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速報・現地リポート

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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

〈日本 3-0 クロアチア〉
○丹羽 10、-11、12、7 ガチーナ
○水谷 8、5、8 ジュブチッチ
○松平賢 -7、8、-3、10、4 コラレク

日本、3番松平賢二がコラレクに対し、ゲームカウント1-2の第4ゲーム8-10という絶体絶命のピンチから大逆転。この追い詰められた場面で、中陣からのバックドライブを2本振り抜いた精神力は見事だった。一球決めるごとに拳を固め、咆哮(ほうこう)する松平。力みからか中陣でのフォアドライブにオーバーミスが多く、バック対バックでは課題も残したが、今の日本男子チームにとって、この男のガッツは何よりも効く。

日本男子は明日、ロシアとスロバキアとの2試合が組まれている。ロシアは現在ベラルーシに1-2とリードされ、4番はサムソノフ(ベラルーシ)対スミルノフ(ロシア)のエース対決。ロシアが敗れるようなことがあれば、予選グループDはますます混戦模様だ。

下写真中央はコラレク。バック対バックの打ち合いでは松平を上回っていた
〈日本 2-0 クロアチア〉
○丹羽 10、-11、12、7 ガチーナ
○水谷 8、5、8 ジュブチッチ
 松平賢 vs. コラレク

 日本、トップ丹羽の先制点が大きく、クロアチアを2-0でリードした。
 丹羽と長身のパワーヒッター・ガチーナの対戦は、「牛若丸と弁慶」という雰囲気。丹羽はガチーナのロビングを打ちあぐむ場面も見られたが、要所でアップ系のサービスでエースを奪い、打球点の高い3球目攻撃をバックストレートに打ち込んだ。4-8、5-9とリードされた第3ゲームを逆転で取ったのが何と言っても大きく、そのままガチーナを押し切った。

 2番水谷は、第1ゲーム2-0で水谷のサービスがフォルトを取られ、ここから5連続失点。やや嫌なムードが流れたが、すぐに追いつくと、後は打って良し、守って良し。ラリー戦になれば負けない。ジュブチッチのプレーを完全に見切ってストレートで勝負を決めた。
 13時にスタートする日本対クロアチア戦。日本男子は水谷と丹羽を2点起用し、3番に初戦のベラルーシ戦で勝利した松平賢を起用した。オーダーは以下のとおり。

〈日本男子 vs. クロアチア〉
 丹羽 vs. ガチーナ
 水谷 vs. ジュブチッチ
 松平賢 vs. コラレク
 水谷 vs. ガチーナ
 丹羽 vs. ジュブチッチ

 クロアチアはベテランのプリモラッツを外してきた。あまりデータのない選手で日本攻略を狙うのか。今大会の各国のオーダーは本当に読めない。
 現在、日本男子の試合が行われる第3コートで、女子の韓国対チェコが接戦となっている。この一戦が長引くと、日本男子の試合も予定より遅くスタートするかもしれない。
 当たり前ですが、チャンピオンシップディビジョンだけが世界選手権じゃない。どの選手たちも、その国や地域ではトップクラスの選手たち。セカンドディビジョン以下でも、白熱した戦いが繰り広げられている。ブンブン振り回すパワーヒッターもいて、見ていて面白い。

 女子選手の場合、ディビジョンが下がっていくのに反比例して、体重が…。し、失礼シマシタ。
 大会第3日目、朝10時の試合がスタートした会場。チャンピオンシップディビジョンの女子予選リーグが行われている。

 今朝もホテルのそばにある、地下鉄のカンプシュトラッセ駅からヴェストファーレンハーレン駅へと向かった王国取材班。地下鉄で子どもたちの一団と一緒になった。「卓球を見に来てくれるのかな?」と思ったら、やっぱりそのとおり。隣に座っている伊藤条太氏が「ウミネコみたいだ」というくらい賑(にぎ)やかだ。

 そんなドイツの子どもたちを、さらに熱くしたのが編集部トモ。さすがに子どもには強い、観客席に上がってカメラを向けると、ごらんのとおり、大盛り上がり。本当にカワイイですね。
 ただし、試合が始まっても、おとなしく観ている子はほとんどいないかな…。今のところ、トモへの声援が一番大きかった気がします。
★大会第3日目・日本チームのタイムテーブル
13:00~(日本時間20:00~) 日本男子 vs. クロアチア
16:00~(日本時間23:00~) 日本女子 vs.  ドイツ

 大会第3日目の3月27日。日本男子はクロアチア、日本女子はドイツと対戦する。
 昨日はポーランドに敗れた日本男子。このクロアチア戦は、敗戦は決して許されない。エース水谷の2点起用は必須、もうひとりの2点起用はポーランド戦で唯一の白星を挙げた丹羽孝希か。

 日本女子は予選リーグ最大の強敵、ドイツとの対戦。これまでの対戦チームはいずれもトップにエースを起用せず。日本女子チームのエース福原が「ここまでエースと当たらない。全部想定外の選手です」とコメントしたほどだが、さすがに右シェークフォア表攻撃型の呉佳多は2点起用してくるだろう。あとは福原に国際大会で3連勝しているジルベライゼン、フォアの攻撃力もある右シェークカット型のイヴァンカンという布陣になる。

