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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 現地時間16時スタートの開会式。照明が落ちた場内に、89年ドルトムント大会の男子ダブルス決勝の映像が流れ、「89年大会がここに蘇った!」と思わず感激してしまった速報担当。…映像でしか見たことがありませんが。
 さらにスポットライトを浴びて、89年男子ダブルス優勝のスピーディことステファン・フェッツナー(下写真左)が登場。その片手には、優勝時のウイニングボールがしっかと握られていた。パートナーのロスコフは、さすがにドイツ男子監督という重責もあり、開会式には参加せず。

 オーストラリア人歌手のポウリニさん(下写真中央)の「ping-pong with my heart」の熱唱、ダンスの熱演(下写真右)などもあったが、全体的にエンターテイメント性は控えめ。ちょっと要人の方々のお話が長かったかな…。
 下写真左はメガネをかけた上に、何だかつるんとしてしまった感じのワン・ツォンイ。今や貴重な正統派の右ペン表速攻型。プリモラッツのドライブをパチパチ叩きまくったが、惜しくもゲームオールで敗れた。「何だか中華料理屋でアルバイトしてるニイちゃんみたいだな」とは今野編集長の弁。

 下写真中央はポルトガルの優男(やさおとこ)、ジョアン・モンテイロ。ポルトガルはエース格のアポローニャが欠場しているが、このモンテイロとフレイタスというサウスポーコンビの活躍次第では、決勝トーナメントに手が届くかもしれない。

 下写真右はチキータの神様、コルベル。ドイツのバウムとゲームオールの接戦を演じ、地元観衆を一喜一憂させた。広角に打ち分けるドライブの切れ味も健在だ。
〈日本 3-0 ベラルーシ〉
○水谷 7、-4、12、8 サムソノフ
○松平賢 1、9、-5、-10、6 チチェチニン
○岸川 11、10、12 プラトノフ

 日本男子は、3番岸川がプラトノフ(下写真中央)を相手に要所を締め、競り合いながらもストレート勝ち。ベラルーシを正面から寄り切った。水谷は「ベラルーシ戦で勝てばそのまま調子に乗れるけど、負けたらガタガタ崩れるかもしれない」と語っていたが、順調な滑り出しに取材班もホッとひと安心。初戦はやはり怖いのだ。

「結構相手がやりづらい選手だったけど、前の二人が勝って、やりやすい状態で回してくれた。競り合いになってもサービス、レシーブを思い切りやれた。賢二も初出場でエース起用という前代未聞の出場で、プレッシャーもあったと思うけど勝てて良かった(笑)。ドイツは盛り上がるし、気持ちよいし、選手としてはこういう環境で試合ができるのはうれしいですね」(岸川)。

 明日の第2戦、日本男子はポーランドと対戦する。
〈日本男子 2-0 ベラルーシ〉
○水谷 7、-4、12、8 サムソノフ
○松平 1、9、-5、-10、6 チチェチニン
 岸川 vs. プラトノフ

 日本男子は2番の松平賢二が、チチェチニンにゲームカウント2-0から2-2へ追いつかれながら、最後の最後で振り切った。小兵(こひょう)のチチェチニン。この身長でカット主戦型として、長年ヨーロッパの中堅として活躍しているのには、やはりそれだけの理由がある。ドライブ対カットになれば、ショートスイングのバック粒高面のブツ切りカットで何本もしのぐ。第4ゲーム11-10のゲームポイントで見せたカットは滅茶苦茶に切れていた。さらにツッツキはフォアの裏ソフトだと切れないのに、バックの粒高だと切れていたりする。
 なにやら魔術師か何かのような雰囲気だったが、最後に開き直って豪腕を振り抜いた賢二。世界選手権初出場で初戦に登場し、初勝利。これは大きな自信になるはずだ。
〈日本男子 1-0 ベラルーシ〉
○水谷 7、-4、12、8 サムソノフ
 松平 1、9、-5、チチェチニン
 岸川 vs. プラトノフ

 現地時間13時スタートの日本男子対ベラルーシ。ドイツ対チェコ戦ではボルが登場し、地元観衆の大声援がこだまする中でも、水谷隼は集中力と平常心を失わなかった。強打が少ないサムソノフのミドルに巧みにボールをコントロールしながら、プレーに積極性を欠くサムソノフのフォアを突いた。フォアサービスもサムソノフに広角にレシーブされないよう、縦回転系のサービスをうまく使っていた。

