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ジャパンオープン・荻村杯2017速報

 女子シングルス1回戦に平野美宇が登場。韓国のカットマン徐孝元に対し、ミスの少ない完璧なカット攻略を見せて、危なげなく勝利した。

 橋本帆乃香はペンのユ・フの巧みなカット打ちの前に惜敗。早田ひなはひざの故障により、昨日のダブルスに続いてシングルスも棄権となった。

 これで日本勢で2回戦進出(16強入り)は佐藤瞳、伊藤美誠、平野美宇の3人となった。


●女子シングルス1回戦
鄭怡静(タイペイ) 6、6、7、4 李皓晴(香港)
ユ・フ(ポルトガル) 7、-8、6、12、11 橋本帆乃香
ツォン・ジエン(シンガポール) 7、7、2、-5、-4、6 陳幸同(中国)
ハン・イン(ドイツ) 5、7、9、6 陳思羽(タイペイ)

平野美宇 8、6、4、4  徐孝元(韓国)
田志希(韓国) -9、8、-6、11、13、8 森さくら
姜華珺(香港) 棄権 早田ひな
陳夢(中国) 7、6、10、5 蘇慧音(香港)
 吉村和弘が15年世界2位の方博に対し、先に3ゲームを奪い、最終ゲームもマッチポイントを奪うなど追い詰めたが、惜しくも金星を逃した。

 チキータと両ハンドのカウンターがおもしろいように決まって3ゲーム連取した吉村。国内屈指と言われるチキータのスピードは、世界トップクラスでも通用するレベルであることを改めて証明した。

 しかし3ゲーム目から方博がロングサービスをうまく使ったり、無理に回り込まずバックハンドで対応し、流れは逆転。4-0で押し切れなかった時点で方博有利かと思われたが、最終ゲームは再び吉村が踏みとどまり、激しい打ち合いの末に10-9とマッチポイントを奪う。

 そこから両者譲らずのジュースが続き、会場内は中国人ファンの「方博、加油(ファンボウ、チャーヨ)」コールと日本人観客の拍手でヴォルテージは最高潮に。しかし最後は方博が渾身の回り込みストレートへのフォアドライブで抜き去り、激闘に終止符を打った。

 「3-0となり勝つチャンスがあっただけに悔しい。あと1本で勝てるという意識は持ってはいけないとは思いながらも、どうしてもそう考えてしまった。自分の技術が中国のトップ選手にも通用することがわかったのは自信になった」(吉村和)

 大魚は逃したものの、大きな手応えをつかんだ吉村。この一戦が世界トップで躍進する足がかりになることを期待したい。


●男子シングルス1回戦
方博(中国) -8、-9、-5、4、8、7、12 吉村和弘
  • 得意のチキータで引っかき回した吉村

  • 追い詰められた方博だが、やはり強かった

 上田が2014年大会1回戦に続き、またも男子シングルス1回戦で荘智淵を4-2で下す殊勲の星をあげた。得意のチキータや台上だけでなく、ラリーでも打ち抜く場面も多く、地力での勝利だ。

 「前に勝っていたこともあり、やりにくさは感じていなかった。前回は自分は社会人1年目で、その時より強くなっていると思うし、相手は年齢的にも動きは落ちているはずと思っていた」という上田。切れ切れの動きで攻撃的なプレーを貫いた。

 また、吉村真晴は馬龍に1ゲーム目、大接戦を演じた。「3、4ゲーム目は辛い展開になったが、1ゲーム目のサービスやバック対バックで優位になった展開は自信になった。このような展開ができるよう、技術を高めていきたい」と、敗れはしたがポジティブなコメントを残した。

 丹羽はカットのフィルスに大苦戦。3ゲーム連取から、フィルスの攻撃を浴びてゲームオールに追い詰められたが、最後は集中力をあげてカウンターを決めて辛くも逃げ切った。


●男子シングルス1回戦
馬龍(中国) 16、7、2、2 吉村真晴
上田仁 9、-7、8、-6、6、6 荘智淵(タイペイ)
何鈞傑(香港) -7、10、7、-6、-6、10、4 カルデラノ(ブラジル)
丹羽孝希 8、9、5、-10、-8、-9、5 フィルス(ドイツ)

林鐘勲(韓国) -7、10、6、-10、5、10 アポロニア(ポルトガル)
松平健太 9、-9、-9、3、10、-9、6 ワルター(ドイツ)
許昕(中国) 5、6、10、4 M.カールソン(スウェーデン)
  • 充実したプレーを見せた上田が荘智淵を退ける

