卓球王国7月号 好評発売中!
サイト内検索
スマホ版に
戻る

トピックス

トップニューストピックス
 男子シングルス1回戦でカルデラノ(ブラジル)に1−4で敗れた水谷。試合後に「終わったなという感じです。でもまったく後悔はない。いつでも卓球をやめてもいいくらい後悔はない」と語り、シングルス代表に手が届かなかった五輪選考レースを振り返った。以下は水谷のコメント。

 「カルデラノとの試合は、本当に良いプレーは一本もなかったと思います。一つひとつのボールの威力がすごくあるし、サービス・レシーブから後手後手に回った。もともと五輪選考レースは状況的に厳しかったので、気持ちの覚悟はかなり前からできていた。終わったなという感じです。でもまったく後悔はない。いつでも卓球をやめてもいいくらい後悔はない。
 
 この1年間、もうちょっと良いパフォーマンスがしたかった。1年を通して納得のできる試合が1本もなかったし、試合の中で良いパフォーマンスをした記憶も全然ない。すっきりしないまま、ただただ五輪シングルスのために試合を消化していった。今までにないくらい卓球が嫌いになったというか、試合をしている時が何よりつらかったですね。

 自分の眼の影響が2年前に起きてから、試合も練習もつらかった。自分が無理かなと思っている中でも、ファンや家族が応援してくれているので、そのモヤモヤがこの2年あった。やっているのがつらかったです。シングルスに出られないのは申し訳ない気持ちでいっぱいです。いろいろな人が自分のシングルス出場を応援してくれていたので、今回は申し訳ない気持ちでいっぱい。自分は後悔していないし、東京五輪に出られる可能性はあるので、前向きに考えていきたい。もう半年くらい卓球はいいですね。早く休みたいです」(水谷)

 高い理想を追い求めるがゆえに、理想とのギャップに苦しんだこの2年間。水谷隼はようやく五輪選考レースから解放された。残る種目は伊藤美誠との混合ダブルス。「今年、何度もミックスの決勝で負けているので、そのリベンジがしたい」と語った。
●女子シングルス1回戦
孫穎莎(中国) 7、−9、−9、2、8、4 何卓佳(中国)
陳夢(中国) 7、−8、−10、−12、11、8、6 銭天一(中国)

●男子シングルス1回戦
林高遠(中国) 11、9、8 −4、−8、4 オフチャロフ(ドイツ)
カルデラノ(ブラジル) 6、9、−12、4、6 水谷隼


 女子シングルス1回戦に続いて、男子シングルス1回戦が行われ、カルデラノと対戦した水谷は1−4で敗戦。選考レースを争う丹羽孝希が欠場したグランドファイナルで、丹羽とのランキングポイント差(495ポイント)を上回るために必要な「準決勝進出」という条件を満たすことができず、東京五輪・卓球競技の男子シングルスの代表切符、2枚目は丹羽の手に渡った。

 1ゲーム目から、プレー中の表情にもうひとつ覇気がない水谷。腰の故障の影響もあってか、3球目もバックドライブが主体で、なかなか回り込む足がない。9−10からのレシーブエースで逆転した4ゲーム目を取り返したが、ラリーからフォアに振られると逆襲を許すシーンが多く、カルデラノの豪打を防ぎきれなかった。「試合を振り返って、納得のいくボール、良いプレーがひとつもなかった」と試合後のコメント。水谷は残る伊藤との混合ダブルスで優勝を狙う。準決勝の相手は香港の黃鎮庭/杜凱琹だ。

 女子シングルス1回戦では、東京五輪代表を狙う孫穎莎と陳夢が「あわや」という場面も。孫穎莎は河北省チームのチームメイトである何卓佳に、両ハンドドライブをしつこく返され、一時はゲームを1−2とリードされた。もっと危なかったのは陳夢。左腕・銭天一の懐の深い両ハンド攻守に、押し込んでもうまく盛り返され、ゲームカウント1−3の9−9まで競り合った。まだチャンスがある東京五輪代表の座をつかむためにも、負けられない戦いだ。
●女子シングルス1回戦
伊藤美誠 −10、6、−7、4、−4、3、10 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
陳幸同(中国) 3、7、9、5 馮天薇(シンガポール)

