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速報・現地リポート

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世界選手権横浜大会(個人戦)

●女子シングルス4回戦
張怡寧(中国) 6、2、3、6 トート(ハンガリー)
石川 9、-9、2、8、-9、9 ユ・モンユ(シンガポール)
バチェノフスカ(チェコ) -9、8、6、-8、5、9 シュトルビコバ(チェコ)
劉詩ウェン(中国) 5、6、11、4 郭炎(中国)
李暁霞(中国) 6、-5、9、6、10 丁寧(中国)
唐イェ序(韓国) 9、-4、10、-7、-7、15、8 リー・ジャオ(オランダ)
馮天薇(シンガポール) 9、7、-5、-10、-11、9、11 朴美英(韓国)
郭躍(中国) -9、11、8、-8、-10、4、5 姜華君(中国)

 激戦が連続した女子シングルス4回戦。最終試合の終了は、予定を大きくオーバーして23時近くとなった。
 06年ITTFプロツアーファイナル・U-21シングルス優勝のバチェノフスカ、ドローに恵まれた部分もあるが、大躍進のベスト8入り。馮天薇は08年北京五輪の団体準決勝ラストで勝利した朴美英と促進ルールにもつれ込む大激戦、最終ゲームは大きくリードされながら、強ドライブからのバッククロスへのスマッシュで競り勝った。現世界チャンピオンの郭躍は姜華君を破ったものの、やや打球のピッチが遅くなった感があり、予想外の苦戦を強いられた。
●男子シングルス4回戦
王皓(中国) -9、-8、4、8、9、6 江天一(香港)
吉田海偉 6、5、-4、5、-7、5 金延勲(韓国)
メイス(デンマーク) 11、7、-4、8、8 ギオニス(ギリシャ)
馬龍(中国) 2、-7、2、4、8 オフチャロフ(ドイツ)
王励勤(中国) 3、-8、6、6、-8、13 唐鵬(香港)
陳杞(中国) 6、3、10、4 水谷隼
朱世赫(韓国) 5、-6、7、6、キケン 張ユク(韓国)
馬琳(中国) 9、7、-4、11、-8、-8、9 松平健太

 今日最後の試合となった張ユクvs朱世赫は、張ユクが脇腹を傷めて棄権となってしまった。王励勤は、唐鵬との前陣での高速ラリーを制し、ゲームは落としながらもしっかりベスト8進出。メイスは回転量の多いドライブからの強打でギオニスを制した。
●男子シングルス4回戦
馬琳(中国)9、7、-4、11、-8、ー8、9 松平健太

 それは、日本中の卓球ファンが夢見た瞬間だったかもしれない。世界選手権の舞台で、日本選手が五輪金メダリストを追い詰める。この興奮は、長く低迷が叫ばれていた日本の卓球界には、久しく無かったものではなかったか。

 第1ゲームから、馬琳と互角以上の戦いを繰り広げた松平。しかし、国内大会では決まる松平の3球目バックパワードライブが、馬琳にはことごとくブロックされてしまう。また、ラリー戦になれば、馬琳はスイングスピードの速さで、多少打球点が落ちたボールも一発で持っていってしまう。競り合いになり、10-8とゲームポイントを握った第4ゲームを逆転され、第5ゲームも2-5とリードされた時点で、松平はもはや勝機を逸したかに見えた。

 ところが、ここから松平は、馬琳にブロックされたボールを待ち受けて連打を見舞い、次第に流れを取り戻すと、前陣を死守して馬琳をバックブロックで押し込み、振り回して主導権を奪い返す。また、フォア前に浮いたストップに対する「パワーフリック」の威力はすばらしく、馬琳でさえほとんど触れることができなかった。
 第6ゲーム10-8となったところで、立ち上がったベンチの吉田安夫総監督補佐にイエローカードが出る。カウント3-3となり、第7ゲーム4-1と松平がリードした時点で、場内のボルテージも最高潮にしかし、馬琳が得意の3球目パワードライブで9-7と逆転。勝利を祈る日本の応援団を前に、7-9から松平のバックドライブ対馬琳のフォアドライブで壮絶なラリーが繰り広げられる。このラリーを落とした松平、9-10まで追いすがるも、最後は馬琳の3球目パワードライブを浴びて敗れた。

 第7ゲーム終盤での馬琳のサービスはトスが低く、かなり「ぶっつけサービス」に近かった。また、第4ゲーム10-8のゲームポイントをものにしていれば、と思う人もいるかもしれない。しかし、松平の健闘はすばらしかった。今大会、ここまでの時点ではベストゲームだと断言できるだろう。