  • 攻撃型にも負けないドライブを打ち込んだ豪腕フィルス

 女子シングルス1回戦がスタート。1回戦とはいえ世界ランク上位選手ばかりの対決となり、ハイレベルな試合が目白押しだ。

 石川は、中国次世代エース候補の王曼昱に1-4で敗れた。1ゲームを先取した石川だったが、2ゲーム目から激しいラリー戦で石川のお株を奪う広角な攻めを見せた王が完全に流れをつかむ。1-2となった3ゲーム目、ゲームポイントを奪われたピンチで石川にスイッチが入り、ジュースに追いついたが、攻めた展開で不運なエッジボールもあり、12-14で落とす。最後は波に乗った王の猛攻に押し切られる形となった。


●女子シングルス1回戦
佐藤瞳 3、2、8、-7、4 袁雪嬌(中国)
シャン・シャオナ(ドイツ) 5、-8、11、-8、9、3 加藤美優
孫穎莎(中国) 11、6、3、1 杜凱琹(香港)
馮天薇(シンガポール) 8、10、-8、2、-4、5 ポルカノバ(オーストリア)

伊藤美誠 -6、10、-6、9、7、 梁夏銀(韓国)
陳可(中国) 6、10、2、7 リー・ジエ(オランダ)
サマラ(ルーマニア) 7、8、6、5 ユ・モンユ(シンガポール)
王曼昱(中国) -6、8、6、12、7 石川佳純
  • 粘りきって2回戦進出を決めた佐藤

  • 加藤はシャン・シャオナの技に屈する

  • 石川、単複ともに1回戦で姿を消す

  • 石川を破った大器・王曼昱

 男子ダブルス準々決勝で、世界選手権銀メダルの森薗/大島、リオ五輪団体銀メダルの丹羽/吉村が、それぞれ快勝し、ベスト4進出を決めた。両ペアは、明日行われる準決勝で対決することになる。

 森薗/大島はストレート勝利。大島のパワードライブ、そして少しでも浮いたボールには踏み込んで全力ドライブを打ち込む森薗の積極的な攻撃が、タイペイペアを呑み込んだ。また丹羽/吉村も、苦戦が予想された香港の実力派ペアに3-1で快勝。丹羽のカウンターが冴え渡り、吉村も長いリーチかを活かしたスピードドライブで得点を重ねた。
 
 スウェーデンのカールソンペアは馬龍/許昕に1ゲーム先取。その後は台上で封じられたが、ラリーでは多くの見せ所を作った。以前より硬いボールが採用された点は、相対的に欧州勢のラリーの強さに有利に働いている部分があるかもしれない。


●男子ダブルス準々決勝
森薗政崇/大島祐哉 4、7、11 陳建安/江宏傑(タイペイ)
丹羽孝希/吉村真晴 8、8、-9、6 何鈞傑/黃鎮廷(香港)
樊振東/林高遠(中国) 7、11、-6、-6、6 金珉鉐/林鐘勲(韓国)
馬龍/許昕(中国) -10、1、5、6 K.カールソン/M.カールソン(スウェーデン)
  • 香港ペアを下した丹羽/吉村

  • 快勝で準決勝進出

  • 中国の若手ペアはやや苦戦

  • 金珉鉐/林鐘勲(韓国)は中国ペアを追い詰めるも惜敗

 大会3日目の初戦は女子ダブルス準々決勝。カットの橋本/佐藤はタイペイペアの巧みな攻撃の前に点数こそ競るも、要所で粘り強いカットからの反撃を見せ、ベスト4進出を決めた。

 昨日、石川/浜本に快勝したサマラ/スッチは、田志希/梁夏銀と熱いラリー戦を展開したが、後一歩及ばず。



●女子ダブルス準々決勝
橋本帆乃香/佐藤瞳 9、9、8 鄭先知/林珈芝(タイペイ)
陳幸同/孫穎莎(中国) 4、-10、8、7 陳可/王曼昱(中国)
陳思羽/鄭怡静(タイペイ) 6、7、6 ハン・イン/シャン・シャオナ(ドイツ)
田志希/梁夏銀 -9、6、8、-7、5 サマラ/スッチ(ルーマニア)
 現在、日本卓球協会は「スポーツ・フォー・トゥモロー※」を通じて、開発途上国の卓球仲間へラケット&ラバーを届ける活動を行っており、今回のジャパンオープンの会場内でも、不要になったラケットとラバーの寄付を募集している。昨年のジャパンオープン、今年の全日本選手権の際にも会場内で寄付のためのブースが設けられ、多くの卓球用具が集まった。
 寄付されたラケット&ラバーは、日本卓球協会、スポーツ・フォー・トゥモローを通じて、開発途上国の卓球協会に送付される予定。お手元に使わないラケットやラバーがある方は、観戦の際に会場に持参されてはいかがだろうか。

