクセンハオゼンの荘智淵(タイペイ)が2番でクレアンガを、4番で柳承敏を下して、気合い十分の2点獲り! 相手エースを粉砕し勝負を決めた。

 4月12日は悲願の優勝を狙うデュッセルドルフvs.昨季準優勝のシャルロワの対戦。トップでデュッセルドルフのオフチャロフが、元チームメイトのコルベルを下すと、2番でズースが苦しみながらも王健軍を3-2で撃破。3番では大黒柱のボルが、シャルロワの顔ともいえるJ.セイブを難なく下して、ストレート勝利。決勝進出に向けて大きな一勝を挙げた。

 準決勝第2戦は4月17日に行われる予定だ。

 ●ECL男子準決勝 ※左側のチームがホーム
4月10日 エヌボン 1-3 オクセンハオゼン
○柳承敏 10、3、8 クリサン
 クレアンガ -9、-5、8、-8 荘智淵○
 ワン・シン 9、8、-8、-6、-10 イェレル○
 柳承敏 -8、-6、9、8、-7 荘智淵○

4月12日 デュッセルドルフ 3-0 シャルロワ
○オフチャロフ 6、7、-13、5 コルベル
○ズース -12、-7、9、7、8 王健軍
○ボル 6、6、2 J.セイブ
 3月31日・4月1日に行われたENL(ヨーロッパネイションズリーグ)第2戦の結果です。男子プレミアディビジョングループAでは、優勝候補のドイツが早くも敗れる波乱。ベテランのボージック、フェイヤー-コナートに若手のバウムという布陣でスウェーデン戦に臨んだドイツ。トップでボージックがルンクイストに、2番でバウムがパーソンに敗れたドイツは、3番でフェイヤー-コナートがR.スベンソンを下して1-2にするも、4番でバウムがルンクイストにゲームオールで敗れて、1-3でスウェーデンに敗れた。また、同グループのベラルーシvs.ロシア戦では、ロシアのルブツォフがサムソノフを破る金星を挙げた。

 女子では昨年のヨーロッパ選手権団体優勝チームのオランダが、オーストリアに1-3で敗れている。

予選リーグ第2戦の結果 ※左側のチームがホーム
●男子
〈プレミアディビジョン〉

グループA:スウェーデン(2勝) 3-1 ドイツ(1勝1敗)、ベラルーシ(2敗) 0-3 ロシア(1勝1敗)
グループB:チェコ(2勝) 3-0 デンマーク(2敗)、ルーマニア(2敗) 1-3 オーストリア(1勝1敗)

〈チャレンジディビジョン〉
グループA:スペイン(1勝1敗) 1-3 イタリア(1勝1敗)、ポーランド(2勝) 3-0 ベルギー(2敗)
グループB:フランス(2勝) 3-2 クロアチア(1勝1敗)、セルビア(1勝1敗) 3-2 ハンガリー(2敗)

〈スタンダードディビジョン〉
グループA:ラトビア(1勝1敗) 3-2 スイス(2敗)、ギリシャ(1勝) 3-1 スロベニア(1勝1敗) ※ルクセンブルク(1勝)
グループB:イスラエル(1勝1敗) 1-3 トルコ(2勝)、ポルトガル(1勝1敗) 3-2 イングランド(2敗)

●女子
〈プレミアディビジョン〉

グループA:ハンガリー(2敗) 2-3 ルーマニア(1勝1敗)、イタリア(2勝) 3-1 クロアチア(1勝1敗)
グループB:オーストリア(1勝1敗) 3-1 オランダ(1勝1敗)、ドイツ(2勝) 3-0 スペイン(2敗)

〈チャレンジディビジョン〉
グループA:ロシア(1勝1敗) 3-1 セルビア(2敗)、スウェーデン(1勝1敗) 0-3 チェコ(2勝)
グループB:ポーランド(1勝1敗) 1-3 ベラルーシ(2勝)、フランス(1勝1敗) 3-0 イングランド(2敗)

〈スタンダードディビジョン〉
グループA:ポルトガル(2勝) 3-2 リトアニア(1勝1敗)、ルクセンブルク(1勝) 3-2 イスラエル(2敗) ※ギリシャ(1敗)
グループB:スイス(2敗) 1-3 スロベニア(1勝1敗)、ベルギー(1勝1敗) 0-3 トルコ(2勝)
 4月4~5日、ドイツ・ブンデスリーガ1部の試合が行われ、岸川聖也・松平健太・高木和卓・梅村礼の日本人4選手が出場した。

