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速報・現地リポート

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世界ジュニア選手権大会

 会場に詰めているITTF関係者、各国のコーチが石川佳純に熱い視線を注いでいる。
 シニアでの経験は十分とはいえ、中国に対して完全に互角以上の戦いを示し、しかも落ち着いている。そのすばらしいボデイバランスから繰り出す両ハンドの安定感、ボールタッチ、そしてサービスのうまさは群を抜いている。
 森薗の組む女子ダブルスでは決勝で顧玉ティン/朱雨玲(中国)と対戦。女子シングルス準決勝では韓国の梁夏銀(ヤンハウン)と対戦。世界ジュニアの頂点に立つのかどうか、今日の夜には決まる。
*写真は森薗とのダブルス、改良されたサービス、試合前に卓球ノートを見て、戦術確認と集中力を高める石川
★男子ダブルス準決勝
ゴーズィ/Q.ロビノ(フランス)6、7、-12、6、9 
               フランチスカ/ホルター(ドイツ)
町/丹羽(日本)8、8、8、-6、7 周雨/林高遠(中国)
★ 女子ダブルス準決勝
顧玉ティン/朱雨玲(中国) -8、7、7、11、6 谷岡/前田(日本)
石川/森薗(日本) 10、7、-4、11、5易芳賢/趙岩(中国)
〈男子ダブルス〉●準々決勝
平野/吉田 -8、-8、-10、4、10、-7ゴーズィ/Q.ロビノ(フランス)○
町/丹羽 3、7、6、6 フ・エンティ/リ・チュンリン(チャイニーズタイペイ)
〈女子ダブルス〉●準々決勝
前田/谷岡 -9、-8、9、5、1、-9、6 鄭怡静/陳思羽(チャイニーズタイペイ)
石川/森薗 13、8、2、4 李皓晴/呉穎嵐(香港)

★女子シングルス・準々決勝
石川(日本) 7、8、2、6       趙岩(中国)
梁夏銀(韓国) 2、7、2、6      谷岡(日本) 
易芳賢(中国)10、-11、-7、6、-6、9、9 森薗(日本) 
朱雨玲(中国) 9、5、-5、8、9 李皓晴(中国)
★準決勝
石川(日本) vs.  梁夏銀(韓国) 
易芳賢(中国) vs.  朱雨玲(中国) 

★男子シングルス 準々決勝
周雨(中国) 3、8、8、9  丹羽(日本)
宋鴻遠(中国)3、7、-10、-4、8、-8、4フランチスカ(ドイツ)
林高遠(中国)8、4、4、5 ロレンツ(フランス)
呉家驥(中国)-8、6、-9、-8、9、8、8 吉田(日本)
★ 準決勝
周雨(中国) vs.  宋鴻遠(中国)
林高遠(中国)vs. 呉家驥(中国)
●男子シングルス3回戦
丹羽 3、8、2、9 ブロシエ(フランス)
周雨(中国) 7、2、10、-10、4 グロス(デンマーク)
フランチスカ(ドイツ) 7、8、-9、6、1 金東賢(韓国)
宋鴻遠(中国) -4、4、7、8、-9、11 ゴーズィ(フランス)
ロレンツ(フランス) 8、-8、-9、9、7、7 シルチェク(チェコ)
林高遠(中国) 5、7、5、8 アギレ(パラグアイ)
吉田 6、-7、9、-8、14、3 Q.ロビノ(フランス)
呉家驥(中国) 7、5、8、7 トウマ(ブラジル)

★準々決勝の対戦カード
丹羽 vs. 周雨
フランチスカ vs. 宋鴻遠
ロレンツ vs. 林高遠
吉田 vs. 呉家驥
*写真は左から丹羽、吉田
●女子シングルス3回戦
石川 7、11、-11、5、8 リー・スーユン(シンガポール)
趙岩(中国) 8、7、-6、9、-4、-7、10 呉穎嵐(香港)
梁夏銀(韓国) 3、11、-3、-7、6、2 スッチ(ルーマニア)
谷岡 5、2、-4、5、5 クリーゴフ(ドイツ)
森薗 8、7、-7、9、9 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
易芳賢(中国) -11、-6、-8、8、7、9、7 P.ゾルヤ(ドイツ)
李皓晴(香港) 9、5、4、-11、8 シャオ・マリア(ポルトガル)
朱雨玲(中国) -9、-5、-16、7、5、5、8 ムールバッハ(ドイツ)