 日本男子は2番でカットに強い松平賢二を起用。宮﨑監督、思い切った勝負に出てきた。2番松平は、完璧なカット打ちでチチェチニンから第1ゲームを先取したものの、第2ゲーム終盤からチチェチニンのカットの変化にオーバーミス、ネットミスを連発している。この2番を取れば日本男子は一気に勝利へ近づくが、果たして開き直って攻められるか?
〈日本 3-1 スペイン〉
○福原 5、2、9 ラミレス
 石川 -5、-9、4、13 、-9、ション・イェンフェイ○
○平野 5、-9、6、10 朱芳
○石川 9、9、5 ラミレス

 日本は4番石川がラミレスにストレート勝ち。まだ調子が上がらない石川だが、第2ゲームを逆転で取ったことで硬さが取れ、第3ゲームは打って良し、守って良しの危なげない戦いぶりを見せた。

 村上監督「石川はアジア選手権の負けもあるので、集中力が100%まで上がっていない。福原はトップは苦手で、今回しっかり1ゲーム目を取って帰ってきたので、成長しているなと感じました。3番の平野が勝負でした。ラストで福原対ションになれば、7-3で有利だとは思うけど、3番でよく平野が勝ってくれました。スペイン、ドイツ、ポーランドと同じくらいの力なので、うちが負けると4チームがもつれるので、その中で勝てたのは大きい」
〈日本 2-1 スペイン〉
○福原 5、2、9 ラミレス
 石川 -5、-9、4、13 、-9、ション・イェンフェイ○
○平野 5、-9、6、10 朱芳
 石川  ラミレス
 福原  ション・イェンフェイ

 3番平野は、朱芳の打球点の高いフォア強打に苦しみながらも、第4ゲームは鮮やかな逆転で見事勝利。朱芳は香川西高時代にインターハイチャンピオン、日本リーグの十六銀行にも所属した、日本にとってはなじみ深い選手。95年世界選手権でベスト16に入っている。今大会の出場選手の中でも、95年大会に出場した選手はそうはいないだろう。フラットに近い打法のフォアドライブには威力があったが、競り合いでは平野の両ハンドの安定感、積極的な回り込み攻撃が上回った。
〈日本 1-1 スペイン〉
○福原 5、2、9 ラミレス
 石川 -5、-9、4、13 、-9、ション・イェンフェイ○
 平野 5、-9 朱芳

 2番石川は惜敗。最終ゲームも6-10から9-10まで挽回したが、最後はバック対バックの打ち合いから石川のバックハンドがネットにかかった。相手にエッジやネットが連続し、やや不運な展開の中でも集中力を最後まで切らさなかったが、あと一歩、あと一歩及ばなかった。

 これで3番の試合の勝敗が非常に重要になった。平野は第1ゲームを8-1と大きくリードして先取したが、第2ゲームは朱の切れ味鋭い3球目攻撃が決まって1-1。頼むぞ平野!
〈日本 1-0 スペイン〉
福原 5、2、9 ラミレス
石川 -5、-9、4、13  ション・イェンフェイ

 2番石川はションの打球点の高いバックハンドに苦戦。第2ゲーム9-7からションに4点を連取され、ゲームカウント0-2とされたが、ここから切れたツッツキレシーブを起点にションのフォアミドルを攻略し、1ゲームを返した第4ゲームも10-6とゲームポイント。しかし、ションが石川のカウンターをさらにカウンターで狙い打つ好プレーを連発し、11-10と逆転する。石川、3回のマッチポイントを握られ、苦しい苦しい展開だったが、ここを15-13で凌ぎきった!

 最終ゲームはただ今、石川4-7ション。石川、頑張れ!
〈日本 1-0 スペイン〉
○福原 5、2、9 ラミレス
 石川 vs. ション・イェンフェイ

 10時開始の予選リーグ第1試合でスペインと相まみえた日本。トップで福原が若手のラミレス(下写真右)に快勝した。ラミレスはよく動き、時折キレのあるフォアドライブを放っていたが、福原のナックルショートの前にミスも多く出た。勝負をかけた回り込み強打も福原のブロックにつかまり、第2ゲームは0-9まで離される展開。第3ゲームは中盤までラミレスがリードしたが、福原が逆転してストレート勝ちを収めた。

 2番は石川がション・イェンフェイと対戦。ションの前陣攻守は堅く、第1ゲームは現在4-8のビハインド。フォア強打を恐れず、ションのフォアサイドを攻略できるか。