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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 日本男子は2試合目にして敗戦。しかも、相手は格下のポーランド。グループではロシア戦がもっとも重要と目されていたが、思わぬところでの敗戦となった。「 ポーランドは昨日0-3で負けていたので、ここで日本がポーランドに0-3で負けようが点数に入ってこないチームなので、ここで1回水谷を休ませる判断をした」と宮崎監督。「 水谷を休ませるのは本人の希望で、どこで休ませるかは私の判断。一番困らないところで使わないようにしたかった。少し肩に不安があると本人も言っているし、昨日は本人は、大丈夫ですけど、と言ってましたが……」

 昨日の試合はサムソノフに対して快勝した水谷。日本のエースは本当に体に不安を抱えているとしたら、これから続くリーグ戦とプレーオフステージ(決勝トーナメント)では大丈夫なのだろうか。
 一方、チームメイトにも今日のオーダーで動揺が走ったのかもしれない。「こっちもまさか(水谷)隼を休ませるとか、出さないというのは思ってなくて、ぼくたちとしては出てほしかったけど、昨日の夜のミーティングで……」と岸川。
 唯一の収穫はトップで出場した丹羽のプレーだろう。「初めての団体戦だったけど、緊張することもなかった。チームはまさか負けると思っていなかったけど、ラストに回ってきてもいいように準備をしていた。いつも通りの試合をできました。3試合勝てば1位なので明日から頑張ります」

 監督も選手も言い聞かせるように、この敗戦は大丈夫、と強調したが、グループリーグの残り3試合は負けられないという重圧がかかる。もしも負ければ、トーナメントで上位の中国、ドイツなどと準々決勝で当たる可能性が出てくるからだ。
 プラスに考えれば、ここで気を引き締めて挑戦的なプレーを見せるきっかけになるかもしれない。
 ★岸川聖也、ポーランド戦後のコメント
「ぼくの力不足で、しょうがない。団体戦でリーグ戦だし、まだ1位で通過できるので明日から頑張りたい。
 二人ともぼくが格上で、相手は格下なので、受けてしまった」

 ポーランド勢がランキングが低いのは、国際大会に選手を派遣していく余裕が協会にないから、というのもある。ポーランド勢のプレーを見ていると、実際のランキングは現在のランキングよりもはるかに高い。「格上」「格下」という意識は持たないほうがよいが、染みついた意識はなかなか変えられない。
 岸川のここからの巻き返しに期待したい。

★吉村真晴のコメント
 「自分のプレーが全然できなくて、まだまだ甘いなと思った。緊張は多少あるかと思うけど、このくらいの緊張感の中でやっていかなくてはいけないのでまだまだです。全体的に凡ミスが多かったし、フォア前のサービスに対するチキータからの展開とかを見直したい」

 小さな声で質問に答えた吉村。世界選手権の初舞台は、もう少しプレッシャーの少ない場面で踏ませてあげたかった。ここで意気消沈せず、名誉挽回のチャンスを狙ってほしい。下写真中央は4番で岸川を破ったゴラク
〈日本 1-3 ポーランド〉
○丹羽 4、12、9 ゴラク
 岸川 5、12、-9、-6、-10 フローラス○
 吉村 9、-9、6、-6、-5 スッフ○
 岸川 -9、7、-7、8、-9 ゴラク○

 昨日ベラルーシを破った日本男子に、思わぬ落とし穴だった。日本は4番岸川がゴラクに対し、最終ゲーム7-5のリードから逆転された。最後は岸川のフォアドライブがネットを弾いてコートを外れた。呆然とする日本男子ベンチ。
 昨日クロアチアに敗れたポーランドに日本が敗れ、予選グループDは混戦模様だ。
〈日本 1-2 ポーランド〉
○丹羽 4、12、9 ゴラク
 岸川 5、12、-9、-6、-10 フローラス○
 吉村 9、-9、6、-6、-5 スッフ○
 岸川 -9、7、-7 ゴラク
 丹羽 vs. フローラス