 最終ゲーム10−9で迎えた2回目のマッチポイントで、伊藤の渾身の回り込みスマッシュが鄭怡静のバックブロックにつかまり、伊藤のフォアサイドを駆け抜ける。しかし、最終ゲーム11−10で迎えた3回目のマッチポイントで、フォアに送ったバックハンドが辛くも決まり、昨年のグランドファイナルで3−4で敗れた鄭怡静に勝利した。試合時間はほぼ1時間ジャスト。

 1ゲーム目、10−7のゲームポイントから逆転されたのが苦戦の幕開けだった。ナックル系のロングサービスから、バック対バックでどっしり構えて、細かいコース変更やフォアサイドへの強打を狙う。相手への「やりにくさ」で勝負する伊藤のお株を奪うように、巧みな緩急でミスを誘う鄭怡静。バックハンドは非常に低く、ストレートにカウンターするのは難しい。

 常にゲームを先行され、取るゲームは出足から大量リード。選手としては非常に嫌な試合展開だったが、伊藤は最終ゲームの終盤、7−7からレシーブで2本回り込んでエースを奪って、粘る鄭怡静を振り切った。お互いに全力を出し尽くすというより、互いの長所を封じることに意識を置いた一戦。これで伊藤は今夜の準々決勝で、丁寧を破った佐藤瞳と相まみえる。
 石川と平野のあまりに過酷な選考レース。その決着の舞台となった『ITTFワールドツアー・グランドファイナル』だが、実はそのクライマックスは先週カナダで行われた、普段なら日本のトップ選手には無縁の国際大会だった。

 ITTFワールドツアーの下部大会に当たる『ITTFチャレンジプラス』のノースアメリカンオープン。獲得できる世界ランキングのポイントは少なく、優勝者に与えられる「1100ポイント」でなければ、石川・平野は自らの世界ランキングのポイントを伸ばすことができなかった。
 大会前の時点で平野に「65ポイント」のリードを許していた石川は「最後の最後、本当に最後のチャンス」と覚悟を決めた。平野も接戦の連続で気力を振り絞って、女子シングルスの決勝で対戦。激しい接戦の末、石川が4−2で勝利して優勝し、平野を逆転して「135ポイント」の差をつけた。

 「最後のチャンスと思っていたカナダ(ノースアメリカンオープン)で、今年一番良い試合ができた。結果がどうあっても納得できるプレーで、最後にトンネルを抜けられたという気持ちでいられるのはすごく大きい」と石川は語る。一方の平野は「ノースアメリカンオープンが終わった時点で、気持ちの整理はある程度ついていた。今日は悔しいというより、1年間いろいろあったなとすごく思いました」とコメント。グランドファイナルでは平野の敗戦で、石川の五輪代表が決まったが、直接対決で決着をつけられたというのは、東京五輪を戦ううえでも吹っ切れる部分があるのではないか。

 五輪開催年の1月の世界ランキングで、上位2名が五輪シングルスの代表候補になる選考方法を、日本卓球協会は2012年ロンドン五輪から採用している。このロンドン五輪で、日本女子が歴史的な団体銀メダルを獲得。続くリオ五輪では男子団体銀メダル、女子団体銅メダル、水谷隼の男子シングルス銅メダルというメダルラッシュにつながっていった。あまりに過酷な五輪選考レースが、選手たちを追い込み、鍛え、レベルを上げてきたのもまた事実だ。

 「五輪の考えられないようなプレッシャーの中で戦う強さは、この1年で本当に鍛えられたと思う。それを力にして、パワーアップした自分で半年後にコートに立ちたい」。石川佳純はそう語った後、「でも今は休みたいです」と笑った。