 下写真は、昨日のチャンピオンシップディビジョン男子・予選リーグC。韓国戦で朱世赫を完璧に破った荘智淵が、ハンガリーのフォア攻撃・バックカット型のパタンテュスに完敗した。
 「なぜ朱世赫に勝てて、この選手に勝てないのか」と「?」が浮かんでくる試合。朱世赫は09年横浜大会でも、フォアの攻撃力が高いチョッパー・イオニス(ギリシャ)に敗れている。しかし、フォアの攻撃力という点では、朱世赫の右に出るチョッパーはいないはずなのだが…。ぜひ荘智淵本人に聞いてみたい。

結局タイペイが3-1で勝利したが、世界ランキングの上下動を考えても、荘智淵にとっては痛い敗戦。荘智淵は世界ランク11位、パッタンテュスは173位だ。
 下写真左は卓球台4台が設置されたメインアリーナの全景。フロアに特別席、その上に2階席、そして3階席はまだ黒いシートで覆われている。今日は平日ということでさすがに観客も少なめだが、昨日は2階席が8~9割埋まるくらい観客が入っていた。チケットがすでに売り切れている今週末は、一体どんな盛り上がりになるのか?
 全中国運動会などで「中国の観客は、こんな少ない人数でどうしてこんなにウルサイんだ?」と思ったが、ドイツの観客もなかなか負けてはいない。実に頼もしい。

 下写真中央と右は、会場に設置されたメーカーブース。試合の合間には大賑わいだ。
 先ほど行われた日本女子対ポーランドの一戦を、サッカーのドイツ・ブンデスリーガ1部の強豪、ボルシア・ドルトムントでプレーする香川真司選手が観戦。特に2番平野の手に汗握る接戦では、盛んに拍手を送っていた。

 昨日行われたブンデスリーガでは、香川選手の2得点の活躍でチームも6-1の完勝。昨年に続く2連覇を目指し、首位をひた走っている。ここは卓球の世界選手権の会場だが、香川選手はすぐドイツの人たちに囲まれていた。正真正銘のスター選手なのだ。福原選手とは、日本チームのサイン入りラケットとドルトムントのサイン入りユニフォームを交換。3連勝とはいえ、もうひとつ勢いに乗り切れない印象もある日本女子チーム。ノリにノッテいるこの男の運気を、少し分けて頂こう。
 
 「香川選手とは年も同じ(23歳)で、私が仙台出身で香川選手は高校が仙台だったので、復興のこととか、ドイツの地からエールを送っているので頑張ってくださいと言葉をいただきました。同い年には見えないですよね(笑)。ドイツで頑張っている香川選手は日本人として誇りに思います」(福原)。

 見た目には普通の青年という感じなのに、ピッチに立つと7万人の観衆の前で決定的なゴールを決める。ううむ、カッコイイです…。
〈日本 3-0 ポーランド〉
○福原 7、5、11 シュチェルコフスカ
○平野 -7、7、6、-7、9 グルジボウスカ
○石川 -7、9、5、-6、9 パルティカ

 日本女子は3番で石川がパルティカ(下写真右)にゲームオール9点で勝利。まだまだ本来の調子にはほど遠い内容だが、勝利を挙げたことが大事だろう。

 前回のモスクワ大会でも感じたことだが、日本は男女チームとも、アジア勢や中国系の帰化選手に的を絞りすぎ、ヨーロッパ勢の対策がやや手薄になっている感がある。日本にはバックハンドで威力のあるドライブを打ってくる女子選手がいないため、バック対バックになると相手のトップスピンに押されている。福原は異質ラバーの緩急とサービス・レシーブで優位に立てているが、両面裏ソフトの平野と石川は苦戦を強いられている。今後の戦いでも十分注意したい。
〈日本 2-0 ポーランド〉
○福原 7、5、11 シュチェルコフスカ
○平野 -7、7、6、-7、9 グルジボウスカ
 石川 -7、9、5 パルティカ

 日本男子の敗戦の余韻を振り払うべく、同じコート、同じポーランドと対峙した日本女子チーム。
 ポーランドはワン・ツォンイを外した男子チームと同じく、エースのカット主戦型リー・チェンをオーダーから外してきた。トップに出場したのは5番手のシュチェルコフスカ。福原はサービス・レシーブでのレベルの違いを見せてストレート勝ち。
 2番手の平野の相手、グルジボウスカ(下写真右)は強かった。2月のカタールオープンで文佳(中国)に勝っていたこともあり、日本もマークしていた選手。長身で運動能力が高く、一発のフォアドライブの切れ味はかなりのものだった。平野は最終ゲーム10-5から10-9まで追い上げられたが、最後は力を振り絞ってフォアクロスへフォアドライブを打ち込み、このボールがグルジボウスカのラケットのエッジを弾いて、大きくオーバーした。

 現在、3番石川が隻腕サウスポーのパルティカと対戦している。第1ゲームは落としたが、2ゲームを連取してゲームカウント2-1とリード。