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2018世界ジュニア選手権大会

 いよいよ開幕を明日に控えた世界ジュニア選手権。実は今大会には、韓国の男子チームが出場していない。8月のアジアジュニア選手権でイランに敗れてベスト4に入ることができず、結局世界ジュニアの団体出場権を獲得できなかった。ユース五輪に出場した趙大成などは個人戦にはエントリーできたのだが、個人戦だけの出場はさすがに敬遠され、出場選手はゼロという結果に。……少々寂しい話ではある。

 男子で日本チームの最大のライバルとなるのは、やはり中国。しかし、ユース五輪金メダルの王楚欽は出場せず。3大会連続出場の右ペンドライブ型の徐海東に、16年大会を経験している徐英彬と于何一、そして初出場の向鵬という右シェークドライブ型の3人。弱くはないが、「まだ世界ジュニア卒業できない組」という印象も拭えない。

 男子団体のシーディングリストでは中国が第1シード、日本が第2シード。決勝まで当たらない両チームの対戦が実現すれば、勝負の行方はどうなるか。アジアジュニア選手権の準決勝では徐英彬に2点を取られて敗れたが、日本にも十分に勝機はある。
  • 3大会連続代表の徐海東。パワー不足という課題は克服されているか

☆2018年世界ジュニア選手権・女子代表メンバー

■渡邊隆司監督

大藤沙月 おおどう・さつき
 ミキハウスJSC/中学2年
右シェーク両面裏ソフトドライブ型 U-18WR-
・17年ITTFジュニアサーキット・ポーランド大会カデット優勝
・18年全国中学校大会団体・シングルス優勝
・18年ITTFチャレンジ・ベラルーシオープン ダブルス優勝

長崎美柚 ながさき・みゆう JOCエリートアカデミー/大原学園高1年
左シェーク両面裏ソフトドライブ型  U-18WR41位
・16年全国中学校大会優勝
・17年世界ジュニア団体準優勝・シングルスベスト8
・17年度全日本ジュニア優勝

木原美悠 きはら・みゆう JOCエリートアカデミー/中学2年
右シェークフォア裏ソフト・バック表ソフト攻撃型 U-18WR51位
・17年全国中学校大会優勝
・17年世界ジュニア団体準優勝/ダブルス3位
・18年アジアジュニア選手権3位

相馬夢乃 そうま・ゆめの 遊学館高1年
右シェークフォア表ソフト・バック裏ソフトカット型 U-18WR156位
・17年アジアジュニア選手権カデット優勝
・18年ITTFジュニアサーキット・スウェーデン大会優勝
・18年インターハイ団体準優勝/シングルス3位

 世界ジュニアの女子代表メンバーは上記のとおり。右シェークドライブの大藤、左シェークドライブの長崎、右シェーク異質の木原、右シェークカットの相馬という戦型のバラエティに富んだ陣容となった。

 団体戦の主軸になるのは、前回大会の団体決勝・中国戦3番で石洵瑶(16年世界ジュニア優勝)を破った長崎。U-18の世界ランキングは41位だが、一般の世界ランキングでは37位で、今大会の出場選手では男女を通じて唯一トップ50に入っている。左腕から放つフォアドライブは伸びがあり、コースも自由自在。チキータをはじめとするバック系の技術も進化している。

 こちらも2大会連続出場の木原は、8月のアジアジュニアでジュニア3位入賞。韓国の天才少女と言われる申裕斌に準々決勝で競り勝った。恵まれた体格で、多彩なサービスから放つ両ハンド強打が武器。

 中学2年にして世界ジュニア予選会の代表決定戦で長崎を破り、堂々の代表デビューを果たすのは大藤。8月の全中では小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)の低く切れたカットをフォアの連続ドライブで打ち抜き、技術レベルの高さを見せた。

