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アジア競技大会・卓球競技

 モルディブ、パキスタンとの2試合を、1ゲームも落とさずに2試合とも3ー0で乗り切った日本男子チームの倉嶋洋介監督(写真左)。「みんな比較的調子は良いなというのが率直な感想ですね」と試合後に語った。「明日、(第4戦の)チャイニーズタイペイ戦になると急に相手が強くなるので、そこの気持ちの切り替え、心理面や技術面の準備をしっかりやっていきたい」

 今日の2試合で、いずれも村松(写真右)をトップ起用した倉嶋監督。「トップバッターというのはやはり緊張する。村松にはそういう舞台も経験させたい。彼は今、とても勢いに乗っているし、もうひとつステップアップさせたいので、いろいろ起用法は考えています」(倉嶋監督)。格下の相手に対し、トップ起用で良い緊張感を持たせる、巧みな起用法を見せた。
 明日の第4戦で当たるチャイニーズタイペイは対カットに不安があり、今年の中国(成都)オープンでは、村松が陳建安に完勝している。エースの荘智淵もそれほどカット打ちがうまいタイプではないので、村松の起用も考えられるが、チャイニーズタイペイはグループCの最大のライバル。この試合のオーダーは、エース水谷の2点起用以外は、なかなか難しいところだ。
●男子団体予選グループC・第2戦
〈日本 3ー0 パキスタン〉
○村松 4、4、5 ラミーズ
○松平 10、4、4 クレシ
○丹羽 4、1、5 カズミ

 日本男子はパキスタンを3ー0で下し、予選グループで2勝目を挙げた!
 モルディブ戦に続き、トップに出場した村松は、中国マカオ戦のラストで勝利したラミーズに快勝。バック表ソフトのカットはラミーズが何度も空振りするほどの変化があり、カットからのバックドライブは相手が思わず苦笑いするほどの威力。試合後、倉嶋洋介監督は「本人は緊張していると言っているけど、カットは安定しているし、攻撃は群を抜いたものがある。非常に楽しみです」と語った。

 「今回はすごく緊張しているけど、水谷さんから『緊張するのは当たり前だから気楽に行け』というアドバイスをもらいました。ユース五輪より緊張した。ぼくは団体だけなので、出る試合は全部勝って、応援もしっかりやって、優勝できるように頑張りたい」(村松)

 2番松平は、先ほどお伝えした「全面フォア面男」、クレシに第1ゲーム6ー10から6点連取で逆転し、ストレート勝ち。クレシのレシーブからの変則攻撃、堅いブロックに悩まされたが、中盤からスイッチが入った。

 3番丹羽は、対戦相手のカズミが中盤からやる気をなくすほど、やりたい放題のプレー。第1ゲームは10ー4のマッチポイントから、打球点を落としてフォアストレートへ、サポートの横を通すスーパーショットを繰り出した。狙わなければできないし、狙ってもできないプレーを、この大舞台のゲームポイントの場面でやるとは……。ちなみに丹羽は第1試合でベンチに入っていなかったが、これはベンチの人数制限があるため、試合に出ない選手はベンチに入らずに休んでいるとのこと。明日はチャイニーズタイペイ戦に準々決勝と、ハードな試合が続くため、体調管理も大切な仕事なのだ。早とちりでスミマセン。
  • フォアサービスでも何本もサービスエースを取った村松

  • 村松にアドバイスする倉嶋監督

  • 丹羽は緊張などどこ吹く風、というプレーを見せた

 シンガポール女子チームのベンチに入っている、ジン・ジュンホン監督とユ・モンユ(写真左)。ジン・ジュンホンはレッド、ユ・モンユはイエローに髪を染めている。赤・黄と来て、さすがに青はいないと思うでしょう。ところが、いました。エースの馮天薇が……青!
●女子予選グループ
〈日本 3ー0 モンゴル〉
○福原 0、7、1 ソドボロル
○石川 4、4、7 バトヒシグ
○平野美 3、1、2 エンフジン

