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ITTFワールドツアー2013
グランドファイナル速報

●男子ダブルス決勝
ガオ・ニン/李虎(シンガポール) −6、10、10、−8、8、−7、9 
    江宏傑/黄聖盛(チャイニーズタイペイ)

ガオ・ニンは相手をよく見ている。
フルスイングではないが、相手がいないところ、そして相手がきついところにボールを送る。そして李虎がすかさず決めにいくスタイルだ。

一方のタイペイペアはモダンな両ハンドスタイルで、チキータから大きなラリーにしていく。フットワークが速いふたりは、ガオ・ニンの厳しいボールについて行き、接戦に持ち込む。
最終ゲームはタイペイペアがリードしていたが、9-7という場面でシンガポールペアが底力を見せる。

一気に4本連取し、ディフェンディングチャンピオンのシンガポールペアが劇的な逆転勝利を飾った
  • 優勝を決め、李虎が吠えた!

  • 惜しかったタイペイペア。チキータの精度も高い

  • 満々の笑み。李虎、まだ25歳なのに・・・

●女子シングルス決勝
劉詩ウェン(中国) 9、−9、9、4、−4、7 丁寧(中国)

女子シングルス決勝のライバル対決は劉詩ウェンが勝利。
女子では史上初の3連覇を達成!

劉詩ウェンと丁寧、ふたりの特徴はスピードと連打の安定性だ。
その中でも劉詩ウェンはさらに速い。
今大会、連打の中でも冷静にコースをついたり、隙を見てパワードライブを送ったりするなど、劉詩ウェンがさらに完成系に近づいていた。

ラリー中、丁寧はフォアのチャンスをうかがい、劉詩ウェンは丁寧にフォアを打たせないように左右に振る。
劉詩ウェンのコース取りが厳しく、なかなか丁寧は決め球を作れない。

それでもフォアドライブで強引に入れたり、バックドライブ強打で点数を取りに行った丁寧。2ゲームは取ったが、後が続かず。いくら打っても抜けない劉詩ウェンの堅牢なブロックにイライラした表情を見せる。

最後は「降参です」と言わんばかりに、サービスミスで試合終了。
  • バックハンドは堅くて速い。最速卓球をみせた劉詩ウェン

  • 丁寧は無理な体勢での打球を余儀なくされた

  • 史上初の3連覇達成で表彰式では笑顔

●男子シングルス準々決勝
馬龍(中国) −8、−3、10、8、6、−9、5 張継科(中国)
金珉鉐(韓国) 6、5、8、−3、−4、−7、6 塩野
許シン(中国) 8、6、8、10 サリフ(フランス)
樊振東(中国) 9、−10、5、3、9 王皓(中国)

日本の最後の希望、塩野は金珉鉐に惜敗。
初戦のガオ・ニン戦に続いてゲームカウント0−3から3−3に追いつき、2戦連続の大逆転勝ちかと思われたが、一歩及ばなかった。

序盤は金珉鉐のカット打ちに全くミスがなく、打たれ放題だった塩野。バックサイドに鋭いフォアドライブを何度も食らい、打つ手なしの状態で、そのまま3ゲームを連取された。

4ゲーム目は余裕が出た金珉鉐が少し粗くなり、簡単にゲームを落とす。これをチャンスと見た塩野は、3球目攻撃と反撃を織り交ぜていく。
3ゲーム目まで全く取れなかった金珉鉐のドライブにも徐々に対応していく塩野。
最終ゲームは一進一退で、4-4まではついて行ったのだが、そこから9-5と離されてしまい、2戦連続の逆転勝ちはならなかった。

「以前は金珉鉐に4-0のストレート負けだったから、少しは収穫になったと思う。自分が強くなっているという意識は本当にないので、一戦一戦必死にやるだけ。試合中にもう少し冷静になれるといいですね」(塩野)

