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トピックス

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 3月19〜24日、エルサルバドル・サンサルバドルでITTFラテンアメリカ選手権が行われ、男子は20歳のアギレ(パラグアイ)が、女子は17歳のクマハラ(ブラジル)が優勝し、男女とも新チャンピオンが誕生した。
 男子シングルスの決勝は第3シードのアギレが第1シードのマツモト(ブラジル)をゲームオールの末破り優勝。同胞対決となった女子シングルスは、第2シードのクマハラが第5シードのシルバ(ブラジル)を4-1で破り勝利を決めた。
 世代交代がなかなか進まなかったラテンアメリカだが、今大会の若手チャンピオンの誕生は、新旧交代を意味する明るいニュースだろう。

 また、団体戦ではブラジルが男女とも優勝。決勝で男子はアルゼンチンを、女子はチリを破りアベック優勝を果たした。

各種目の優勝結果は以下のとおり。

【ITTFラテンアメリカ選手権優勝記録】
● 男子団体:ブラジル
● 女子団体:ブラジル
● 男子シングルス:アギレ(パラグアイ)
● 女子シングルス:クマハラ(ブラジル)
● 男子ダブルス:ギラベルト/テンぺリー(アルゼンチン)
● 女子ダブルス:モラレス/ヴェガ(チリ)
● 混合ダブルス:ジョウティ/クマハラ(ブラジル)
● アンダー21男子:イシイ(ブラジル)
● アンダー21女子:ヴァーガス(ペルー)
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キリンビバレッジ株式会社 首都圏地区本部 市場開発部
営業担当 元谷 信次
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 今月末のワールドチームクラシックに出場する男子のスウェーデン。主力は33歳のルンクイストと30歳のイエレル、そして若手のK.カールソンとM.カールソン。スウェーデンの若手はルンクイストとイエレルという壁を越えていなくてはいけない。
 ルンクイストは97年から国際大会に出場し、世界ランキング最高位は2003年の19位、イエレルは2003年から国際大会に登場し、最高位は2010年の36位。この二人のベテランには引き継ぐべき重い荷物があった。それは偉大な先輩たちの功績だった。1962年にハンス・アルセアがヨーロッパチャンピオンになり、その後、世界ダブルス優勝を遂げ、シェル・ヨハンソン、そしてベンクソンが現れ、1973年に世界団体優勝を達成。その後も1989年に世界団体優勝とワルドナーのシングルス優勝、そしてパーソンの優勝、2000年の世界団体優勝と、スウェーデンは卓球界で王朝を維持してきた。
 そのベテランたちと若手で構成するスウェーデン男子は第7シードとして、3月31日にスタートするワールドチームクラシックに出場する。
●ITTFニュースより

 スウェーデンは脈々と世界の卓球史に名を刻んでいるNever Ending List(終わりなきメンバー)のチームだとITTFのWEBライター、イアン・マーシャル氏は綴っている。しかし、実際には2004年アテネ五輪のワルドナーの4位、2008年北京五輪のパーソンの4位あたりで「スウェーデン時代」は終わっている。
 スウェーデンリーグでプレーした日本選手によれば、「スウェーデン選手は練習をしない。練習時間が短い」と嘆く声が聞こえる。スウェーデン王朝衰退の理由は明らかだ。絶対的な練習量の不足だ。
 スウェーデンでも、卓球だけに集中する環境が乏しく、アルセア、ベンクソン、ワルドナー、パーソンの時代のようにプロフェッショナルとして厳しい環境はなく、勝つことへのハングリーさを失っている。子どもたちは憧れるスターを失い、卓球へのモチベーションが低いのだろう。
 卓球王国で発売中のDVD「スウェーデン時代」を見ても、当時の選手やスタッフのモチベーションの高さ、厳しい練習はやはり中国を倒すだけのものだった。オールドファンにとっては、スウェーデン復活を望む声はあとを絶たないが、現実は難しい。
  • ベテランのルンクイスト