 この選考レースで味わった苦しみは、一生心のどこかに残るだろう。一方で、石川と平野は五輪団体戦を見据えて国際大会でダブルスのペアを組み、五輪団体戦では1番ダブルスという「要(かなめ)」を担う可能性が大きい。戦い済んで、同じ苦しみを分かち合った者として、地元開催の東京五輪で思う存分暴れてほしい。そして今はただひと言、「本当にお疲れさまでした」と(柳澤)。
 なぜ、ここまで追い詰められなければならないのか。石川佳純(全農)が平野美宇(日本生命)を世界ランキングポイントでわずかに上回り、伊藤美誠(スターツ)に続いて東京五輪・卓球競技のシングルス代表候補に確定した女子五輪代表の選考レース。「光が見えなかった」(石川)、「もう卓球をやめようと思った」(平野)と語り、赤く泣き腫らした眼で質問に答えた両選手。倒れ込むようにゴールテープを切った、まるで勝者なきレースだった。

 石川は現世界女王の劉詩ウェン(中国)に0−4、平野は王芸迪(中国)に1−4とともに1回戦で敗れ、獲得した世界ランキングのポイントは同じ「1020」。リオ五輪から3年、そしてこの1年で一気に激しさを増した選考レースで、石川と平野の世界ランキングポイントの差はわずか「135」だった。年間12大会行われるITTFワールドツアーでも、1回勝ち進むことができれば逆転可能な差。石川も平野も、その1勝を挙げるためにもがき、苦しんだ。

 「1年間長かったな……という気持ちです。この1年、うまくいったことがほとんどないくらい辛いシーズンだった。なかなかチャンスを生かせない自分がすごく悔しかった」。ミックスゾーンでそう語った石川。10月のスウェーデンオープン、ドイツオープンと格下の選手に早いラウンドで敗れる大会が続き、世界ランキングポイントで平野に逆転を許した。「内容的にもダメな負けが続いて、光が見えなかった」と石川は言う。
 「自分の一番大事な時になかなか調子が上がらなくて。家族のサポートだったりとか、つらい時に励ましてくれた方々がいなかったら、今日ここにいることも難しかったんじゃないかと思うくらい大変でした」(石川)。

 一方の平野は、16年リオ五輪で代表入りを逃し、Pカード(選手負傷時の代替出場選手)として、会場で日本女子の銅メダル獲得を見守った。その悔しさと五輪に懸ける思いを胸に、2017年にアジア選手権で中国選手を連破して優勝、17年世界選手権で銅メダル獲得と歴史的な快挙を連発。しかし、その後は卓球へのモチベーションの維持に苦しみ、ラケットを置くことさえ考えた。

 「去年くらいはずっと卓球をやめたかった。その中で自分なりに、今年は頑張れたかなと思います。(リオ五輪からの)3年間、ずっと頑張ることができなかった。卓球に対しての気持ちが弱かった。自分の中ではこれが精一杯だったと思うし、今回はこういう結果だったということを受け止めたい」(平野)。日本女子の団体3番手の選手は強化本部推薦で、現時点では平野に確定したわけではないが、実績と世界ランキングから考えれば、平野が選ばれる可能性は大きい。
●男子シングルス1回戦
樊振東(中国) 5、16、10、7 ボル(ドイツ)
林昀儒(チャイニーズタイペイ) 7、9、11、9 ファルク(スウェーデン)
梁靖崑(中国) 4、6、8、1 黃鎮庭(香港)
許シン(中国) −5、−8、10、7、8、4 趙子豪(中国)

男子シングルス1回戦の4試合の結果は上記のとおり。樊振東、林昀儒、梁靖崑、許シンという優勝候補の強豪たちが準々決勝へ勝ち上がった。

一時の不調を完全に脱した感のある樊振東は、ボルと見応えあるカウンターの応酬。以前はチキータからのバックハンド速攻がトレードマークだったが、バックハンドの緩急やツッツキからうまく打たせてとるプレーが増え、馬龍のような完成度の高い攻守が光った。林昀儒はチキータで先手を取ってからの連続攻撃と、長短の読みにくいサービス&台上プレーからのカウンターでファルクを料理。見事に試合をコントロールしていた。

梁靖崑の対戦相手である黃鎮庭は、準決勝進出ペアに東京五輪の出場権が与えられる混合ダブルス(準々決勝)では奮闘したが、シングルスの梁靖崑戦は「とにかくコートに立っていられればいい」というプレー内容。T2ダイヤモンドで傷めた右足首が完治しておらず、フォアドライブはほとんど振らずに裏面打法のみで戦った。

