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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

 男女シングルスの決勝まで行われる大会最終日。男子シングルス準決勝、女子シングルス準々決勝の組み合わせは以下のとおり。

●女子シングルス準々決勝
平野早矢香(ミキハウス) vs. 田勢美貴江(十六銀行)
照井萌美(早稲田大) vs. 小西杏(アスモ)
石川佳純(ミキハウスJSC) vs. 河村茉依 (日立化成)
樋浦令子(ミキハウス) vs. 若宮三紗子(尽誠学園高)

●男子シングルス準決勝
水谷隼(靑森山田高) vs. 田勢邦史(協和発酵)
大矢英俊(靑森大) vs. 吉田海偉(日産自動車)

 女子シングルス注目の一戦は平野vs田勢。4回目の優勝を狙う平野にとって、今大会充実の田勢との試合は最大の難関とも言える。また、本誌へのインタビューで「樋浦さんが憧れの選手」と語った若宮は、その樋浦と準々決勝で相対することになった。威力ある両ハンドドライブにどう対抗するか。

 男子シングルスでは、一気にベスト4まで勝ち上がってきた田勢がチャンピオン水谷に挑戦する。昨日のダブルスでは田勢のナックル性のボールにかなりミスが出た水谷だが、今日のシングルスはどうか。なんとベスト4全員が青森山田高のOBだ。

 ちなみに、会場で今日の11時まで行われている来場者による優勝者予想では、男子の1位が水谷隼(674票)、女子の1位が平野早矢香(459票)。ともに2位の吉田海偉(295票)、福原愛(163票)を大きく引き離している。
★岸川聖也/水谷隼ペアの優勝記者会見

岸川「去年も優勝して、今年も優勝しか狙っていなかったので、達成できてとても嬉しいです。毎年、協和発酵のペアはベスト8以上に入ってくるので、すごく強いイメージがある。2ゲーム目、逆転で取って2-0になったので、有利になったと思います。試合前の作戦では、相手はバックサイドの回り込みがすごくうまいので、それをさせないためにストレートにボールを送ろうと言っていました。」

水谷「去年優勝して今年優勝しなかったら、僕らのレベルが落ちていると思われるので、優勝して良かったです。去年も協和発酵さんのペアと当たって、すごく競ってどちらが勝つかわからなかった。気を抜かずに2ゲーム目を取れたのが良かった。すごくフリックがうまいので、いかにそれをさせないかを考えていました。ダブルスではできるだけ自分がミスをしないようにして、いかに相手にミスをさせるかを考えています。岸川さんが攻めていったら先に攻撃を仕掛けて、甘いボールはどんどん攻めていくようにしました。

-最後のデュースが続いた場面での心境は?
岸川「一本が取れなかったので、どこにレシーブしようかというのを考えていました」
水谷「自分が簡単なミスをしてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。岸川さんにつなげば勝てると思っていました」

-今後の目標を聞かせてください
岸川「ザグレブ大会ではベスト8だったので、世界でメダルを目指します。中国や韓国に勝たないとメダルは取れないので、勝てるように頑張ります」
水谷「全日本も大事だけれど、「世界でどう戦えば勝てるか」をいつも考えています。ダブルスはアジアが強いので、中国ペアに勝てるようにしたい」
●男子ダブルス 決勝
岸川/水谷(スヴェンソン/青森山田高) 4、9、-7、16 倉嶋/田勢(協和発酵)

 男子ダブルス決勝は、世界選手権ダブルスベスト8の岸川/水谷と、社会人の実力派ペアである倉嶋/田勢の意地がぶつかり合うナイスゲームとなった。
 第1ゲームは3-4からの6点連取もあり、あっさり奪った岸川/水谷。第2ゲームは序盤から倉嶋のフリックレシーブがよく決まり、5-9とリードされるが、ここから幸運なネットインなどもあり6本連取で逆転。この2ゲーム目を逆転で取ったことで、勝利をグッと引き寄せた。第3ゲームは、6-6から田勢が威力あるカウンタースマッシュなど好プレーを連発して、倉嶋/田勢が1ゲームを取り返す。
 迎えた第4ゲーム。カウントが離れないシーソーゲームが続き、10-9で岸川ペアが最初のマッチポイント。しかし倉嶋ペアが追いつき、ここから互いに中陣に下げられても、粘り強く返球する見応えのあるラリーが続いたが、16-16から水谷が逆モーション気味にバックストレートへフォアドライブで打ち抜き、最後は田勢が3球目でストップしたボールがネット。18-16という壮絶なスコアで、岸川/水谷が2連覇を決めた。

