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速報・現地リポート

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第7回世界ジュニア選手権大会

●男子団体決勝
  [ 中国 3-0 ドイツ ]
○方博  -7、12、7、-8、6 フロリッツ
○閻安  -10、8、-8、6、10 フランジスカ
○林高遠  6、12、5    バルサー

 トップで方博が昨日の上田戦のように、負けそうになった試合をひっくり返した。
2番でドイツのエース、フランジスカと中国のエース、閻安が対決。終始、フランジスカのペースで進み、最終ゲーム、フランジスカが10-5とマッチポイントを握り、誰もがドイツの1点を予想したが、そこから閻安が7本連取した。中国に勝てそうで勝てないドイツだ。
 3番では林高遠がバルサーに快勝し、中国が優勝を決めた。

photo 健闘したフランジスカ、トップで辛勝した方博、エースの閻安は大逆転勝ちを収めた
大岡巌女子監督のコメント
「もう少しできるかなと思ったけど、想像以上にトップの武楊のカットの変化があったのかな。森薗もカット打ちはうまいほうじゃないかもしれないけど、日本のカットマンとやっているやり方では勝てない。セオリーどおり、ストップしてドライブしてスマッシュというやり方では勝てない。谷岡は入り方がまずかった。もっとフォアに持っていけば良かったけど、最初自分が何をしているかわからない状態だった。3ゲームはフォアに持っていったけど、それを1ゲーム目からできていればよかった。
 松澤に関しては、今まで世界を意識していない子がポッと来てやったわけだから、今回の経験を今後生かしてほしい。
 今回出ていない石川、今回出ている森薗、谷岡、その次の選手をジュニアとして強化していかないと大変になる。ヨーロッパのレベルも落ちているし、世界的にも落ちているかもしれないけど、中国に肉迫しようとしたら、3人以外の選手で中国に対抗できるという選手が出てこないと中国には勝てない。
 ジュニアからナショナルチーム、ホープスからジュニアへという連係をもう一回考え直す必要があるんじゃないかと思っています」

photo 左から曹の前に沈んだ谷岡、3番で敗れた松澤
●女子団体決勝
  [ 中国 3-0 日本]
○武楊   5、3、9   森薗
○曹麗思   3、7、10   谷岡
○陳夢  2、5、6   松澤

 トップでエースの森薗がカットの武楊と対戦。森薗はフォアで粘るのではなく、ツッツキを多用しながら丁寧に攻めていったが、武楊の変化にミスが出る。3ゲーム目はツッツキをさらに多く使い、前に寄せて叩くことを試みるが、武楊も攻撃を入れ、森薗を崩す。森薗は終盤までリードを奪うが、最後に逆転され、ストレートで敗れた。
 2番の谷岡は前回大会で4冠を取った曹麗思と対戦。フォア表ソフトの曹はバックドドライブを織り交ぜ、フォアスマッシュでとどめを刺し、ストレートで谷岡を下した。谷岡にはもう少し攻撃力がほしい。攻撃にミスのない中国選手に対しては、攻撃を混ぜないと勝機は見い出せないようだ。
 3番の松澤は両ハンドの速攻で陳夢に挑んだが、いかんせん力の差は歴然としていた。1時間20分で日本の奮闘は終わった。しかし、準決勝の韓国戦での勝利といい、収穫のある団体戦だった。

photo 左からカットマンの武楊、谷岡に勝った前回チャンピオンの曹麗思、そしてトップで完敗した森薗
 南米のコロンビアに30数時間かけて到着したのは8日。日本とは夏と冬が逆で、ここカルタヘナはカリブ海に面したリゾート地。気温は30度を超える。
 選手団およびメディアのホテルは「ホテル・カリブ」。大きなリゾートホテルで、ホテル内の庭に放し飼いの鹿はいるは、今朝はイグアナがいて、森薗選手は大騒ぎだった。食事はいつも外。
 こちらに来る前、コロンビアに取材に行くと言ったら、みんなが「大変だね」「大丈夫」「生きて帰ってきてね」と言い、協会関係者にまで「ご愁傷様」などと言われるほどだったが、どっこい意外と安全です。確かに夜ひとりで歩いていると少し怖いけど……。

photo 左から町の物売りのおじさん、会場のカルタヘナのコンベンションセンター、世界遺産のカルタヘナの要塞
●男子団体準決勝
   [ドイツ 3-2 韓国]
 フロリッツ -6、-10、-5   鄭栄植○ 
○フランジスカ 8、8、-6、-8、10 金ミン鉐
○バルサー  -10、7、9、9   李承赫
 フロリッツ  -6、-11、-5   金ミン鉐
○フランジスカ 7、-6、-5、7、9 鄭栄植

photo ラストで鄭を破ったフランジスカ
河野正和男子監督のコメント
「もう少しやれたな、とちょっと残念。トップを取っていれば、結果論だけど、違った展開になったと思う。試合前は持っているものを全部出そう、中国はちょっとした変化を持っているし、ボールが床に落ちるまで安心してはいけないと言いました。試合後は、『中国だから負けても良いという気持ちは持たないでほしい。以前は日本ができないことを中国がやっていたけど、今は違う。中国がやっていることは日本もやっている。その中で何が足りなかったのかを考え、次に中国に勝てるようにしよう』と言いました。
 藤本君はすごい積極的で向かっていく卓球をしてくれた。今までは日本の1番手しか中国に勝てなかったけど、ここに来て、日本の3番手でも中国に勝てるくらい力をつけてきた。彼が良かったのはサービス。負けた試合では相手のほうがサービスが良かった。
 丹羽君は、下のレベルではループドライブが得点準備球になるけど、このレベルにはそうではない。かねてからの課題だった部分が実体験できたのはプラスだった」

