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 9月14日よりスタートした秋季関東学生リーグ1部が閉幕。男子は明治大、女子は早稲田大がともに3季連続となる優勝を飾った。

【男子1部】
1位:明治大(7勝0敗)
2位:専修大(6勝1敗)
3位:早稲田大(5勝2敗)
4位:日本大(3勝4敗)
5位:中央大(3勝4敗)
6位:駒澤大(2勝5敗)
7位:筑波大(1勝6敗)
8位:埼玉工業大(1勝6敗)
☆殊勲賞:渡辺裕介(明治大)

◆1・2位校の対戦
<明治大 4-2 専修大>
 龍崎 -9、-7、-7 及川○
○酒井 4、9、8 吉田
 出雲 -7、-6、-5 田添○
○渡辺/龍崎 -8、-5、10、6、3 郡山/及川
○渡辺 -9、5、8、8 小林
○西 7、7、7 三部

【女子1部】
1位:早稲田大(6勝1敗)
2位:中央大(6勝1敗)
3位:専修大(5勝2敗)
4位:青山学院大(4勝3敗)
5位:大正大(3勝4敗)
6位:日本大(2勝5敗)
7位:日本体育大(1勝6敗)
8位:國學院大(1勝6敗)
☆殊勲賞:鎌田那美(早稲田大)

◆1・2位校の対戦
<早稲田大 4-2 中央大>
○笹尾 8、9、7 山本
 阿部 4、9、-11、-9、-9 森田○
○岩越/笹尾 4、9、-3、11 秋田/森田
 徳永 -6、-7、8、-4 梅村○
○徳永/阿部 8、6、9 山本/梅村
○鎌田 -13、8、9、7 瀬山

※勝敗で並んだ場合は直接対決の勝敗で順位を決定


 男子は全勝対決となった今日の専修大との試合に勝利した明治大が全勝優勝。前半でリードを奪われ、ダブルスも0-2の3ゲーム目にマッチポイントを奪われたが、ここから逆転勝利。続く5番の渡辺も勝利し王手をかける。6番は1年生・西が序盤からスパーク。ロングサービスからのドライブ速攻で三部を防戦一方に追い込み、ストレートで圧勝。今季リーグ戦デビューの1年生が優勝を決める勝利をあげ、インカレ決勝で敗れた専修大にリベンジを果たした。

 女子は中央大6勝0敗、早稲田大と専修大が5勝1敗で3校に優勝のチャンスがある中で、今日の最終戦がスタート。早稲田大と中央大の試合は2本柱の阿部、徳永がシングルスで敗れるも、他の試合をきっちり奪った早稲田大が勝利。2校が勝敗で並んだ場合は直接対決の勝敗、3校で勝敗が並んだ場合は3校間の直接対決の得失点で順位を決定するが、3校同士の対戦がすべて終了し、中央大(vs.早稲田大:2-4負け、vs.専修大:4-3勝ち=6勝7敗)、早稲田大(vs.中央大:4-2勝ち、vs.専修大:2-4負け=6勝6敗)、専修大(vs.早稲田大:4-2勝ち、vs.中央大:3-4負け=7勝6敗)となり、この時点で中央大の優勝は消滅。専修大が日本大との試合に勝てば3校間の対戦成績で専修大が優勝、敗れれば中央大との直接対決に勝利した早稲田大の優勝となった。
 早稲田大と中央大の試合が先に終了し、絶対に負けられないプレッシャーの中、専修大は日本大に苦戦。専修大はラストに出場の1年生・柴田がいきなりゲームカウント0-2とされ、なんとかフルゲームまで追い上げたが、最後はプレーがやや消極的になりフルゲーム10本で日本大・高原に敗れ終戦。これにより早稲田大の優勝が決定、春季リーグ、インカレ、関東学生チームカップに続き秋季リーグも制し、圧巻の団体4冠達成となった。
 
  • 男子1部優勝:明治大

  • 女子1部優勝:早稲田大

  • 男子殊勲賞:渡辺裕介(明治大)

  • 女子殊勲賞:鎌田那美(早稲田大)

