9月30日、北京市のグランドハイアット北京で「中国五輪金メダリスト・チャリティーパーティ2008」が開催された。
9月3日に広東省深セン市で国家卓球チームがチャリティオークションを行ったことは以前にお伝えしたが(中国リポート08/09/06「ラケット1本、落札額は1,800万円也」参照)、このようなスポーツ選手や歌手による慈善活動が、中国では本当に多いようだ。今回のチャリティーパーティには、卓球・バドミントン・水泳の飛込み・体操という、中国の誇る四大ドリームチームの選手たちが主に参加した。
オークションのトップバッターとして登場した中国バドミントン界のビッグカップル、林丹と謝杏芳に続いて壇上に上がったのは、国家男女チーム監督の劉国梁と施之皓、張怡寧。三人が手にしていたのは、王励勤と馬琳、そして張怡寧は自分自身のサイン入りラケットだ。この中で張怡寧のラケットは、3万元(約45万円)からオークションがスタート。これだけでも信じられないプライスだが、オークションが始まるやいなや、あちこちから声が上がること15回。プライスは19万元(285万円)に達したところで声が止まった。
ここでうまい助け舟を出したのが、パーティの司会を担当していた中国中央テレビ局のイケメンアナウンサー・魯健。ラケットにまつわる逸話が何かないかと張怡寧に質問すると、「このラケットは北京五輪の前後3カ月くらいに使っていたもの。シングルス準決勝のリ・ジャウェイ戦で使ったのもこれです(張怡寧)」。このひと言が決心させたのか、会場からなんと「40万!」という声が上がり、会場がどよめいた。日本円にして約600万円で落札したのは、香港から来たという張怡寧ファンの会社社長だ。
ちなみにこのパーティには、飛込み競技の女王、そして中国スポーツ界のお騒がせ女王こと郭晶晶もサイン入りの水着を出品。まるで干物のように板に貼り付けられた水着は、30万元(約450万円)で落札された。張怡寧の人気が上回ったのが、張怡寧ファンの社長の熱意がまさったのか、とにもかくにもオークション女王の座は張怡寧が射止めた。
この夜の最高落札額を記録したのは、23人の五輪金メダリストのサインが入った特別記念切手で、なんと100万元(約1500万円)。総額1918万元(約2億8,800万円)は、ほとんどが四川大地震の被災地へ送られ、学校の建設費に充てられるとのことだ。
Photo:団体表彰で郭躍とじゃれあう張怡寧。このペースでオークションが続くと、スペアラケットがなくなってしまいそうだ