★女子シングルス・準々決勝の対戦カード
石川 vs. 趙岩(中国)
梁夏銀 vs. 谷岡
森薗 vs. 易芳賢
朱雨玲 vs. 李皓晴

 女子シングルス3回戦、森薗美咲が優勝候補の一角、チャイニーズタイペイの鄭怡静を破った! 世界ランキング35位の鄭は、世界選手権モスクワ大会の日本戦ラストで平野早矢香を追いつめ、日本の卓球ファンを青くさせた選手。アジア競技大会でも団体戦で郭躍を破っていたが、ジュニアの大会では逆にプレッシャーがかかるのか? 石川と谷岡もベスト8に入り、日本女子の快進撃は止まらない。
 対照的に、中国は3選手ともゲームオールの苦しい戦い。趙岩はゲームオールデュース、易芳賢と朱雨玲は0-3からの逆転で辛くも勝ち進んだ。準々決勝では石川が趙岩、森薗が易芳賢と相まみえるが、この勢いのまま中国を呑み込みたい。ベスト8はすべてアジア勢、いよいよ女子シングルスも佳境だ。
*写真は森薗と世界35位の鄭

日本勢、男女ダブルスで2ペアがベスト8入り

〈男子ダブルス〉●2回戦
平野/吉田 6、6、9 チョ・ジェジュン/イ・スンヒョク(韓国)
町/丹羽 2、9、4 チピン/コジッチ(クロアチア)

〈女子ダブルス〉●2回戦
前田/谷岡 6、8、9 ユ・ウンチョン/パク・ジョヒュン(韓国)
石川/森薗 4、6、3 イリチ/ビンツェ(ルーマニア)

〈混合ダブルス〉●3回戦(ベスト8決定戦)
宋鴻遠/趙岩(中国) 8、9、10 町/前田
周雨/易芳賢(中国) -6、7、-9、9、7 吉田/谷岡

 男女ダブルス2回戦と混合ダブルス3回戦。日本は男女ダブルスの4試合をすべてストレートで勝ち進み、ベスト8進出を決めた。エースダブルスの町/丹羽、石川/森薗はヨーロッパの実力派ペアを寄せつけず、平野/吉田と前田/谷岡も韓国ペアに快勝。今大会はこれまでのところ、日本がライバルの韓国を上回る活躍を見せている。
 混合ダブルスは残念ながら3回戦で2ペアとも姿を消した。吉田とカットの谷岡の変則ダブルスが、周雨/易芳賢に惜しい試合をしたが、惜敗。

※男女ダブルス・準々決勝の対戦相手
〈男子ダブルス〉●準々決勝
平野/吉田 vs. ゴーズィ/Q.ロビノ(フランス)
町/丹羽 vs. フ・エンティ/リ・チュンリン(チャイニーズタイペイ)
〈女子ダブルス〉●準々決勝
前田/谷岡 vs. 鄭怡静/陳思羽(チャイニーズタイペイ)
石川/森薗 vs. 李皓晴/呉穎嵐(香港)
*写真は左から吉田/谷岡組、町/前田組
 「早く写真とってよ!!といつものイントネーションで日本語で話しかけるフランスのコーチ、ミッシェル.ブロンデル。日本で卓球のコーチの修行をして、フランスに帰ってからは名門チーム、「ルバロワ」でヘッドコーチ、その後、ナショナルチームのジュニアコーチを経て、ガシアン、シーラなどのメダリストに請われ、シニアの代表チームをヘッドコーチとして率いた。現在はまたジュニア担当に戻り、強化全体を指揮している。ふだんの明るさとは別に試合になると別人のようになる。
 写真は河野監督と倉嶋コーチと一緒に。ちなみに倉嶋コーチは選手時代、パリに卓球留学した際にミッシェル宅でお世話になっている。
 ITTFのWEB記者であり、アナウンサーも務めるマーシャル氏が驚きながらマイクを向けた。「谷岡、すごい! ユース五輪金メダリストで第2シードの顧玉ティンを破った。すごいゲームだった、2日間で2人の中国選手に勝った。昨日も今日も最終ゲームまでもつれる試合だったけど体は大丈夫?」「全然問題ないです。去年から体力を強化してきましたから。相手には気持ちでは負けないようにしました。カットを低く深く送ることに集中しました」と谷岡。猛烈に切れたカットと鋭い攻撃のコンビネーション。「自分だけのカットスタイルを作りたい」と言う谷岡。将来性のあるカット選手がその潜在力を自ら示した会心の勝利だった。
〈女子シングルス・予選リーグ〉
●グループ3
前田 4、7、0 ※負傷により棄権 エル-ダウラトリ(エジプト)
前田 7、5、1 ロイ(インド)
●グループ15
谷岡 7、-8、3、10 ブラズコ(ロシア)
谷岡 3、2、6 トルクソバ(スロバキア)
※前田、谷岡は決勝トーナメント進出