 4日、ホルスターハオゼンの梅村礼は、ハノーバー戦に出場。トップで、元中国代表で89・91年世界選手権ベスト16、複3位の実績を持つ丁亜萍をゲームオールで下した。今年に入って8連勝を含む9勝1敗という絶好調の丁亜萍を下したことでチームに勢いがつき、ホルスターハオゼンが3-0で勝利。6位に浮上した。

 5日には男子の試合が行われ、フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグの松平健太はグレンツァオ戦の3番でブラシュチック(ポーランド)と対戦。世界ランク101位の松平だが、同55位のブラシュチックを圧倒しストレートで勝利。チームも勝利した。世界選手権直前のこの時期に格上の選手を下したことは大きな自信となるだろう。
 そして、同日には岸川所属のブレーメンvs.高木和所属のユーリッヒの一戦が行われた。まずはトップで岸川が登場。イングランド期待のドリンコールに2-3で敗れた。続く2番では高木和がベテランのケーン(オランダ)をゲームオールで下して、ユーリッヒが2-0が王手。3番ではブレーメンのヒールシャー(ドイツ)がロスコフ(ドイツ)を下して、1-2と挽回した。そしてここで岸川聖也vs.高木和卓の日本人対決が実現。新旧インターハイ王者対決でもあるこの対戦は、世界選手権代表の岸川が意地をみせて3-1で勝利。ラストにつなげると、ケーン/ヒールシャー組がロスコフ/ドリンコール組を下して、ブレーメンが0-2からの大逆転で勝利を収めた。

梅村礼(ホルスターハオゼン)
4月4日 vs.ハノーバー
○梅村 8、-5、-10、9、9 丁亜萍
通算:単14勝7敗、複2勝2敗

松平健太(フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ)
4月5日 vs.グレンツァオ
○松平 8、7、12 ブラシュチック
通算:11勝3敗、複1勝1敗

岸川聖也(ブレーメン)
4月5日 vs.ユーリッヒ
 岸川 -4、-8、6、8、-4 ドリンコール○
○岸川 4、8、-6、8 高木和
通算:単5勝7敗、複2勝

高木和卓(ユーリッヒ)
4月5日 vs.ブレーメン
○高木和 4、-10、11、-9、10 ケーン
 高木和 -4、-8、6、-8 岸川○
通算:単10勝10敗、複1勝1敗

 遅くなってしまいましたが、先々週末のドイツ・ブンデスリーガ1部に出場した日本人選手の結果をお伝えします。

 3月28日、ホルスターハオゼンの梅村礼はボーブリンゲン戦に出場。1番手として起用されたが、1番ではデンマーク代表のスコフに0-3、4番では元ドイツ代表のゴッチェに0-3で敗れた。しかし、翌29日のバートトリブルグ戦では、リー・ビン(ハンガリー)を3-1で下し、ラストのダブルスでも3-1で勝利して、チームの勝利に貢献した。

 ユーリッヒの高木和卓は29日のゲナン戦に出場。3番でメンゲル(ドイツ)をストレートで下し、チームの勝利を決めた。

梅村礼(ホルスターハオゼン)
3月28日 vs.ボーブリンゲン
 梅村 -9、-5、-10 スコフ○
 梅村 -4、-7、-10 ゴッチェ○

3月29日 vs.バートトリブルグ
○梅村 6、2、-7、4 リー・ビン
○梅村/バーテル -8、9、7、6 シ・チー/リー・ビン
通算:単13勝7敗、複2勝2敗

高木和卓(ユーリッヒ)
3月29日 vs.ゲナン
○高木和 9、4、13 メンゲル
通算:単9勝9敗、複1勝1敗

 3月13・27・29日にECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子準々決勝第2戦が行われ、準決勝に進出する4チームが決定した。

 準々決勝第1戦でエヌボン(フランス)に敗れているニーダーオーストリア(オーストリア)は、トップで陳衛星(オーストリア)が柳承敏(韓国)に3-2で勝利、2番でもシュラガー(オーストリア)がクレアンガ(ギリシャ)に3-2で勝利するなど、ECL連覇へ向けて望みをつなげたが、ここから3失点で2-3の逆転負け。昨季王者はベスト8で姿を消した。

 ドイツ代表チームが顔を揃えるデュッセルドルフ(ドイツ)は、オフチャロフの2失点が響いて1-3で敗戦。しかし、第1戦でストレート勝ちを収めているため、準決勝進出が決定した。

 予選グループDで1位通過してきたボゴリア(ポーランド)は第1戦に続いて、1-3でオクセンハオゼン(ドイツ)に敗れた。新規チームの快進撃はここでストップしたが、来季以降も注目だ。