★岸川/水谷の優勝インタビュー

-手に汗握る最終ゲームでした 今のお気持ちをお聞かせください!
岸川「優勝しか狙ってなかったんで、嬉しいです」
水谷「そうですね、本当に優勝狙って練習してきたんで、達成できて嬉しいです」

-今回のダブルスのキーポイントはどこにありましたか?
岸川「去年チャンピオンになって、今年は相手に向かって来られるので、挑戦者の気持ちでやろうとすごく思ってました」
水谷「準々決勝から厳しい戦いでしたが、一戦一戦力を合わせて戦いました」

-決勝で対戦した倉嶋/田勢ペアはどうでしたか?
岸川「協和発酵さんはダブルスがすごく強いので、試合前に水谷と話し合って作戦を練りました」
水谷「試合前に何回もふたりで作戦を話し合って、1ゲーム目はそのとおりにゲームを取ることができて、試合を優位に進められました」

-会場へのメッセージをお願いします!
岸川「ダブルスに関しては世界でのメダルを目指しているので、それを達成したいです」
水谷「やっぱりこの大会で優勝することによって、日本のエースダブルスとして、これからも世界で活躍したいです」

-水谷選手は明日のシングルスもありますね?
水谷「はい、一球一球全力で打ち込んで、2連覇目指したいです」
★女子ダブルス初優勝 福原愛/照井萌美ペアの優勝記者会見

照井「予選も危ない試合が多くて、もちろん上を狙ってはいたけど、一戦一戦、戦っていこうと思っていました。実際に試合に入ってから調子が良いと感じるようになって、試合をするごとに良いダブルスになったと思います。ずっと組んでいるペアではないので、試合中でも話し合わないとダメ。「こうして欲しい」というところをちゃんと言い合うようにしました。愛ちゃんはミスをしても「大丈夫だよ」と言ってくれて心強かったです
 決勝の相手はビデオを見て、先に打たれて先手を取られると不利になるので、短くストップしようと最初は考えていました。でも考えすぎると良くないので、あとはやりたいようにやりました。思い切ってやったほうが次につながるボールが来ますから。
 明日は一秒でも長くコートに立っていられるように頑張ります」

福原「照井さんも言ったとおり、だんだん噛み合ってきて、息も合ってきた。最後まで行けるとは思いませんでした。組んで間もないので、細かいところまで言い合うようにしたし、全日本に向けて、「何時に練習しよう」とかいっぱいメールしました。メールしたのが良かった(笑)。決勝ではせっかくここまで来たから、もっとこの場にいられたらいいねと言って、リラックスしてプレーすることを心がけました。
 オリンピック年ということもあって、今大会はいつもより気合いが入っていました。落ち着いたプレーができたし、良かったところもあります。反省すべきところは反省して、全日本がすべてじゃないので、世界選手権とオリンピックに向けて頑張っていきたい。去年から全日本まで、この大会に向けて頑張ってきたので、それを世界選手権に出したいと思います。
 (世界選手権の)団体戦はみんなと力をあわせて頑張ります。団体戦のほうが個人戦より10倍くらい好きです」
●女子ダブルス決勝

早いピッチで勝負する選手が多く、また全日本の決勝戦ということもありお互いにミスも出た。しかし、試合を重ねるうちにコンビネーションも良くなってきた福原・照井は、この試合中にもうまくミスを修正していく。1-2で迎えた第4ゲームを、福原のバックハンド、照井のフォアドライブなど二人の長所をうまく出して2-2とすると、最終ゲームも果敢に攻めてついに勝利。リスクを冒しつつも積極的に攻め続ける、強い気持ちが優勝を呼び込んだ。

 福原愛/照井萌美(ANA/早稲田大) -8、7、-4、9、9 藤沼亜衣/樋浦令子(ミキハウス)

★試合終了後の優勝者インタビュー

照井「正直ビックリです。全然優勝するとか思ってなかったんで」
福原「私もすごいビックリしてます。まさか優勝するとは思ってませんでした」

-勝因は何ですか?
照井「うーん、あんまり考えすぎずに向かっていくだけで、あとは自分たちのプレーをやるだけでした」
福原「一戦一戦集中できたのが大きかったですね」