 3番吉村、スッフにゲームオールで敗れた。国内の大会では抜群に効く吉村の台上バックフリックも、しっかり待たれ、前陣でショートスイングのバックドライブで返球される。このボールに対する4球目の攻めは、まだまだ国内では詰め切れていない部分だ。吉村のプレーは世界選手権デビュー戦としては決して悪くなかったが、最終ゲームはやはりプレッシャーからか、バックドライブのミスが連続。最後もフォアドライブのオーバーミスで決着した。

 4番岸川は現在、ゴラクに1-2でリードされている。日本男子、ここで負けるわけにはいかない。
〈日本 1-1 ポーランド〉
○丹羽 4、12、9 ゴラク
 岸川 5、12、-9、-6、-10 フローラス○
○吉村 9、-9 スッフ

 日本男子、2番岸川がフローラスから最終ゲーム10-6から6点連取を許し、逆転負け。ネットインの不運などもあったが、最後に台上のバックフリックを連発し、思い切った攻めを見せたフローラスに軍配。世界ランキングでいえば17位の岸川に対してフローラスは249位とかなり格下だが、団体戦のプレッシャーの中では何が起こるかわからない。

 日本は3番に吉村が出場。相手はポーランドの2番手・スッフ。プレッシャーのかかる場面だが、吉村らしい思い切りの良い両ハンドカウンターを見せている。ただいまゲームカウント1-1の第3ゲーム、吉村が5-2でリード!
 〈日本 1-0 ポーランド〉
○丹羽 4、12、9 ゴラク
 岸川 5、12、-9 フローラス

 朝10時にスタートした日本男子対ポーランド。ポーランドは昨日のクロアチア戦トップに出場したワン・ツォンイが前半に出場せず、オーダーとしてはやや拍子抜け。トップ丹羽が、プレッシャーを全く感じさせないプレーでゴラク(下写真右)に完勝。2番岸川も第3ゲームは落としたが、フローラスを相手に試合を優位に進めている。
 日本男子は吉村がアップしており、3番は全日本チャンプの吉村が世界戦初舞台ということになりそうだ。
 大会第2日目のタイムテーブルをお伝えした後ですが、昨日のチャンピオンシップディビジョン・男子予選グループから好ゲームをピックアップ。

 「初日からこんな凄いゲームやっちゃっていいの?」と言いたくなったのが、サブアリーナで行われた韓国対チャイニーズタイペイ。タイペイは前半で荘智淵が朱世赫にストレートで完勝し、陳建安が呉尚垠を破って「あわや」と思わせた。
 しかし、韓国は3番で柳承敏が1点を返し、4番で呉尚垠が荘智淵をゲームオールジュースで下す。この4番も荘智淵が3回のマッチポイントをしのぐという激戦だった。

 そしてラストは朱世赫対陳建安。朱のブツ切りカットはとても打ち抜けないと思われた陳建安だが、どうしてどうして。バッククロスへのキレのあるシュートドライブに、ループドライブからぶっ叩く(という表現が最適)スマッシュなど、完璧な試合運びで2ゲーム先取。最終ゲームも6-9から10-9と逆転し、勝利まであと1点だった。しかし、ここから朱世赫の「コースがわかっていても取れない」3球目シュートドライブ、強烈な回転のループドライブを返球できず、無念の逆転負け。時計は深夜23時を回っていた。

 しかし、この陳建安は強くなっている。球威やコース取りは完全にジュニアクラスを卒業、同じサウスポーの丹羽と比べても球威は上回っているだろう。荘智淵も好調。今大会のタイペイは危険なチームだ。
 
★大会第2日目・日本チームのタイムテーブル
10:00~(日本時間17:00~) 日本男子 vs. ポーランド
13:00~(日本時間20:00~) 日本女子 vs. ポーランド

皆さん、おはようございます。こちらは朝の9時を回ったところです。
今日は日本男女とも、ポーランドとの対戦。男子チームは右ペン表速攻型のワン・ツォンイ、女子チームは右シェークカット+攻撃のリー・チェンと、ともに帰化選手がチームのエース。手強い相手ながら、ここはストレートで一気に片をつけてもらいたいところ。

