第1ゲーム、さすがの樊振東にも堅さが見え、6-0と大きく馬龍がリードした男子シングルス決勝。
両者とも台上バックドライブからの攻めを警戒して、ロングサービスを多く使った。かつてのフォア主体のレシーブの時代とは違う、バック深くへ切る、あるいはナックルで低く速く送るロングサービスが、全中国運動会の男子では頻繁に見られるようになっている。
台上バックドライブの多彩な打ち分けと回転量では樊振東、バック対バックのピッチの早さ、フォアの攻撃力では馬龍。新時代のプレースタイルである樊振東と、中国伝統のスタイルを受け継いだ馬龍の対決でもあった。
試合の中盤、馬龍は攻めがやや遅くなって樊振東のブロックにつかまり、バックサービスを何度か出して展開の打開を試みていた。「そうじゃないだろ、馬龍」と言いたくなった。ゲームカウント2-3、8-9でリードされた馬龍。会場からは地元の英雄に「馬龍!」の声援があちこちから送られた。
ここをカウンターの3球目バックドライブなどでしのぎ切った馬龍は、最終ゲームの中盤で思い切って樊振東のフォアへパワードライブを連発。4-2、6-3とリードを広げ、樊振東に追いすがられても攻めのプレーに徹した。
優勝を決め、大きくガッツポーズを決めた後、ベンチの張雷監督に抱きかかえられた馬龍。アジア競技大会、ワールドツアー・グランドファイナル、アジア選手権にアジアカップ。今までに手にしたどのタイトルよりも、この全中国運動会での優勝は自信になるはずだ。おめでとう、馬龍!