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北京五輪

卓球会場でいつも見る中国のCCTVのリポーター、周到さん。おきまりの高橋カメラマンとのツーショット。あっ、ブログよりも先に出しちゃた!
CCTVとは中国電視台、つまりテレビ局。中国卓球協会のスポンサーでもある。
 トップで呉尚垠がシュラガーに完勝した。シュラガーは精彩がないというか、力が落ちているのか。これで韓国がストレート勝ちかと思った。
 2番で柳承敏が敗れた。ガルドスは何者だ。日本戦で韓陽に勝った時に編集部から届いたメールだ。調べてみると1979年生まれだから29歳。ハンガリー生まれで、プロツアーには98年から出場しているから、遅咲きの大器なのだろうか。世界ランクは8月現在で47位。今大会、クレアンガ、韓陽に勝ち、遂に柳承敏さえも破った。相手はやりにくそうで、ミスがなくボールのキレもある。ボールのコースも読みにくそうだ。完全にシュラガーの敗戦をカバーしている。
 3番ダブルスで韓国は圧勝。4番の柳承敏はカット殺し。陳衛星のぶつ切りカットを打ち抜いた。韓国は団体初のメダルを獲得した。

   韓国  3-1  オーストリア
○呉尚垠   -10、5,8,5  シュラガー
 柳承敏   -12、-8,11、-5 ガルドス○
○ 呉尚垠/尹在栄 8,4,11 ガルドス/陳衛星
○ 柳承敏   9,5,7    陳衛星

男子の3選手、スウェーデンのパーソン、クロアチアのプリモラッツ、ベルギーのセイブは卓球が五輪競技としてスタートした88年のソウル五輪から6回目の出場となり、3選手にITTFのシャララ会長から記念品が贈呈された。つまり、ソウル五輪に生まれた子供がもう成人してもまだ現役として一線でやっているのだから驚きだ。ひょっとして7大会連続出場する選手が出るかも。こうなったら杖をついてでも五輪に出場してほしい。
写真は3選手と、聖火トーチを贈呈されたシャララ会長
 日本卓球協会もその発表を待っていた、「スピード補助剤(英語ではBOOSTER)」についての規制を、15日にホームページで発表した。これは今年の2月に世界選手権広州大会で開かれたITTF(国際卓球連盟)総会で用具委員会から提案されたラバーの後加工禁止が可決。表面とそれ以外のゴム質が同質でなければいけないし(表面だけの加工禁止)、公認されたラバーを後処理で物理的、化学的に、ラバーの性能や見た目、構造、色などを変化させてはいけない、というもので、今回はっきりと補助剤やチューナーの禁止に言及した。
9月1日からのスピードグルーに伴い、日本ではさらに1年前倒しで禁止にしたために、スピード補助剤が出現し、ラバーを膨潤させることでスピードグルーに近い性能を引き出そうとしたが、これがスポンジをふくらませる、つまり物理的、化学的に変化させるものと見なされている。
 ITTFは、補助剤にも有機溶剤や体に有害な物質は含まれている、我々はクリーンなスポーツを目指すべきだと呼びかけている。
 これまで、総会で可決されたものの、ITTFの正式な発表を待っていた日本卓球協会はこれを受けて動き出すだろう。他の国以上にすでに補助剤を使用する選手が多い日本。すぐに通達を出すには時間がないためにある程度の猶予期間をおくのか、9月の理事会の決定が待たれる。

五輪の開会式でヨルダンの旗手を務めた選手が、卓球の選手で美人である、という情報が東京から来たので高橋カメラマンに念入りに撮影してもらった。まあ、美人ですね。
名前はゼイナ・シャバン。チェコの選手に敗れ、五輪はゲームオーバー。「負けたけれども、この経験は一生忘れられない」とシャバン
 女子シングルスの予選トーナメントに登場したコンゴの女子選手。と言っても写真を見てわかるようにバリバリの中国人。ベンチはコンゴ人。日本のいる中国の人に聞いたら、「コンゴとかドミニカとかパスポートを取りやすいからでしょ」と平然と言われたことがある。彼らにとってはパスポートは道具なのだろうか。ドミニカ、コンゴ代表の中国選手もほとんど自国にいないで中国で練習していると言うから、ITTFがルールを作るのも無理はない。
シンガポールで活躍した馮天薇(写真左)もシンガポールの国籍を取る直前まで日本でプレーをしていた選手だし、その前は中国にいて強くなった選手だ。居住していないのに、簡単に国籍を取れる国があるのもどうなのだろう。
 9月1日からITTFが規定する移籍選手の規制は、このような一夜漬けのような移籍選手の歯止めになるだろう。しかし、オリンピックはそのルールに当てはまらないイベントだ。これからどう変わっていくのか注目しよう。
 中国、韓国、シンガポール、ドイツ、このチームに共通しているのはベンチの強いリーダーシップだ。ベンチでの選手との対応を見ていても、はっきりと指示を与え、選手もそれに耳を傾けるのだ。特に今回、韓国の男女チームには昨年12月に協会執行部との確執から辞任した、劉南奎、玄静和が監督として復帰した。この二人は7月10日の千栄石会長の辞任を受けて、当初ジュニアコーチの肩書きで復帰する予定だったが、急遽五輪の現場監督として戻った。エントリーの最終変更が7月20日だったから最後の最後で韓国はこの二人のカリスマを呼び戻した。
 協会内のゴタゴタが原因で、国内選考会で平等に選手選考をせざるを得なかった韓国。そのために五輪には尹在栄という対外的に実績がない選手が選ばれ、広州では金キョンア、朴美英という世界ランク上位者がメンバーから外れた。金キョンアは玄静和が辞任した時点で協会への不信感や、モチベーションが落ちたと言われた。
 五輪金メダリストの経験やアドバイスの適切さは大きい。もちろん選手としての実績は指導力とイコールではないが、彼らは指導力も兼ね備えていると言えるだろう。
 選手がベンチに戻ってきても選手同士がアドバイスをし合うチームもあるし、明確に強くアドバイスしているか否かは見ていればわかる。選手は大舞台で、メダルがかかった時には絶対勝ちたい。その時彼らが選択したのは監督の指示ではなく、選手同士のアドバイスだったのか。
写真は日本に勝った韓国。ベンチからは絶対的な存在で、選手に対してアドバイスして、ともに涙を流した玄静和監督

