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速報・現地リポート

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2014世界ジュニア選手権大会速報

●女子団体準々決勝(12月2日・10:30〜)
中国 vs. フランス
ドイツ vs. 香港
韓国 vs. アメリカ
日本 vs. タイ

●男子団体準々決勝(12月2日・12:30〜)
中国 vs. スウェーデン
韓国 vs. 香港
チャイニーズタイペイ vs. ハンガリー
日本 vs. フランス

※試合開始時間は日本時間で表示

 男女団体の第2ステージが終了。明日午前中に行われる男女団体準々決勝のドローが行われ、上記のような組み合わせとなった。

 まず明日の10時30分(現地時間9時30分)にスタートする女子団体準々決勝。日本はタイと対戦する。オーストリアのWSA(ヴェルナー・シュラガー・アカデミー)で練習を積むエースのタモルワンは、正確な両ハンド攻守を見せる難敵だが、ここまでくればどのチームにも強豪選手はいる。前半でタモルワンを下して、3ー0で勝負をつけたい。
 準決勝に進むと、対戦相手は韓国対アメリカの勝者。韓国女子は近年、ジュニアクラスでは低迷していたが、今大会は久々に大型選手を揃え、第2ステージで香港を3ー0で破って「パワフル・コリア」復権の狼煙(のろし)をあげた。香港戦で杜凱琹から金星をあげた金智淏(キム・ジホ)をはじめ、どの選手も相変わらず練習量の豊富さを感じさせる。準決勝で日韓戦が実現する可能性は高い。

 一方の男子はドローとしては申し分ないところ。12時30分(現地時間11時30分)スタートの準々決勝でフランスと対戦し、フランスに勝てばチャイニーズタイペイ対ハンガリーの勝者と準決勝で対戦する。フランスは、エース格のアキュズにはユース五輪で村松が完勝しており、村松の2点起用は間違いない。日本にとってはそれほどやりにくい相手ではないので、調子の波に乗せないよう先取点は確実にとりたい。
 前回大会で、中国男子の団体優勝の原動力になった梁靖崑(リァン・ジンクン)。シングルスではベスト16止まりだったが、優勝した張禹珍(韓国)とのベスト8決定戦は、事実上の決勝とも言える激しいものだった。
 
 そして今大会、会場で練習する姿をひと目見て、体格が昨年よりもひと回り大きくなっているのに気づいた。もともとポパイのような逆三角形の体型だったが、今年はもうウェアがはちきれそうだ。一昨年のチャンピオン・樊振東のような体幹の強さがあり、パワードライブをフルスイングしてもまったく体勢が崩れない。

 写真下は、チームメイトの于子洋の凡ミスに、ベンチで思わず吹き出したところ。いかにも中国の今風の若者という感じだが、この男、果たして樊振東に続く大器なのか。そのプレーに注目していきたい。
  • パワードライブの威力はすでにワールドクラス

  • ウェアがパツパツです

  • 「あれミスるのかよ〜!」というちょっとワルい表情

 スウェーデン戦後、会場に隣接した練習会場でクールダウンを行う男子チームの選手たち。10分のランニングの後、入念なストレッチ。選手の体のケアに、ここまで気を遣うチームは他にはない。明日も頼むぞ、ニッポン!
 世界ジュニアの団体戦で、初めて監督としてベンチに入った田㔟邦史監督。選手のミスにもネガティブな表情は見せず、冷静なコーチング。展開が苦しくなってもベンチが明るいのは、この人の人徳かもしれない。第2ステージを戦い終え、チームの状態を語ってくれた。

「選手一人ひとりの感じも良いし、チームの雰囲気も良い。まずはそれが第一かなと思います。あとは明日に向けて、もう一度サービス・レシーブの確認や、ただ強打するだけでなくしっかりコースを突くことなど、細かいところを確認して明日の決勝トーナメント(準々決勝)に臨みたい。
 (2番で敗れた)坪井はちょっと考えすぎましたね。スウェーデンオープンでは0ー2から2ー2に追いついて、最後は9ー11で負けていた。今回は『もう一度当てるよ』と伝えていた。でも戦い方は悪くないし、それほどネガティブに考える必要はないでしょう。ケルベリはサービスがうまいので、それでプレッシャーを受けるところはある。相手にサービスで2点取られると、こちらがサービスから失点した時にすぐ離されてしまうので、そこのところを考えすぎたかもしれない。でも大事なのは明日からですね」
  • スウェーデン戦後のミーティングでの田㔟監督

●男子団体第2ステージ・第2戦
〈日本 3ー1 スウェーデン〉
○村松 8、8、ー8、9 ラネフル
 坪井 ー7、ー8、7、ー8 シェルベリ○
○酒井 2、10、6 アーランダー
○村松 5、7、10 シェルベリ

 日本男子、スウェーデンを破って第2ステージを1位通過!
 
