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世界卓球ブダペスト大会

●混合ダブルス3回戦
吉村真晴/石川佳純 ー5、12、ー6、6、8、10 スーディ/ペルゲル(ハンガリー)
森薗政崇/伊藤美誠 7、9、3、6 張禹珍/崔孝珠(韓国)

大会第4日目は混合ダブルス3回戦からスタート、日本の吉村/石川と森薗/伊藤はともに勝利を収め、夜行われる準々決勝へ勝ち上がった。

ハンガリーペアに苦戦した吉村/石川は「ぼくらの得意のパターン、石川さんの攻撃からのぼくの回り込み攻撃、これを最初から封じられていて、なかなかリズムが取れずに足が止まってしまったけど、苦しい展開の中、しっかり途中から戦術を変えたのが良かった」と試合後に語った。森薗/伊藤は、伊藤の変化の激しいサービスから、森薗の3球目攻撃が次々に決まった。
  • 地元ペアを破った吉村/石川

  • 森薗/伊藤は難敵と思われた韓国ペアを寄せつけず

 今大会の第2会場は、黒のフェンスとフロアマットの色の組み合わせもよく、「ヨーロッパの卓球会場に来た!」という感じ。観客席は少ないが、それだけに熱気もすごいもの。メインアリーナより盛り上がっているように感じられる。
 男女シングルス2回戦、第2会場での熱戦の模様をピックアップ!
  • ナックルチョッパーのワン・ヤン(スロバキア)、ピチフォードを完封

  • ディヤス(ポーランド)がスウェーデンのK.カールソンとの打撃戦を制した

  • ジョウティ(ブラジル)を破ったDa.ハベソーン(オーストリア)

  • ファルク(スウェーデン)、ガルドス(オーストリア)との速攻戦を制す

  • 地元ハンガリーのマダラシュ、リー・ジエ(オランダ)を破って場内は熱狂

  • P.ゾルヤ(ドイツ)は鄭先知(チャイニーズタイペイ)によもやの完敗

 下写真左は、昨日の男子シングルス2回戦、ドリンコール(イングランド)戦で見せた丹羽孝希のワンプレー。相手が中陣に下がってバックでしのぎ、機を見て回り込んでの反撃を狙う場面で、丹羽はフォアへ飛びつきざまにラケットをワイパーのように振り抜き、フォアストレートへ打ち抜いた。ドリンコール、一歩も動けず。

 複雑な回転がかかり、揺れながら飛んでいったボール。ボールも「こっちのコースに飛んでいいの?」と迷っているように見えた(ウソです)。中陣からのしのぎのボールとはいえ、かなり回転がかかっており、一歩間違えばオーバーミスが出やすい。
 ためらわずに逆モーションでストレートを突いた決断力とボールセンス、やはり今大会の丹羽は相当調子が良いようだ。1回戦からガッツポーズも随所に出ている。

 
  • フォアストレートへ飛びつきざまのカウンター!

  • 勝利の瞬間はこのガッツポーズ

★大会4日目・4月24日のタイムテーブル

〈混合ダブルス3回戦〉
●10:00~(日本時間17:00~)
吉村真晴/石川佳純 vs.スディ/ペルゲル(ハンガリー)
森薗政崇/伊藤美誠 vs.張禹珍/崔孝珠(韓国)

〈女子シングルス3回戦〉
●11:00~(日本時間18:00~)
平野美宇 vs.チャン・モー(カナダ)
佐藤瞳 vs. ウー・ユエ(アメリカ)
●12:00~(日本時間19:00~)
伊藤美誠 vs.孫穎莎(中国)
石川佳純 vs.リー・チャン(ポーランド)
加藤美優 vs.鄭怡静(チャイニーズタイペイ)

〈男子シングルス3回戦〉
●13:00~(日本時間20:00~)
水谷隼 vs.鄭栄植(韓国)
●14:00~(日本時間21:00~)
張本智和 vs.フレイタス(ポルトガル)
●16:00~(日本時間23:00~)
森薗政崇 vs.ボル(ドイツ)
●17:00~(日本時間24:00~)
丹羽孝希 vs.ディヤス(ポーランド)

〈女子ダブルス3回戦(ベスト8決定戦)〉
●18:00~(日本時間25:00~)
早田ひな/伊藤美誠 vs.陳思羽/鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
橋本帆乃香/佐藤瞳 vs.田志希/李ジオン(韓国)

〈男子ダブルス3回戦(ベスト8決定戦)〉
●18:45~(日本時間25:45~)
張本智和/木造勇人 vs.梁靖崑/林高遠(中国)

〈混合ダブルス準々決勝〉
●19:45~(日本時間26:45~)

〈女子シングルス4回戦(ベスト8決定戦)〉
●20:30~(日本時間27:30~)/21:30~(日本時間28:30~)