 17日の女子団体決勝にはサプライズなゲストが登場した。
 胡錦涛中国国家主席とIOC(国際オリンピック委員会)のロゲ会長が観戦に来た。昼にITTF関係者に「ロゲ会長は来る。ひょっとしたら胡錦涛も来るかも。でも内緒にしておいてくれ。来たら写真を頼む」と言われていたが、本当にやってきた。胡錦涛といえば、日本に来日した際に、新ピンポン外交として福田首相とやろうとしたが、辞退されて、愛ちゃんと一戦を交えたほどの腕前、卓球好きで有名だ。
 そしてロゲ会長は今大会初の卓球観戦となった。中国対シンガポールの試合を最後まで観戦し、金メダルを確認した胡錦涛主席はご満悦で会場をあとにした。

写真の右が胡錦涛主席、横がロゲ会長、その下がITTF会長のシャララ
 中国国家主席、卓球ファンの胡錦涛とIOCのロゲ会長が観戦した女子団体決勝。
トップの王楠は試合前から緊張している。しかし、そこはベテラン。相手のミスを誘いながらしっかり勢いに乗る若手を封じた。
2番の張怡寧は1ゲーム目5-10から9-10まで追い上げたが、そこでサービスミスで9-11でリ・ジャウェイが先取。しかし、落ち着きを取り戻した張怡寧は2ゲーム目からラリーの主導権を握り、3ゲーム連取した。中国が2-0とリード。 
 ダブルスは終始中国がリードし、五輪初の団体金メダルをあっさりと決めた。

女子団体決勝
   中国  3-0 シンガポール
○王楠  -9、3,8、6  馮天薇
○張怡寧 -9、3,4,7   リ・ジャウェイ
○張怡寧/郭躍  8,5,6 リ・ジャウェイ/王越古
写真はトップの王楠と馮天薇
グループリーグで0-3で敗れている韓国とメダルを賭けて再戦。トップは平野と金キョンア。グループリーグでは競り負けているが、どうだろう。1ゲーム目は5-3,6-4,7-6、平野は緩急をつけて攻めている。7-7、レシーブミスで7-8、7-9、7-10、9-10、結局9-11で落とす。どこかで流れを変えたい。
2ゲーム目は1-5とリードされる。3-5、3-7、4-8、結局6本連取され、4-11で落とした。3ゲーム目、5-1、5-3、6-3、9-4とリード、10-5でゲームポイント。10-7、11-7で取り返す。4ゲーム目、2-2,2-4,4-7、スマッシュを決めて5-7、7-9、7-10から3本連取して10-10、しかし10-12で平野は敗れた。
 2番は福原対唐イエソ。グループリーグではストレートで敗れている。1ゲーム目3-6、3-8、4-11で落とす。2ゲーム目、3-3、4-4、8-5とリードを奪う。9-7、9-8から唐のサービスミスで10-8。バックハンドがオーバーミスで10-10、11-11になったところで唐がタイムアウト。次に唐がミドルへロングサービス、福原がレシーブミス、そして11-13でゲームを落とした。
 3ゲーム目、6-5、6-6、6-7でタイムアウト、8-7、9-7、10-7、11-7。最後は開き直ってフォアで勝負した福原。4ゲーム目、1-4、2-5、2-7、2-8、3-11で完敗だった。3番のダブルスは前の二人がそうだったようにダブルスも前回と同様のパターンで敗れた。終わってみれば、グループリーグで敗れたところからあまり試合の内容は変わってないようにも思えた。選手起用(オーダー)、戦術変更をしたかったが、それができなかったために当然とも言える結果だったかもしれない。
 選手はよく頑張った。しかし、明らかに韓国のほうが力が上のようだった。
    日本   0-3  韓国
 平野   -9、-4,7,-10   金キョンア○
 福原   -4、-11、7,-3     唐イエソ○
 平野/福岡 -6,-8,-11  金キョンア/朴美英○