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速報・現地リポート

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世界選手権横浜大会(個人戦)

●女子ダブルス準決勝
郭躍/李暁霞(中国) 7、8、5、9 姜華君/帖雅娜(香港)

●男子ダブルス準決勝
陳杞/王皓(中国) -9、4、11、7、9 ハオ師/張継科(中国)

 第1シードの両ペアが順当に決勝進出。郭躍/李暁霞の強烈な両ハンドドライブには、香港ペアも「どこに返したらいいの?」という感じだった。前回のザグレブ大会ではシングルス・ダブルスとも決勝で敗れた李暁霞は気合い満点のプレーだ。
 陳杞/王皓vs.ハオ帥/張継科の一戦は、中国選手のフィジカルの強さが際立つ内容。ミドルへ食い込んでくるようなボールにも倒れ込みながらカウンターを放ち、すぐに基本姿勢へ戻る。打球点に厳しいカウンターの斬り合いを見せた。
★5月4日の試合予定

●男子シングルス準決勝
16:30  王皓(中国) vs 馬龍(中国)
17:15  王励勤(中国) vs 馬琳(中国)

●女子シングルス準決勝
15:00  張怡寧(中国) vs 劉詩ウェン(中国)
15:45  李暁霞(中国) vs 郭躍(中国)

●男子ダブルス準決勝
10:45  陳チー/王皓(中国) vs ハオ師/張継科(中国)
12:15  岸川/水谷(日本) vs 馬龍/許シン(中国)

●女子ダブルス準決勝
10:00  郭躍/李暁霞(中国) vs 姜華君/帖雅娜(香港)
11:30  金キョン娥/朴美英(韓国) vs 丁寧/郭炎(中国)

 会場では女子ダブルス準決勝の第1試合が終了したところ。両ハンドのパワードライブを浴びせた郭躍/李暁霞がストレート勝ちを収めた。
 岸川/水谷、頂点まであとふたつ。メダル確定に満足せず、後は思い切って戦い、金メダルを目指してほしい。

Photo:中国男子チームの劉国梁監督と、奥さんの王瑾さん。王瑾さんはかつて日本リーグの松下電工彦根でプレーしていた。劉国梁は監督になっても人気者、あちこちでサインを求められている
●男子シングルス準々決勝
馬琳(中国) 4、4、-9、8、-9、8 朱世赫(韓国)

すばらしいラリーの応酬になったが、馬琳が4-2で勝利。互いに「決まった!」と思われるボールに信じられない反応を見せた。しかし、馬琳のパワードライブの威力は驚異的。打ち急いでのミスもしばしば出たが、最後まで崩れない精神力で押し切った。五輪金メダリストの自信が、彼に力を与えたのか。

●高島の目
 1ゲーム目は馬琳が朱のバックサイドへフォアハンドの決定球が決まり、バック攻めで圧倒。
 2ゲーム目、朱はアタックチャンスを作ろうとしたが、馬琳の多彩なバック攻めにあい、1ゲーム目と同じく完全にバックをつぶされた。
 3ゲーム目から朱が馬琳のバックへの送球をややフォア側へ切り替え。馬琳のフォアクロスドライブをカウンタードライブ。フォアハンドが決まりだし、アタックチャンスを作れるようになった朱は、カットと攻撃のコンビネーションが整い、馬琳のミスを引き出した。
 4ゲーム目。馬琳が朱の両サイドから体の中心へ、フォアミドルやバックミドル狙いへと切り替えて、中盤に5本連取でしのいだ。
 5ゲーム目は前半馬琳が5本連取したが、気のゆるみがあり、朱の反撃をくらう。中盤で追いつかれながら、朱のフォアドライブが決まりだし、9本で朱が勝った。
 6ゲーム目は馬琳の粘りと、朱の前後のフットワークにスピード感があふれ、すばらしいラリーの応酬となった。中盤、馬琳の速攻と、フォアへ曲がるドライブが朱のカットのバランスを崩し、最後は馬琳が集中力で勝利。
 全体を通し、1,2ゲーム目、朱があまりに馬琳のバックへ集めすぎたため、バッククロスへの速いドライブでポイントされた。もう少し2ゲーム目からコースを変えてフォアの攻撃に切り替えていれば、最終ゲームにもつれてどっちが勝ってもおかしくない展開になったのではないか。
 馬琳のカットの攻めは多彩だった。朱のフォアのドライブ攻撃が命中率がもう少し高ければ良かった。ややミスが多かった。しかし、レベルの高い好ゲームであった。
●男子シングルス準々決勝
馬龍(中国) 10、11、7、9 メイス(デンマーク)
王励勤(中国) -8、4、6、-10、-8、5、8 陳杞(中国)