 日本女子は今日2戦目のモンゴル戦も問題なし。まずトップ福原が、第1ゲームを11ー0のラブゲームで奪い、第2ゲームも10ー0でサービスミスでポイントを譲るなど、一方的な内容。試合後、「5月のJA全農世界卓球に出られなかったので、久々の団体戦でみんなと戦えてうれしかった」と語った福原は、初戦にも関わらず、本当に伸び伸びとプレーしていた。「前回のアジア競技大会で、私はシングルスとダブルス2種目で銅を3つ獲れたけど、団体戦は自分のせいで負けてしまってメダルが獲れなかった。今回は団体戦で決勝まで勝ち上がりたいです」(福原)。左第5中足骨の疲労骨折は、故障予防のためにアイシングはしているが、全く問題はないという。

 2番石川は、エンジン全開というよりも、調子を確かめるようなプレー。第3ゲームの出足で3球目攻撃のミスが続き、0ー5とリードされたが、しっかり挽回。10ー7のマッチポイントでは、3・5球目の厳しい連続バックハンド攻撃で、きっちり締めた。「初戦ということで少し緊張しましたけど、台の弾みとかを確認しながら、明日につながる試合ができた」(石川)。

 「何よりも明日の韓国戦が大事なので、サービスをいろいろ試したりしました。韓国戦は観客の応援もすごいと思うけど、それに負けないように自分らしいプレーをしたい」(福原)。「韓国戦がヤマ場になるので、一本一本しっかり戦って1位通過したい」(石川)。試合後のミックスゾーンでは、福原、石川両選手とも、明日の韓国戦へ向けて抱負を語った。明日は10時からパキスタンと戦った後、14時から運命の韓国戦を迎える。
  • 福原は快調なプレーを披露

  • 慎重に初戦を戦い、しっかり勝利した石川

  • ベンチでは笑顔ものぞいた福原

●男子団体予選グループC
〈日本 3ー0 モルディブ〉
○村松 5、3、6 Moo.アフマド
○水谷 1、4、2 ナシーム
○松平 4、1、6 Moh.アフマド

 男子団体予選グループ、女子に続いてモルディブと対戦した日本。3ー0で退け、白星スタート。
 トップ村松、2番水谷、3番松平と3人揃って、マッチポイントでのウイニングショットはバックハンド。まず村松は、第3ゲーム10ー6で相手の浮いたストップを強烈なバックドライブで打ち抜き、観客をどよめかせた。第1ゲーム10ー5で見せたバックドライブも恐るべき威力。まさに彼の代名詞と言うべき技術になりつつある。
 2番水谷は第1ゲーム10ー0とリードして、サービスミスで相手にポイントを譲るなど、終始危なげない戦いぶり。3球目フォアドライブを面白いように打ち込んでいたが、第3ゲーム10ー2ではレシーブからバッククロスへ、バックドライブでエースを奪った。3番松平は第3ゲーム9ー3からしゃがみ込みサービスのミスが2本続く場面もあったが、最後は威力あるバックドライブを振り抜いてバックストレートへ打ち抜いた。

 ひとつ気になるのは、日本男子のベンチに丹羽の姿がないこと。選手たちは試合後、すぐに会場の奥に入ってしまったので取材できなかったが、今夜のパキスタン戦でも不在が続くようだと、少々気になる。
 先ほどの日本女子対モルディブの試合後、モルディブの選手たちから日本選手へ、マグネットのステッカーが贈られた。ステッカーの写真は、インド洋に浮かぶ島国・モルディブの美しい島々。佳純ちゃんも「これ見てくださいよ〜」と、とてもうれしそうでした!
 先月のユース五輪で、バックサイドもすべてフォア面で打球するシュミドという選手に驚いた王国取材班・タロー。
 そしてアジア競技大会にもいました、パキスタンのクレシ。シュミドはまだバックツッツキやバックドライブで、時折バック面も使っていたが、このクレシは徹底してフォア面一本やり。上写真左がニュートラルのグリップで、ここからフォア・バックでラケット面の角度を変え、全面をカバーしてしまう。どんなスイングをしているのか、途中で頭がこんがらがってくるが、とにかく打球面はいつも「赤」。バック面に貼った粒高ラバーは、重量調整か、それとも黒色のシートの変わりか……。

