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2016世界ジュニア選手権大会速報

男女団体第1ステージの合間を縫って、日本チームは会場で混合複も練習。混合複の練習をやっているのは日本だけで、他の国の選手も珍しそうに眺めているが、平野の中国スーパーリーグ参戦で日本で練習できなかった張本/平野ペアをはじめ、出場する4ペアが汗を流した。ダブルスでの実績十分の木造/伊藤ペア、ラリー戦に強い松山/早田ペア、多彩なボールさばきの龍崎/加藤ペア、速さの張本/平野ペア。
混合複もエントリーすると試合数が増え、後半の個人戦はタフな戦いになるが、各ペアとも日本勢初の優勝を狙う。
今大会、3人の男子代表選手を南アフリカに送り込んできた北朝鮮。右シェークドライブ型のハム・ユソンとキム・ソンイル、そして堂々たる体躯の右ペンドライブ型、キム・ソングン。

ハム・ユソンは割とオーソドックスなスタイルに映るが、キム・ソングンは裏面ドライブの完成度が相当高く、フォアのパワードライブの打ち分けもうまい。練習を見ていても、YG系のフォアサービスも使うが、巻き込みタイプのサービスからの両ハンド攻撃は完全な「王皓タイプ」。王皓2世、北朝鮮からも出てきましたか……。キム・ソンヒの時代は遠くなりにけり。

そしてまだ中学生くらいに見える16歳のキム・ソンイルは、とにかくブロックがうまい。労働集約的なスタイルのイメージとはかけ離れた、両ハンドのブロック型。この北朝鮮チーム、なかなか侮れないぞ
  • キム・ソングン、この裏面は相当巧み

  • 顔つきは頼りないが、キム・ソンイルのブロックセンスは高い

  • こちらは中国の徐海東。裏面も使うが、王皓2世というにはちょっと線が細い

上写真左は、会場のオーロラビジョンでITTFによる自身のインタビュー映像「Ask A Pro Anything」を流され、「もうヤメテ〜」と大いに照れる美誠ちゃん。しかし、その直後にはパッとモードを切り替えられる集中力もスゴイ。

上写真右は、平野&早田「みうひな」によるサービス練習。硬いコンクリートに板張りでかさ上げし、フロアマットを張ったフロアは場所によってベコベコへこむが、卓球台やフロアについては、選手からナーバスな声は聞かれない。照明が少々まぶしいが、投げ上げサービスを使う早田も、それほど気にしていないとのこと。

下写真左は「いざ出陣!」の日本男子チーム。キメ顔が得意な選手と苦手な選手、ハッキリ分かりますね。キメ顔が苦手な張本くんは、田中フィジカルコーチからの宿題、タオルを使った土踏まずの筋肉のトレーニングをやっていた(下写真右)。「これ、飛行機の中でもやれって言ってるんですよ」と田中コーチ。地味ですが、結構キツそう。それにしても張本くんの「怪物の足」、デカい。まだまだ背も伸びそう。
  • 美誠ちゃん、大いに照れる

  • みうひな、真ん中に置かれたネットが境界線

  • 日本男子、明日からしっかり頼むぜ!

  • これが「怪物の足」デス

今大会、ナイジェリア男子チームのベンチに入っているのは、五輪7大会出場のアフリカ卓球界のレジェンド、セグン・トリオラ。現在もベルギーリーグでプレーを続けながら、ジュニア選手たちの指導も行っている。

ITTFアフリカ広報担当で、王国本誌に「オクサンのアフリカリポート」を掲載したこともあるオラレコン・オクサン氏によれば、「今、アフリカで卓球が熱い」という。「アルナが五輪でベスト8に入ったことで、ナイジェリアだけでなく、アフリカ全体で卓球に対する熱が高まっている。卓球をやりたいという人がたくさんいるよ。今大会の代表選手たちに用具やウェアを提供しているのはアルナなんだ。アルナは今フランスリーグでプレーしているけど、来シーズンはドイツのブンデスリーガでプレーするよ」(オクサン氏)。

偉大な先輩たちの存在が、選手たちのプレーを後押しするのか。どの選手もまだ荒削りな部分はあるものの、ナイジェリア勢のプレーには少しずつ自信が芽生えているように見える。アフリカの卓球、これからが楽しみだ。
  • ナイジェリア男子のベンチに入ったトリオラ

 世界ジュニアの会場で、例年どおり入念なトレーニングとストレッチを行う日本男子チーム。田中礼人フィジカルコーチがやさしく檄を飛ばす中、全員揃って最後に行ったのが、ジャンプして両手を大きく広げる「スタージャンプ」。その前の項目、4人揃ってキレイにできたら免除だったらしいですが、、、揃いませんでした。ジャンプしながら4人が叫ぶ「スター!スター!」の声が会場に響き渡り、張本くんもこの笑顔。

「先に現地入りした木造と松山は、ベストに近い状態に仕上がってますね。張本と龍崎は、時差ボケとか長い移動の影響はまだありますけど、やっぱり若いから回復が早いですよ」(田中コーチ)。音楽をかけながら、ハードなトレーニングも明るい雰囲気で行っていた。上写真右は「(礼人さんの)顔を見てると笑っちゃうんスよ〜〜」と満面の笑顔の松山くん。愛されキャラです。
  • スター!スター!!スター!!!