 五輪メダリストの水谷隼(木下グループ)は世界的なサウスポー選手として有名だが、もともとは右利きなのである。卓球を始めた頃、卓球のラケットを左手に持つようになった。本人曰く「親は左に直したと言っているが、自分としてはよくわからない」。実際に、彼は字を書く時でも右手にペンを持つ。
 その水谷自身が監修した技術上達、練習方法を紹介するDVD「水谷は無駄な練習をしない」が発売されているのだが、その映像の中で「右利きの水谷」が登場している。
 実は、それは反転映像で、彼が右手にラケットを持ち替えたわけではない。
 一般的に日本では左利きは全体の10%強の割合でいると言われている。ヨーロッパではサウスポーは日本よりも多いし、珍しくもない。また、卓球のダブルスでは左利きのほうがレシーブでは有利で、歴代の世界チャンピオンペアでも左利きと右利きの組み合わせが圧倒的に多い。

 サウスポーの水谷には「クセ球」が多い。フォアサイドからクロスにドライブを打つ時には思い切り曲げる。いわゆるカーブドライブだ。何回か対戦したことのある選手でも試合後に「相当に回転がかかっている」とコメントする。
 一方、バックサイドに回り込んでフォアハンドドライブをクロスに打つ時には,ボールは相手(右利き)から逃げていくようにシュートしていく。また、強烈な回転ボールと対照的に、ラケット角度だけで相手の回転を利用して返球する「ナックルボール」も水谷の得意な技だ。しかし、このボールは直線的に飛んでいくために繊細なボールタッチがないとできないテクニックで、世界中を見渡しても水谷以外で,このボールを使いこなす選手は見あたらない。

「他の選手はぼくが考えていることをできませんから」と水谷は言う

 そんな「クセ球・水谷」だが、右利きの反転映像を見ると意外な事実がわかった。サウスポーでは独特なフォームのように見えた水谷の振り方が、右利き映像で見ると「意外と普通のスイング」に見えることだ。そういう「右利きの水谷」を見て、右利きの選手は多くのことを学ぶことができる。
 右利きの水谷は左利きの水谷よりも「クセ」がない、ように見えてしまう。仮定の話だが、もし水谷が右利きだったら、左利きの水谷のような成績を残せただろうか。そんな意地悪な質問を本人にメールでぶつけてみた。返信は「(同じ成績は)残せますよ」と短かった。左利きだから勝ってるわけではない、バカな質問しないでくれと言わんばかりの返信だった。

 水谷自身はすでに卓球専門メディアの「卓球王国」から、2冊の書籍(「勝利の法則」「負ける人は無駄な練習をする」)を上梓し、さらに今回DVDをリリースした。しかし、通常、卓球選手は現役時代にその手のものをリリースはしない。自分の手の内を見せるようで嫌がるのが常だから。
 ところが、水谷は違う。自分の卓球の真髄の部分をさらけ出すことをいとわない。2冊目の書籍を刊行する時に「ここまで本音の部分や真実の部分を出しても大丈夫なの?」と聞いたら、「全然大丈夫ですよ。これって、まだぼくの考えている50%くらいしか書いてないから。それに他の選手はぼくが考えていることをそのままできませんから」とチャンピオンならではの物言いをしていた。

 DVDを製作する時に多忙な水谷を「なるべく全盛に近い時期で、身体が動く時に映像を残しておこう」と説得した。実際には、撮影する時の水谷はほとんどノーミスだから、ラリーも続くし、相当にハードなセッションとなった。
 反転映像での右利きの水谷が強いのはもちろんだが、遊びで右手にラケットを握る水谷も実は相当に強いことを付け加えておく。
 (今野)

*9月23日に水谷隼選手は東京都内でDVD発売記念のサイン会を行う
http://tok02.objectstorage.softlayer.net/v1/AUTH_1722e86b-472e-4192-a750-5a9875c3a6fa/wtt/ps_client/ttshop/mizutani_20180923.pdf
  • 水谷の右利きの反転映像も収録されているDVD