塩野は謙遜するが、本当に強くなっている。
全日本に良い状態で臨む。
  • 必死のカットもあと一歩及ばなかった

  • 攻撃力の向上もめざましい

●女子ダブルス準々決勝
丁寧/李暁霞(中国) -12、9、8、1、4 姜華君/李皓晴(香港)
朴英淑/梁夏銀(韓国) 7、7、6、5 クレーメルス/リー・ジャオ(オランダ)
バーテル/シャン・シャオナー(ドイツ) 
     -3、9、5、-11、5、10 馮天薇/ユ・モンユ(シンガポール) 
鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ) 
  -9、5、6、11、9 ポルカノバ/A.ゾルヤ(オーストリア)

  • 難敵を退けた鄭怡静/黄怡樺

  • ペンの表のシャン・シャオナーのスマッシュが要所で決まった

●男子ダブルス準決勝
ガオ・ニン/李虎(シンガポール) 7、9、−5、6、8 金珉鉐/徐賢徳(韓国)
江宏傑/黄聖盛(チャイニーズタイペイ) −8、7、8、9、6 
              K.カールソン/M.カールソン(スウェーデン)

ガオニンのコース取り、特にバックストレートへのブロックがさえて、韓国ペアの強打を封じた。少しでもつなぐと李虎の強烈なドライブが待っているので、韓国ペアは多少無理をしなければならない。そこでのほんの数本のミスが勝敗を分けた。
シンガポールペアは焦りもなければ、気負いもない。どっしりと構え、今夜の決勝に臨む。

準決勝第2試合は昨日世界チャンピオンペアを破った江宏傑/黄聖盛が、落ち着いて勝利。序盤は台上のストップをダブルストップや緩いフリックでつないだところを打たれてしまったが、第2ゲームからは台上バックドライブを使い、速い攻めに切り替えた。
スウェーデンペアは台上が遅い。レシーブの8割がストップで、フォア表ソフトのM.カールソンもフリックがない。
攻めてきそうで攻めてこないスウェーデンペアに戸惑った江宏傑/黄聖盛だったが、「ならばこちらから」と言わんばかりの攻めを展開。
台上で有利をとれば、スウェーデンペアはもろかった。

  • ミスの少ないガオ・ニン(左)/李虎

  • 破竹の勢いで決勝に進んだ江宏傑(右)/黄聖盛

  • K.カールソン(左)/M.カールソンは台上に攻めがほしい

毎大会、髪の色が変わっていく中国女子
今回はポイントカラー的なものも見られました。

丁寧は前髪と後ろにパープルを入れて、
劉詩ウェンはサイドにピンクをチョイス。
今年のラッキーカラーなんでしょうか?

朱雨玲はいつものゴールドでヤンキースタイル
李暁霞は上にピンク、後ろはブルーの髪ゴムでぴっちり止め。
でも手首やら、首につけているものがまがまがしいので、ちょっと怖い。

本日の決勝が丁寧vs劉詩ウェンとなりましたが、
髪の色診断では、
前にも後ろにも色を入れてたことにより、ボールをいろんなコースに散りばめたい意思表示をしている丁寧。
一部分だけだが、ポニーテールの先まで染めきって、強い武器ひとつで打ち負かそうという劉詩ウェン という構図。

いえ、本当に妄想です。失礼しました。
  • フォア、バック、フォアミドル、バックミドルを暗示している4本ライン

  • 劉詩ウェンは髪ゴムと合わせて、さらに御利益アップか?

  • いつもの勾玉がやっぱり怖い李暁霞

  • 不良少女は勾玉親分(李暁霞)に完敗

3日目の主な予定

10時〜(日本時間15時) 男子ダブルス準決勝
11時半〜(日本時間16時半)女子ダブルス準々決勝
13時〜(日本時間18時)男子シングルス準々決勝
塩野真人出場
16時半〜(日本時間21時半)女子シングルス決勝戦
17時〜(日本時間22時)男子ダブルス決勝

注目の男子シングルスのカードを紹介しよう
馬龍(中国)vs張継科(中国)
金珉鉐(韓国)vs塩野真人
許シン(中国)vsサリフ(フランス)
王皓(中国)vs樊振東(中国)

どれも見逃せない目移りするカードばかりだが、ここは塩野の試合に注目したい。
カット打ちがうまい金珉鉐が相手だが、今の塩野は以前とひと味違う。
初戦のガオ・ニン戦のような粘り腰を見せてほしい。
  • ガンバレ塩野!大和魂を見せてくれ!