  • 笑顔の松山くんです

  • もう一度4人揃って、スター!

今大会の会場であるグランドウエストから、練習会場に行く途中にはボーリング場やゲームセンターがあり、世界ジュニアの会場としては理想的(冗談です)。奥の練習会場とあいまって、何だか巨大な温泉のゲームコーナーにも見えてくる……。もちろん練習会場は緊張感にあふれていますが。
  • 会場にあるボーリング場

  • ゲームコーナーも充実してます

  • 地下のダンジョンで練習してるみたいな北朝鮮チーム

  • 練習会場のテレビに、どこかで見た映像が…

  • さすが、アフリカ

 11月30日、現地時間の午前9時から会場のグランドウエストで開会式が行われた。各国から男女代表1名ずつが出席し、日本代表は伊藤美誠選手と松山祐季選手。両選手とも明るい表情。美誠ちゃんは時差ボケとか関係なさそうです。ちなみに日本との時差は-7時間。
  • 開会式に出席した日本代表のふたり

  • 中国男子のエース、徐海東もコッソリVサイン

  • 明るいタイペイガールズ

  • 開会式を頑張って盛り上げた楽団の皆さん

 日本女子チームの選手4名、男子チームの龍崎選手、張本選手、コーチの皆さんと編集部タローは、ドバイでの乗り継ぎを経て、無事にケープタウンに到着。海が近いせいか、街にはずっと強い風が吹き付けているが、季節は初夏ということもあり、過ごしやすい。アフリカの最西端、思えば遠くへ来たものだ……。

 ケープタウンでの入国審査は、書類は揃っているとはいえヒヤヒヤもの。ドイツから入国できた松山選手と木造選手も、入国手続きには相当時間がかかり、「これでダメだったら一度帰国か」というかなりの緊張感だったそう。他にも現地入りが遅れているチームがあるそうで、この18歳未満の出入国に関する南アフリカの規定、なかなか厄介なものだ。
しかし、これで日本選手団は全員がケープタウンに集結。現地時間7時からウェルカムパーティが開催されたが、日本女子はすぐミーティングを行っていた。

 今大会が行われるグランドウエストは、カジノやホテル、アミューズメントパークなどのある複合施設。会場も体育館ではなく、イベントホールという感じ。選手たちは会場に隣接したグランドウエストのホテルに泊まり、大会スポンサーはグランドウエストを運営するサンインターナショナル。この施設から外に出ずに帰国する選手も多いだろう。街が広いこともあるが、治安上もどこでも出歩ける街ではない。

 日本選手は明日の団体第1ステージは試合はなく、明後日の第2ステージから登場。明日はゆっくり調整してもらいたい。
  • ウエルカムパーティの会場。広い!

  • ノリノリで歌を披露した十代の彼は、なかなかの美声

  • 食事は結構美味しい。選手・関係者にはミールクーポンの束が配られる

  • かなり広い会場。明日から観客は果たしてくる…のか?

 未成年者(18歳未満)の入国時に必要な書類が整わず、25日出発の予定が今日28日夜に延びた日本女子チーム。先にドイツに渡り、合宿を行っていた男子チームは、南アフリカに入国できた松山祐季選手、木造勇人選手(共に愛工大名電)を除き、一度帰国して再び南アフリカへ向かうことになった。
エミレーツ航空のEK313便は深夜0時半に出発予定。王国取材班も同じ便で南アフリカに向かいます。所要時間は、乗り継ぐドバイまで9時間半、ドバイからケープタウンまでまた9時間半といったところ。遠いですネ。

 しかし、なかなか手続きが済まないチェックインカウンターの前で、あーでもない、こーでもないと自撮りを工夫する日本女子の4人、さすがにタフというか、旅慣れているというか。行き交う人たちの中には、遠巻きに選手たちを見守る人もいて、やはり知名度も上がっている様子。

 さあ、乗り込むぞ、ケープタウン!
 今大会、まさに「四天王」と言いたくなる強さの日本女子チーム。さて、それに挑む世界の選手たちは、どのような顔ぶれか?

 まず中国女子。こちらも前回のヴァンデ大会からメンバーは総入れ替え。劉煒珊(Liu Weishan/右シェークドライブ型)、石洵瑶(Shi Xunyao/右シェークドライブ型)、孫芸禎(Sun Yizhen/左シェークドライブ型)、袁媛(Yuan Yuan)の4名。前回の15年大会のメンバーである王曼昱、陳幸同、陳可、そして王芸迪はすでにスーパーリーグで活躍。今回の選手たちも侮れないですが、日本女子、このメンバーにはきっちり勝ってほしいというのが正直な思い。貫禄の差を見せてもらいたい!

 ヨーロッパ勢では、日本で修行を積んだミゴ、そしてザリフというフランス勢、身体能力の高いディアコヌ(ルーマニア)らがトップクラスですが、日本勢にとっては慣れた相手か。果たして、未知なる有望株は登場するのか。期待が高まります。

……というところで、羽田空港に向かう時間になってしまいました。続きは現地に到着してから。お楽しみに!