●女子シングルス準決勝
藤沼（日立化成）　8、4、6、8　平野（ミキハウス）

　3連覇を狙った平野にまさかの結末。藤沼にストレート負けを喫した！ 　平野は「藤沼さんとは久しぶりの対戦でしたが、あれだけサービス・レシーブが良いとなかなか自分の展開に持ち込めない」と敗因を語った。準々決勝で対戦した田勢（十六銀行）も藤沼のサービスについて言及しており、よほど調子が良いということか。サービス・レシーブで後手に回ってしまった平野は、いつもより若干台から下がるような形で、打球点を落として打球したところを、藤沼に高い打点で打たれてしまった。全日本3連覇中、国内無敵の平野がまさかの完敗だった。

　平野はすでに世界選手権モスクワ大会の代表に内定しているが、この敗戦を糧に、また一回り成長した姿を見せてほしい。

●男子ダブルス準決勝
水谷／岸川（明治大／スヴェンソン）　6、-6、-3、5、5　松平／上田（青森大／青森山田高）
軽部／池田（明治大）　7、-7、9、-8、11　森田／瀬山（中央大）

　水谷／岸川、ゲームカウント1-2で松平／上田にリードを許したものの、逆転勝ちで決勝進出。「ふたり（水谷／岸川）は台上から打ってこないで、ストップが多いので、こちらもストップで対応したけど、4ゲーム目からストップを隼が攻めてきた。僕らは最後までそれに対応できなかった」（松平賢）。
　全日本学生ダブルス決勝の再現となった、ダブルス準決勝のもうひと試合は軽部／池田が全日学のリベンジを果たした。

●女子ダブルス5回戦
藤井寛／若宮（日本生命） 6、6、9　鈴木／谷岡（エリートアカデミー）
福原／石川（ANA／ミキハウス） 2、4、9　伊積／池田（東京富士大）
照井／中島（早稲田大） 10、5、6　美咲／末益（NEC SKY）
河村／福平（日立化成） 6、-7、10、9 郡山／藤井優（近畿大）
小西／小林（アスモ） 4、8、6　挾間／石塚（十六銀行）
坂本／阿部（サンリツ） 6、3、5　土井／土田（中国電力）
平野／樋浦（ミキハウス）9、-4、8、8　山梨／小野（淑徳大）
藤沼／渡辺（日立化成） 7、7、-8、9　越崎／福岡（中国電力）

●男子シングルス5回戦（ベスト16決定戦）
水谷（明治大）　7、5、6、5　河原（シチズン）
丹羽（青森山田中）　7、9、9、11　水野（東京アート）
木方（協和発酵キリン）　-8、-7、8、9、9、9　吉田（青森山田中）
韓（東京アート）　9、8、-9、8、-11、10　笠原（早稲田大）
岸川（スヴェンソン）　-8、10、-5、-7、6、3、10　吉村（野田学園高）
張（東京アート）　6、2、7、6　谷口（シチズン）
高木和卓（東京アート）　9、-7、5、6、-8、3　高岡（早稲田大）
坂本（協和発酵キリン）　6、-8、7、11、-9、-11、8　平野（野田学園高）
吉田（個人）　6、4、6、-9、10　塩野（東京アート）
坪口（日産横浜クラブ）　-9、8、10、9、9　池田（明治大）
下山（協和発酵キリン）　6、6、6、12　並木（シチズン）
大矢（東京アート）　7、-6、5、-7、-4、3、9　徳増（専修大）
松平（青森大）　9、6、7、-7、-9、2　御内（早稲田大）
高木和健（東京アート）　10、-7、6、5、-9、5　森（東山高）
田勢（協和発酵キリン）　-9、-9、9、9、6、6　藤本（滝川第二高）
軽部（明治大）　8、7、9、4　阿部（リコー）

　初のランキング入りは張一博と軽部のふたり。近年では少ない。
　肘に故障を抱える大矢は、徳増とのシーソーゲームを制し、最後は観客の期待どおり勝利の咆哮（ほうこう）が響き渡った。ランク決定戦で最後まで残っていたのは、田勢vs.藤本のサウスポー対決。藤本が2ゲームを先取したが、「リードされて逆に開き直れた。ペン表はスマッシュが入らないと勝てない」という田勢が逆転勝ちを収めた。