  • Tリーグでのプレーにも注目が集まる水谷

 ちまたではまだしっかりと認識されていない。
 卓球の新リーグ「Tリーグ」が10月24日・25日に東京の両国国技館で開幕する。
リーグ自体のプロモーション(宣伝)も少なく、現時点では知る人ぞ知るリーグになっている。
しかし、このTリーグは世界の卓球界では最高レベルのリーグになることは間違いない。初年度の今年、チーム数は男女各4チームずつ。決して多くはない。むしろ少なすぎかもしれない。それはリーグ側が参加条件のハードルを上げたからだ。

 世界的スポーツのサッカーは別にして、Tリーグ側は各チームに「世界ランキング10位以内の選手を入れる」という条件を提示し、チームの予算規模を2億円前後と示唆した。
 卓球界では、ブンデスリーガ、フランスリーグ、スウェーデンリーグ、ポーランドリーグと、ヨーロッパの各国には昔からの国内リーグがあり、1部リーグなどのトップリーグはそのほとんどがプロリーグであり、卓球を生業とした選手たちがプレーしている。そして、その下はピラミッド状に、地域リーグや市町村リーグのように裾野が広がっている組織になっている。
 ヨーロッパの卓球シーズン(他のスポーツも同じ)は8月から翌年の4月くらいで、シーズンを通して毎週のように試合が行われるのが一般的だ。

 一方、アジアでは中国の超級リーグ(スーパーリーグ)は選手のレベルや報酬では破格のプロリーグになっていて、4カ月がシーズンで、オリンピック金メダリストクラスの選手は、1億数千万円を手にすることができる。
 
 自らハードルを上げた理由を松下浩二・ Tリーグチェアマンは「ハードルを下げて、チーム数を増やすことはできた。でも、それで本当に魅力的な試合になるのでしょうか。ハードルを上げてでも、世界でトップのレベルの観客を魅了するリーグにしたかった」と語る。

いきなりブンデスリーガのチーム予算を超えていったTリーグ

 60年という歴史もあり、中国の超級リーグができるまでは「世界最高のプロリーグ」と言われたドイツのブンデスリーガでも、チームの運営予算は1億数千万円と言われている。特に地域密着型のドイツの卓球クラブではそれが標準だったのに、新しい日本のリーグはそれを超えていった。
 またTリーグは日本選手が中心となり、そこにアジアを中心にした世界のトップランカーたちが集う。現在、日本の卓球のレベルは世界的に見ても中国の次なので、必然的にTリーグは世界最高峰レベルになる。

 開幕を直前に控え、Tリーグの各チームも、Tリーグの事務局も上や下への大騒ぎ状態になっているが、果たして、、卓球ファンのみならず、卓球に関心を寄せる一般の人たちへこの新リーグはどれほどアピールできるのだろうか。
 卓球専門メディアの月刊誌「卓球王国」(21日発売)では「Tリーグ前夜」という特集を組み、その参加選手、試合日程、試合方式などを紹介している。 (今野)
  • 熱く語るTリーグの松下浩二チェアマン

  • Tリーグに参戦する五輪メダリストの水谷隼

 10月6〜18日、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催される『第3回ユースオリンピック競技大会』。

 同大会の日本代表選手団の主将を、張本智和(JOCエリートアカデミー)が務めることが、日本オリンピック委員会(JOC)より発表された。

 日本オリンピック委員会は9月18日の理事会で日本代表選手団(選手91名、監督・コーチ等44名)を認定。選手団の団長、総監督、主将、旗手も発表された。

 卓球競技は10月7〜10・12〜15日に開催で、日本からは張本と平野美宇(日本生命)が出場。男女シングルスと混合団体の3種目が行われる。
 
 
  • 日本選手団の主将を務める張本智和

 Tリーグの男子チームのひとつで、岡山を拠点とする『岡山リベッツ』が、ホーム戦の会場となる岡山武道館での試合にて、地元の小学生を無料で招待する「リベッツPASS(パス)」を発行すると発表。
 対象の試合は、今季のホーム戦の8試合。対象者は2018年9月時点で岡山県内の小学校に通う1〜6年生。「リベッツPASS」で入れるのは自由席で、各試合300人の枠が用意されている。
 岡山県の小学校に通う卓球好き少年と少女たち!(の保護者のみなさま) まずは岡山リベッツのサイト(下記)にアクセスし(スマートフォンかパソコン)、「リベッツPASS」の申し込みをしよう。

詳しくは、岡山リベッツ公式サイト内
https://okayama-rivets.com/el_reservation
 Tリーグの男子チームのひとつで、沖縄を拠点とする『琉球アスティーダ』が、チームのPRペア「アスティーダ・キング&クイーン」を募集している。
 沖縄でのホームゲーム中でのMCや、チームイベント・ファン交流会への参加など、チームのPRなどが主な活動になる。
 明るくて楽しくてスポーツ好きの沖縄人のアナタ! 応募してみては?