大会第4日目、4月23日のタイムテーブルは上記のとおり。男子シングルスは3回戦(ベスト16決定)、女子シングルスは3回戦と4回戦(ベスト8決定)まで進む。混合ダブルスは準々決勝まで進行し、メダル獲得の4ペアが決まる。

女子シングルス3回戦は、何と言っても伊藤美誠対孫穎莎が好カード。小柄なパワーヒッター・孫穎莎に対し、伊藤はより切れ味と変化を増したフォアサービスで一気に先手を奪いたい。加藤対鄭怡静も激しいラリー戦になりそうだ。

男子シングルス3回戦では、水谷対鄭栄植、張本対フレイタス、森薗対ボルと好カードが目白押し。過去2戦2敗のフレイタスに挑む張本は、このヤマ場を乗り越えられるか?
  • 頂点への第一関門、孫穎莎戦を迎える伊藤美誠

  • プレッシャーからか、本調子ではない孫穎莎だが、伊藤戦は気合いが入るだろう

 長く日本男子の屋台骨を支えている、ふたりのサウスポーが好調だ。

 ヘアバンドとサングラス姿でコートに立つ水谷隼は、2回戦でフランスの若手アキュズに4ー2で勝利。試合後は「稀代のオールラウンダー」として、自信を感じさせるコメントを残した。
 「最近、打球感覚が良くなってきて、無理して前陣だけで戦わなくても、中陣、後陣でも自分らしいプレーができている。昔の自分を思い出しながらやっています。前・中・後陣と幅広く今日はできたし、自分の理想に近づいたプレーができた。オールラウンダーとして、どんなポジションでも、どんな相手でも自分の力を発揮できる」。

 明日の3回戦、水谷の対戦相手は鄭栄植(韓国)。前々回の蘇州大会では大激戦の末に勝利を収めたが、昨年10月のTリーグ開幕戦での水谷の黒星も記憶に新しいところ。バックサイドのどこに打たれてもショートスイングで回転をかけ、いつの間にか自分のペースに相手を引きずり込む鄭栄植の攻守をどう攻略するか。「鄭栄植戦は相性は良くないけど、キーになるのは自分のレシーブ。いつも相手のサービスに苦しんでしまうので、レシーブに全てを集中したい」(水谷)

 一方、丹羽は見ていても調子の良さが伝わってくる。「今大会、バックハンドの調子がすごく良い。ぼくは小柄だし、フォアハンドばかりだと回り込むとフォアががら空きになってリスクが高くなるので、バックハンドは重要」と2回戦後のコメント。速いバック対バックの打ち合いでも、瞬間的に回転をかけて浅く落とし、相手のオーバーミスを誘うボールタッチはやはり天性のものだ。

「1試合目はメインアリーナでの試合で、調子があまり良くなかったけど、2試合目のサブアリーナのほうが打球感が良かった。でも明日からメインアリーナでの試合なので、しっかり調整したい。メインアリーナは、今日は雨が降っていたので少し湿気があってボールが飛ばない感じだった。ネットミスが多かったですね」(丹羽)
  • 水谷、懐の深い守備に超高速カウンターを織り交ぜた

  • 水谷から2ゲームを奪ったアキュズ

  • 丹羽はバックハンドの緩急が抜群に冴えている

●男子シングルス2回戦
張本智和(日本) 5、7、7、7  J. パーソン(スウェーデン)
水谷隼(日本)  6、-8、6、10、-7、8 アキュズ(フランス)
丹羽孝希(日本) 4、13、5、9 ドリンコール(イングランド)
カルデラノ(ブラジル) 7、12、-7、-10、5、8 吉村和弘(日本)
森薗政崇(日本) 9、6、6、-10、8 ポランスキー(チェコ)

 長い長い1日、大会第3日目の最終試合、男子シングルス2回戦の日本選手の結果は上記のとおり。

 1番手で登場した張本は、スウェーデンのヨン・パーソンを完封。時折、思い切った回り込みから威力あるフォアドライブを打ってきたヨン・パーソンだが、プレー領域は中陣寄りで攻めが遅く、張本にとっては戦いやすい相手。バック対バックで、打球点の早さを生かして確実に優位に立った張本は、凡ミスが出ないように慎重にコースを突き、チャンスボールをバックストレートに突き刺した。危なげない戦いぶりだった。

◎試合後の張本智和のコメント
「指(傷めている右手の薬指)は試合前の練習では少し痛みはあったけど、試合中は平気でした。今日は台上が少しあまかったので、そこを修正していきたい。初戦はミスがあってナーバスになったけど、2試合目では修正できた。
 明日の3回戦の相手(フレイタス)は一度も勝ったことがない相手なので、チャレンジャーのつもりでやりたい。それで負けたら自分の力不足です」
  • 張本、明日は過去2戦2敗のフレイタスとの対戦