-藤沼/樋浦ペアとはお互いにシングルスでも対戦していますが、対策は考えましたか?
照井「すべての技術がうまい相手。先手を取られるとキツいので、先に打ち込まれないようにしてラリーに持ち込む作戦でした」
福原「お互いシングルスをやったばかりなので、弱点などを試合前にアドバイスし合いました。ダブルスが正直一番自信がなかったので(笑)、まさか優勝できると思ってなかったので、本当に嬉しい」

-今後の抱負を聞かせてください
照井「私は明日もシングルスが残っているので、皆さん会場に足を運んで応援してください」
福原「今日、最後の決勝で勝てて、全日本を終われて良かったです。2月に世界選手権があるので、前回の銅以上を目指して頑張ります。応援よろしくお願いします!」
●男子シングルス準々決勝
吉田(日産自動車) 10、7、5、5 木方(協和発酵)
大矢(青森大) 5、5、-5、-5、10、10 岸川(スヴェンソン)
田勢(協和発酵) 9、8、3、8 渡辺(シチズン)
水谷(青森山田高) 10、-11、6、9、12 坂本竜介(協和発酵)

 奇しくも木方対吉田以外は、右シェークドライブ対右シェークドライブ、左ペン表速攻対左ペン表速攻、左シェークドライブ対左シェークドライブという同戦型の対戦。初のベスト4へ駆け上がった田勢を除く3人は、昨年と同じ顔ぶれとなった。
 男子シングルス準々決勝。木方慎之介と吉田海偉の対戦は、第2ゲーム以降は予想外のワンサイド。「1ゲーム目の10-8でのサービスミスがすべて。1年の総決算の戦いで、ああいうミスが出てしまったことが残念(木方)」と悔やんだように、木方は失った流れを取り戻せないまま敗れた。他の選手が打ちあぐむ木方のロビングも、小さく止めるストップから強打でサイドを切る吉田の前には通用しなかった。

「吉田くんには団体戦では何回か勝っているけど、個人戦では百戦錬磨の相手。ベスト8は最低限の結果ですが、一回は優勝したいと思っている中でのベスト8なので、まだまだ実力不足。来年また出直してきます(木方)」

●男子シングルス準々決勝
吉田(日産自動車) 10、7、5、5 木方(協和発酵)
 昨年のラン決でも対戦したこの二人。昨年は渡辺が勝ったが、今回は田勢がストレートで勝ち、雪辱を果たした。
「相手の方がどんどん来て、自分が受け身になった。してはいけない展開になった。今回は全種目で表彰台を狙っていたので、ここで負けたのは残念」(渡辺)

田勢邦史(協和発酵) 9、8、3、8 渡辺将人(シチズン)
 水谷は青森山田高の先輩であり、ドイツでともに生活し、ブンデスリーガに挑戦していた坂本に対し、水谷は競り合いながらも最後の1本をしっかりととり4-1で勝ち、準決勝に進んだ。
「9、10本まで行くけどあと1本が取れなかった。全日本チャンピオンでもそこまで行くし、勝てるチャンスがあるが、その1本が彼の強さ。調整はうまくいった。足にマメができるほどたくさんやったので、調子は良かった。
 隼と公式戦で当たったのは初めて。試合前に隼に『やっと当たりましたね』と言われた。他の選手も同じだと思うけど、隼とやると「こんなのミスするの?」というボールをミスする。微妙に変化しているし、打っても取られると思って、無理をして打ってしまうからミスをする。そういうイメージを焼き付けられるのが彼の強み。やっていて行けそうだったけど、彼は最後強かった。
 前にベスト4に入ったけど、その時は勢いもあり、組み合わせも良かった。今回は負けはしたけど、いい試合ができたし、自分をアピールできた」と試合後の坂本は語った。
●女子ダブルス準決勝
福原/照井(ANA) 13、4、7 小林/西飯(ファミタク/
十六銀行)
藤沼/樋浦(ミキハウス) 5、7、-11、11 宮本/梶本(早稲田大)

 尻上がりにコンビネーションが良くなっていく福原/照井が、小林/西飯に勝利。復活優勝を期した西飯姉妹の挑戦は終わった。「デュースになった1ゲーム目を取っていれば、流れが変わったと思うのですが。想像していたよりも、すごくやりづらいペアだった。愛ちゃんのボールに対してコントロールが定まらず、照井さんもつないでくるかと思ったら早めの勝負に来た。ミスもなかった。相手のペアを崩したかったけど、自分たちから崩れてしまった。出るからにはもちろん優勝を目指してました(小林/西飯)」