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速報・現地リポート

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全日本選手権大会

会場入り口には募金箱を設置。1月12日に発生したハイチ大地震の被災地に送る義援金を募っています。
 大会最終日を迎えた東京体育館。今日1月17日で、阪神大震災から15年。カリブの島国ハイチでも、大地震で大きな被害が出ている。亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。卓球ができるのは幸せなことだと、速報担当は思いました。
 今日のタイムテーブルは以下のとおりです。

●女子ダブルス準々決勝 10:00~
藤井寛/若宮(日本生命) vs. 福原/石川(ANA/ミキハウスJSC)
照井/中島(早稲田大) vs. 河村/福平(日立化成)
小西/小林(アスモ) vs. 坂本/阿部(サンリツ)
平野/樋浦(ミキハウス) vs. 藤沼/渡辺(日立化成)

●男子シングルス準々決勝 10:30~
水谷(明治大) vs. 韓(東京アート)
張(東京アート)vs. 高木和卓(東京アート)
吉田(個人) vs. 大矢(東京アート)
松平賢(青森大) vs. 田勢(協和発酵キリン)

●女子ダブルス準決勝 11:30~
●男子シングルス準決勝 12:00~
●女子ダブルス決勝 13:30~
●男子シングルス決勝 14:45~

 男子シングルスの水谷vs.韓陽は、今日の大一番。今大会の韓陽は強い。本気で優勝を狙ってきている。水谷を止める選手がいるとしたら、やはり韓陽か。女子ダブルスは強豪ペアがずらりと顔を揃えた。福原/石川ペアは、東アジア競技大会決勝では勝っている藤井/若宮と対戦する。
 昨日は写真等のアップが遅れ、失礼致しました。最終日、全力投球で参ります!
●男子シングルス6回戦・その他の試合の結果
高木和卓(東京アート) 4、9、9、-6、11 坂本(協和発酵キリン)
吉田(個人) 6、-9、-8、-12、3、4、5 坪口(日産横浜クラブ)
田勢(協和発酵キリン) -9、9、5、-9、9、-6、8 軽部(明治大)
張(東京アート) 9、-10、2、-8、5、-8、7 岸川(スヴェンソン)

岸川が張一博に惜敗。4回戦の松平健太に続き、優勝候補が敗れた。
両ハンドのハイレベルなラリーが続き、見応えある一戦となった岸川vs.張一博。張は前陣を死守して威力あるバックドライブを岸川のバックに集めた。国内でもバックの強さでは定評のある岸川をバック対バックの展開で上回った。岸川は5回戦の吉村(野田学園高)戦に続き、中陣に下がる守勢のプレーが多かったのは残念。今大会は優勝へのプレッシャーゆえか、持ち味であるズシリと重い両ハンドドライブに当たりが戻らなかった。「張選手とは競ると思っていた。彼のほうが今日は良いボールが入っていました」と試合後に言葉少なに語った。
●男子シングルス6回戦
水谷(明治大) 8、-5、7、-9、6、7 丹羽(青森山田中)

水谷の3球目パワードライブと中陣での粘り、丹羽の前陣カウンタードライブが激突した「天才サウスポー対決」は、水谷に軍配。丹羽はたびたび水谷のフィッシュをカウンターで打ち抜く好プレーを見せたが、最後は水谷のオールラウンドプレーが丹羽を包み込んだ。試合後、水谷は「二ヶ月くらい前にやった時よりもさらに強くなっていた。特にレシーブ。前はレシーブで崩せたけど、そうはならなくなっている。今日はフォアもどんどん振ってきて、すごく強かった」とコメント。さらに「自分の中3の時よりも、ずっと強いと思います」と丹羽を讃えた。
●男子シングルス6回戦
韓陽(東京アート) 4-0 木方(協和発酵キリン)
松平賢(青森大) 4-0 高木和健(東京アート)
大矢(東京アート) 4-1 下山(協和発酵キリン)

女子シングルス決勝が終わり、男子シングルス6回戦に入った会場。ハイレベルだったが、ポーカーフェースのふたりが対戦した女子決勝から、荒ぶる16人の男たちがコートイン。一気にヒートアップしている。
韓陽と松平賢は、ほぼ同時にベスト8進出を決めた。今大会の韓陽は、これまでの全日本と比べてはるかに充実している。体も絞り込まれ、コートの隅にボールを拾いに行く時でさえセルフトークで気合いを入れ直すなど、本気で全日本のタイトルを狙いに来ているようだ。積極的なフォアドライブ連打も見せ、初のベスト8入り。松平賢二は、フォアドライブの破壊力で高木和健を圧倒した。
●女子シングルス決勝
王(日立化成) -6、8、8、10、9 藤沼(日立化成)