★松平健太、試合後のコメント
「チャンスがあっただけに悔しい。4-1でリードした時に勝ちを意識した。試合としては、思い切ってできたことが良かった。相手のボールに早いうちに慣れることができた。競った時の戦術面が、相手のほうが上だった。競った時に相手のほうが思い切ってきた。試合前は、フォアを中心に集めるという対策を考えていた。馬琳は足と台上がスゴイので、戦型は違うけどよくビデオは見ていた。1ゲームか2ゲーム取れれば相手もびびってくれるとは思っていた。応援の声はすごく力になった。負けて悔しいけど、差はそこまで開いてないなと感じたので自信になった。サービスが効いたと思う。馬琳との試合中、良いボールが決まった時は観客も沸いてくれるので楽しい。
今大会は、自分より世界ランキングの高い選手3人に勝てたので、良い成績だと思う。
(馬琳のように、金メダリストになるまであと何年?と聞かれて)あと5年以内に絶対なりたい」
松平健太 ー9、ー7、4、馬琳(中国)
持ち味の前陣カウンターが炸裂している健太。
互角の展開で、馬琳から1ゲームを奪った!
横回転の沈むブロックなど、
ワルドナー並みのプレーも飛び出している!

松平健太 ー9、ー7、4、-11馬琳(中国)
10-8とゲームポイントをうばうも、馬琳も意地のフォアクロスドライブで奪取。
頑張れ!!

松平健太 ー9、ー7、4、-11、8馬琳(中国)
2-3に持ち込んだ!
リードされながらもサービスをきかせえて強烈な3球目攻撃。
馬琳もそれを必ず返すが、健太も反応よく連続で打ち切る!

6ゲーム目、パワーフリックを3本決め、7-1!
9-4!
10-6!
とった!

松平健太 ー9、ー7、4、-11、8、8馬琳(中国)
ついにフルゲームに!場内のボルテージも最高潮に!がんばれ!!!
出だし2本連取!
4-1!馬琳タイムアウト
5-3でチェンジエンド!
5-5!がんばれ!
7-7!!!
8ー10!両者神がかったプレー!!
9-10!

最後、馬琳の強烈なストレート3球目。
敗れたが、すばらしすぎる試合だった。
よくやった健太!!
●男子シングルス4回戦
陳杞 6、3、10、4 水谷

相手は世界ランキング7位の陳杞ながら勝利が期待された水谷。
しかし、陳杞は予想以上に強かった。
中途半端な仕掛けはせず、ストップを多用し、
つなぐボールはゆるく確実につなぐ、
そして一旦攻勢に出れば、目にもとまらぬ超速フォアドライブが炸裂。
水谷の攻撃に対しても非常に良い反応をみせた。
水谷も何とか展開を変えたかったが、
チャンスのあった3ゲーム目を落とし、及ばず。

■高島の眼
陳杞がストップしてくるのが分かっていたのだから、
それを積極的に攻撃すべきだった。
ストップに対し、ストップしかしなかったのは戦術のミス。
●女子シングルス4回戦
石川 9、ー9、2、8、ー9、9 ユ・モンユ(シンガポール)

 大会中も成長を続ける天才少女が、底知れぬ可能性を見せつけ、初出場でベスト8進出を決めた!
 大会序盤はやや緊張感が見えた石川だが、この試合では多彩なボールさばきを見せた。速攻が時に一本調子になるイメージもあったが、ゆるいシュート系の軽打や、レシーブでストップの構えから一転してバックフリックで得点するなど、ユ・モンユの強打を巧みに封じた。第2ゲームは7-1のリードから逆転されたものの、終始高い集中力をキープした。
 ゲームカウント3-2とリードした第6ゲームは、一進一退のシーソーゲーム。会場の緊張は次第に増していったが、一番リラックスしていたのは、実は石川本人だったのではないか。9-9という手に汗握る場面で、アップ系のハイトスサービスでユがオーバーミス、そしてマッチポイントでは下回転系サービスでユがネットミス。歓喜に包まれた場内からは、ウェーブも起こった!

