スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

フォルクスワーゲンオープン

全日本チャンピオンの平野と、注目の14歳石川のダブルスは、世界1位の郭躍、2位の李暁霞の中国ペアに完敗した。後半はラリー戦に持ち込むこともあったが、やはり現時点でボールの威力と台上プレーで中国ペアが上。「世界の強さ」を実感した試合となった。

女子ダブルス準々決勝
平野/石川(日本)  ー9、ー6、ー8、ー6  郭躍/李暁霞(中国)
●アンダー21女子準々決勝
石垣(秀光中等教育) 4-0 于国詩(中国香港)
若宮(尽誠学園高 4-1 マー・ミンルー(シンガポール)

 石垣は中国香港の若手にストレートで完勝。一昨年に続く優勝まであとふたつとした。
 第1コートでプレーした若宮は、バック面表ソフトでマーを前に揺さぶり、思い切りの良いフォア強打を叩き込む。ずんぐりむっくり(失礼)の体つきだがスイングはなかなかシャープ。香川・高瀬中から女子卓球部を新設した尽誠学園高に進み、エースとして活躍する若宮。名門校に選手が集中する中、なかなか頼もしい選手だ。
 大会第3日目を迎える6月23日。今日は男女シングルスでベスト4、男女ダブルスは決勝を戦う2ペアが決定。アンダー21は男女シングルス決勝まで行われる。男女シングルスの対戦は以下のとおり。

●男子シングルス3回戦(ベスト8決定戦)
馬琳(中国) vs. 陳衛星(オーストリア)
コルベル(チェコ) vs. 馬龍(中国)
ガオ・ニン(シンガポール) vs. 李静(中国香港)
呉尚垠(韓国) vs. メイス(デンマーク)
王皓(中国) vs. シュラガー(オーストリア)
唐鵬(中国香港) vs. ヤン・ツー(シンガポール)
オフチャロフ(ドイツ) vs. 朱世赫(韓国)
王励勤(中国) vs. プリモラッツ(クロアチア)

 世界チャンピオン・王励勤、05年の本大会で敗れているプリモラッツとの対戦。プリモラッツも今大会は荘智淵をストレートで破るなど、好調だけに気合いを入れて戦いたい。

●女子シングルス3回戦(ベスト8決定戦)
張怡寧(中国) vs. 姜華君(中国香港)
王越古(シンガポール) vs. 藤沼亜衣(ミキハウス)
帖雅娜(中国香港) vs. 林菱(中国香港)
金沢咲希(日本生命) vs. 郭炎(中国)
郭躍(中国) vs. 高軍(アメリカ)
李恩姫(韓国) vs. リ・ジャウェイ(シンガポール)
李暁霞(中国) vs. リュウ・ジャ(オーストリア)
王楠(中国) vs. 福原愛(ANA)

 ベスト16に進出した福原愛の対戦相手は、かつて超級リーグ・遼寧鞍鋼チームのチームメイトで、尊敬する選手のひとりである王楠だ。

Photo:中国女子チームのコーチ、孔令輝の後ろに、本誌編集部員の久保(写真左)と、本誌発行人・高橋のアシスタントである江藤くん。大会初日に撮影された奇跡(?)のスリーショットです…
●男子ダブルス1回戦
岸川/水谷 -11、-6、8、8、4、-6、5 朱世赫/趙彦来(韓国)

 昨日、試合後のコメントで「ダブルスは今大会はシードなので、1回勝てば王励勤・陳杞と対戦できる。世界選手権の(男子ダブルスの)結果がまぐれだったのかどうか確かめたい。まずは1勝して中国ペアに挑戦したい」と語った水谷隼。
 しかし、ダブルス1回戦の対戦相手、朱世赫/趙彦来も難敵。中陣からでもパワーで打ち抜く趙、攻撃選手並みのパワードライブを放ち、不利なラリー展開をブツ切りのバックカットでリセットしてしまう朱のペアリングは悪くない。
 勝負は最終ゲームまでもつれ込んだが、ここで岸川、水谷ともに思い切りの良いプレーを連発。水谷が逆モーションの流しフリックでノータッチをとるシーンもあり、世界ベスト8の自信を感じさせる充実のプレーを見せた。
 さあ、明日は男子ダブルス準々決勝で王励勤/陳杞と対戦だ。

Photo左:岸川/水谷、1回戦をしっかり突破
Photo右:明日の対戦相手、王励勤/陳杞。ダブルスのスペシャリスト・陳杞の出来はどうか
 中国香港の強豪ペア、帖雅娜/張瑞を破った福岡/田勢。試合後のコメントが届いてきた。