昨年は決勝で敗れた王輝が藤沼を下し、初優勝を飾った。
08年10月に行われた全日本社会人決勝で王輝に完敗し、09年世界選手権横浜大会でもカット主戦型の朴美英(韓国)に完敗している藤沼。戦前の予想では「やはりカットに対しては厳しいのでは?」と思われたが、王の精密機械のようなカットに対し、粘り強いカット打ちを見せた。第1ゲームは珍しく王にもミスが連続し、藤沼が先取。第2ゲームを8-4とリードした時点では、藤沼に勝機もあるかと思われた。

しかし、ここから王は少しずつ藤沼のボールに対応。落点を落としながら攻めてくる藤沼のループにも全くミスが出ず、逆にナックルカットで藤沼のミスを誘い、このゲームを逆転。第4ゲームは11-10から突然の3球目バック強打でゲームを奪うなど、「相手に何をやってくるのか読ませない」プレーが徐々に藤沼を追いつめていく。
 スコアは競り合いながらも、あと一本が遠かった藤沼、第5ゲーム10-9の王輝のマッチポイントも、藤沼のバッククロスへの強打を王が低く正確なカット、藤沼の次の強打がネットにかかり、試合に決着がついた。中国・黒龍江省出身で、00年世界団体選手権では中国女子チームの一員として、世界タイトルも獲得している王。その底力を日本中の卓球ファンに見せつけた。

◎初優勝・王輝の優勝インタビュー
-初優勝おめでとうございます。去年は悔しい思いをされたと思いますが、お気持ちはどうですか?
王輝「ありがとうございます。嬉しかったです。皆さん、最後まで見ていただいてありがとうございました」

-決勝はいかがでしたか?
「同じチームなので…。最初はすごくミスが出たけど、最後は減らしていくことができました。初戦から強い選手が上がってきて、最後の決勝も本当に難しかった」

-勝負所で強いですね
王「ありがとうございます」

-今後の抱負をお願いします
王「…(笑顔でうなづきました)」

王 -6、8、8、10 藤沼

 王、第4ゲーム8-10から追いつき、11-10とゲームポイントを奪い返して、目の覚めるような3球目バック強打!
 優勝へ王手をかけた!
●女子シングルス決勝
藤沼 6、-8 王

カットに対してはやや不利かと思われたが、バック表ソフトのツッツキとループで王のカットを攻略にかかった藤沼が、第1ゲームを11-6で先取。第2ゲームは藤沼7-3、8-4のリードから王が逆転して取り返す。ただいま第3ゲーム、6オール!
●男子ダブルス決勝
水谷/岸川(明治大/スヴェンソン) 6、3、3 軽部/池田(明治大)

決勝まで勝ち上がる大健闘を見せた学生ペアに対して、世界3位の水谷/岸川は容赦なく襲いかかった。前陣では岸川の高速バックドライブが火を噴き、中陣に下がれば水谷が相手の嫌なコースを突いてチャンスを作り、逆襲に転じる。軽部のスピードあふれるドライブ、池田のフォア一枚ラバーの強打も、攻守自在の水谷/岸川ペアの前に封じられた。「2位という結果には満足していますが、決勝はもう少し競れたら良かった。作戦は特に立てずにぶつかっていきましたが、やっぱり通用しませんでした。合宿では何回か試合をして、その時はラリー戦になったけど、今回はラリーに持ち込ませてもらえなかった」(軽部)。水谷/岸川、男子ダブルス4連覇は昭和57~60年度の斎藤清/渡辺武弘に並ぶタイ記録だ。

◎水谷/岸川ペアの優勝インタビュー
-優勝おめでとうございます。感想を聞かせてください
岸川「3連覇していたので、目標は4連覇しかなかった。うれしいです」

-史上二組目の4連覇ということになりましたが?
水谷「4連覇するのは本当に難しいこと。僕たちはそれができて、それだけ実力も上がっているし、安定性も出ている。来年も連覇の記録を伸ばしたい」
岸川「準決勝の松平賢/上田ペアに1-2からの逆転で波に乗れた。決勝はすごく良い試合ができました」

-今年の目標を教えてください
水谷「5月の世界団体選手権での優勝が今の目標です」
岸川「中国に勝って優勝することが僕たちの目標。それに向かって頑張りたい」
●女子シングルス準決勝
王(日立化成) 10、12、-8、-11、9、8 樋浦(ミキハウス)

女子シングルス準決勝のもうひと試合は、樋浦との接戦を制した王輝が勝利を収めた。樋浦が序盤からミスのないカット打ちで王を攻め立て、第1・2ゲームとも大きくリードを奪ったが、王輝はまったく慌てず。樋浦の正確なループドライブに対してまったくカットのミスが出ず、逆に変化のわかりづらいカットと、機を見てのバック強打で得点を重ねる。そのカットの精度は驚異的だった。「王さんのカットは打っても打っても返ってきた。応援の声も聞こえて来たのでそれに答えようと思いがんばったのですが…」(樋浦)。王、昨年に続く決勝進出だ。