 勝利したとはいえ、スウェーデンはやはり手強かった。トップのラネフルの思い切り切るバックサービス、そしてシェルベリのブツ切りフォアサービスは、プラスチックボールでも威力満点。2番で敗れた坪井は、シェルベリのサービスをチキータで狙い打てず、レシーブがややあまくなったところを広角に打ち分けられた。ラリー戦では互角だったが、サービス・レシーブでややナーバスになってしまったか。

 それでも日本は、エース村松がきっちり2点取り。競った場面でも冷静なカットプレーで、フォアサービスも要所で効いた。一方で、驚異の決定率を誇る必殺技・バックドライブはまだ影を潜めているが、試合後、田㔟邦史監督は意外な事実を明かした。「大会の使用台(卓球台)にまだ慣れていないですね。普通ならカットを切って、相手のストップがすべってくるところを狙い打ちするけど、今回の台はボールが止まるので、まだその距離感がつかめていない」。団体戦は明日からが本番。台の弾みに慣れてくれば、必ずや会場を沸かせる強烈な一撃を見舞ってくれるはずだ。

 1点落としたとはいえ、チームの雰囲気は明るい日本。明日の準々決勝では、各グループの2位通過チームのいずれかと対戦する。
  • エース村松、きっちり2点取り

  • 坪井に勝利したケルベリ

  • 酒井は3番で貴重な勝利をあげた

●女子団体第2ステージ・第2戦
〈日本 3ー0 フランス〉
○平野 8、3、6 ミゴ
○佐藤 6、8、10 シャスラン
○前田 6、6、2 フィーファー

 第2ステージ・第2戦でフランスに完勝した日本女子。1位通過で明日の準々決勝に駒を進めた!

 日本はトップに起用された平野が、日本のNTCで練習を積んでいたミゴに快勝。緩急を巧みに使い分ける試合巧者ぶりに加え、チキータや投げ上げサービスなど、常に自分のプレーを改良しようという意志が感じられる。
 2番の佐藤はカットだけでなく、中陣からのドライブでの反撃やカーブロングなど、様々なテクニックを駆使したオールラウンドプレーを展開。すでに多彩な技術を備えているが、まだまだ技の幅を広げられる器の大きさを感じる。呉監督も「彼女はどのチームに対しても勝つチャンスがある。ヨーロッパだけでなく、中国や韓国、タイペイ勢とも互角以上に勝負できる」とその実力を認める。
 「初めての世界ジュニアで、団体戦なので緊張する場面もありましたが、みんな声を出して応援してくれたし、気持ちでしっかり勝てているかなと思います。プラスチックボールはセルロイドボールより少しスピードが落ちて、パワーがある海外の選手に対しても少しやりやすくなっている感じがある。相手のボールの回転量が落ちて、そのぶんバックカットの回転量も少し落ちているけど、最近は慣れてきて、うまく対応できています」(佐藤)。

 3番前田は、試合後に呉監督が「大会前の合宿でフォアハンドの強化や、フォア前のレシーブに取り組んできた成果が出せていた」と語ったとおり、フォアハンドの攻撃を出足からビシビシ決めた。世界ジュニアは4大会目の出場で、試合経験も豊富。相手との実力差もあったが、自分とチームをうまく波に乗せていく術を心得ている。
 「順調にいっているとは思いますが、ぼくの考えとしてはまだ『気』が入っていない。もっと集中して、一本一本緊張感を持って戦ってほしい」(呉光憲監督)。明日からがいよいよ本番だ。
  • 日本女子で唯一、2試合とも2点起用の佐藤

