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リオ五輪

 日本選手がようやく登場した。
 丹羽孝希が男子シングルス2回戦から登場し、ナイジェリアのトリオラを4−2で破り、3回戦に駒を進めた。
 丹羽がゲームを先取したが、2−2と追いつかれ嫌な展開。中陣からトリッキーなボールで打ち返してくるトリオラに苦しんだが、5ゲーム目からつけいる隙を与えないプレーを見せた。調子は悪くない。


  • 調子は悪くない丹羽の攻撃

  • ベンチでの倉嶋監督と丹羽

  • 次のフェガールとの試合が楽しみな丹羽

  • 勝利を決め、トリオラとがっちり握手する丹羽

 今大会で使用されるのは日本の三英の卓球台。
 日本らしい木工技術を使ったものだ。天板はレジュブルー。床のグリーンとも合っている。
 選手もやりやすそうで、見るところ、台や空調、床、ボールへのクレームはまだ見ていない。今のところ、会場は完璧だ。

 日本選手は今日は3名が出場。丹羽孝希が11時(日本時間23時)にトリオラと対戦する。規格外のベテラン選手が相手だけに、試合は読めない。丹羽のサービスとチキータ、速攻が炸裂するか注目だ。
 夜の20時からは水谷が登場、ギオニスと対戦する。

 女子では石川佳純が18時(日本の朝の6時)にスタート。相手はキム・ソンイ。粘り強いカットマンだが、世界選手権で2回北朝鮮と対戦した時には、石川はリ・ミョンスンとは対戦したが、このキム・ソンイとは対戦していない。昨夜。キム・ソンイの試合があり、石川は会場で観戦。じっくりと対策を立ているだろう。
 何とか無事に突破してほしい。
 ナイジェリア勢の女子のオショナイケは6回目の出場で女子では最多。予選ラウンドは勝ったものの、本戦1回戦でプエルトリコのディアスに惜しくも敗れた。
 男子では7回目の出場のトリオラは1回戦でチェコのプロコプツォフを4−2で下して、2回戦に進んだ。7回目は前大会のパーソン(スウェーデン)、プリモラツ(クロアチア)、セイブ(ベルギー)に並ぶ記録だ。

 ちなみに男子最年長出場は54歳の何志文(スペイン)、女子では53歳の倪夏蓮(ルクセンブルク)。何志文はアメリカのペンドライブ型フェンに勝ち、倪夏蓮は地元のクマハラに最終ゲームジュースで勝ち、ともに2回戦に進んだ。ベテラン健在だ。

  • 初戦勝ったオショナイケ

  • 2回戦に駒を進めたトリオラ

  • あまりに渋すぎる何志文

  • クマハラを鎮めたツブ高攻守の倪夏蓮

 世界ランキング46位、20歳のカルデラノの人気は絶大だ。大応援団が背中を押して、見事勝ち進んでいる。先輩のツボイは地元のプレッシャーに押しつぶされたが、若手のカルデラノは伸び伸びとしたプレーで観客を沸かせた。
 甘いルックスの豪快なプレーで五輪後も世界に飛び出していく逸材だ。

 五輪独特の雰囲気というか、慣習のようなものがある。
 それは負けた相手に対しても退場の時に大きな拍手が生まれるのだ。4年ごとに開催する国も都市も違うのに、なぜか毎回同じように拍手が敗者へ送られる。この雰囲気があるから選手は五輪に引きつけられるのかもしれない。
 果たして4年後の東京はどうだろうか。地元開催の世界選手権や国際大会で拍手を強要するような演出・・・これは五輪ではナンセンスだ。プラカードで応援を強要したり、手拍子をあわせたりするのも日本的ではあるが相当におかしい。五輪会場のようなスポーツ観戦の雰囲気を日本人が自然に身につけたら素晴らしいのだが。

 ブラジルの会場はさほど満員でなくても応援は熱い。もちろん地元選手が出れば大騒ぎだが、そうでなくても温かい声が送られる。ああ、これがオリンピックだ。

  • スウェーデンのエクホルムは3度目の正直。過去2回資格を得ながら自協会に承認されず

  • ノリノリ、ラテンの血が騒ぐ

  • ポーランドのディアスは強い。台風の目になるか

  • 腹筋が割れているルーマニアのサマラ

  • ややふっくらとしたポータ(ハンガリー)

  • 兄弟で出場を果たしたアラミヤン。こちら弟さん

 大会前はチケットが売れなくて、席ががらがらになるのではという心配もあったが、いざふたを開けてみれば熱い観客の声援で盛り上がった初日となった。初日は予選ラウンドと1回戦が行われ、日本選手は出場していない。
 4台のみで、午前、午後、夜の3セッションで次々と試合が続いていく。選手はやはり緊張と熱いプレーで、世界選手権とはまたひと味もふた味も違う。そして卓球以外の人が大勢応援に来るので選手も気合いが入っているのがわかる。
 男子シングルスに出場して地元の日系選手ツボイは明らかにがガチガチで完敗。これがオリンピックなのだ。

  • さすがブラジル、さすがラテン。ノリの良い応援

  • ナイジェリアのオショナイケのベンチコーチも熱い

  • 貫禄を見せ、パブロビッチのカットを打つエデム(ナイジェリア)

  • アメリカの初出場のジャーは16歳

  • 選手は退場する時に場内を一周する。敗者に惜しみない拍手とスマホでの写真撮影が待つ

  • カザフスタンのゲラシメンコの身体能力は高い!

