スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 皆様、長らくお待たせしました。ドイツは今日の深夜からサマータイムに入りました。深夜2時に時間が1時間進み、3時になるのです。ホテルのテレビの時計は、朝6時くらいに突然7時になりました。時差で8時間得したような気がしたり、サマータイムで1時間損した気になったり。何だか不思議な感覚ですネ。

 今日は朝一番から日本女子対スペインの大一番。左シェークフォア表のション・イェンフェイを福原が破れば、試合展開はグッと楽になる。接戦に持ち込まれることも覚悟するなら、3番のオーダーも重要。スペインは08年北京五輪と同様、異質速攻のドボラクを起用してくるか。日本の平野との対戦になれば、勝率はかなり高いだろう。

 会場の外には100人ほどの行列ができていた。もうチケットがソールドアウトの日もあるという。大入り満員の盛り上がりを期待しよう。

●3月25日(日) 日本チームの試合
日本女子vsスペイン  10時~(日本時間17時~)
日本男子vsベラルーシ 13時~(同20時~)
日本女子vsセルビア  17時~(同24時~)
 24日夕方から、メインアリーナに隣接したレセプション・ルームで開催されたバタフライのパーティ。世界選手権の恒例行事となっているが、続々と会場に姿を現す契約チーム、契約選手たちの顔ぶれはサスガ。旺盛な食欲を発揮するクレアンガにボルが挨拶している横を、韓国チームの劉南奎と玄静和が通り抜けていったりする。そういえば、劉南奎と玄静和は89年ドルトムント大会の混合ダブルスのチャンピオンだった、などと思いつつ…。

 下写真左はシュラガーと愛息のニック君。ロッテルダム大会ではベビーカーに乗っていたニック君、しっかり歩けておしゃべりもできるようになり、カメラを向けると少し恥ずかしそう。シュラガーの子煩悩ぶりは、「カウンターの切れ味が落ちるのでは」と心配になるほど。ちょっと似合わないかわいらしいケーキを手にしていたと思ったら、「…いや、これはボクのじゃないよ、ニックのだよ」と笑顔で話してくれた。

 下写真中央はバタフライが誇る「ディーバ」のひとり、劉詩ウェン。相変わらずキュート。黙って座っていたら、とても世界のトップランカーとは思えない。
 そして下写真右は、ミニピン台でトート(ハンガリー)と打ち合うボロス(クロアチア)。お得意の投げ上げサービスはちと難しいものの、ミニピンでもやっぱり強い。「ミニピン世界選手権」をやったら、一体誰が優勝するのだろうか。
 今日、3月24日は平野早矢香選手の27歳の誕生日!
 練習後の囲み取材で、「今日はお誕生日ですね」と話題を振られた平野選手。「試合の前の日だし、絶対誕生日の感じはしないんだろうなと思ってたんですが、みんなにおめでとうといってもらえてすごくうれしい」と笑顔。「27歳だし、ラッキーセブンだし、世界選手権でみんなで暴れたいです!」(平野)。今大会もテレビ東京で解説を務める樋浦令子さんから、プレゼントのサプライズも!

 「状態はまあまあ良いので、あとは試合に入った時に、良い戦いができるようにしたい。(技術的には)サービス、レシーブで先手をとって、相手を崩していきたいけど、試合に入ったら技術よりも、気持ちと気持ちのぶつかり合いという部分がある。技術のことは考えず、勝つことを考えて臨みたい」(平野)。
 会場で練習していた中国男女チーム、その選手たちの表情が例年とは違う。それもそのはず、7月のロンドン五輪へ向け、どの選手もこの大会での失敗は決して許されない。五輪団体3番手の座を馬龍と争う馬琳(下写真左)は、張継科との練習ではナイスボールに思わず声が出るほど。同じく団体3番手を郭躍と争う丁寧(中央)も、スパーリングパートナーの范瑛とカット打ちの練習に余念がなかった。

 下写真右は、張継科の練習をつきっきりでチェックしていた、中国男子チームの劉国梁監督。この少しむらっ気のある現世界チャンプから、目が離せないという様子だった。アドバイスを与える後ろ姿は、中学卓球部の先生と生徒とさほど変わらないように見えるから不思議だ。
 メインアリーナで練習中の日本女子チーム。全日本選手権の優勝経験者を福原、石川、平野と3人揃え、堂々のワールドチームランキング3位で大会に臨む。練習の合間にはリラックスした表情を見せながら、練習では全面ランダムの激しいラリー練習を行っていた。

 下写真右はペンホルダーをシェークに持ち替え、選手たちのプラクティスパートナーを務めた岸田コーチ。フォア面には表ソフトラバーが貼られている。つまり「仮想ション・イェンフェイ」。明日対戦するスペイン女子チームのエースは、日本女子チームにとって最も危険な相手だ。
 昨年の女子ワールドカップ予選ではションを破っている福原。「スペインは北京五輪でも3-2まで競った相手。(ションは)すごく経験も豊富な選手で、試合運びがうまいので、相手に戦術にはまらずに勢いを出してプレーできたらいい」と練習後にコメントを残した。
 ホテルから地下鉄の「U45」線に乗り、10分と経たないうちに終点であるヴェストファーレンハーレンに到着。円形のメインホールが目に飛び込んできた。大会のメインスポンサーであるリープヘルのパワーショベルが2台、両脇に狛犬(こまいぬ)のように置かれている。