 馬龍とメイスの一戦は、スコアこそ競るものの、要所で台上から一発で抜けるパワードライブを決めた馬龍がストレート勝ち。Mr.イエローカードのメイスは、第1ゲームに台を手で叩いてさっそく一枚もらったが、二枚目はなんとか免れた。
 
 そして王励勤と陳杞の一戦は、準々決勝で随一の好試合。ここ5年間で王励勤に1勝16敗と圧倒的に分が悪い陳杞だが、今大会は好調。メイスに負けず劣らず「キレやすい」陳杞だが、水谷戦と同じように終始冷静に戦い、凡ミスもほとんど見られず。陳杞がゲームカウント3-2とリードしたが、王励勤は次第に陳杞の強打にも対応し、固いバックブロックからの反撃で陳杞を突き放した。ともにクロスへのボールはほとんど抜けず、フォアミドルとフォアストレートに決定打を放っていた。
昨日比25%増!
現在21:30。観客は6割くらいに減ったが、
それでも皆、熱心に試合を見守る。
最終戦、朱が馬琳に対し、食い下がっているところ。
馬琳のカット打ちドライブは、あり得ないスピード。
6年前のパリ大会で、持ち上げるのがやっとで
のけぞるように打っていたのが嘘のようだ。
●女子シングルス準々決勝
李暁霞(中国) 9、4、-2、9、6 唐イェ序(韓国)
劉詩ウェン(中国) -9、8、10、5、15 バチェノフスカ(チェコ)

 女子シングルス準々決勝は、早くも中国がふたつの指定席を獲得。しかし、予想外(?)の健闘を見せたのがバチェノフスカ。06年ITTFプロツアー・ファイナルのU-21シングルスを制した選手だが、今大会は全くのノーマーク。ドローに恵まれたラッキーウィナーかと思われたが、ふたを開けてみれば劉詩ウェンと互角のラリー戦を展開。バックブロックが非常に固く、劉詩ウェンの強烈なドライブを何本でもブロック。身体能力を活かしたフォアドライブにも切れ味があり、会場を大いに沸かせる活躍を見せた。
●女子シングルス準々決勝
張怡寧(中国) 4、-7、4、4、7 石川佳純

■石川戦・高島の眼
 1ゲーム目は、張のフォアドライブに左右に振られた。ラリー戦で互角だったが、集中力高い張は連続得点をとらせない。善戦はしたが、後半はコースを読まれて6本連取された。
 2ゲーム目。今回の石川両ハンドとも腕がしっかり振れている。特にフォアハンドはドライブだけでなくスマッシュも打てるようになった。フォアスマッシュの得点率は高い。その特長がこのゲームは発揮された。バックハンドが張のフォアへ厳しく入るコース取りができ、良い面が出て先手をとれた。
 3ゲーム目は、張は石川のバックサイド狙い。バックに切れたツッツキを送ったり、フォアドライブも石川のバックを攻めたりで、石川はバックをつぶされた。
 4ゲーム目も同じ攻めで、石川は対応できず。バックばかり攻められるのをわかっているが、張は速いドライブとループを使い分けた。
 5ゲーム目は石川は思いきったバックドライブを使ったり、バックへのツッツキに対してそれまでのバックハンドではなくフォアハンドでドライブしいったり、工夫して3-1に。ラリー戦も互角だったが、バックハンドループを張が打球点の早いバックハンド石川のフォアへ打った。そして後半は世界ランキング1位だけあり、高い集中力を維持し、ほとんど凡ミスをしなかった。
 石川の今後の課題としては、バックへ打たれた時にクロスへばかり行くのではなく、ストレートへ強く打てるようになる必要があるだろう。そして次球をフォアスマッシュでねらうのだ。
 課題はあるが、今大会の石川の戦いぶりは素晴らしく、世界レベルでベスト10をねらえるだけのプレーを随所に見せた。ハイトスなどのサービスも工夫があった。

