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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

●女子シングルス5回戦
福原(ANA) 4-2 西飯由(十六銀行)

 7年連続のランク入りを目指して女子シングルス5回戦に挑んだ福原愛は、右ペン表速攻のベテラン・西飯由香と対戦。試合の序盤は西飯の横回転の入ったバックショート、ナックル性ショートに手を焼き、2ゲーム目を9-11で落とした時には報道陣もざわついたが、ここから徐々に調子を上げて4ゲームを連取。見事にランク入りを決めた。
 やはりランク決定戦はどの選手も気合いの入り方が違う。福原も今大会にかける思いは並々ならぬものが感じられる。
 女子シングルスのランク決定戦で藤沼亜衣(ミキハウス)が森薗美咲(青森山田中)に苦戦しながらも4-2の辛勝。「やりにくいですね。前も選考会で負けている相手ですから」と藤沼はホッとした表情を見せた。
 一方、昨日の女子シングルス4回戦で全日学チャンピオンの杉本(専修大)を破るなど、快進撃を続けていた森薗。「ひとつでも多く勝つことが目標で、佳純ちゃんより上に行くのも目標だった。とても悔しいです。藤沼選手に対しては特に対策はしてきませんでしたが、前に試合をしたことがあるので、それを思い出しながらやりました。相手の方が強かったです」とコメントした。
ランク決定戦で渡辺将人(シチズン)にストレートで敗れた元チャンピオンの松下浩二(グランプリ)。「緊張した。勝ったことはとてもうれしい。特に相手は浩二さんだから」と渡辺。
「昨日も今日も組み立てができなかった。もっと早いタイミングで打てばいいのに、それができなかった。チャンスボールがあるのにそれが打てなかった。残念だけど、悔しいというよりも何かスッキリした。これはしょうがないと。ただはっきり言えるのは、今すぐにはやめない。日の丸を付けることはないかもしれないけど。今まで日本のためにと思ってやってきたから、モチベーションが沸くのか。
 本当に今まで体が丈夫だったのに、最近は故障続きで練習ができなかったのが残念。ぼくもプライドがある。中途半端にはやりたくない。これから若手のために自分がやれることがあれば日本のために頑張りたい。自分ができなかった日の丸をセンターポールに揚げることをサポートしたい。自分自身海外に出て勉強するかもしれない。マネジメントの勉強、コーチングの勉強、また語学の勉強をするかもしれない」と松下。
 負けても、やはり卓球界の第一人者としての態度であった。
 女子シングルス5回戦、福岡春菜(中国電力)と梅村礼(文化シヤッター)の試合は、ゲームオールの大激戦。04年世界ドーハ大会のエース・梅村と、06年世界ブレーメン大会で日本の銅メダル獲得に貢献した福岡の対決は、両者の意地と気迫がぶつかりあった。
 福岡はフォアハンドの技術の幅が広くなり、両ハンドで相手の攻撃に対応できる技術力が身についてきている。左右に揺さぶられても崩れなくなった。最終ゲームは9-3のリードから9-8まで梅村にばん回されたが、強気の回り込み攻撃とツブ高バックハンドで乗り切った。
試合にかける執念にも、両者やや差があったか。

●女子シングルス5回戦
福岡(中国電力) 4-3 梅村(文化シヤッター)
●男子シングルス
水谷(青森山田高) 4、9、6、8 森下(中央大)
坪口(青森大) -5、9、4、8、-8、3 三原(日産自動車)
坂本(協和発酵) -8、10、-7、9、9、3 川口(原田鋼業)
下山(早稲田大) 8、4、-6、10、6 軽部(明治大)
田勢(協和発酵) 8、-4、6、8、8 横山(青森大)
高木和健(東京アート) 9、7、-7、9、7 佐藤(埼玉工業大)
渡辺(シチズン) 5、9、6、8 松下(グランプリ)
田崎(協和発酵) 6、-9、11、7、-7、5 足立(明治大)
大矢(青森大) -9、5、8、7、-9、9 久保田(早稲田大)
韓(東京アート) 2、4、8、13 新井(グランプリ)
倉嶋(協和発酵) 5、6、5、9 中野(シチズン)
岸川(スヴェンソン) 9、-7、9、3、6 上田(青森山田高)
木方(協和発酵) 4、11、-6、9、-6、7 塩野(早稲田大)
並木(シチズン) 8、4、2、-4、-16、-8、6 濱川(上宮高)
加山(グランプリ) 6、5、9、-8、-9、-7、7 遊澤(東京アート)
吉田(日産自動車) -7、-9、7、7、7、-9、4 村守(青森大)

