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世界卓球パリWEB速報

●女子ダブルス1回戦
福原/平野  7,4,8,8  ロイエン/ルン(ベルギー)

 シングルスで敗退した福原は気持ちを切り替えて平野とのダブルスに出場。メダル獲得へ向けて1勝目を挙げた。
福原「シングルスを負けてしまって、ダブルスとミックスダブルスは絶対勝ちたい種目なので、うまく気持ちを切り替えて試合をすることができた」
平野「ダブルスの初戦だったので、相手の情報もあまりなかったので、自分たちのプレーをすることを心がけました」
福原「自分一人じゃ難しかったけど、チームメイトや張コーチが励ましてくれて、上手に切り替えることができました。早矢香ちゃんはわざと触れないでくれました(笑)。シングルスのシの字も言わなかった。今日は凡ミスも出たけど、最後の方は明日につながるプレーができた」
平野「相手がちょっとやりにくかったけど、反省の点は明日しっかり修正したい」
●女子シングルス2回戦
平野 12、6、8、6 マダラシュ(ハンガリー)
石川 ー7、7、ー6、9、7、6 シュトルビコバ(チェコ)
馮天薇(シンガポール) 8、ー4、ー6、8、8、8 森薗
松平 8、10、8、9 ユ・モンユ(シンガポール)
藤井 5、3、7、ー7、ー6、2 林佳慧(チャイニーズタイペイ)

 高校生の松平が世界ランキング27位のユ・モンユ(シンガポール)を破る殊勲をあげ、石川は苦しみながらも勝利した。
 松平はメインアリーナでプレーする緊張感は少しも感じられず。「サブアリーナのほうが観客との距離が近くてやりにくい。メインアリーナのほうが良いです」と強心臓ぶりを発揮。「ユ・モンユと2回戦で当たるとわかって、周りの方からはチャンスだと言われていた。フォアハンドが不思議なくらいよく入りました」と笑顔で語った。推薦で出場した日本女子の7番手が、堂々の3回戦進出。まだまだ「大化け」してほしい。

惜しかったのは世界4位の馮天薇と接戦を演じた森薗。2−1とゲームをリードしながら逆転負けを喫した。
「4ゲーム目、1本リードした場面があったけど、その時のチャンスを生かせなかった。強い相手と素晴らしい会場で戦えたことをこれからの卓球人生の良いステップにしたいです」(森薗)
負けはしたが、清々しい表情を見せた森薗。「ダブルスは絶対メダルを獲ります!」と意気込んだ。

下写真左は森薗、右は松平志穂
 ITTF総会で副会長に選出された前原正浩氏がコメントを残した。

前原「小さい頃から卓球が好きでやってきて、小学校6年の時に全日本選手権で木村興治さんを見て、卓球をもっとやろうと決めた。今回、その木村さんが降りて、急遽ノミネートした。バッグには荻村伊智朗の形見の時計もあるし、先日亡くなられた野平孝雄さんたちとずっと一緒にやってきて、夢にも思わなかったポジションを与えられて、今は使命感を強く感じてます。日本がリーディングポジションから抜けると日本のこれからの卓球も盛んにならないので、天命だと思ってやるしかない」
 すでに決定している世界選手権は2014年東京大会、15年中国の蘇州、そしてITTF総会で16年の世界団体選手権はマレーシアのクアラルンプール(2月28日から3月6日)に、18年の世界選手権はスウェーデンのハルムスタッドに決まった。

 クアラルンプールとハルムスタッド。このふたつの場所に縁のある人と言えば、この人、パーソン(下写真)。クアラルンプールは2000年の世界団体選手権で、決勝で中国を下して劇的な優勝を飾った場所。優勝した瞬間、フロアに寝転んで足をバタバタさせたパーソンをご記憶の方もいるだろう。そしてハルムスタッドは、言わずと知れたパーソンの出身地なのだ。
 昨シーズン、中国超級リーグに参戦したパーソンは、所属クラブだった天津市チームのコーチとして今後働く予定だそうだ。

ちなみに下の写真は大会誘致用の立て看板です。
 15日に開かれたITTF総会で、アダム・シャララ氏(カナダ)が圧倒的多数で会長に再選した。シャララ氏が149票、イタリアのステファノ・ボッシ氏が55票を獲得した。任期は4年。
 また、副会長には8名が選ばれ、日本卓球協会の前原正浩氏が選出された。8名は施之皓(中国)、前原正浩(日本)、カール・モハメッド(カタール)、シェリフ・ハジェム(チュニジア)、ペトラ・ゾーリン(スウェーデン)、トーマス・ヴアイァルト(ドイツ)、パトリック・ギルマン(ニューカレドニア)、メレシオ・エヂュアルド・リベラ(SAL)。

「前回とはだいぶ違う選挙となった。私はイタリア語を話すが、その先生は実はボッシで、彼とは何度もイタリア料理を食べた仲だ」と笑顔を見せて話すシャララ会長。卓球が五輪競技からはずれないかという声に対しては、2020年までその危険はないことを語った。「今までITTFは4Pを推し進めた。Participation(参加)、Popularity(人気)、Profit(収益)、Planning(計画)、そして5つ目のP、それはPromotion(宣伝)だ。そしてインターネットでも人気スポーツの上位だが、具体的にトップ5に入ることを目標にする」と明言した。
星野美香の眼★

 初戦の緊張があったかもしれないが、攻めのボールに打球点の早さがなかった。常に打球点が落ちていたので相手に盛り返す時間を与えてしまった。今回は攻めを早くできるかどうかが水谷選手を見るポイントだったが、それがなかった。3球目の早い打球点で打つボール、また後ろに下げられたとしてもそこから隙を見て前に出て反撃をするボールがあれば、試合は変わっていたと思う。

