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リオ五輪

 4回戦で第1シードの馬龍(中国)があわや敗北という局面を迎えていた。韓国のイケメン選手こと鄭栄植が出足から高速バックドライブで馬龍から主導権を奪う。
 2−2に追いつかれたが、5ゲーム目も、6ゲーム目もリードを奪っていたのだが、馬龍のミスのなさと果敢な攻撃の前に金星を逃した。

*写真は鄭栄植の高い身体能力を見せたジャンピングドライブ


 ナイジェリアのアルナが4回戦でドイツの皇帝ボルを4−2で粉砕した。出足からボルはアルナの回転量の多いボールに苦しむ。10、10、5で3ゲームを先取したアルナだが、ボルはそこから2ゲームを返し、このままもつれ込むかと思いきや、6ゲームでアルナはボルの息の根を止めた。
 
 アフリカ勢では北京五輪でトリオラがベスト16に入ったが、ベスト8は初めての快挙。現在はヨーロッパでプレーするアルナだが、まだまだ強くなる感がある。次は第1シードの馬龍に挑む。
  • 勝利直後のアルナの大ジャンプ。この跳躍力もすごい・・・

  • 応援団の祝福を受けるアルナ

 地元のヒーロー・カルデラノとの対戦となった水谷の4回戦。場内の応援を一新に集めたカルデラノに対し、完全アウェイの中で見事、勝利。次は準々決勝。相手はポルトガルのフレイタス。

水谷隼(日本) 4(5、6、-11、-8、8、10)2 カルデラノ(ブラジル)

 ところで、3回戦で荘智淵を破ったアルナ(ナイジェリア)が、なんとドイツの貴公子・ボルを破る大金星。こんなことって、ある(んだ)な〜

アルナ(ナイジェリア) 4(10、10、5、-3、-5、9)2 ボル(ドイツ)
オフチャロフ(ドイツ) 4(-8、4、9、-7、5、-9、9)3 李平(カタール)

トキッチ(スロベニア) 4(6、-10、6、7、8)1 アポロニア(ポルトガル) 
ドリンコール(イギリス) 4(-8、10、9、8、-5、8)2 ガチーナ(クロアチア)
サムソノフ(ベラルーシ) 4(-9、7、-8、5、7、8)2 K.カールソン(スウェーデン)
黃鎮廷(香港) 4(9、8、5、9)0 ユージン・ワン(カナダ)

丹羽孝希(日本) 4(7、8、9、-4、5)1 フェガール(オーストリア)
クリサン(ルーマニア) 4(-9、11、-5、-10、10、6、11)3 李尚洙(韓国)
張継科(中国) 4(5、11、10、7)0 陳建安(チャイニーズタイペイ)


 8度目となる五輪の取材を振り返りながら、現地での様子を伝えよう。
 今回のリオの情報は、テレビを通じてどれもネガティブなものばかりだった。おかげで、日本を出発する前に、行きつけのランチの店からサービスが出たり、友人が田舎の漬け物を送りつけ、優しく声を掛けたり、まるで今生の別れのような有様だった。
 
 そして、五輪には卓球王国からただ一人向かうことになる。国際卓球連盟(ITTF)には2人申請した。一人はITTF公式カメラマン、もうひとりはITTFのゲストパスを使える立場で。だって、言っては何ですけど、ITTFの役員と言っても何するともなく五輪見物に来る人は毎回見ているので、何とか回してほしいと懇願したのですが・・ダメでした。
 4枚のメディアパス(ID)のうち一枚は使っていいです。写真提供して、その代わり実費自腹。ITTFの虫の良い話に乗るしかない。だってこのメディアパスは貴重なのだから。ほかのスポーツ専門誌はよくわからないが、日本の専門誌が五輪のメディアパスをもらえる雑誌がほかにあるのだろうか。
 ここまでくるのに3年間ほどの労力とコネを使うのです。というわけで、あえなく一人で取材。写真も撮って、試合セッションの合間にせっせとITTFに提供する写真を選んで、トリミングして、写真データに英語の名前を入れて、渡す。
そのために速報が速くできない。申し訳ない。(今野)
  • ホテルの目の前がビーチ。泳いだりサーフィンしている人がいます

  • 開会式が行われたメインスタジアムの周辺

 シード選手は3回戦からの登場となる。相手は1試合、もしくは2試合をやっているために五輪の舞台にも慣れ、勢いがある。
 男子のオフチャロフ(ドイツ)も李平(カタール)を相手にあわや負けるかと思わせる大接戦。4−3で逃げ切った。何度経験しても、この五輪の舞台の雰囲気に慣れるのはトップ選手でも難しそうだ。