許シンは上海・曹燕華卓球学校の後輩である趙子豪にコースを読み切られ、得意のループドライブも通じずに2ゲームを落としたが、そこから逆転勝ち。明日の男子シングルス1回戦で張本智和がフランチスカ(ドイツ)を破って勝ち上がれば、再び許シンと相まみえることになる。
●女子シングルス1回戦
佐藤瞳 -4、4、-7、8、9、4 丁寧(中国)

 カットの佐藤瞳が6月のジャパンオープンに続き、リオ五輪女王の丁寧を破る金星。ゲームカウント2−2の5ゲーム目、中盤でリードを奪われてから逆転し、6ゲーム目は丁寧が崩れた。前に寄せられてからミドルを突かれてもきっちり返球し、低く厳しいカットを送り続ける佐藤の鉄壁の守りに、地元の大観衆も驚嘆。長いラリーから佐藤のカットがエッジで入ると、大きなどよめきが巻き起こった。

 ライバルの劉詩ウェンほどカット打ちは得意ではないが、ドライブの回転量と驚異的な粘りで対カットにも強さを見せてきた丁寧。しかし、佐藤に対しては「根負け」したようなラリーも目立った。ここ最近は故障や病気も多く、以前のような驚異的なフィジカルを生かしたパワープレーは影を潜めている。

 試合後の丁寧の表情は穏やかだったが、中国代表の五輪選考レースもここに来て風雲急を告げる展開。劉詩ウェンはほぼ当確だが、残る1枚のシングルスの代表切符は丁寧か、孫穎莎か、それとも陳夢の巻き返しがあるのか。今大会の結果が大きく影響すると言われる中で、丁寧にとっては痛い敗戦だ。
●女子シングルス1回戦
劉詩ウェン(中国) 7、12、7、9 石川佳純
王曼昱(中国) 8、6、6、6 朱雨玲(中国)
王芸迪(中国) 6、7、6、−6、5 平野美宇

 石川佳純対劉詩ウェン、平野美宇対王芸迪の2試合が続けて行われた女子シングルス1回戦。石川は0−4、平野は1−4でともに敗れた。両選手のITTFワールドツアー・グランドファイナルでの獲得ポイントは同じ1020ポイント。これをもって、世界ランキングのランキングポイントで135点をリードしていた石川が、伊藤美誠に次いで東京五輪・卓球競技の二人目のシングルス代表候補となることが確定した。

 石川は過去0勝11敗の劉詩ウェンに対し、試合後に「2ゲーム取るのが今日の目標だった。2ゲーム取れば勝ちがやっと見えてくる」と試合後のコメント。劉詩ウェンは両ハンドでのストレートの攻めを得意とする石川に対し、特にストレートのバック対バックで優勢に立った。右利きのバックストレートへのバック連打は、対右利きにはあまり使わないコース。コントロールの精度が落ちてもおかしくないのだが、劉詩ウェンのバックストレートのバック連打は見事だった。そしてバックに意識がいき過ぎると、フォアサイドを切られる。ミドルをうまく突いても、一度は効いても二度目にはすかさず狙われた。

 2ゲーム目にはゲームポイントを2回奪い、4ゲーム目も5−1と大きくリードした石川だが、劉詩ウェンからゲームを奪うことはできず。「……強い、劉詩ウェン。まだまだです。ネットやエッジがついても崩れないし、すごく勉強になった」と語った。この時点で五輪代表切符の行方は平野の結果待ちになったが、「今はもう、自分以外のことはどうもできない。やることはある程度できたかなという今の試合だったので、あとはもう待つだけです」とスッキリした表情を見せた。

 一方、平野は王芸迪に対し、出足から思うような試合運びができない。フォアの攻撃力に比べ、バックに難があると思われた王芸迪だが、「平野対策」は相当積んできたか、バック対バックでも簡単には崩れない。逆にバック対バックから王芸迪が先に平野のフォアを突き、ノータッチで抜く。強打者のイメージがある王芸迪だが、サービスも意外にうまく、平野のストップやツッツキのミスが試合を通じて何本も出た。