 「片面でプレーしているから、用具代が安くて済むよね」と一瞬思ったが、「でも片面の消耗が2倍早く進むから、結局同じことか……」。彼のフォア面のラバーは、試合終盤になるともう真っ白でした。
  • なんと、これがニュートラルの構え

  • これがフォアサイドの打球

  • バックサイドはこんな感じです

  • ラバーはもう真っ白…

 日本女子とモルディブの予選グループC第1戦、平野早矢香、若宮三紗子、平野美宇の3人で臨んだ日本は3ー0で勝利。まずは無難に初戦を飾った。

〈日本 3ー0 モルディブ〉
平野早 2、2、3 モハメド
若宮 2、2、1 ニマル
平野美 1、1、4 シャリーフ

 スコアを見れば一方的だが、トップ平野早と対戦したモハメドは、正確で威力のあるバックハンドの連打を見せ、3番に出場したシャリーフもバックのブロックから、フォアのカウンタースマッシュを随所に決めていた。
 14歳でアジア競技大会デビューを飾った平野美は、「試合前はすごく緊張すると思っていたけど、平野(早矢香)さんと『緊張します〜』とか話していたらほぐれました。ベンチに福原さんや石川さんとか、すごい方々がいらっしゃるので、それはこれまでの国際大会とは違うところ」と初々しいコメント。選手村では福原・若宮の両選手と同じ部屋で、「すごく楽しみにしていたし、海外の選手がたくさんいてすごく面白いです」とさすがに国際大会には慣れている。
  • コートに入れば堂々たるプレー、14歳の平野美宇

  • トップ平野と随所に好ラリーを展開したモハメド

  • 14歳の平野をあたたかく見守る、日本女子のお姉さんたち

  • 試合後には両チームで記念撮影

本日から始まったアジア競技大会卓球競技。まずは団体戦からスタート。
日本チームの初日のスケジュールは以下のとおり。
男女ともに初戦は格下のモルディブ。しっかり勝って、勢いをつけたいところだ。

・10時〜 日本女子 vs モルディブ

・14時〜 日本女子 vs モンゴル

・14時〜 日本男子 vs モルディブ

・18時〜 日本男子 vs パキスタン
 王国取材班を車で案内してくれたカメラマンのアン・ソンホさん曰く、今大会の会場となる水原体育館は「スモール、スモール!」。到着してみると確かに観客席もそれほど多くないが、卓球を観戦するにはちょうど良いくらいのサイズ。韓国チームが練習後のクールダウンを終え、引き揚げるところだった。

 すでに男女団体戦は第1ステージ(予選グループ)のドローが発表されている。アジア競技大会のドローは、ワールドチームランキングではなく前回大会の成績によって行われるため、前回ベスト8の日本女子にとっては少々厳しい組み合わせになってしまった。予選グループのドローは下記のとおり。 

★男子団体予選グループ
A:中国、シンガポール、カザフスタン、ラオス
B:韓国、インド、クウェート、ネパール
C:日本、チャイニーズタイペイ、中国マカオ、パキスタン、モルディブ
D:北朝鮮、中国香港、カタール、イエメン、モンゴル

☆女子団体予選グループ
A:中国、インド、マレーシア、ネパール
B:シンガポール、タイ、チャイニーズタイペイ、カタール
C:韓国、日本、モンゴル、パキスタン、モルディブ
D:北朝鮮、中国香港、中国マカオ、ラオス、クウェート

 ……なんと日本女子は韓国と同じグループになってしまった。2010・2012年と世界団体選手権でも大激戦を繰り広げた両チーム。何かお互いにひきつけ合う吸引力があるのか……。団体戦の試合形式は世界選手権と同じ、ABC-XYZの5シングルス。アンさんは韓国女子のオーダーを「1番徐孝元、2番梁夏銀が2点起用で、3番は田志希」と読んだ。田志希は中国から帰化した実力派左腕だ。
 各グループの2位まで決勝トーナメント(準々決勝)に進むことができ、日本は男女とも準々決勝進出は間違いない。しかし、準々決勝でのドローを考えれば、やはり予選グループはきっちり1位で通過したい。
  • 水原体育館のフロアの様子

  • コーチとして韓国チームに復帰した柳承敏は……少々ふっくら