  • ロンドン五輪にも出場したイエレル

 韓国の映画『ハナ〜奇跡の46日間〜』は、1991年世界戦千葉大会の時に、韓国と北朝鮮が南北統一チームとして戦い、女子団体で金メダルを獲ったときの実話をもとに描いている。
 日本で試写会があったのは、昨年の4月。韓国ではそのあとすぐの5月に公開され、まずまずの興行成績を上げたそうだ。本誌でも7月号(12年5月21日発売号)で紹介したが、それから日本での公開の情報がなかなか届かず、やきもきしていたところ、10月になってようやく日本での公開予定が決まり、記者会見&2回目の試写会を開くとの連絡が入った。
 昨年の4月には、この映画のモデルとなった元世界チャンピオンの玄静和(韓国)さんにインタビューをすることができた。今回の来日(12年11月2日)は、その玄静和役をつとめる主人公の女優(ハ・ジウォンさん)と映画監督のふたり。ダメもとですぐにインタビューを申し込んだところ、快諾を得ることができた。配給元が用意してくれた高級ホテルの一室。このたぐいのインタビューは通常5〜10分といったところが一般的で、卓球王国としても直接話が聞けて、卓球王国独自の写真撮影ができれば…というつもりで申し込んだのだが、結果的には異例の1時間という長い時間をいただくことができ、いろいろな話を聞くことができた。
 さて、卓球王国としてはこの記事を少しでも早く掲載したかったのだが、肝心の日本公開日が決まらない。11月に2回目の試写会があったが、それから公開は年明けになるのか、3月になるのか、と延び延び。配給元の苦労もしのばれる。2月末になってようやく公開日が決定するという情報を得て、3月発売の卓球王国5月号に晴れて掲載することができた。監督と女優さんには映画撮影での苦労話や、映画にかける思いなどを聞いている。
 
 ぜひ、手にとって読んでみてください(p.108〜112)。日本での公開は4月20日からです。公開する場所が限られているので、ホームページをチェックして観に行ってくださいね。絶対におすすめです。卓球好きの人なら感動しないわけがありません!!   http://hana46.jp/
 あ、ちなみに、タイトルは『KOREA』から『ハナ』に変わりました。その理由も本誌に掲載しています。
※写真はムン・ヒョンソン監督と主演のハ・ジウォンさん
 2月10日に逝去した元世界チャンピオンの荘則棟。彼の10年前のインタビューは、当時卓球関係者の話題をさらった。それまで中国卓球界でタブーのような話題にも踏み込み、赤裸々に荘則棟が語ってくれたからだ。
 3月21日発売の卓球王国ではそのインタビューをアーカイブとして掲載し、追悼の言葉を、ライバルであり、友人であった木村興治さん(国際卓球連盟副会長)が贈っている。
 荘則棟は世界選手権で3連覇した偉大なチャンピオンとして世界卓球史に名を残しているが、71年の「ピンポン外交」でもその主役を務めた人物だ。その時の話は今後インタビューの中にも登場するが、それがきっかけで米中の国交が締結し、それに触発され、72年には日中国交回復が実現した。つまりスポーツ外交によって、政治が動いた最たる例がピンポン外交で、その中心にいたのが荘則棟だった。
 同じように、スポーツ外交を通して政治が動いた例は、「もうひとつのピンポン外交」。それは91年の世界選手権千葉大会の南北朝鮮統一チーム「コリア」だ。休戦状態の北朝鮮と韓国を卓球というスポーツでひとつにまとめた画期的なスポーツ外交だった。その中心にいたのは当時、国際卓球連盟会長の荻村伊智朗だ。
 この時のコリアの様子は多少デフォルメされながらも4月に公開される映画「ハナ」が面白く、また感動的に表現している。
 写真は、若き日の荻村伊智朗と荘則棟のツーショット。奇しくもこの二人がスポーツ外交で世界の歴史を動かした卓球人である。
 長く日本の男子卓球界を支え、協和発酵キリンを退社し、新しい道を歩む田㔟邦史さん、坂本竜介さん。田㔟さんは全日本選手権の男子ダブルスで2回、混合ダブルスで2回優勝を果たし、09年世界選手権横浜大会では妻の美貴江さんと組んだ混合ダブルスに出場している。全日本選手権のシングルスでもベスト4に入り、入賞している。4月からはナショナルチームのコーチとして倉嶋洋介監督をサポートすることになっている。
 坂本竜介さんは岸川選手とともに02年にドイツへ卓球留学。ブンデスリーガで活躍後に協和発酵キリンに入り、全日本選手権では混合ダブルスで優勝、シングルスでもベスト4に入った実績を持っている。やはり4月からは東京・新宿で卓球場をオープンさせ、プロコーチの道を歩む。
 二人の技術特集を卓球王国でも予定している。