  • 出足で飛ばしすぎ、最終ゲームは逆に冷静に声を抑えたオフチャロフ

  • 勝利を決めた瞬間にビクトリー・シャウトのオフチャロフ

 丹羽の3回戦の相手はオーストリアのフェガール。丹羽は終始、自分から積極的に攻めていき、4-1で下して4回戦進出を決めた。
 試合直後の丹羽コメント。「昨日は初戦で場にも慣れていなかったけど、今日はかなり慣れてやりやすかった。相手はシードでこれが初戦だったので、慣れている分、自分のほうが有利だと思っていた。また、守備型の選手だったのでやりやすかった。気持ちがゆるみそうになった時に、監督がタイムアウトをとってくれて、気持ちを引き締めることができた」

丹羽孝希 4( 7、8、9、-4、5) 1 フェガール(オーストリア)
  • 調子の上がってきた丹羽は次の黄鎮廷と対戦

  • 勝利を決め、小さくガッツポーズ。これは丹羽の流儀です

  • 心配そうに丹羽を応援する女性・テレビ解説で来ていた平野早矢香さん

  • 日本の応援団。心強いですね、これは異国の地で

 昨日の石川佳純対キム・ソンイに関しての、インジャリータイムについての誤解があったようなので、会場でレフェリーチームとして大会をサポートしている瀬田幸人さん(大会審判長代理)に伺った。

——昨日のケースで石川選手がインジャリータイムを要求するのは間違いですか?
瀬田 足のねんざや外傷でプレーができない時には最大10分間のインジャリータイムが認められますが、疲労による足のこむら返りや足がつった状態でのインジャリータイムは認められません。それはルールでも規定されているので、昨日の審判、および審判長代理の対応は間違いではありません。
——ということはゲーム中の治療は無理ですか?
瀬田 ただし、ゲーム間の1分間の中でマッサーを呼ぶことを審判かレフェリーが認めれば、呼んで治療することはできます。
——5,6ゲーム目当たりから足の調子は悪そうだったから、最終ゲームに入る前にマッサーを呼んで治療することができたのですね。
瀬田 レフェリーが許可すればそれは可能でした。

 確かに蘇州での世界選手権の女子シングルス決勝の丁寧のインジャリータイムは捻挫だった。インジャリータイムは5分間ではなく、最大10分間であることも訂正しなければいけない。昨日のケースであれば、最終ゲームに入る前のベンチコーチの時点で、石川は立ち上がれない状態だったから、あの時点で治療をしても良かったのかもしれない。
 試合では何が起きるかわからない。それがオリンピックや世界選手権でも起こってしまう。いや、そういうビッグゲームだからこそ起きてしまうこともあるのだろう。
  • 緊張と疲労で右足が思うように動かなくなった石川

8月8日(月)22時〜
 李暁霞(中国) 4(7、7、8、7)0 リー・フェン(スウェーデン)

 李皓晴(香港) 4(8、10、-9、11、6)1 ビレンコ(ウクライナ)

 徐孝元(韓国) 4(8、8、-7、7、6)1 リリー・チャン(アメリカ)
 福原愛(日本) 4(5、6、4、1)0 モンテイロ-ドデアン(ルーマニア)
8月8日(月)23時〜
 鄭怡静(チャイニーズタイペイ) 4(-7、9、7、9、-8、-7、2)3 Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)
 リ・ミョンスン(北朝鮮) 4(5、7、6、6)0 ゾルヤ(ドイツ)
 リュウ・ジャ(オーストリア) 4(-7、8、13、9、5)1 リー・ジャオ(オランダ)
 馮天薇(シンガポール)4(-8、-5、8、5、4、5)2 倪夏蓮(ルクセンブルク)

※時間は日本時間で表記
日本時間、午後10時にスタートした福原愛の初戦(3回戦)は30分足らずで終了。ヨーロッパの強豪・ドデアンを4-0で一蹴し、4回戦進出を決めた。
完勝した直後、福原選手は、「雰囲気に負けないで、自分らしいプレーをしようと心がけました。初戦にしては良い試合が出来たと思います」とコメントした。

福原愛 4( 5、6、4、1) 0 ドデアン(ルーマニア)
  • 順調すぎるほどの出足となった福原

  • 試合後に応援団に笑顔を見せる福原と張コーチ