  • 昨年の世界団体銅メダリスト、ヨン・パーソンは張本に敗れる

  • 直前の男子ダブルスの疲れは隠せなかったが、気力を振り絞った森薗

●女子シングルス2回戦
佐藤瞳 4、2、6、6 チェホバ(チェコ)
石川佳純 1、ー9、3、2、7 A.ゾルヤ(オーストリア)
平野美宇 10、ー9、ー5、6、2、3 ペソツカ(ウクライナ)
伊藤美誠 8、8、7、ー6、2 リリー・チャン(アメリカ)
加藤美優 6、4、6、ー12、8 ペルゲル(ハンガリー)

女子シングルス2回戦が終了、日本勢は前回大会に続き、5人全員がベスト32に勝ち残った!

フォア面に変化系の表ソフト、バック面にアンチを貼る変則タイプのA.ゾルヤと対戦した石川は、1ゲーム目10ー0でゲームポイントを握るほど一方的な展開になりながら、2ゲーム目はアンチの変化に戸惑い、逆転で落とす出入りの激しい展開。しかし、その後は変化を見極めて確実にリードを広げた。
「(A.ゾルヤに対しては)調整して打たないといけないので、止まるボールや曲がるボールを足を動かして対応できたので、明日につながる試合になったと思います。明日も攻めの気持ちを忘れず、最大限に自分の力をフル稼働させたい」(石川)。

平野はバックハンドが堅いペソツカに苦しみながらも、うまく緩急をつけて逆転勝ち。「途中まで相手のペースで、やりやすそうにしていたので、速すぎてもダメだと。速いのとゆっくりの使い分けが良かったと思います」と試合後に語った。

伊藤はアメリカのリリー・チャンに1ゲームを落としたものの、完勝。明日の3回戦でいよいよ中国の孫穎莎と相まみえる。孫穎莎は2回戦のリュウ・ジャ(オーストリア)戦でもゲームを落とすなど、まだプレッシャーから本来の調子は出ていないようだ。

「(次の孫穎莎戦は)楽しみは楽しみですが、ここでは負けられない。勝って自信をつけたい。どっちにしても中国に勝たないとメダルは獲れないので、それが早かったということ。孫穎莎はパワーのある選手ですね。自分のほうが経験はあるし、大舞台では何が起こるかわからないので、孫選手が120パーセントを出したとしても自分が勝てるようにしたい」(伊藤)。
  • 石川、A.ゾルヤのクセ球を我慢強く打った

  • A.ゾルヤ、バック面のアンチラバーの変化は相当なもの

  • 平野、苦しみながらもペソツカに勝利

  • 伊藤、いよいよ明日の3回戦で孫穎莎と激突

●女子ダブルス2回戦
橋本帆乃香/佐藤瞳 3、7、7、4 バトラ/カマス(インド)
早田ひな/伊藤美誠 4、ー10、7、9、4 シャオ・マリア/チャン・モー(スペイン/カナダ)

●男子ダブルス2回戦
ルベッソン/フロール(フランス) 8、-7、7、-13、6、-6、9 森薗政崇/大島祐哉 
張本智和/木造勇人 10、4、6、7  リンド/ラスムッセン(デンマーク)

 男女ダブルス2回戦、女子の2ペアは危なげなく2回戦を突破し、ベスト16入りを果たしたが、男子ダブルスで前大会の銀メダリスト、第1シードの森薗/大島が大激戦の末にフランスのルベッソン/フロールに敗れた。日本チームとして初の敗戦となった。

 最終ゲーム9ー7で森薗/大島がリードしたが、森薗のチキータのミスが2本続いて9ー9となったところで、森薗/大島が強打を打ち込んでいたラリーで隣のコートからボールが飛び込んできた。第2会場ゆえの不運か、このラリーがレットになると、大島の対チキータのフォアハンドが2球連続でオーバーミス。命運尽きた。

◎大島の試合後のコメント
「何と言っていいかわからない。思うようにフォアが入らなかった。最後の2本、フォアにチキータが来るとわかっていて2本ミスしたのが悔しいです。森薗にはたくさん迷惑をかけてきたので、世界一になって恩返ししたかった。家族にもメダルを持って帰りたかった」

 張本/木造は昨日、1試合をやったことで固さがなくなり、伸び伸びとしたプレーを見せた。木造のフォアドライブと張本のバック速攻のコンビネーションもバッチリ。ストレートでデンマークペアにつけいる隙を与えずに勝利した。

◎木造のコメント
「昨日と比べるとだいぶ楽に試合ができた。昨日、(世界戦の)緊張感を実感できたので、今日はリラックスしてできた。1ゲーム目からフォアで攻めていくことができた」
  • 森薗/大島、全身全霊を賭けたプレーを見せたが……

  • 最後は大島のフォアドライブがオーバーミスとなり、終戦

  • 佐藤/橋本はインドペアを寄せつけず

●男子シングルス1回戦
丹羽孝希 ー10、9、10、1、9 アギーレ(パラグアイ)
森薗政崇 8、8、9、8 ビクター・リュウ(アメリカ)

日本男子、丹羽・森薗も勝利を収め、女子に続いて5人全員が1回戦突破。
10人で10連勝だ!

