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フォルクスワーゲンオープン

 石垣優香がドイツのバーテルに完勝し、見事な優勝を飾った。「決勝なので自分のもてるものを全部だそうと思ってやれたのが良かった。実力以上のものを出せた。みんなに拍手してもらって、絶対優勝したいと思いました。決勝の相手はフォア表ソフトで、ゆるいボールがあまり好きでないので、それをしっかり対処しようと思っていた。いろんな大会に出させてもらっているので国際大会で勝てるような選手になりたい。以前と比べて攻撃が良くなった。将来、世界選手権に出たいです」と優勝後、石垣はうれしそうに語った。
女子21歳以下決勝
石垣優香(日本) 5,6,13、2 バーテル(ドイツ)
●女子ダブルス準決勝
郭躍/李暁霞(中国) 8、-8、8、9、-4、-9、9 王楠/張怡寧(中国)
金キュン娥/朴美英(韓国) 9、9、6、-9、11 林菱/柳絮飛(中国香港)

 世界選手権ザグレブ大会決勝の再現となった中国勢同士の対戦は、郭躍/李暁霞がザグレブ大会のリベンジ。両ペアとも左右から繰り出す強烈なドライブの応酬となった。
 準決勝のもう一試合は、韓国のカットペアが中国香港ペアに勝利。韓国ペアが低くて良く切れたカットで粘り強く返球し、豪打の香港ペアが根負けした形になった。
 全日本チャンピオンの水谷隼が一般では敗れたものの、21歳以下の部の決勝で韓国の趙彦来をゲームオールの大接戦の末に破り、見事な優勝を決めた。今までプロツアーの21歳以下の部には出場をほとんどしてなかったが、今大会は地元ということで出場。そして実力を発揮し、強敵の趙彦来を破った。「趙彦来とは何回も対戦していて、やりやすいタイプだった。自分のプレーが出来れば勝てると思っていた。最後にレシーブで逆を突いて得点したのは、5ゲームで効いていたので最後に使った。これから北京五輪の前にアジア大陸予選があって、韓陽が自動推薦枠を通過したら、日本からは2人になるので、早くランキングを上げたい。日本では9月からグルー禁止になるので、それも考えてやっていきたい。気持ち的には21歳以下の準決勝で思うようにプレーは出来なかったが、決勝に入る前にマイナスな気持があった。まわりが盛り上げてくれた。それが勝利につながった。ダブルスで対戦した王励勤は全ての技術で自分より上だったが、ダブルスではラリーで得点も出来たので、絶対勝てない相手ではない。向こうが凡ミスはないし、格上なのに受け身にならずに攻めてきた」と優勝後の水対隼のコメント。

●男子21歳以下決勝
水谷隼(日本)  12,ー9,ー9,9,6,ー8,8 趙彦来(韓国)

Photo左:ラケットに吸い付くような抜群のボールセンスで会場を唸らせた!
Photo右:アンダー21でアベック優勝の石垣とハイタッチ!
 中国香港代表としてのキャリアは浅いが、世界ランクを36位まで上げている唐鵬。男子では珍しいバック表ソフトの速攻型。女子で準決勝に進出した姜華君と同様、「ピチッ」と音を立てる中国製表ソフト独特のミート打法がよく入る。運動能力も高く、前陣で見せる反応や全身を使ったドライブには動物的な俊敏さがある。
 世界選手権大阪大会のヒーローとして凱旋した劉国正を、ストレートで破ったのは2001年の全中国運動会。香港に移住して、当時に比べるとやや日焼けしただろうか。

 世界ランク3位の王皓との対戦では最初の2ゲームを簡単に落とし、ワンサイドゲームかと思われたが、なんとここから3ゲーム取り返し、第6ゲームも序盤をリードして「あわや」と思わせた。中国香港も李静、高礼澤、張ユクらがそろそろ世代交代の時期。この唐鵬や、同じ移住組で松下浩二を1回戦で破った江天一らが、次代を担うことになるのか。
●男子シングルス準々決勝
馬龍(中国) 7、11、1、3 馬琳(中国)
呉尚垠(韓国) 4、7、6、-10、12 李静(中国香港)
王皓(中国) 5、4、-9、-8、-4、7、3 唐鵬(中国香港)
王励勤(中国) 8、10、7、9 オフチャロフ(ドイツ)