 そして日本女子の「秘密兵器」になりそうなのがカットの相馬だ。フォアに粒高に近い変化系表ソフトを貼り、カットに変化をつけながらチャンスボールは前に出てスマッシュ。バック面に表ソフトや粒高を貼るカット型が多い中で、相馬と初めて対戦する選手は対応に苦労するはず。団体戦の切り札として活躍に期待したい。
  • 左腕の長崎、チームのエースとしての活躍に期待

  • 2大会連続出場の木原。1年間の成長を証明したい

  • 大藤のフォアドライブの威力には目を見張る

  • フォア面表ソフト、異端の異質チョッパーである相馬

★2018年世界ジュニア選手権・男子代表メンバー

■田㔟邦史監督


戸上隼輔 とがみ・しゅんすけ 野田学園高2年
右シェーク両面裏ソフトドライブ型 U-18WR405位
・17年度全日本ジュニア3位
・18年インターハイ男子シングルス優勝
・18年ITTFチャレンジ・ベラルーシオープン準優勝

宇田幸矢 うだ・ゆきや JOCエリートアカデミー/大原学園高2年
左シェーク両面裏ソフトドライブ型 U-18WR79位
・16年ITTFジュニアサーキット・ポルトガル大会優勝
・17年世界ジュニア団体2位・ダブルス3位
・17年度全日本選手権ジュニア準優勝

田中佑汰 たなか・ゆうた 愛工大名電高3年
右シェーク両面裏ソフトドライブ型 U-18WR59位
・17年世界ジュニア団体2位・ダブルス3位
・18年インターハイ団体・ダブルス優勝/シングルス準優勝
・18年ITTFチャレンジ・ベラルーシオープン ダブルス優勝

曽根翔 そね・かける 愛工大名電高1年
右シェーク両面裏ソフトドライブ型 U-18WR37位
・17年全国中学校大会準優勝
・18年ITTFジュニアサーキット・中国大会優勝
・18年ITTFチャレンジ・ベラルーシオープン ダブルス優勝

 12月2~9日、オーストラリア・ベンディゴで行われる世界ジュニア選手権。03年の初開催から今回で16回目を迎え、現在世界のトップで活躍する選手のほとんどが、この世界ジュニアの舞台に立ってきた。日本男子チームの代表メンバーは上記の4名。宇田と田中は前回に続いて2回目の出場、戸上と曽根は初出場となる。

 圧倒的なスイングスピードの両ハンドドライブで、夏のインターハイを制した戸上は、満を持しての世界ジュニアデビュー。11月中旬のベラルーシオープンではコウ・レイ(ウクライナ)を下して準優勝し、実力の片鱗(へんりん)を見せた。国際大会への出場が少なく、世界ランキングこそ低いが、早く中国選手との試合が見てみたい。

 宇田は前回大会ではシングルス2回戦で敗れ、思うような成績を残せなかっただけに、今大会に懸ける思いは強いはずだ。アジアジュニア選手権では、準々決勝で今大会の中国代表でもある徐英彬にゲームオールジュースで惜敗したが、調子の波に乗ればシングルスで表彰台に立つだけの爆発力はある。

 田中は前回大会の団体準々決勝のフランス戦、準決勝の韓国戦とラストで連勝し、団体戦のヒーローになった。苦しい場面でも我慢できるメンタルの強さで、団体戦では精神的支柱となるだろう。シングルスでも上位進出に期待したい。

 そして高校1年の曽根は、チーム最年少ながら堂々たる体躯から放つ両ハンドドライブが武器。7月のジュニアサーキット中国大会で、中国選手を三連破して優勝しているのは頼もしい。10月の福井国体では戸上をゲームオールで破るなど、実力はすでにジュニアのトップクラス。今大会で一気にブレイクしてもらいたい。
  • 戸上、カミソリドライブを武器に世界ジュニアに見参

  • 宇田はダブルスでも活躍が期待される

  • 団体戦には滅法強い田中。チームの精神的支柱となる

  • 大器の呼び声高い曽根、高校1年で世界ジュニアデビュー