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フォルクスワーゲンオープン

 横浜文化体育館は昨日にも増して良い天気。昨夜の激戦から、明けて大会第2日目。女子シングルスの予選リーグがスタートしている。

 昨日の団体戦準々決勝では、日本は男女とも敗れたとはいえ良く頑張った。特に女子の韓国戦は、国と国とのプライドを賭けた真剣勝負。世界選手権に勝るとも劣らぬ名勝負だった。正直な所、カット2枚が加わった韓国にはちょっと厳しいかと思っていたが、日本女子は1・2番手の唐イェ序と金キョン娥から2点を奪い、あと一歩まで追い詰めた。その激戦の模様は、来月発売の8月号で余すところなくお伝えしましょう!

 今日は男女シングルス予選リーグ第2・3戦と、19時半から男女団体準決勝が行われる。初日よりもよりホットな速報をお送りします!
[韓国 3-2 日本]
 金キョン娥 0-3 平野○
 唐イェ序 2-3 福原○
○金キョン娥/朴美英 3-2 平野/福岡
○朴美英 3-2 福原
○唐イェ序 3-2 福岡

 初日から、世界選手権並みのタイトなスケジュールとなりました…。もうすぐ日付が変わります。しかし日本男女の戦いぶりに拍手!
 福岡vs.唐イェ序、最終ゲームは出足で唐に打ちミスが連続し、3-0と福岡がリード。一気に福岡が勝利へ走るかと思われたが、ここから唐が連続ポイント。5本連取、7本連取、唐の勢いは止まらない…。福岡のプレーも決して悪くない。9本連取、10本連取。唐10-3のマッチポイントから最後は驚異的な反応からバックのスーパーブロック。…なんと11本連取で唐が韓国を勝利に導いた。11時22分、終戦。
 しかし、敗れたとはいえ日本女子の戦いぶりは立派。敗れた試合はすべてゲームオールの接戦で、唐イェ序にツインカットをからめた韓国女子に、一歩も引けをとらないことを証明した。
 ラストに出場した福岡春菜。相手チームのエース格である唐イェ序に対し、ゲームカウント1-2とリードを許す。
 しかし、配色濃厚なところから必死に追いすがる福岡。中盤で5-9とリードされながら9-9に追いつく。スマッシュミスが多くでるが、それも勝負を賭けてのこと。無駄な凡ミスは一本もない。
 
 9-9から思い切った4球目回り込みドライブがネットを弾いてオーバー。しかし、9-10から唐のフォアドライブに再び回り込み、バックストレートにスマッシュで打ち抜く。23時を回った会場、それでも会場にはお客さんが70人以上は残っている。たとえ帰れなくても、みんなこの試合は見届けたいのだ。福岡、11-11から長いラリーを自らのフォア強打で決める。続く12-11でも福岡のフォア強打が唐のラケットを弾く。ついにゲームオールに持ち込んだ。唐イェ序の瞳に、勝利への焦りが浮かんでいるように見える。

 福岡、最終ゲームの出足で3-0とリード。唐イェ序が5本連取で3-5と逆転する。頑張れ福岡、心理戦なら勝機は必ずある!
●男子団体準々決勝
[クロアチア 3-2 日本]
 譚端午 -7、-10、9、8、-9 吉田○
 プリモラッツ 9、10、-6、-11、-11 韓陽○
○譚端午/ガチーナ 10、-11、8、7 吉田/岸川
○ガチーナ 12、9、10 韓陽
○プリモラッツ 10、8、9 岸川 

 トップと2番を制して2-0とリードし、準決勝進出は目前と思われた日本男子に、3番ダブルスでまさかの落とし穴。苦心して作った試合の流れは一転してクロアチアに傾き、4、5番でその流れを食い止めることができないまま、クロアチアに敗れてしまった。
 この試合方式のカギはやはりダブルス。前後には5分間の休憩が入るため、大きく流れが変わってしまう可能性がある。

下写真:頼れるポイントゲッター韓陽、2番ではしのぎにしのいで勝利をものにしたが…
 日本女子vs.韓国の大一番。4番の福原愛は朴美英に対し我慢のカット打ち。静かに燃える闘志で戦う。観る者も胃が痛くなるようなシーソーゲームだ。
 ゲームオールは福原が5-3、6-4とリードするが、朴美英も6-6に追いつき、両者ともここからファインプレーの連続。福原のツッツキ、バック軽打が甘ければ、朴美英はすかさず前に出て、攻撃選手を上回るほどのパワードライブを打ち込んでくる。
 福原、一歩抜け出して9-8でリード。ここで福原のボールがエッジかどうか微妙な判定になる。「今の絶対入ったよね?」。振り返ってベンチに言う福原。観客席からも「入った!」「入った!」という声が上がるが、判定は覆ることなく9-9。もしこのボールがエッジならば10-8で福原がマッチポイントだったが…。ここから9-10とマッチポイントを握られた福原、朴美英のアップ系のバックサービスを回り込んで思い切りレシーブ強打するが、無念のオーバーミス。手中に収めたかに思えた勝利は、スルリと福原の指をすり抜けていった。ゲームオール9-11。
 日本女子はラストで福岡が唐イェ序に挑む。一方、日本男子は4番韓陽がガチーナによもやのストレート負けを喫し、奪い返された試合の流れを取り戻せないまま、ラスト岸川がプリモラッツに0-3で敗れて準決勝進出を逃した。ダブルスの怖さをまざまざと見せつけられた。