 中国への挑戦権をかけた注目の一戦。呉尚垠vs李静は思いがけない一方的な展開。アジアンバズーカの呉尚垠が、中国香港の棟梁・李静を全く相手にしなかった。雄大な体に似合わない繊細なタッチから繰り出される台上フリックで先手を取ると、続いて襲いかかるは得意のバックハンドドライブ。
 終始、自分のペースで試合を運んだ呉尚垠が、いよいよ頂点を視野に入れている。
●女子シングルス準々決勝
姜華君(中国香港) 8、4、6、-6、5 王越古(シンガポール)
郭炎(中国) 8、11、-6、-6、-8、9、5 帖雅娜(中国香港)
郭躍(中国) 3、5、-9、9、9 リ・ジャウェイ(シンガポール)
王楠(中国) 8、-14、-8、7、7、6 李暁霞(中国)

やはり残った中国の3選手。郭炎と対戦した帖雅娜、郭躍と対戦したリ・ジャウェイは得意のスマッシュで常に攻める姿勢を失うことはなかったが、最後はやっぱり中国選手。
個人競技において、「中国選手」とくくってしまうのはおかしいかもしれないが、それだけ中国選手の技術は他国と比べても抜けている。
●女子シングルス準々決勝
郭炎(中国) 8、11、-6、-6、-8、9、5 帖雅娜(中国香港)
姜華君(中国香港) 8、4、6、-6、5 王越古(シンガポール)

 帖雅娜の水平スマッシュ、ミート打ちバックハンドを粘り強く返球した郭炎がベスト4進出。昨年決勝で敗れた雪辱を晴らすまで、あとふたつとした。また、今大会の台風の目になっている姜華君が昨年の覇者・王越古に完勝した。

Photo左:粘り強い両ハンドドライブで帖雅娜を攻略した郭炎
Photo右:帖雅娜、ベスト4入りを目前にしてストップ
馬琳(中国) 8、6、7、6、8 陳衛星(オーストリア)
馬龍(中国) 8、-10、9、-8、-6、7、5 コルベル(チェコ)
李静(中国香港) 8、5、5、2 ガオ・ニン(シンガポール)
呉尚垠(韓国) 3、7、5、-6、-9、9 メイス(デンマーク)
王皓(中国) 4、8、-4、6、4 シュラガー(オーストリア)
唐鵬(中国香港) -8、9、-7、9、8、-7、6 ヤン・ツー(シンガポール)
オフチャロフ(ドイツ) 5、-8、-6、9、7、-5、7 朱世赫(韓国)
王励勤(中国) 9、9、7、4 プリモラッツ(クロアチア)

 職人・李静がきっちり仕事をこなしていく。今大会は中国勢も多数参戦していることから、必然的に中国勢に注目が集まっているが、そんな中で着実に勝ち上がっているのが、いぶし銀の李静。
実力文句なしの李静が、勢いに乗っているガオ・ニンを全く寄せ付けなかった。
非常に不気味な存在である。
 男子シングルス3回戦、昨日柳承敏を下したオフチャロフと、世界最強のカットマン・朱世赫との一戦は見応えのあるパワードライブとカットの応酬に。ブツ切りカットからの強力な反撃を持つ朱に対し、ループドライブとストップで崩しにかかる選手が多い中、オフチャロフはひたすらパワードライブ連打。ボールが割れて、第6ゲームの始めからニューボールに取り替えるほど。反撃を食らい、中陣に下がったら実に粘り強く、そしてドライブを打ち始めたら巨大な扇風機のように打ちまくる。最終ゲームも弱気にならず、若武者・オフチャロフが朱世赫を寄り切った!

●男子シングルス3回戦
オフチャロフ(ドイツ) 5、-8、-6、9、7、-5、7 朱世赫(韓国)
 男子シングルス3回戦、馬龍(中国)とコルベル(チェコ)が対戦。18歳にしてすでに世界トップクラスの実力を備えながら、世界選手権ザグレブ大会では朱世赫のカットを打ちあぐんだ馬龍。試合巧者のコルベルに対して、バック対バックで互いに出方を探り合いながら、機を見て回り込み、威力のあるフォアドライブを打つ。パワー勝負では分が悪いコルベルも、巧みな逆モーションの3球目ドライブなどで対抗するが、最後は動き切った馬龍がゲームオールの接戦を制した。

●男子シングルス3回戦
馬龍(中国) 8、-10、9、-8、-6、7、5 コルベル(チェコ)