詳細&応募は↓
https://ryukyuasteeda.jp/prkingqueen
 9月14〜16日に千葉・旭市総合体育館で2018世界ジュニア選手権オーストラリア大会の日本代表選手最終選考会が開催され、男子は戸上隼輔(野田学園高)、女子は大藤沙月(ミキハウスJSC)がそれぞれ優勝し代表内定を決めた。

 男女各12選手が参加して行われた最終選考会。第1ステージは2グループに分かれてリーグ戦を行い、上位2名が第2ステージのトーナメントに進出した。
 戸上はリーグ戦を5勝全勝で1位通過し第2ステージに進出。トーナメント準決勝では金光宏暢(大原学園高)にゲームカウント1-2とリードを奪われるも、第4・第5ゲームのジュースの接戦を制し逆転で決勝進出を決めた。決勝では準決勝で濵田一輝(愛工大名電高)との同士討ちを制した曽根翔に第2ゲームこそジュースで奪われるも3-1で勝利し優勝。代表内定を決めた。

 女子はリーグ戦で長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)に敗れ2位通過の大藤だったが、トーナメントの準決勝で出雲美空(遊学館高)に0-2の劣勢から3ゲームを先取し逆転で決勝へ。決勝ではリーグで敗れていた長﨑を最終ゲーム9点で沈めリーグ戦のリベンジを果たし代表内定を確定した。

 本戦は12月2〜9日にオーストラリア・ベンディゴで行われる。


☆男子第2ステージ
●準決勝
戸上(Aグループ1位通過) 5、-6、-9、10、12 金光(Bグループ2位通過)
曽根(Bグループ1位通過) 11、10、-11、7 濵田(Aグループ2位通過)
● 決勝
戸上隼輔 4、-10、4、8 曽根翔

☆ 女子第2ステージ
● 準決勝
長﨑(Aグループ1位通過) 7、-9、5、9 塩見(Bグループ2位通過)
大藤(Aグループ2位通過) -6、-5、3、2、8 出雲(Bグループ1位通過)
●決勝
大藤沙月 7、-6、9、-12、9 長﨑美柚
 9月16日に秋季関西学生リーグ戦が終了。男子は関西学院大が春秋連覇、女子は神戸松蔭女子学院大が2季ぶりの優勝となった。

【男子1部】
1位:関西学院大(7勝0敗)
2位:龍谷大(5勝2敗)
3位:京都産業大(5勝2敗)
4位:近畿大(4勝3敗)
5位:立命館大(4勝3敗)
6位:大阪経済法科大(2勝5敗)
7位:同志社大(1勝6敗)
8位:甲南大(0勝7敗)
☆1部殊勲賞:高橋和也(関西学院大)

◆1・2位校の対戦
<関西学院大 4-0 龍谷大>
○備本 -6、5、7、-8、5 西野
○高橋 5、5、11 田中力
○佐藤 8、8、9 張博良
○高橋/廣田 8、1、-7、8 田中元/馬場

【女子1部】
1位:神戸松蔭女子学院大(7勝0敗)
2位:関西学院大(6勝1敗)
3位:同志社大(5勝2敗)
4位:立命館大(4勝3敗)
5位:龍谷大(3勝4敗)
6位:近畿大(2勝5敗)
7位:関西大(1勝6敗)
8位:芦屋大(0勝7敗)
☆1部殊勲賞:打浪優(神戸松蔭女子学院大)