 松平健太所属のフリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ(ドイツ)は、2-3でシャルロワ(ベルギー)に敗れ、準々決勝敗退が決まった。松平は第1戦と同様にセイブと対戦したが、1-3で敗れた。

 準決勝は世界選手権目前の4月中旬に行われる予定。対戦カードはデュッセルドルフvsシャルロワ、エヌボンvsオクセンハオゼンだ。

●ECL男子準々決勝 ※左側のチームがホーム
3月13日
シャルロワ 3-2 フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ

3月27日
ニーダーオーストリア 2-3 エヌボン

3月29日
デュッセルドルフ 1-3 カジャグラナダ
ボゴリア 3-2 オクセンハオゼン
 3月23日付けのトピックスでお伝えしたように、男子はボル(ドイツ)が単複2冠を達成し、女子は日本の平野早矢香(ミキハウス)が優勝したITTFプロツアー・ドイツオープン(3月19~22日)。06年世界選手権大会の開催地でもあったブレーメンで4日間行われた同大会の観客動員数が9500人以上にのぼっていたことがわかった。

 また、地元のテレビやラジオでは連日放送され、ドイツ国営放送のZDFでも最終日に5分間だけハイライトが放送された。さらに中国のCCTVでも決勝戦の模様が生中継されるなど、世界選手権を1ヶ月後に控えた注目の大会をドイツ国内外の多くの卓球ファンが見守った。
 3月14~15日、ドイツ・ブンデスリーガ1部の試合に日本人選手が出場した。

 ブレーメンの岸川聖也は14日のオクセンハオゼン戦に出場。2番で荘智淵(チャイニーズタイペイ)と対戦したが、ストレートで敗れてチームも0-3で敗戦。
 ホルスターハオゼンの梅村礼は、クロッパッハ戦に出場。3番でドイツ代表の呉佳多と対戦しゲームオールで勝利。チームは1-3で敗れてしまったが、無敗で首位を走るクロッパッハに一矢報いた。

 翌15日、ユーリッヒの高木和卓はプリューダーハオゼン戦に出場。2番で梁柱恩(香港)と対戦したが1ゲームを奪うにとどまり、1-3で敗北。チームも1-3で敗れた。
 フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグの松平健太はゲナンと対戦。3番で格下のメンゲル(ドイツ)と戦い、3-1できっちりと勝利。今季10勝目に到達。チームもストレートで勝利した。

岸川聖也(ブレーメン)
3月14日 vs.オクセンハオゼン
 岸川 -5、-4、-6 荘智淵○
通算:単4勝6敗、複2勝

梅村礼(ホルスターハオゼン)
3月14日 vs.クロッパッハ
○梅村 -9、5、-8、3、9 呉佳多
通算:単12勝5敗、複1勝2敗

高木和卓(ユーリッヒ)
3月15日 vs.プリューダーハオゼン
 高木和 -6、-10、11、-6 梁柱恩○
通算:単8勝9敗、複1勝1敗

松平健太(フリッケンハオゼン・ヴュルツブルグ)
3月15日 vs.ブレーメン
○松平 4、-8、5、3 メンゲル
通算:10勝3敗、複1勝1敗

 先日、ヨーロッパ各国で行われた国内選手権のトピックスをお伝えしたが、また新たに情報が入ってきたのでお伝えしよう。

 オランダでは、女子シングルスで元ヨーロッパ女王のリー・ジャオが優勝。36歳の大ベテランは「私が国内最強だということを証明したかった」と喜びを口にした。男子は国際的には無名のチー・シャオフォンが優勝。「ケーンやハイスターが全盛期の時代に優勝したかった」と優勝しながらも、決して満足はしておらず自らを引き締めるようなコメントを残した。

 スウェーデン男子は、ルンクイストが決勝でアクセルクイストを破り、優勝。女子は05年世界選手権上海大会から代表として活躍しているエクホルムが優勝した。

 ルーマニアでは、女子のサマラがシングルス、ダブルス(ドデアンとのペア)、混合ダブルス(フィリモンとのペア)で3冠。シングルス準優勝はドデアン、3位にはイリチとスゾクスが入り、若い選手が表彰台を占めた。男子シングルスはドデアンが優勝。ちなみに、男子のドデアンはエイドリアン・ドデアンで、女子のドデアンはダニエラ・ドデアンです。

 オーストリアは、男子でR.ガルドスが2冠。シングルス決勝では陳衛星を下している。ダブルスではK.ガルドスとの兄弟ペアで優勝を果たした。女子は大本命のリュウ・ジャが3冠を達成している。