※スポーツ・フォー・トゥモロー:2014年から2020年までの7年間で開発途上国をはじめとする100カ国以上・1000万人以上を対象に、日本国政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業
http://www.sport4tomorrow.jp/jp/
  • 寄付ブースはこちら!

 大会3日目のITTFワールドツアー・ライオンジャパンオープン荻村杯。今日からは男女シングルス決勝トーナメントもスタートする。タイムテーブルは下記のとおり。

●6月16日タイムテーブル
10:00 女子ダブルス 準々決勝
10:40 男子ダブルス 準々決勝
11:20 女子シングルス 1回戦
13:00 男子シングルス 1回戦
14:40 女子シングルス 1回戦
16:20 男子シングルス 1回戦
18:00 女子シングルス 2回戦
18:50 男子シングルス 2回戦

 男子シングルスには10人の日本選手が出場。中でも注目したいのは昨日U21男子シングルスで準優勝に輝いた龍崎東寅(明治大)。U21男子シングルスで何鈞傑(香港)を逆転で下したのを皮切りに好調なプレーを見せており、昨日は江宏傑(チャイニーズタイペイ)をストレートで退けて決勝トーナメントを決めた。1回戦の相手はK.カールソン(スウェーデン)だが、格上相手に思い切ったプレーを見せてほしい。
 女子シングルスには日本選手8名が出場。石川佳純(全農)は予選を勝ち上がってきた中国の次代のエース候補・王曼昱(中国)と1回戦で対戦する。世界選手権3位の平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)も本日から出陣。1回戦の相手は徐孝元(韓国)だ。
 大会2日目の最終試合はU21男女の決勝。林鐘勲(韓国)と梅村がそれぞれ3-1で勝利し、チャンピオンに輝いた。

 男子決勝の先手を取ったのは龍崎。フォアとバックのプレーがかみ合い、ラリーになっても前につめて両ハンドで押してから、フォアドライブで決めるプレーが見事に決まった。しかし世界ランキング64位、韓国の成長株であるサウスポーの林は、2ゲーム目から龍崎のフォアクロスのボールをバックハンドで押し込むようなカウンター。体格を生かしたフォアのパワードライブも決め、流れを引き寄せ、そのまま押し切った。

 女子決勝は、各ゲームとも好ラリーが展開されたが、梅村の両ハンドにミスがない。サウスポーの特性をいかし、広角打法で長身の木原を抜くボールを随所で決めた。木原も打ち合いでは優位に立ったが、梅村のサービスとコース取りに及ばず、最年少優勝はならなかった。


●U21男子決勝
林鐘勲(韓国) -8、7、7、7 龍崎東寅

●U21女子決勝
梅村優香 6、-9、8、8 木原美悠
  • パワーで龍崎を黙らせた林鐘勲

  • 同士討ちを制し初Vの梅村

  • 龍崎、好プレーを見せたが及ばず

  • 木原は最年少優勝ならず

  • ライオンちゃんが祝福

 丹羽/吉村真はラリー戦で思い切ったプレーをするドイツペアに手こずるも辛勝。浜本/石川は好調のルーマニアペアに対してやや精細を欠いて、1回戦で敗退となった。

●女子ダブルス1回戦
橋本帆乃香/佐藤瞳 7、-6、6、7 崔孝珠/チョン・ユミ(韓国)
サマラ/スッチ(ルーマニア) 6、11、7 浜本由惟/石川佳純
鄭先知/林珈芝(タイペイ) 棄権 早田ひな/伊藤美誠

●男子ダブルス1回戦
森薗政崇/大島祐哉 11、9、7 アポロニア/ジェラルド(ポルトガル)
丹羽孝希/吉村真晴 -5、-8、7、8、9 ドゥダ/チゥ(ドイツ)
何鈞傑/黃鎮廷(香港) 6、9、6 張本智和/木造勇人