  • どう見ても森薗選手とかぶるタイのタンビリヤベチャクル。名前は相当に長い

  • 勝利後のファンサービスをするトキッチ

●女子シングルス
 日本の石川は第3シードで3回戦の初戦で北朝鮮のキム・ソンイと対戦する見込みだ。世界選手権クアラルンプール大会では両者は対戦していないが、同タイプのリ・ミョンスンには2勝している石川は乗り切ってくれるだろう。問題はその次の準々決勝だ。韓国の田志希が上がってくるだろう。中国からの帰化選手で世界選手権などには出ていないが、 石川の分の悪い相手だ。サウスポーから回転量の多いドライブを打ってくる。しかし、大舞台で強い石川は乗り切ってくれるだろう。準決勝では丁寧との対戦となる。
 福原は初戦の相手がカットのリー・チェン(ポーランド)になるだろう。そこに勝つとドイツのゾルヤか、北朝鮮のカットのリ・ミョンスン。もしそこを突破できれば、シンガポールの馮天薇と対戦する。李暁霞のブロックではなかっただけに、準決勝進出の可能性も出てきた。

<予想の準々決勝の対戦>
丁寧 VS. ハン・イン(ドイツ)
石川 VS. 田志希
李暁霞 VS. 鄭怡静(タイペイ)または徐孝元(韓国)
馮天薇 VS. 福原(もしくはゾルヤ、リ・ミョンスン)

 前回ベスト4に進出した石川にとって田志希戦が重要な一戦となる。もしそこを突破できれば、メダルに近づく。丁寧との試合も重要だが、仮にメダル決定戦に回り、馮天薇との試合になれば大いにチャンスはある。期待したい。
  • 石川、シングルスでのメダル獲得なるか!

  • 五輪4回目の出場となる福原

 8月3日に五輪のドロー(組み合わせ抽選)が行われた。
 8月の最新ランキングに基づいて行われるが、メダル獲得に向けてドローの行方が、そのメダルの可能性を決めると言っても過言ではない。
 
●男子シングルス
日本の水谷は第4シードで、準決勝で馬龍(中国)と対戦するブロックに入った。勝ち上がっていくと、まずはギリシャのカット、ギオニス。次が唐鵬(香港)か。そして準々決勝ではフレイタス(ポルトガル)とゴーズィ(フランス)の勝者か。
 第1シード馬龍のブロックにはボル(ドイツ)と荘智淵(タイペイ)がいる。水谷としては比較的に苦手にしているボルと準々決勝前で対戦する可能性もあったのだから、良いブロックに入った。
 丹羽は初戦でトリオラ(ナイジェリア)かチェコのブロコブツォフ。次にオーストリアのフェガール。そこに勝てば強敵、黄鎮廷(香港)。そして準々決勝は張継科だ。
 第2シードの張継科(中国)のブロックは陳建安(タイペイ)や李尚洙(韓国)がいる。
 第3シードオフチャロフ(ドイツ)は苦手とするアポロニア(ポルトガル)と対戦し、準々決勝はサムソノフ(ベラルーシ)か。

<予想の準々決勝対戦>
馬龍 VS. ボル
水谷 VS. フレイタス
オフチャロフ VS. サムソノフ
黄鎮廷(もしくは丹羽) VS. 張継科

 かりに水谷が準決勝で馬龍に敗れると、メダル決定戦に進む。そこで張継科とオフチャロフの敗者(おそらくオフチャロフか)と対戦することになる。オフチャロフとの対戦は五分五分の水谷にとって、悲願のメダルなるか!? 4年前よりも心技体ともに充実している日本のエースに期待したい。そしてテレビの向こうで声援を送ってほしい。
 また調子を落としていた丹羽だが、本来の大物食いを見せることができるか。なんとしても黄鎮廷に勝ってほしい。
  • 男子初のメダルを目指す水谷

  • 丹羽は2回戦からの出場

 明日からの五輪卓球競技スタートを控え、日本選手は元気に練習場に姿を見せた。
 競技のメインアリーナは4台のみが置かれ、選手たちはすでにそこで練習を行い、会場には慣れている。この日は二つある練習場で軽く汗を流した。
 シングルスに出場する水谷、丹羽、石川、福原は思い思いに練習をこなしていた。
 五輪独特の興奮と緊張、そして沸き立つ気持ちが伝わってくるようだ。
 一方、選手たちが宿泊している選手村ではトラブル続きのようだ。断水は当たり前で、停電もあるとのこと。それを含めてのリオ五輪だが、また世界選手権とは違う問題もありそうだ。トラブルを受け止めながらも、いかに試合に集中できるのかという気持ちの切り替えも重要だ。

  • 練習後のアイシングをする吉村

  • 調子を上げてきている丹羽

  • 前回の五輪覇者、張継科も余裕の振る舞いだ