 緩急をつけたバックドライブなどで得点を重ねた4ゲーム目のプレーが、出足からできていれば結果は変わったかもしれない。しかし、序盤の出遅れを取り戻すことができず、平野も1−4で敗れた。勝てば自力で五輪代表の切符を手にできる戦いだったが、連戦の疲れもあり、センターコートの強い光に照らされた平野の顔は蒼白に見えた。「3人目の五輪代表は自分が決めることではないので、待つだけかなと思いますけど、可能性のある位置にはいる。選んでいただけたらしっかり結果を残せるように頑張りたい」と試合後に語った。
 今日の試合に先立って行われた開会式。観客から最も大きな声援を受けたのはこの男だ。地元・河南省新郷市出身の劉国梁・中国卓球協会会長。大会マスコットにも採用されるなど、会場の至る所に顔を出している。

 大会のオフィシャルホテルは、開発区にそびえ立つ60階建ての超高層ホテル『JWマリオット鄭州』。会場もこれまた広大な開発区に、新しく建てられたばかりの鄭州オリンピックセンター体育館。劉国梁会長の「面子」もヒシヒシと感じる大会だ。

 さあ、いよいよ男子シングルス1回戦がスタート。続いて女子シングルスの石川佳純対劉詩ウェン戦、平野美宇対王芸迪戦も行われる。日本女子の五輪代表選考を巡る戦い、過酷な選考レースの最後の直線を、しっかりと見届けたい。
●女子ダブルス準々決勝
木原美悠/長崎美柚 9、−6、−9、6、4 バラージョバ/マテロバ(スロバキア/チェコ)
陳思羽/鄭先知(チャイニーズタイペイ) 9、−7、6、9 平野美宇/芝田沙季
孫穎莎/王曼昱(中国) 7、11、7 呉穎嵐/蘇慧音(香港)
田志希/梁夏銀(韓国) 9、9、−5、4 杜凱琹/李皓晴(香港)

●男子ダブルス準々決勝
梁靖崑/林高遠(中国) 9、−5、11、7 陳建安/荘智淵(チャイニーズタイペイ)
ボル/フランチスカ(ドイツ) −9、10、5、−8、9 デュダ/チウ・ダン(ドイツ)
樊振東/許シン(中国) 7、5、3 何鈞傑/黃鎮庭(香港)
寥振ティン/林昀儒(チャイニーズタイペイ) 8、−7、7、1 鄭栄植/李尚洙(韓国)

 2019 ITTF・WTGF(ワールドツアー・グランドファイナル)は男女ダブルスも準々決勝が進行。女子ダブルスの第1シードで、世界ジュニア選手権で優勝したばかりの木原/長崎ペアは、ラリー戦に強いバラージョバ/マテロバに苦戦。「試合前の練習でうまくいかない部分があって、精神的に不安を抱えたまま試合に入ってしまった。出足から100%試合に集中できなかった」と長崎が試合後に語ったように、抜群のコンビネーションを誇るふたりがどこか噛み合わないプレー。イージーミスが多く、集中力が低い状態が続いていた。それでも中盤から、台上から先手を取って攻める本来のパターンが少しずつ増え、ヨーロッパペアを振り切った。

 続く準決勝の相手は孫穎莎/王曼昱(中国)。ベンチに入った中澤鋭コーチは「ジャパンオープンで良い試合(ゲームオールで孫穎莎/王曼昱が勝利)をしていたけど、自分たちが押していたのに最後の一本をミスする場面があった。長崎が台上で先手を取り、木原の守備やチャンスメイクとうまく噛み合えば、勝つチャンスは十分あると思います」と語る。長崎は「世界選手権優勝ペアなので、自分たちがどれくらいできるか試して、楽しみたい」と前向きだ。

 一方、平野/芝田ペアはタイペイペアに苦杯。両ハンドでうまく緩急をつけたのだが、タイペイペアは鄭先知がミスなくコースを突き、陳思羽がスッと前に出て豪打を打ち込んできた。平野はこの後、女子シングルス1回戦の王芸迪(中国)戦という大一番が待っている。さすがにベストのプレーは難しいだろう。