  • 馬龍はライバル張継科と対戦

  • まだ獲っていないタイトル、グランドファイナルを狙う張継科

スーパーVIP席

2014/01/11

今大会、会場横にスーパーVIP席とも呼べそうなシートがある。

卓球台からすごく近くて、ふわふわのソファで優雅に見学。

大会1日目はなかったのだが、2日目から作られ、
テーブルにはお茶やケーキ、サンドウィッチなどが運ばれてくる。

誰が座るのかと思えば、
ザ・石油王みたいな人たちが勢揃いです。

なるほどね。
  • ソファとガラスのテーブルはまさにVIP

  • ケーキを食べながらこの近さ!

  • まさに石を投げれば石油王に当たる状態

● 女子シングルス準決勝
劉詩ウェン(中国) -8、3、4、9、-8、10 Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)

中国勢以外で唯一のベスト4入りとなったVi.パブロビッチ。
趙岩は完封したが、今度の相手はカット打ちの名手・劉詩ウェン。
一筋縄ではいかない相手に、Vi.パブロビッチは守備と反撃を織り交ぜながら、コースを散らす。
劉詩ウェンの決め球のコースを限定させるプレーだ。
それもそのはず、1ゲーム目の序盤、緩いボールを送ったところカーブドライブでサイドを切られた。いくら長身のカットマンでもフォア側に曲がって落ちるカーブドライブを打たれると十分な体勢で返球できない。
それならばコースを突いて低いボールを心がける。強打は打たれるが、ボールの変化は少ないので、カットで対応しやすい展開になる。

それでも劉詩ウェンのカット打ちは冷酷で厳しいボールだ。
5ゲーム目の後半、ドライブ対カットのお互いに一歩も引かないスーパーラリーをVi.パブロビッチが制し、劉詩ウェンの歯車が狂ったか。

6ゲーム目も一進一退となり、Vi.パブロビッチが先にゲームポイントを握る。
しかし、10−9で、劉詩ウェンがVi.パブロビッチのバックミドルへロングサービス。
これがエースとなり、そのままジュースを制して、劉詩ウェンが何とか勝利。

負けはしたが、Vi.パブロビッチの華麗なカットプレーに大きな拍手が贈られた。

決勝進出の劉詩ウェンは現在グランドファイナル2連覇中。
今まで3度の優勝はあっても、3連覇はない。記録がかかる。
  • 高いボールはカーブドライブで振り回した劉詩ウェン

  • 粒高面でのバックハンドで流れを変えようとしたVi.パブロビッチ

● 女子シングルス準決勝
丁寧(中国) 5、7、-9、2、-9、-5、3 李暁霞(中国)

11年世界女王・丁寧と13年世界女王・李暁霞との大勝負。
このような中国選手同士はお互いに手の内は知り尽くし、戦術勝負となるが、今回は少し違う。

李暁霞が明らかに精細を欠き、らしくないミスを重ねている。
丁寧が積極的に攻めている感はあるのだが、それにしても李暁霞のミスが多く、序盤に大きく離されてしまう。

4ゲーム目は8−0と丁寧が引き離し、ゲームカウントを3−1として、勝負あり!と思われた。
しかし、そこはさすがに李暁霞。5ゲーム目の10−9でネットインのボールを前に出てバックスマッシュし、なんとかゲームを奪取。
これが流れを変えて、6ゲーム目は圧倒した。

やはり最終ゲームまでもつれる両者の戦い。
丁寧がスタートダッシュをかけ、4点連取。その後、1点取られるも、また4点を連取し、8−1。これはさすがに勝負あった。

前ラウンドでは朱雨玲に何もさせずに意気消沈させた李暁霞だったが、その強さはどこへ行ってしまったのかと思うほど精細を欠いていた。

馮天薇との打ち合いを制した丁寧のほうが勢いが持続していたのか。
  • フォアが好調だった丁寧が決勝へ

  • 丁寧とは対照的にフォアのミスが目立った李暁霞