お二人の引退コメント動画はこちら。
田㔟邦史選手引退コメント
坂本竜介選手引退コメント
  • 田㔟邦史さん

  • 坂本竜介さん

 年に2回行われるアジア選手とヨーロッパ選手の対抗戦「アジア・ヨーロッパオールスター」が3月16〜17日に中国・青島で開催。第1戦はヨーロッパが3-2で勝利したが、第2戦はアジアチームが爆発。5戦全勝でヨーロッパを一蹴。トータル7勝3敗とし、アジアチームの勝利で終わった。
 日本からは水谷隼(beacon. LAB)が出場。第1戦は陳衛星(オーストリア)を3-1で、第2戦はフレイタス(ポルトガル)を3-2で下し、2勝0敗とチームの勝利に貢献した。
 また、第1戦の第3試合では五輪・世界王者の張継科(中国)が五輪でも接戦となったサムソノフ(ベラルーシ)に苦戦。ゲームオールの接戦の末、サムソノフに2-3で敗れ1敗を喫した。

 2013年の第2戦目となるヨーロッパでのイベントの詳細は現在のところ未定。

【アジア・ヨーロッパ対抗戦】
● 第1戦(アジア 2-3 ヨーロッパ)
○水谷隼(日本/WR9) 3-1 陳衛星(オーストリア/WR30)
 朱世爀(韓国/WR13) 0-3 クリサン(ルーマニア/WR19)○
 張継科(中国/WR3) 2-3 サムソノフ(ベラルーシ/WR11)○
 荘智淵(チャイニーズタイペイ/WR6) 0-3 オフチャロフ(ドイツ/WR7)○
○ 江天一(香港/WR15) 3-2 フレイタス(ポルトガル/WR22)

● 第2戦(アジア 5-0 ヨーロッパ)
○ 水谷 3-2 フレイタス
○ 江天一 3-1 クリサン
○ 荘智淵 3-1 サムソノフ
○ 張継科 3-0 オフチャロフ
○ 朱世爀 3-1 陳衛星

最終結果:アジア 7-3 ヨーロッパ
 3月12~17日に、東京・大田区総合体育館で行われた第65回東京選手権。6日間にわたり熱戦が繰り広げら、男女計22種目のチャンピオンが決定した。

 男子シングルス決勝は、張一博と大矢英俊の東京アートの同士討ちとなった。先に大矢が3ゲームを連取し、4ゲーム目も10-7で大矢がリードしていたが、ここから張が怒涛の反撃を見せ逆転。フルゲームにもつれた試合となったが、7ゲーム目に6-9で張にリードを許した大矢が捲りに捲って初優勝を飾った。

 また女子シングルス決勝は、2年連続で同じ顔ぶれに。2連覇を狙った肖萌(アスモ)は、ゲームカウント2-0から彭雪(サンリツ)に4ゲームを連取され逆転負け。女子はベスト4にこの2名と劉莉莎(専修大)の3名の中国人選手がランクインした。

各種目の優勝者は以下のとおり。なお本大会の模様は、卓球王国6月号に掲載予定です。

【男子】
●シングルス:大矢英俊(東京アート・東京)
●ダブルス:上田仁/松原公家(青森大・青森)
●サーティ:三田村宗明(リトルキングス・神奈川)
●フォーティ:小林仁(21クラブ・三重)
●フィフティ:小野守(MD相模・神奈川)
●シックスティ:政本尚(三条栄・奈良)
●ローセブンティ:武山嘉成(ブルーグリーン・東京)
●ハイセブンティ:澤田秀夫(ドンペリ・富山)
●エイティ:桑原繁夫(卓楓会・東京)
●ジュニア:坪井勇磨(青森山田高・青森)
●カデット:竹崎千明(野田学園中・山口)

【女子】
●シングルス:彭雪(サンリツ・東京)
●ダブルス:福岡春菜/土井みなみ(中国電力・広島)
●サーティ:内田望(千代田区・東京)
●フォーティ:佐原有美(圓クラブ・愛知)
●フィフティ:稲川佳代(COLOR・東京)
●シックスティ:島田美鈴(淑友クラブ・東京)
●ローセブンティ:長澤征代(つばさクラブ・東京)
●ハイセブンティ:土屋慶子(卓美会・東京)
●エイティ:土佐昭子(浜卓会・神奈川)
●ジュニア:平野美宇(ミキハウスJSC山梨・山梨)
●カデット:馬場麻裕(大成中・兵庫)
  • 大矢が全国規模の大会でタイトルを手にしたのは、08年の全日学選抜以来のこと