「中国香港のペアは、ダブルスでも実績があるし、組んでから長いペア。2年前に同じペアで対戦して負けていたので、その反省を生かせたと思います(田勢)」
「帖雅娜/張瑞は日本のペアに立ちはだかる壁のように思っていたけど、愛ちゃんと藤沼さんのペアが接戦をしていたので、チャンスがないわけではないと思っていた。勝てたのはゲームオールデュースでも戦術が徹底していて、それをしっかり実行できたから。最後の一本を取った王子サービスは、これまで一本もストップされていなかったので、3球目攻撃で攻めるのを狙っていました。ゲームオール9-9から上回転系の王子サービスを2球連続して払われたけど、焦りませんでした(福岡)」

 福岡/田勢、明日の対戦相手は同じく中国香港の林菱/柳絮飛。ハードな対戦が続くが、完全に勢いに乗った福岡ペアに期待だ。
●女子ダブルス1回戦
福原/藤沼 8、9、-8、10、4 ボージック/呉佳多(ドイツ)
平野/石川 11、-8、8、7、8 ガニナ/コチヒナ(ロシア)
福岡/田勢 12、-13、6、-9、14、-7、13 帖雅娜/張瑞(中国香港)
郭躍/李暁霞(中国) 10、6、1、-11、5 金沢/藤井
 世界選手権ザグレブ大会でボルを破るなど、大活躍して3位に入った韓国の柳承敏が、2回戦でドイツのオフチャロフに敗れる波乱があった。

●男子シングルス2回戦
オフチャロフ(ドイツ) 11、6,ー3、10、ー9,ー3,1 柳承敏(韓国)

 出足からオフチャロフが積極的に両ハンドドライブで柳承敏を攻め、ゲームを3-1とリードするも柳承敏は追いつき最終ゲームへ。ところが7ゲーム目、いきなり5-0とオフチャロフがリードし、試合を決めた。
 柳承敏は世界選手権の疲れなのか、プレーの精彩を欠いた。一方、オフチャロフは18歳の若手で、昨年12月の世界ジュニア選手権で松平健太に敗れ、3位。しかし、今年3月のヨーロッパ選手権では3位に入るなど、現在急成長の若手。有望な若手が少ないヨーロッパの中で、唯一光っている選手だ。柳承敏はその若手に自信とランキングポイントをプレゼントした形となった。
●男子シングルス2回戦
呉尚垠(韓国) 8、3、-11、6、8 韓陽(東京アート)
コルベル(チェコ) 5、-11、-4、9、5、-6、15 岸川(スヴェンソン)

 岸川とコルベルの一戦は、最終ゲームに互いにマッチポイントを取り合い、観客の歓声と悲鳴が交錯するようなクロスマッチとなったが、最後は岸川の勝負をかけた3球目フォアドライブをコルベルがクロスへカウンターブロック。これがノータッチで抜けて、勝負あり。岸川は最終ゲームも7-3と大きくリードしただけに、悔しい敗戦となった。
2回戦
藤沼(ミキハウス) 9、ー9、7、ー9、6、7 スン・ベイベイ(シンガポール) 
金沢(日本生命) 10、8、6、11 伊藤(筑波大)
李恩姫(韓国) 9、8、6、7 平野(ミキハウス) 
リュウ・ジャ(オーストリア) 8、10、4、13 田勢(十六銀行) 
福原(ANA) 3、8、8、10 潘俐君(チャイニーズ・タイペイ)

というわけで、女子は藤沼、金沢、福原の3人が3回戦に進出。
藤沼はワン・ユエグー(シンガポール)、金沢は郭炎(中国)、福原は王楠(中国)との対戦。
3回戦は明日23日午前11時15分(予定です)から行われる。

Photo:久々に充実のプレー。藤沼、上位ランカーを連破してベスト16へ
●男子シングルス
馬琳(中国)3、10、6、6 高木和健(東京アート)
江天一(中国香港) 9、7、8、ー5、7 松下(グランプリ)
コルベル(チェコ) ー7、8、ー7、9、ー8、3、9 松平健(青森山田高) 
岸川(スヴェンソン)9、6、5、ー7、9 ケーン(オランダ)
高礼澤(中国香港)9、9、9、7 吉田(日産自動車) 
李静(中国香港) 11 、6、ー4、ー10、10、2 大矢(靑森大)
韓陽(東京アート) ー11、ー7、3、6、10、4 グルイッチ(セルビア)
スミルノフ(ロシア) 9、ー8、8、ー11、3、7 水谷(青森山田高)
唐鵬(中国香港) 5、5、8、8 坂本(協和発酵)
柳承敏(韓国) 9、ー11、6、11、5 高木和卓(東京アート)
荘智淵(チャイニーズ・タイペイ) 14、5、9、ー7、6 松平賢(青森山田高)
プリモラッツ(クロアチア) 9、9、8、ー11、2 時吉(早稲田大)

 北京五輪を目指すベテラン・松下浩二は、中国から中国香港に移った江天一に敗れた。中盤から次第に動きが良くなり、低いカットで何本も江のドライブをしのいだが、やや凡ミスが目立った。水谷もロシアのエース・スミルノフの前に終始主導権を握れず。もっと先手を取って攻めるプレーを見せてほしいところだ。