★石川佳純、試合後のコメント
石川「日本は私のホームなので、みなさんの応援が本当に私の力になったと思います。
 うれしいという気持ちと信じられないという気持ちが半分半分です。勝因は、勢いに乗れたことと、応援が力になっていつも入らないボールが何本の入ったことです。相手はレシーブがあまり得意じゃないと思ったので、サービスの変化を大きくして、それが相手も嫌だったんじゃないかと思います。緊張している場面なので、いきなり違う回転のサービスが来たら戸惑うと思ったので、リードしている場面でもサービスに変化をつけようとしました。
 世界選手権のシングルスに出場できるだけでもうれしかったし、選んでくれて、良い成績を残せたことがうれしい。
(明日は張怡寧戦ですが?)張怡寧は私の好きな選手で、その選手と世界選手権という舞台でできることがうれしいです」

★吉田勝利後のコメント
「ほんとにベスト8入って嬉しいですね。最高のプレーができましたね。
 自分のサービスのコースとかレシーブが良かったですね。ダメなところは、相手のバックに打ちすぎですね。相手のバックは結構得意です。でも最後は良かったです。自分が打つときコースを変えて相手の真ん中とかフォアとか、あとサービスのコースも変えました。
 3ゲーム目はコースが悪かったけど、試合中にはわかるけど、ちょっと疲れているし、自分がミスしないところに打った。ベンチに戻って、佐藤さんからもちょっとコースを考えた方がいいかなと言われました。

(観客が多くて雰囲気は)昨日よりもっといいですね。自分らしいプレーもできるし、お客さんも昨日より多くなっているし、とっても最高ですね。ベスト8入りましたね。また明日もこの調子で、世界ランキング1位の選手と。チャレンジャーですね。勝つ負ける考えず、自分らしくできれば。後悔しないように。

(今まで戦ったことは)何回もありますね。2回くらいチャンスあったですね。そこから逆転された。今日はこれから試合がないから、明日の作戦を考えます。

(ベスト8は宮崎さん以来ということは)知ってますね。ぼくは2番目になりたいな。しかもまだ試合終わっていないですね。まだチャンス、監督より増えるかな、わからないですね。

(1回戦は厳しかったが)そういう試合を1回やったほうが気持ちもラクになるんですね。あの試合で調子が上がった。厳しい試合をやらないとベスト8に入れないなと思います。やっぱいいこと出ますね
●男子シングルス4回戦
吉田海偉 6、5、-4、5、-7、5 金延勲(韓国)

男子シングルス・ベスト8決定戦でも、吉田の勢いは止まらなかった。序盤からフォアドライブがエンジン全開で、中陣からのバックハンドも火を吹いた。サムソノフ(ベラルーシ)、張超(中国)を下し勝ち上がった金は、それまでの好調が嘘のような消極的な卓球。3球目でのミス、バックドライブを打っても、吉田にブロックされ、ペースをつかめない。2ゲーム奪われたが、吉田は最後まで攻撃の手をゆるめず攻め続け、最後は金が出したロングサービスがオーバーしてサービスミスとなり、ゲームオーバー。吉田が85年イエテボリ大会以来となる男子シングルス・ベスト8入りを決めた!
●女子シングルス4回戦
劉詩ウェン(中国) 5、6、11、4 郭炎(中国)
李暁霞(中国) 6、-5、9、6、10 丁寧(中国)

 シングルス初出場の18歳・劉詩ウェンが、パワーが売り物の郭炎を強力な両ハンドドライブで圧倒した。パワーが売り物の郭炎だが、ピッチの早さ、球威ともに劉詩ウェンが上。防戦一方に追い込まれ、唯一競り合った第3ゲームをデュースで落とすと、第4ゲームは一方的な展開になった。
 試合後、劉詩ウェンは「郭炎はクレバーなプレーをするし、経験も豊富。(昨年12月の)プロツアーファイナルでのプレーも良かった。勝てるとしても4-3でと思っていた。思い切りの良さが大事だった」と、予想外の完勝に興奮冷めやらぬ表情。丁寧を破った李暁霞や五輪女王の張怡寧にとっても、油断のならない後輩だ。

●男子ダブルス3回戦
水谷/岸川 -10、10、9、6、-8、5 ツボイ/モンテイロ(ブラジル)

 ブラジルペアに苦しめられながら、水谷/岸川ペアがプレー領域の広さを活かしてベスト8進出を決めた。
 左シェークドライブ型で、パワーのあるツボイの両ハンド強打に苦しんだ水谷/岸川。油断はなかっただろうが、競り合った第2ゲームを取られていたら危ない試合だった。しかし、打たれても打たれても何本でも返すフィッシュで相手ペアのミスを誘った。ブラジルペアは最後は根負けした形だ。