◆1・2位校の対戦
<神戸松蔭女子学院大 4-1 関西学院大>
○吉田 -7、4、5、9 秋山
○切石 10、9、5 池上
 谷本 -9、7、-9、-8 青木○
○吉田/打浪 9、-10、8、6 津隈/小脇
○打浪 7、-7、9、9 小脇

 関西学院大は立命館大戦こそ4-3までもつれたが、他の試合では選手層の厚さを見せつけて圧勝。全勝で関西学生リーグ連覇を決めた。殊勲賞の高橋は単6戦全勝、複7戦全勝の大暴れ。ベストペア賞と優秀選手賞にも輝き、個人賞3冠に輝いた。春季は7位に終わった龍谷大は2位に浮上。3試合を4-3で勝利するなど粘り強い戦いを見せた。
 春季2位の神戸松蔭女子学院大は全勝でV奪還。ともに特別賞に輝いた吉田、打浪の両輪が単複で活躍。インカレ3位の実力を見せて関西の頂点に立った。カット3枚を擁する関西学院大は神戸松蔭女子学院大に及ばず2位で、2015年秋季以来の優勝はならなかった。

※写真提供:馬渡卓也/関西学生卓球連盟
  • 男子1部優勝:関西学院大

  • 女子1部優勝:神戸松蔭女子学院大

  • 男子1部殊勲賞:高橋和也(関西学院大)

  • 女子1部殊勲賞:打浪優(神戸松蔭女子学院大)

 第52回全日本社会人選手権は大会最終日を迎え、男子シングルスは丹羽孝希(スヴェンソン)、女子シングルスは平侑里香(サンリツ)がともに初優勝を飾った。

 男子チャンピオンの丹羽は準々決勝で神(シチズン時計)、準決勝で大矢(東京アート)をともに4−1で撃破。準決勝で高木和(東京アート)をストレートで破った町と決勝で相まみえた。

 同い年の丹羽と町、青森山田中・高、そして明治大と常にチームメイトだったふたり。他の選手が反応するだけで精一杯の丹羽の速攻にも、町はよく両ハンドで対応。バックストレートへのロングサービスを有効に使って、フォア前をチキータで狙う丹羽の足を止め、決定打のフォアドライブはフォアストレートに打ち抜く。ゲームカウント3−2と町が優勝に王手をかけたが、丹羽も最後まで攻めの手を緩めず、中陣に下げられても我慢強く打ち続けた。結果はゲームオール11−9で丹羽に軍配が上がったが、国内では最高レベルの素晴らしい一戦だった。

 昨年準優勝だった全日本社会人を制し、「ぼくはすべてのカテゴリーで優勝したい」と大会出場へのモチベーションを語った丹羽。これから国際大会、そしてTリーグでもさらなる活躍が期待される。町も敗れたとはいえ、5回戦の池田(リコー)戦で最終ゲーム8−10の大ピンチを切り抜けてから、会心のプレーを見せてくれた。

 女子シングルス優勝の平は、準決勝で森薗美月(木下グループ)、決勝で森薗美咲(日立化成)を連破。ともに「公式試合では勝ったことがない」というふたりを破っての優勝だ。

 平が「最大の武器」と語るのはサービス。フォアのアップダウンサービスとハイトスサービスを巧みに使い分け、非常に変化が激しい。バックの表ソフトの攻守も非常に安定しており、決勝での表ソフト同士のバック対バックのラリーでも崩れなかった。「大会前は決して調子が良くなかった。だから逆に普段なら打ちにいってしまう場面でも、我慢して戦えた」と優勝後のコメント。まさに無欲の優勝だった。男女シングルスの準々決勝以降の記録は下記のとおり。

●男子シングルス準々決勝
丹羽(スヴェンソン) −8、5、6、8、9 神(シチズン時計)
大矢(東京アート) 5、−6、4、7、5 濱川(個人)
高木和(東京アート) −6、−9、7、8、7、5 松平(協和発酵キリン)
町(シチズン時計) −8、5、−7、9、8、8 上村(シチズン時計)
●準決勝
丹羽孝希 −9、3、5、10、9 大矢英俊
町飛鳥 10、9、9、6 高木和卓
●決勝
丹羽孝希 −5、−7、8、8、−9、9、9 町飛鳥