 そして、今日はドルトムントのスーパースターが会場を訪れます。サッカーのドイツ・ブンデスリーガ、ボルシア・ドルトムントの香川真司選手が日本女子チームの試合を観戦し、テレビ東京の放送にもゲスト出演する予定。囲みの取材なども予定されているので、皆さんにその模様をお伝えします!
 チャンピオンシップに出場するチームのうち、エントリー変更が判明した選手についてお伝えします。

 まずフランス男子チームでは、チームのエースとして活躍が期待されていたマテネが欠場。傷めていた脇腹の故障を隠して、地元フランスで行われたヨーロッパトップ12に強行出場。結果的に故障が悪化してしまったという。マテネの真面目な性格がにじみ出ているが、フランスチームにとっては大きな痛手だ。
 元ヨーロッパチャンピオンのメイス(デンマーク)も大会出場をキャンセルした。前回のモスクワ大会でもベンチを温めているだけだったが、彼のオールラウンドプレーがここドルトムントで見られないのは残念。また、日本男子チームと対戦するクロアチアの譚端午(08年北京五輪ベスト8)も欠場する。日本にとってはラッキーなニュースだろう。

 また、今日行われた女子予選リーグの中国対ベラルーシで、劉詩ウェンと郭炎がベンチ入りせず、スパーリングパートナーとして帯同したはずの范瑛がベンチに座っていた。劉詩ウェンは昨日の中国チームの練習に参加していたが、郭炎はここドルトムントに来てから一度も姿を見ていない。
 ITTFのエントリーリストではまだ郭炎の名前があるが、施之皓監督は香港の『文匯報』の取材に対し、「もし主力選手で調子の上がらない選手がいたら、エントリーの変更もあり得る」とコメントしている。郭炎はすでに五輪出場権も獲得しているだけに、重要な今大会を欠場するとなると、「ロンドン五輪でもエントリー変更があるのか」という疑問も芽生えてくる。果たして郭炎は現れるのだろうか。
〈日本 3-1 セルビア〉
○平野 6、10、6 エアデリー
○福原 キケン フェヘル
 藤井 -9、-8、5、3、-10 モルナール○
○平野 キケン フェヘル

 日本女子の今日の第2試合、セルビア戦は思いがけない幕切れだった。
 トップで平野がエアデリーのカットを粘り強く打ち崩し、迎えた第2試合。福原が第1ゲームを11-5で取った後の第2ゲーム、福原3-0のリードで対戦相手のフェヘルが足の負傷を訴え、途中棄権。3番藤井はらしからぬ打ちミスが出てモルナールに惜敗したが、4番は平野対フェヘルの対戦となり、セルビア女子チームの監督とフェヘルが自ら歩み出て審判や日本選手団と握手。結果としては日本が3-1で勝利した形となった。
 
 現在、日本チームの小笠ドクターと羽生マッサーが、フェヘルの治療を行っている。1週間前に傷めた右足の親指が、福原戦の途中でまた痛み出したのだという。スポーツマンシップを感じる光景だが、ドクターやマッサーを帯同できるチームは世界でも少ないのが現実だ。

 
 「福原は相手がケガしてなくても勝っていただろうし、4番の平野も勝っていたと思います。相手のケガも複雑だし、藤井が負けたのもちょっと嫌な気分ですね。
 石川が午前中2試合したので、リフレッシュさせるために休ませて、石垣か藤井を使おうと思った。そこで藤井が負けたのでもう一度ふりだしで、明日から再スタートという感じです。平野は平野らしい団体戦の戦い方ができている。
 明日と明後日が勝負ですね。ポーランドも強いです。明日のポーランド戦が一つの大きな山です」(村上恭和監督)

下写真、左からトップで勝利した平野、藤井を破ったモルナール、フェヘルを治療する日本チームの小笠ドクター