 昨年2位の吉田(日産自動車)は村守(青森大)と対戦。村守の速攻に苦しんだ吉田は2ゲームを先行されるも、徐々に気合いが乗ってきて、最後は勝利をもぎ取った。
●男子シングルス5回戦
並木(シチズン) 4-3 濱川(上宮高)

 松平健太の棄権により、一気にランク決定戦に進出、社会人の胸を借りた濱川。キレのあるフォアドライブが武器ながら、小学生時代はカットマンだったという異色のサウスポーは、0-3のビハインドから開き直って3-3まで持ち込んだ。しかし、最後は並木の気迫あふれる攻撃に押し切られた。
「相手が格上だったので、はじめから向かっていく気持ちでしたが、0-3になった時に開き直れた。最終ゲームは相手が勝負をかけてきた、フォアを突かれてうまく相手のボールを待てなかった(濱川)」
●男子シングルス5回戦
田崎(協和発酵) 4-3 足立(明治大)

 今シーズンで引退、今回が最後の全日本となる田崎俊雄は、明治大の後輩・足立に苦戦しながらも最終ゲームを締めて勝利。緩急をつけたドライブから放つ伝家の宝刀・バックストレートへの3球目スマッシュが炸裂した。
 会場からは協和発酵卓球スクールの生徒たちから「田崎センセイ、がんばれ~!」という声援も飛んだ。
 男子シングルス5回戦、ランク決定戦の常連、今年こそランク入りをと倉嶋洋介(協和発酵)に挑んだ中野祐介(シチズン)だが、0-4のストレートで敗れ、今年もラン決の壁を前に涙を飲んだ。
 フォアドライブの威力では互角だったが、台を大きく使った中陣でのラリー展開では倉嶋の技術力が一枚も二枚も上。うなりを上げる中野の豪打もふところが深く、緩急の変化と柔軟なコース取りを見せる倉嶋の攻守に包み込まれてしまった。
 実は編集部Yは今年の全日本選手権東京都予選で中野選手と対戦。全く手も足も出ず敗れ、特にその鋼に弾かれるようなバックドライブの威力に「今年の全日本はいけそうだぞ」と感じていたのだが。また来年、ナイスガイ中野の全日本はまだまだ続く。

●男子シングルス5回戦
倉嶋(協和発酵) 4-0 中野(シチズン)
 卓球王国のCMが全日本選手権会場のオーロラビジョンに流れたケロ!
「むかし社員、いまバイト」でおなじみのT氏が制作したCMです。試合の合間にはオーロラビジョンにも注目してみてください!
 大会5日目は男女シングルスと男女ダブルスが行われる。

 最初に行われるのが、男女シングルス5回戦、いわゆるランク決定戦。数々のドラマが生まれるラウンドだ。まず男子が行われ、続いて女子が行われる。どの試合も注目すべきだが、編集部が特に注目するカードは、
岸川聖也vs.上田仁、渡辺将人vs.松下浩二、横山友一vs.田勢邦史
梅村礼vs.福岡春菜、藤沼亜衣vs.森薗美咲、石川佳純vs.市川梓
の6カードだ。

 ベスト8が出揃った男女ダブルスは決勝まで行われる。男子は岸川・水谷組の連覇がなるのか、社会人ペアがそれを阻むのか、注目したい。女子は第1シードの藤井・金沢(日本生命)組が棄権したため、優勝候補の筆頭は田勢・潮崎(十六銀行)組か。このペアと準々決勝で対戦するのが福原・照井(ANA・早稲田大)組。また、過去3度優勝している小林・西飯(ファミタク・十六銀行)の姉妹ペアも勝ち残っており、準々決勝で平野・石川(ミキハウス・ミキハウスJSC)と対戦する。

今日も随時更新していきますので、お楽しみに!
皆さんの目となり、耳となって頑張ります!

Photo:週末を迎えた東京体育館は前売り券がソールドアウト、会場の外には当日券を求める長蛇の列。皆さん寒い中大変ですが、卓球の大会に行列ができるのはウレシイ。