  • 前田は序盤から快調に飛ばした

  • 勝利を決めた前田を笑顔で迎えるベンチ

 試合が行われている閔行体育館は、上海の西の郊外にある。虹橋空港が近いことからもわかるように、街の中心部からはちょっと距離がある。上海出身の方に言わせると「ちょっと田舎」とのこと。会場としては広くてキレイです。

  • 今のところ、ほとんど無視されているミックスゾーン

 卓球に関する様々な文物を展示するITTFミュージアムが、今年スイスのローザンヌから上海に引っ越してきた。この閔行体育館にも、収蔵品の一部が展示されている。
  • 近くで見るとかなりデカいコービロン杯

  • オシャレな透かし彫りのラケット

  • シドニー五輪のゴールドメダル

  • こ、これは…

●女子団体・第2ステージ
〈日本 3ー0 チャイニーズタイペイ〉
○伊藤 ー9、8、ー12、7、9 李昱諄
○佐藤 6、10、6 黃禹喬
○平野 8、4、ー7、10 周欣儀

 日本女子、チャイニーズタイペイを3ー0で破り、白星スタート!
 大会前に「楽勝はない」と語った呉光憲監督の言葉どおり、楽な内容ではなかった。トップで伊藤が、長身の李昱諄のよく切れたツッツキと安定した攻守に苦しみ、ゲームオールまで追い詰められた。伊藤は責任感の強さゆえか、団体戦の初戦でやや硬くなる傾向があるようだ。しかし、ゲームオール11ー9で乗り切ったことで、次戦からは勢いに乗っていけるだろう。
 2番佐藤は相手のスマッシュも低く安定したカットで返球し、左腕の黃禹喬にストレート勝ち。3番平野、平野よりさらに小柄な周欣儀の変則プレーに中盤でややペースを乱したものの、きっちり勝ちきった。

★呉光憲監督・試合後のコメント
「初戦の緊張感はありましたが、選手がそれを乗り越えてくれたので、第2試合以降は順調にいけるのではないかと思う。次のフランス戦は、前でプレーするタイペイと違って、中陣でのプレーが多くなる。それは選手たちとも話し合いながら準備をしてきたので、後は選手たちに試合で自信を持って戦ってほしい。
 プラスチックボールはやはりパワーと攻撃力が必要になります。ただラリーをつなぐだけではこれからは難しい。日本のジュニアの選手たちはラリー戦はうまいけど、サービスから3球目の攻撃力や、ラリーでの決定力がまだ足りない。それでは苦しくなると思います」
  • 苦しい試合を乗り切った伊藤

  • 非凡なカットのセンスを誇る佐藤

  • 呉光憲監督の口調にも熱がこもる

●男子団体・第2ステージ
〈日本 3ー0 チェコ〉
○坪井 9、8、ー7、9 レイスピス
○酒井 6、7、ー4、9 ポランスキー
○吉村 5、8、3 クチェラ

 日本男子、第2ステージ初戦でチェコを3ー0で下し、快調なスタートを切った。
 トップのレイスピス、2番のポランスキーはともにリーチの長い右シェークドライブ型。コースの読みにくい球さばきから、時おり強烈な両ハンドのパワードライブが飛んでくる。日本勢はやや緊張感もあったものの、トップ坪井が得意のチキータから、正確なフォアドライブの連打を見せ、2番酒井も攻めの速さで圧倒。そして3番では、吉村が第1ゲーム6ー0とスタートダッシュをかけるなど、切れ味鋭いフォアドライブを連発してカットのクチェラを圧倒した。

 「非常に良い立ち上がりだったと思います。大会に向けて良い練習、トレーニングを積んできて、選手一人ひとりも、チーム全体としても良い試合でした」と試合後の田㔟邦史監督。次戦で当たるスウェーデンには、スウェーデンオープンで坪井と酒井を破ったケルベリ(kallberg)がいる。「前回の対戦はあくまでもひとつのデータ。今大会に向けて準備はしっかりしてきたし、我々は世界一へ向けて挑戦する立場。守るものはないし、あくまでチャレンジャーとして戦おうと選手たちには言っています」(田㔟監督)。
  • 坪井、世界ジュニアにデビュー

  • やっぱり速い! 吉村のパワードライブ

  • 試合後、すぐに短いミーティング。選手たちの気を引き締める田㔟監督