●男子団体準決勝
   [中国 3-1 日本]
○方博  -3、9、9、-10、11 上田
○閻安  8、5、4      丹羽
 宋鴻遠 -9、-8、5、8、-8  藤本○
○方博  8、-10、7、11   丹羽

 惜しい。日本はトップの上田が最終ゲーム11-10とマッチポイントを奪いながら敗れた。しかし、3番の藤本が最後まで攻めきり、思い切ったプレーで宋に勝つ。丹羽は先手率が低いところを相手に先に攻められて後手に回り、2点落とした。しかし、中国を苦しめた試合だった。

photo 左からトップで惜敗した上田、2点取った方博、中国のエースは閻安
大岡巌女子監督のコメント
「良いゲームだったね。団体戦では久しぶりの良いゲームじゃなかったかな。谷岡も8連敗くらいしている相手に初めて勝ったし、森薗もラストで梁夏銀に勝ったけど、韓国ジュニアオープンでは負けている。趙惟唇はカット打ちがうまいけど谷岡がよく勝ったし、梁夏銀から2点取ったからこれはすごいこと。よく頑張りました。森薗も梁夏銀には分が悪かったけど、よく勝った。
 試合前は、本心を言えば、4対6くらいかなと。梁夏銀に2点取られるかもしれないし、3番もきついから。何回もやっている相手だから、試合前は何も言わなかった。どうしても勝ちたかった。選手たちも韓国には分が悪いと思っているから余計にうれしいんでしょう。中国戦は思い切ってやるだけ、自分の実力が全部出せれば、韓国戦のような決勝をやれる。勝ちに行きたいと思います」

photo 左から試合後思わず涙がこぼれた森薗、韓国のエース梁夏銀
●女子団体準決勝
   [日本 3-1 韓国]
○森薗  8、9、3     趙惟唇
○谷岡  -6、8、8、6、5 梁夏銀
 岡崎  -8、-8、6、-6  金敏姫○
 谷岡  -10、-10、12、9 趙惟唇○
○森薗  7、7、9     梁夏銀

 日本女子が素晴らしい試合内容で韓国を破り、決勝に進んだ。エースの森薗が2点をたたき出し、「カットキラー」を送り込んだ韓国から谷岡が見事なプレーを見せ2番で勝利したのも大きかった。ラストで勝った森薗は、ベンチに帰るなり「もし負けたら、死にたいくらいの気持ちだった」と語り、大粒の涙を流した。明日は中国との決勝だ。

  [中国 3-0 香港]
○武楊   2、3、4   呉穎嵐
○陳夢   3、10、6  李皓晴
○曹麗思  6、9、4 呉嘉儀

photo 左から2点取った森薗、貴重な1点を奪った谷岡
 女子団体の第1ステージの結果は下記のとおりとなった。中国は第1ステージの3試合をすべて3-0、しかも全員がストレート勝ち。準々決勝でもルーマニアを相手にオールストレートで完勝しており、今大会まだ1ゲームも落としていない。日本は準決勝で韓国を破り、この最強軍団への挑戦権を獲得したい。

★女子団体第1ステージの結果 ※スコアは1位チームと2位チームの対戦

グループA:1.中国(3勝0敗)2.ロシア(2勝1敗)3.ルクセンブルグ(1勝2敗)4.コロンビア(0勝3敗)

[中国 3-0 ロシア]
○陳夢 9、2、2 リヤポワ
○顧玉ティン 10、6、6 ノスコワ
○武楊 2、3、7 グセワ

グループB:1.日本(3勝0敗)2.ルーマニア(2勝1敗)3.ポーランド(1勝2敗)4.オーストラリア(0勝3敗)

グループC:1.韓国(3勝0敗)2.ドイツ(2勝1敗)3.エジプト(1勝2敗)4.ペルー(0勝3敗)

[韓国 3-0 ドイツ]
○金敏姫 2、8、-9、-6、8 ウィンター
○梁夏銀 4、6、8 ミュールバッハ
○黄志那 -2、10、10、7 ヘルゲス

グループD:1.香港(3勝0敗)2.チャイニーズタイペイ(2勝1敗)3.アメリカ(1勝2敗)4.チリ(0勝3敗)

[香港 3-2 チャイニーズタイペイ]
○李皓晴 9、11、9 林珈芝
 呉穎嵐 -9、-11、-12 鄭怡静○
○管夢圓 4、7、-6、12 林怡君
 李皓晴 -8、7、-4、-11 鄭怡静○
○呉穎嵐 12、5、10 林珈芝