 メディアのIDカードの取得はこれまでの大会に比べても遥かにスムーズ。2年前のモスクワ大会ではID申請の場所を探し回ったあげく、その場で写真を撮ったりとえらく時間がかかったが、今回はメディアルームで名前を告げるだけで、すんなりIDカードをもらうことができた。さすがドイツですね。

 現在、サブアリーナで日本男女チームが練習中。あと1時間ほどしたら、4台を設置するメインアリーナで練習する予定だ。ドルトムントから80kmほど離れたデュッセルドルフで直前合宿を行い、ドルトムント入りした日本チーム。明日は女子が朝一番でスペインと対戦するなど、厳しい戦いが待っている。出足からフルスロットルで飛ばしてもらいたい。下写真は左から会場の外観、メディアルーム。
 昨日23日の昼過ぎに成田を出発し、ドルトムントへと向かった王国取材班。12時間弱でコペンハーゲンに到着し、飛行機を乗り継いで1時間ほどでドイツ・デュッセルドルフへ。さらに快速列車に45分ほど乗り、ドルトムントのホテルに入ったのは、日本時間の午前5時近くでした。ヨーロッパでの乗り継ぎが入ると、さすがに遠く感じますね。

 取材班が宿泊する「ホテル・マーキュリー」は、会場のウェストファーレンハーレンまでは地下鉄で6駅ほど。近くにはアパレルショップが並ぶ目抜き通りもある。ドルトムントは東京より少し暖かいくらいで、桜の花があちこちで咲いている。

 今日はこれから会場へと向かい、プレスのIDを受け取った後、日本チームの練習を取材する予定。ホテルのインターネット環境があまり良くないのですが、会場では無線LANが使えるはずなので、開幕を控えた選手たちの様子をお届けしたいと思います。

 下写真右のワッフルベーカー(?)は、ドルトムントの駅で発見したもの。ボルシア・ドルトムントのエンブレムの形に焼き上がるというすぐれモノだ。日本で言えば、阪神の虎の顔が焼き上がるたこ焼き器みたいなものか…(そんなものがあるかわかりませんが)。
 23日昼の飛行機でドルトムントへ向かう王国取材班。スカンジナビア航空でコペンハーゲンに入り、そこから乗り継ぎでデュッセルドルフへ。計14時間くらいの空の旅です。

 今野編集長に聞くところによると、89年世界選手権ドルトムント大会の盛り上がりは凄かったとのこと。今大会も本当に楽しみです。ビール片手に床を踏みならす卓球ファンがいっぱいいるんでしょうか。
 王国速報も会場の熱気を少しでも伝えられるよう、頑張ります!
 3月25日、世界卓球選手権団体戦ドルトムント大会が開幕する。例年は4~5月に開催される世界選手権だが、4年に1度の五輪イヤーは開催が前倒しされ、2~3月の開催が通例となっている。
 そして選手たちの視線は、すでにドルトムントの向こうにあるロンドンを向いているはずだ。7月に開催されるロンドン五輪団体戦の出場チームは、今大会の成績によって決定する。順位決定戦も決して消化試合にはならないのだ。

 男子団体戦は、やはり5連覇中の中国が優勝争いの中心。ベテランの馬琳・王皓はややピークを過ぎてきた感もあるが、若手の実力派トリオ、馬龍・張継科・許シンは強力。ワールドツアーなどで優勝を重ねた馬龍、現世界チャンプでワールドカップも制した張継科を軸に、経験豊富な馬琳を組み合わせる布陣で臨むだろう。
 対抗馬となるのは地元ドイツ。エース・ボルは直前のドイツ選手権を左肩の故障で棄権しているが、2番手のオフチャロフが世界ランキングを10位まで上げ、頼もしいところを見せている。3番手に起用するのは、団体戦の「お祭り男」シュテガーか。
 そしてドイツとともに「打倒・中国」を狙うのが、我らが日本男子チーム。
メンバーは水谷隼、岸川聖也、丹羽孝希、吉村真晴、松平賢二。エース水谷は「前回は先輩の吉田(海偉)さん、張(一博)さんがいたけど、今回は自分がチームを引っ張っていきたい」と意気込みを語る。予選リーグ初戦のベラルーシ戦、世界ランキング13位のサムソノフという難敵をどう料理するか。

 女子団体戦は、前回のモスクワ大会で9連覇を阻まれた中国が王座返り咲きに向け、並々ならぬ闘志を見せる。世界女王で世界ランキング1位の丁寧をはじめ、世界のトップ5がずらりと並び、やはり断トツの優勝候補だ。
 中国以外は、前回優勝のシンガポールも含めて横一線。日本女子チームは福原愛、石川佳純、平野早矢香、藤井寛子、石垣優香という陣容で臨む。東日本大震災の被災地・仙台出身の福原は「『WASURENAI 3.11』という震災での決意は忘れない。自分にできることを精一杯やりたい」と語る。5大会連続銅メダルは誇るべき成績だが、今大会はチーム一丸で決勝進出を狙う。

下写真:代表記者会見で抱負を語る水谷隼(左)と福原愛(右)

★3月21日(水)に発売された卓球王国5月号P.49~57「熱戦予想図ドルトムント」にも、詳しい大会の見どころや日本代表選手たちの大会への意気込みが掲載されています。そちらもぜひご参照を!