●女子シングルス準々決勝
森薗(木下グループ) 9、9、7、−4、5 松澤(十六銀行)
平(サンリツ) 5、6、5、7 松平(日本ペイントホールディングス)
森薗(日立化成) −8、6、13、−9、2、−5、1 田中(豊田自動織機)
成本(中国電力) 8、4、5、7 高橋(十六銀行)
●準決勝
平侑里香 −4、7、7、8、−9、8 森薗美月
森薗美咲 9、−8、−10、4、9、−9、5 成本綾海
●決勝
平侑里香 6、7、−4、9、3 森薗美咲
  • 男子シングルス優勝の丹羽(左)と準優勝の町。決勝でのプレーは素晴らしかった

  • 最終日だけで4試合を戦い抜いた丹羽、集中力は最後まで途切れず

  • 圧巻の強さと安定感を見せた平。笑顔の初V

  • 森薗美咲は苦戦の連続をくぐり抜けて準優勝。まだまだ元気だ

●男子シングルス5回戦(ベスト16決定戦)
丹羽(スヴェンソン) 7、5、4 横山(原田鋼業)
高田(日製日立) 10、−5、9、7 船本(日野自動車)
山本(リコー) 9、13、8 定松(日鉄住金物流)
神(シチズン時計) 6、6、6 村松(東京アート)
御内(シチズン時計) 7、−11、8、10 斎藤(福井県スポーツ協会)
濱川(個人) −5、8、7、5 有延(リコー)
大矢(東京アート) −4、9、7、9 藤村(日鉄住金物流)
笠原(協和発酵キリン) −4、2、7、4 小澤(琉球アスティーダ)
高木和(東京アート) 8、5、11 森田(シチズン時計)
藤本(日鉄住金物流) 9、−8、5、−9、7 鹿屋(リコー)
徳永(鹿児島相互信用金庫) −9、4、7、10 時吉(ZEOS)
松平(協和発酵キリン) 2、5、10 川端(青嵐クラブ)
池田(リコー) 6、−9、9、6 軽部(鹿児島相互信用金庫)
町(シチズン時計) 7、6、10 飯野(青嵐クラブ)
上村(シチズン時計) 9、5、−6、10 松下(日鉄住金物流)
飯野(MD相模) 5、−7、8、4 平野(協和発酵キリン)

●女子シングルス5回戦(ベスト8決定戦)
松澤(十六銀行) 4、−3、−12、9、6 前瀧(デンソー)
森薗(木下グループ) 8、9、8 平(日立化成)
松平(日本ペイントホールディングス) 10、5、10 宋(中国電力)
平(サンリツ) 4、7、−4、−10、7 前田(日本生命)
森薗(日立化成)  6、9、6 平野(豊田自動織機)
田中(豊田自動織機) 4、2、6 加藤(秋田県庁)
成本(中国電力) −8、7、7、9 池上(愛媛銀行)
高橋(十六銀行) 2、4、5 三宅(中国電力)

 全日本社会人、男女シングルス5回戦の結果は上記のとおり。

 男子では優勝候補の一角、平野(協和発酵キリン)が左シェークバック表の飯野に敗れる波乱があった。昨年、上田(今大会は不出場)に決勝で敗れた丹羽は、危なげない試合運びでベスト16入り。また、日鉄住金物流で選手として活躍し、現在はアメリカでコーチとして活動しながら大会にも出場する濱川が有延を破り、ベスト16まで勝ち上がってきた。濱川も徳島出身で、試合後は大会関係者からも祝福を受けていた。

 女子はベスト8が出揃った。昨年優勝の松澤は、苦しみながらもベスト8進出。森薗美月、松平志穂らの「Tリーグ勢」もベスト8に勝ち上がったが、前田はサンリツの平にゲームオールで敗れ、ベスト16で大会を終えた。全日本選手権3位の永尾(デンソー)を破って5回戦に勝ち上がったカットの池上は、成本に競り負けてベスト16だった。
  • 平野を破った異質サウスポー、飯野峻輔

  • 濱川明史、地元・徳島でうれしいベスト16

  • フルスイングの両ハンドを次々に決めた森薗美月

  • 松平志穂、センスあふれる球さばきは健在