 戦い方として、フォア前を攻めていこうという作戦はあったと思うけど、それはあまり効いてなかったので、もう少しボールを落とす位置を少し変えることがあればよかった。もう少しフォアミドル前とか、ボールを落とす位置を変えてほしかった。
 今回は打法の多様性がなく、特に台から出るかどうかのボールに対して打球点が落ちていたので、ボールをとらえる面の出し方を試合の中で気づけば流れは変わっていたと思う。
 男子シングルスが始まり、全日本チャンピオンの丹羽は電光石火の試合で勝利を収めたが、いきなり日本エース水谷が世界ランキング131位のシルチェクに敗れた。前回、ベスト8で世界ランキング10位、メダル候補だった水谷の思わぬ敗戦だった。
 勝利したシルチェクはミックスゾーンで「unbelievable(信じられない)!」を繰り返し、興奮冷めやらぬといった表情だった。この先の目標を聞くと「そんなのわからないよ!」とひと言。彼にとっても、正直予想だにしなかった勝利に違いない。
 
●男子シングルス1回戦
シルチェク(チェコ) −6、5、−4 、8、10、8 水谷(日本)   
張一博  9、−6、11、5、−9、10 カルデラノ(ブラジル)
丹羽 5、4、8、7  アンソニー(インド)
松平健 7、3、7、8 リード(イングランド)
高木和 ー8、5、11、9、ー8、ー6、6 カイナット(スロバキア)
岸川 4、ー8、10、10、6 グロース(デンマーク)

★水谷隼のコメント
「知らない相手だったけど、自分がかなりびびってしまった。特に2ゲーム目を取られてからだんだんと相手ペースになってしまった。思った以上に自分がイメージしたところにボールが飛んでいかなくて、攻めなきゃいけないところで攻められなかったり、短いボールを送っているのにそれが長く出てしまって相手に攻められて失点したりとか、自分の思ったところにコントロールできなかったのが大きな敗因」
●女子シングルス1回戦
石川 8、2、3、4 エル-ダウアトリー(エジプト)
松平志穂 6、-8、13、-7、-7、4、10 ピェトケヴィッチ(ポーランド)
パブロビッチ(ベラルーシ) -4、4、6、10、7 松澤(日本)
藤井 5、10、4、7 クリストフォラキ(ギリシャ)
森薗 6、4、2、9 ブリズネット(モルドバ)

 日本勢の女子シングルス1回戦が終了。福原のまさかの敗戦後、続いて3コートに登場した石川は、積極的なプレーを貫き、ストレート勝ち。「何が起きるかわからないので、しっかり自分の準備をしようと思った。緊張したけど途中からは自分のプレーができたし、次につながる試合ができた」と石川。
 そして、石川の後に3コートに登場した松澤は、カットのVi.パブロビッチと好ゲームを展開。松澤は驚異の守備力を誇るパブロビッチに対し、低いカットは丁寧につなぎ、浮いたボールは果敢にスマッシュ。試合後に「思ったより相手のカットが浮いてきて、チャンスボールは攻めることができた」と語ったが、第4ゲーム10-9のゲームポイントで相手に3球目攻撃を許し、10-10で相手のロビングをストップミス。これで相手に流れをもっていかれてしまった。

 サブアリーナで行われた森薗、藤井、松平志穂は揃って勝利。特に松平はゲームオール8-10からの逆転勝ちで、うれしい世界選手権初勝利だ。
 下写真左は松平、右は松澤
星野美香の眼★

 まず勝負は3ゲーム目の6−6。福原さんのサービスで得点できなかった。バックへ長いサービスを出せば福原さんの流れになったけども、出さなかった。

 相手の作戦は、サービスは福原さんのバックミドル、フォアミドル、短いサービスはフォア前という出し方をしてきて、ストライクゾーンでバックハンドをさせなかった。福原さんは1本目からストライクゾーンで打っていけば、彼女の勝ちパターンになるけど、それをパクはさせなかった。

 パクは1ゲーム目より福原さんのナックルボールを打つために立ち位置を少し下げてきた。そのために福原さんのナックルボールが返しやすくなった。
 福原さんはバックへの長いサービスを持って行けば得意のバック対バックに持ち込めるのにそれをやれていなかった。さらにフォアに打たれたときに緩急をつければ良かったのに、それがなかった。自分で攻撃しようと思うあまりに、最後は攻めが粗くなってしまった。それが敗因だった。
 全日本チャンピオンの福原が1回戦で敗退する波乱が起きた。相手は韓国のパク・ソンヘ。第1ゲームを快調に奪ったが、第2ゲームからは粘り強い連続バックドライブを、福原のバックサイドに集めるパクの前に、福原のバックハンドのミスが多くなる。バックドライブでもうまく緩急をつけたパクに対し、福原はバックハンドの強打と緩急の使い分けという本来の良さが発揮できず、終始パクのゲームだった。

●女子シングルス1回戦
福原 4、−6,−9、3、−8,−6 パク・ソンヘ(韓国)

★福原愛のコメント
「相手があまり国際大会に出ていない選手なので、準備が十分ではなかった。シングルスの第1試合で少し緊張してしまった。
 第1ゲームはすごく良い感じでとれたけど、第2ゲームから相手も戦術を変えてきた。自分もそれに対応して2-2になったけど、その後に思い切って自分から攻めることができなかったのが敗因。少しプレッシャーが大きすぎたなと思います。自分でそのプレッシャーに打ち勝つことができなかった。自分の責任です。
 まだダブルスが控えているので、しっかり気持ちを切り替えて、平野さんと頑張ります」