丹羽は同じ左腕のアギーレにやや苦しんだ。アギーレはジュニア時代、南米の星と言われた選手。いきなり1ゲーム目をアギーレがもぎ取り、2、3ゲーム目は丹羽が競り勝った。このあたりから丹羽のエンジンが全開となり、速攻ドライブが決まりだし、4ゲーム目を11-1、5ゲーム目を11-9で取り、今大会の初戦を飾った。対戦相手のプレーを縛る、両ハンドドライブの質の高さはさすがだ。

森園はアメリカのビクター・リュウの両ハンド攻撃を、機敏な動きで狙い打ち、ラリー戦を制した。非常に集中力の高いプレー、体への負担も大きいはずだが、ストレート勝ちで乗り切れたのは大きい。ダブルスでは十分に実績を残してきたが、シングルスの初勝利おめでとう!
  • クールな男・丹羽がこのガッツポーズ!

  • 以前はかわいらしい顔立ちだったが、ずいぶんコワモテになったアギーレ

  • 森薗、うれしい世界選手権初勝利

●男子シングルス1回戦
ピチフォード(イングランド) 10、ー5、5、ー5、6、ー9、10 アファナドル(プエルトリコ)
林昀儒(チャイニーズタイペイ) 10、7、9、10 チウ・ダン(ドイツ)
プツァル(クロアチア) ー8、10、ー5、4、8、ー10、7 シュテガー(ドイツ)
K.カールソン(スウェーデン) ー7、8、ー6、5、ー8、6、4 ラムゲイ(スコットランド)
ディヤス(ポーランド) 10、ー10、5、ー14、ー10、5、9 シバエフ(ロシア)
安宰賢(韓国) 3、5、8、9 黄鎮廷(香港)
ポランスキー(チェコ) ー11、9、ー10、ー7、9、8、8 陳建安(チャイニーズタイペイ) 

4台設置のメインアリーナを出て、12台設置の第2会場に来ると、こちらでも熱戦の連続。観客席との距離が近く、関係者が熱烈な応援を送るため、その熱気はメインアリーナ以上だ。

男子シングルス1回戦では、イングランドのピチフォードがプエルトリコの正統派ドライブマン、アファナドルにゲームオールジュースで辛勝。アファナドル、ピチフォードの絡みつくような両ハンド強打も中陣でよく打ち返したが、あと一歩及ばず。
シェークとペンの若手対決、注目カードの林昀儒対チウ・ダンは、意外にも林昀儒がストレート勝ち。林のチキータは驚くほど速く、バックドライブも強烈。チウ・ダンは左腕の林にフォア前に出されたサービスに対し、レシーブにやや厳しさを欠いた。この敗戦を糧に、まだまだ伸びてもらいたい。

クロアチアのプツァルは、ロングサービスとバックハンドの速攻でファイターのシュテガーに競り勝った。スコットランドのラムゲイも、思い切り変化をつけて出すロングサービスでクリスチャン・カールソンを追いつめたが、惜敗。ポーランドのディヤスは、シバエフとの大打撃戦を制した。両選手とも熱い声援が飛び交い、会場の雰囲気を変えるほどのゲームだった。

そして波乱は、黄鎮廷と陳建安の敗戦だ。黄鎮廷は韓国の新鋭・安宰賢にまさかのストレート負け。陳建安は強烈な両ハンドドライブを放つポランスキーに屈した。両選手ともTリーグでの活躍でお馴染みの選手だけに残念。黄鎮廷は4回戦で張本と当たる組み合わせだったが、黄鎮廷に対しては自信を持っている張本にとっては、この安宰賢のほうが嫌な相手か。安宰賢は続く2回戦で、こちらも何鈞傑を破って勝ち上がったモアガルドとの対戦だ。
  • K.カールソン、敗戦の瀬戸際から逆転勝利

  • K.カールソンを追いつめた変化サーバー、ラムゲイ

  • シュテガーを破ったプツァルは、今大会注目の選手

  • 天才肌の安宰賢が、黄鎮廷に衝撃のストレート勝ち

  • 黄鎮廷、ベンチで落胆を隠せず