〈女子シングルス・決勝トーナメント〉●1回戦
石川 5、5、9、2 エル-ダウラトリ(エジプト)
谷岡 -7、3、9、-9、9、-9、5 トミッチ(クロアチア)
森薗 4、3、2、4 カワイ(ブラジル)
アバ(フランス) -6、-5、9、10、4、-13、6 前田
●2回戦
石川 2、3、5、7 ホロク(セルビア)
谷岡 -9、9、-3、7、9、-4、6 顧玉ティン(中国)
森薗 3、9、-7、4、2 ブラズコ(ロシア)

※3回戦の日本選手の対戦相手
石川 vs. リー・スーユン(シンガポール)
谷岡 vs. クリーゴフ(ドイツ)
森薗 vs. 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)

 女子シングルス2回戦、谷岡あゆか(エリートアカデミー)が第4シードの顧玉ティンを破った!
 卓球を始めてわずか2年で全日本カブを制した天才肌のチョッパー、ここ2年ほどはやや伸び悩みの感もあったが、団体戦での勝利が大きな自信となったのか。前回大会も3回戦で対戦し、1-4で完敗していた顧玉ティンを破り、その成長を証明してみせた。もともと攻撃力が際立っていた選手だが、カットとツッツキの変化が加わって攻守自在のプレーを見せている。08年マドリッド大会の3位を越える成績を狙う。 

 石川と森薗は、2回戦までは格の違いを見せる戦いぶり。森薗は3回戦でチャイニーズタイペイの強豪・鄭怡静に挑戦する。チーム最年少の前田は、1回戦でフランスのアバに敗戦。11月のジュニアサーキットファイナルでは、順位決定戦で完勝していた相手なのだが、惜しくも競り負けた。ダブルスでの活躍に期待しよう。
*写真は優勝候補の顧に勝った谷岡、順調に勝ち進んでいる石川
〈男子シングルス・予選リーグ〉
●グループ9
町 7、6、6 フ・ハミン(オーストラリア)
ガディエフ(ロシア) 5、9、-5、8 町
●グループ23
平野 7、5、9 ウォーカー(イングランド)
平野 5、6、7 ノヴォタ(スロバキア)
※平野は1位、町は2位で予選リーグ通過

〈男子シングルス・決勝トーナメント〉●1回戦
丹羽 2、10、-8、6、-5、8 ムッティ(イタリア)
平野 10、7、6、11 スボチッチ(セルビア)
吉田 6、-9、-9、-9、10、4、2 ニュイチンク(ベルギー)
宋鴻遠(中国) 6、-9、8、-12、-8、9、7 町

●2回戦(ベスト16決定戦)
丹羽 10、8、2、9 フロラス(ポーランド)
吉田 7、-8、6、6、-11、-9、9 キム・ジファン(韓国)
フランチスカ(ドイツ) 14、6、9、-9、-10、8 平野

※3回戦(ベスト8決定戦)の対戦カード
丹羽 vs. ブロシエ(フランス)
吉田 vs. Q.ロビノ(フランス)

 遅くなりましたが、大会第6日目の男子シングルスの結果。2回戦まで終了し、ベスト16が出揃った。
 予選リーグでロシアのガディエフに敗れ、2位通過となった町飛鳥が、初戦で中国の左シェークドライブ型・宋鴻遠と対戦。団体戦では出番が少なかった町、シングルスで巻き返しとばかりに前回3位の宋に迫ったが、ゲームカウント3-2から惜しくも逆転負け。2回戦では平野友樹が、前回大会の団体戦で活躍したドイツのフランチスカに惜敗し、姿を消した。
 第1シードの丹羽は初戦でややもたついたが、2回戦は快勝。吉田は団体戦から接戦の連続なのだが、2回戦では韓国のエースであるキム・ジファンをゲームオール9点で下し、ベスト16入りを決めた。3回戦はともにフランス勢との対戦だ。
*写真は左から前回3位の宋鴻遠に敗れた町飛鳥、フランチスカに敗れた平野友樹、接戦をものにした吉田