下写真：初のランク入りを決めた軽部隆介。フォアドライブの切れ味はバツグンだ

●男子シングルス5回戦
岸川（スヴェンソン）　-8、10、-5、-7、6、3、10　吉村（野田学園高）

　ランク決定戦で岸川が大苦戦。茨城・東海クラブ出身の16歳、右シェークドライブ型の吉村真晴（野田学園高）が優勝候補を追いつめた。
　高校生相手というプレッシャーもあったのか、岸川は持ち味である回転量の多い両ハンドドライブが不発で、守りに入る場面が多くなる。一方の吉村は怖いものなしの勢いで、威力ある両ハンドドライブで岸川を押しまくった。吉村がゲームカウント3-1とリードしたところで「ちょっと勝ちを意識してしまった（吉村）」という吉村の動きがやや硬くなり、試合はゲームオールに。
　最終ゲームも一進一退の攻防。岸川10-9のマッチポイントで、フォアドライブの引き合いから吉村がシュートドライブで岸川のバックを打ち抜き、10-10。しかし、最後は岸川がバックドライブを決めて、冷や汗ものの接戦を制した。試合後「岸川さんは競った場面でも堂々として、プレーが安定していた。岸川さんと試合をするのが目標だったので、ランク決定戦という舞台で試合をさせてもらって、良い試合ができて良かったです」と初々しく語った。

●男子シングルス5回戦
下山（協和発酵キリン）　4-0　並木（シチズン）

　全日本社会人チャンピオンの下山隆敬が並木をストレートで破り、男子でランク入り一番乗り。スウェーデンリーグ参戦から、「卓球が楽しいという気持ちを取り戻した」という下山はプレーの充実ぶりが目立ち、あっという間に勝利を決めた。下山とはともに練習する機会も多かったという並木は「下山はスウェーデンに行ってからボールのスピードも上がっている。それに対応できなかった」と脱帽の様子だった。

●女子シングルス準々決勝
王輝（日立化成）　-12、7、9、7、-8、8　石川（ミキハウスJSC）
樋浦（ミキハウス）　6、4、5、-11、-12、10　石垣（淑徳大）

　ベスト4にはミキハウスから2人、日立化成から2人が勝ち進んだ！
　石川は王輝に対し、我慢・ガマンのカット打ち。第1ゲームを5回目のゲームポイントで苦しみながらも奪ったが、ゲームカウント1-1の第3ゲーム、終始リードしながら終盤で逆転されたのが最後まで響いた。王輝の鉄壁のカットは今年も健在、石川のループドライブに大してはほとんどミスがでなかった。第5ゲーム、石川は出足で1-5とされたところでタイムアウト、このゲームを執念で逆転し、勝利に望みをつないだが、第6ゲームは終盤でカットに対して打ちミスが出た。最後は石川のドライブがネットにかかってゲームセット。

　樋浦vs石垣は、樋浦がミスのない連続パワードライブを石垣のバックに集め、3ゲームを連取。ここから2ゲームを返した石垣の粘りのカットは見事だったが、最後まで迷わず打ち切った樋浦に凱歌。

●男子ダブルス準々決勝
水谷／岸川（明治大／スヴェンソン）　7、4、9　吉田／平野（個人／野田学園高）
松平／上田（青森大／青森山田高）　2、6、6　松渕／根田（明治大）
軽部／池田（明治大）　10、11、-5、8　山谷／神原（青森山田高）
森田／瀬山（中央大）　7、8、-8、-7、5　大森／大矢（東京アート）

●女子シングルス準々決勝
平野（ミキハウス）　9、7、2、5　渡辺（日立化成）
藤沼（日立化成）　9、6、3、2　田勢（十六銀行）

　全日本チャンプ平野が渡辺にストレート勝ち。互いに両ハンドで切り替えながら長いラリーが続き、第1ゲーム序盤では渡辺がリードを奪う場面もあったが、平野の両ハンドには全くミスが出ず、一方の渡辺は我慢できずにミスを連発。「途中で自分が何をやっているのかわからなくなった。頭の中が真っ白になって…。ここまで来たら、もうちょっと良い試合をしたかった」（渡辺）。まるでアリ地獄に引き込むかのような、平野の戦いぶりだった。

　藤沼は得意のハイトスサービスを効かせて、田勢に完勝。一発の威力では互角だったが、サービス・レシーブの差が大きく明暗を分けた。田勢はこの試合を最後に現役を引退。「もう少し自分らしい試合がしたかった。残念です。でも日本のエースの福原のところまで勝ち上がるのが目標で、それは達成できた。今後に関しては、まず会社の仕事をしっかりやって、一般社会の荒波にもまれていきたいと思います」と試合後の会見で語った。明日1月17日が誕生日の田勢、第二の人生にエールを送りたい。

　しかし、まだ2階席、3階席とも若干の余裕がございます！
　皆さんぜひ東京体育館へお越しください！