  • 05年の世界ジュニアでは丁寧(中国)とダブルスを組んで優勝を果たしたこともある彭雪

 3月15日にITTF(国際卓球連盟)が公開した世界選手権パリ大会でのAGM(年次総会)における提案を公開した(186ページ)。その中で、9日の日本卓球協会でも報告された「裏ソフトの反発上限数値を決める」というITTF理事会への提案が明らかになった。
 その主な部分は以下の通りである。

 今後、卓球メーカーはスポンジとトップシートが貼り合わせられたもので公認申請を受けること(今まではトップシートだけ)。ITTFは今後、裏ソフトラバーの反発(ボールのバウンド)の上限数値を決めていく。裏ソフトラバーに関しては現在市場でのメジャーなラバーによって上限数値を決める。ラバーの公認申請の際、この上限数値以内のラバーだけを公認する。バウンドの測定器はITTFが公認する。
 ITTFは試合の準々決勝以上の試合で負けた選手は審判の前でラバーをはがし、渡すこと。優勝者は決勝後に渡す。もし選手のラバーの数値が上限数値を超えた場合は、処罰を受ける。また、大会中に審判は抜き打ちで測定してもよいし、ITTFはラバーをはがした後のラケットの平面性を測定する。
 ITTFは13年9月30日までに上限数値を決め、10月1日に発表する。実施は14年1月1日からの国際大会からとする。

 この背景は以前のトピックスで紹介したように、補助剤(ブースター)禁止である。上限数値を決めることで既存のラバーにブースターを塗る行為を防ごうというものだ。しかし、今回の提案はブースターに関しては触れていない。あくまでもラバーの反発を抑制することで用具偏重をなくし、用具のフェアネスを実行しようというものだ。
 この提案は、現在、トップ選手が使用しているテナジー系のラバーの反発を上限数値として、今後のラバーはその数値以内におさめると読み解くことができる。つまり、この日本卓球協会からの提案がもし認められれば、用具開発や卓球メーカー、卓球市場に大きな衝撃が走るだろう。しかし現実的にはITTF理事会でこの提案が通過するかどうかは微妙。1959年以来の用具に関する大きなルール変更になるからだ。
 「レスリングが2020年からの五輪競技からの除外候補になった」というニュースでホッと胸をなで下ろした卓球関係者は少なくない。
 以前から、一国(中国)がメダルを独占する卓球が五輪競技にふさわしいのかという議論がされてきたからだ。今回、近代五種、テコンドー、レスリングが五輪の中核競技からの除外対象となり、投票の結果、レスリングが除外候補になり、5月のIOC(国際オリンピック委員会)理事会にはかられる。

 IOCでは39の項目で、競技の適正の分析がされるが(詳しくは3月21日発売号の稲垣康介氏のコラムを参照)、卓球は二つのアドバンテージがある。それは各大陸での普及と国や地域の協会数が多いこと。そしてテレビでの視聴率(中国で圧倒的な視聴率を誇っているためと言われている)。しかし、常に除外対象に近い競技とも言われてきた。今回も、「卓球は上記の3競技の、次の対象グループだったらしい」ことを関係者はにおわせている。

 そして、現在、中国のメダル独占だけでなく、卓球競技が抱えている問題で一般的に公になっていないことに用具ドーピングと言えるブースター(補助剤)問題と、それに付随したフェアネス(平等性)と健康の問題がある。もし、これが浮上した場合、IOC委員に対しての心象が相当に悪くなることが十分に予想される。
 五輪憲章でうたわれている原則と照らし合わせても、このブースター問題はフェアネスと選手の健康という点で卓球関係者は危機意識を持つべきではないだろうか。
 卓球のルールで禁止されているブースターが一部の選手に使われることによりアンフェアな状況であること。それはまさにドーピングのように用具を増強し、相手をだます行為であること。加えて、オイル系のブースターが人体に有害な面を持つという報告がITTF(国際卓球連盟)に上がっていることを考えれば、上記の問題を早急に解決しなくては、卓球も明日は我が身、ではないだろうか。