下写真:最終ゲーム9-8からの一本は、やや疑惑の残る判定。下写真左はエッジをアピールする福原
 時計の針は22時を回った。準々決勝の8試合のうち、現在も試合が行われているのは日本男女の2コートのみ。日本は男女ともダブルスで惜敗、4番で福原愛と韓陽が激戦を展開している。
 これまでに終わった男女準々決勝の結果は以下のとおり。

●男子団体準々決勝
ブラジル 3-2 チャイニーズタイペイ
韓国 3-1 中国香港
中国 3-0 スウェーデン

 ブラジルがなんとチャイニーズタイペイを撃破。4番でモンテイロが荘智淵を3-1で破り、ラストで左日本式ペンドライブ型のマツモトが張雁書とのペンドラ対決を制した。

●女子団体準々決勝
ドイツ 3-0 中国香港
中国 3-0 オランダ
シンガポール 3-1 アメリカ

 中国は郭躍と張怡寧のダブルスをテストし、オランダに圧勝。ドイツはトップでバーテルが林菱を下した一点が大きく、中国香港をストレートで押し切った。

下写真:タイペイ戦でラストを締めたブラジルのマツモト。正統派のペンドラが地球の裏側にしっかり根付いていた
 日本女子が韓国を追い込む一方で、日本男子も奮闘。クロアチアから2-0とリードを奪っている。トップで吉田海偉が譚端午をゲームオール9本。2-0から2-2に追いつかれ、最終ゲームも一進一退の苦しいゲームだった。続く韓陽も大ベテランのプリモラッツにマッチポイントを奪われるところまで追い詰められ、なんとか持ち込んだ最終ゲームも10-7から10-10と挽回を許す。しかし、最後はゲームオール11本で辛勝。日本男子、広州大会以来、簡単に負けるムードは感じられない。ただいまダブルスは、吉田/岸川が譚端午/ガチーナに対し、ゲームカウント0-1の7-6となっている。
 女子団体準々決勝。日本vs.韓国の2番は福原愛と唐イェ序の対戦。福原、出足から気合い十分の戦いぶり。「サアーッ」のガッツポーズこそないが、勝利への執念が観る者にも伝わってくる。得意のバック強打もよく決まり、唐の得意なパターンである早いピッチのラリー戦になる前に勝負をつける。福原、2ゲーム連取。
 しかし、福原を広州大会でストレートで破っている唐にも意地がある。やや受け身だったレシーブをより積極的に、思い切って福原のフォアを狙い、大きく揺さぶってバックをつぶす。バックに切り返す唐の打点の早さは驚異的で、さすがの福原も当てるのが精一杯。唐が第3・4ゲームを連取し、最終ゲームも3-1とリード。苦しい展開の福原。しかし、その表情に諦めの色はまったく見られず、必死の飛びつきで粘る。唐、徐々に福原のプレッシャーに押される。なんと4-4から福原が7本連取。日本女子チーム、イケイケムードでダブルスに突入した!
 女子団体準々決勝。世界団体戦・広州大会に続いて韓国と相まみえた日本女子チーム。トップは平野早矢香と金キョン娥の対決となった。

 序盤から無理をせず、まったくミスのないカット打ちで粘る平野。時たま見せる強打に対して、金の低いカットが入ってくるとまたツッツキでイチからラリーを組み立てる。連続強打でミスする愚を犯すことなく、おでこに「我慢」と書いてあるかのような、根性のカット打ち。金の中陣からのカウンターも必死でブロックする。
 正確なカットが持ち味の金キョン娥もこれにはお手上げ。真綿で締め付けられるように劣勢に陥っていく。第3ゲーム、平野ついにマッチポイント。10-7から浅く浮いたボールを、渾身の力を込めたフォアスマッシュ。目にも留まらぬこの一打が金キョン娥の体に直接ヒットし、勝負あり。平野早矢香、貴重な先制点を挙げた!
 金キョン娥が日本選手に対して、これほど完璧に敗れるのを見るのは初めてだ。