★石川佳純・敗戦後の会見

張怡寧選手はラリーもうまくて、攻めていきたかったけど、先に攻撃されてコースもうまいと思いました。世界選手権という大舞台の準々決勝で、張怡寧選手と試合ができるのは本当にうれしかった。勉強になることが多かったので反省して、次は勝利できるような選手になりたいので練習を一生懸命頑張りたい

-張怡寧選手が、石川選手は前よりも卓球が良くなって、中国選手に近づいたと思う、と言ってましたが…?

世界チャンピオンにそう言っていただいてうれしい。
勝てるんじゃないかなという瞬間はなかったけど、1ゲームを取った時にはもう1ゲーム取れるかなと思った。でも全然ダメでした。サービスの変化、戦術の変化が早くてついていけなかった。
 女子シングルス準々決勝、石川佳純のプレーが冴えに冴えている。
第1ゲームこそ落としたものの、第2ゲームは張怡寧からサイドを切るバックフリック、バックハンドでノータッチを奪い、11-7でゲームを奪取!
吉田戦 高島の目
 1ゲーム目は王のバックドライブが吉田のフォアミドルに入り、状態が詰まって振り切れず、先手を取られた。おしいところまで行ったが、後半王にペースをつかまれた。
 2ゲーム目は後半5本連取されたが、余裕をもってラリーを引かれて、吉田が無理打ちしてミスした。
 3ゲーム目は吉田のレシーブがよくなり、ネットプレーで少しペースを取り戻し、ネットプレーとドライブのコンビネーションが良くなった。吉田のペースのゲームになった。
 4ゲーム目は王がサービスを変えてきた。王のサービスは横回転系が多いが、下とナックルをうまく混ぜられ、吉田がレシーブを乱された。それに対し、王が速攻をしかけ、一気にリードされた。逆に吉田はサービスで有利にたとうと無理をしたが、王はレシーブをきっちりと入れてきた。吉田は3ゲーム目のように無理せず軽く入れていけば良かったが、強くレシーブをしようとしてミスが出てしまった。
 5ゲーム目は前半4-4となったが、王のフォアとバックのドライブがストレートに決まりだし、吉田の足が止まってしまった。こうなると完全に王ペースで、7本連取されてしまった。
 吉田の戦い方は前半はラリー戦に持ち込めて良かったが、後半は王の両ハンドがクロスとストレートに厳しく決まりだしたため、防戦一方となった。レシーブで崩され、特にバックドライブの的確なコースで崩され、最後はフォアドライブで決められた。王は自分のペースが乱されずにいけるという確信があったようだ。終始冷静にプレーしていた。
●男子シングルス準々決勝 
王皓(中国) 9、8、-8、3、4 吉田海偉

 吉田海偉、世界ランキング1位の王皓と好ラリーを展開。フォアドライブの打ち合いでは互角以上に渡り合い、王皓の連続強打をしのいで中陣バックドライブで反撃するなど、吉田ならではの豪快なラリーで会場を沸かせた。しかし、試合中盤から王皓に徹底して台上を突かれ、勝機を逸した。