卓球王国7月号 好評発売中!
サイト内検索
スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界卓球ブダペスト大会

 下は女子シングルスの第1〜64シードのドロー(クリックで拡大)。男子と同じく、これに予選を勝ち上がった64名の選手を加え、128名の選手が女子シングルス1回戦に登場する。第1〜4シードを中国選手が占め、日本女子はひとりでも中国選手を倒さなければ、メダルに手が届かない。前回大会では平野美宇が、日本選手では38年ぶりのシングルスのメダルを獲得したが、今大会は険しい道のりであることは間違いない。

 石川、平野、加藤は準々決勝までは中国選手には当たらない。石川は3回戦で当たる左腕の崔孝珠(韓国)は、ワールドツアーで敗れたことのある帰化選手。4回戦で当たる木下マイスター東京のチームメイト・杜凱琹(香港)も手強い相手だが、経験と実績では石川が数段上。受け身にならずに戦いたい。平野はベスト8までは確実に勝ち上がれそうだが、そこで前回の準決勝に続いて丁寧(中国)に挑戦する。

 4回戦で王曼昱(中国)と当たるのは佐藤。昨日の会場練習でも、王曼昱はスパーリングパートナーであるカットの劉斐と練習していた。剛球をまともに食らうと厳しいが、昨年のスウェーデンオープンでは3−4のゲームオールで惜敗。シングルス初出場の王曼昱の焦りを誘いたい。

 そして伊藤は、3回戦で孫穎莎と当たる厳しいドロー。孫穎莎は、ボールセンスだけなら今の中国女子でも1、2を争う選手。表ソフトの変化球も、中陣からきっちり回転をかけた両ハンドドライブで返球し、機を見てストレートへのカウンターを狙うだろう。孫穎莎に打たされるのではなく、うまく打たせていきたいところ。
 「(ドローを)自分で引いたんで、自分で勝ちます。孫穎莎は同い年なので、しっかり勝っていきたい」という伊藤のコメントは頼もしい。3回戦で中国から勝ち星を挙げることができれば、「中国強し」という大会全体の雰囲気も変わってくるはずだ。
  • 女子シングルスの第1〜64シードのドロー

  • 女子シングルス3回戦で孫穎莎と相まみえる伊藤

 下は男子シングルスの第1〜64シードのドロー(クリックで拡大)。これに予選を勝ち上がった64名の選手を加え、128名の選手が男子シングルス1回戦に登場する。「R2」は2回戦という意味。

 第4シードの張本は、準決勝まで中国と当たらないドローになったのは大きい。状態が心配されていた右手の薬指も、現在はそれほど深刻な状態ではなく、ドイツでの合宿で傷めた左足首も悪化はしていないという。張本本人も「怪我の不安は10〜20%くらいで、まったくないわけじゃないですが、痛みはあまり感じません」と語っている。まずはひと安心。

 ただ、怖い者知らずで戦えた前回大会とは違い、今大会は1回戦から相手の挑戦を受ける立場。予選を勝ち上がった選手も油断はできない相手だ。上を見ず、目の前の相手に闘志むき出しでぶつかりたい。

 丹羽は3回戦でK.カールソン(スウェーデン)、4回戦でオフチャロフ(ドイツ)、準々決勝で樊振東(中国)という組み合わせ。4回戦と準々決勝は前回と同じ組み合わせで、樊振東との対戦が実現すれば3大会連続となる。

 水谷は林高遠(中国)と同じブロックだが、まず3回戦で当たる鄭栄植(韓国)戦がひとつのヤマ場。メインアリーナには奥にLEDのあるコートと、LEDのないテレビ東京用のコートがある。やはりLEDがないほうがプレーには集中できるだろうが、どのコートでもプレーに集中してもらいたい。
 シングルス初出場の森薗は2回戦で陳建安、3回戦でボルという「左腕ブロック」。吉村和弘は2回戦でカルデラノ(ブラジル)と当たる組み合わせだ。
  • 男子シングルスの第1〜64シードの組み合わせ

  • 会場で練習する張本

 ブダペスト中心部のコリンシアホテルで行われたバタフライパーティーから帰る途中、ホテルの正面玄関に留まったベンツの大型ワゴンから、緑と赤がキーカラーのブラックジャージに身を包んだ「イケメン」たちが下りてきた。ポルトガルのマルコス・フレイタス、チアゴ・アポロニア、ジョアン・モンテイロ。

 パーティー会場にはハンガリーの元祖・三銃士が顔を揃えていたが、こちらもポルトガルの三銃士と言われる3人。卓球界では小国だったポルトガルを、地元リスボンで行われた14年ヨーロッパ選手権団体で優勝に導き、新たな歴史を築いた。

 ポルトガルでは有望な若手だった左腕のジョアン・ジェラルドが、思ったほど伸びてこないのは残念だが、ポルトガル三銃士はまだまだ強い。アポロニアは3月にシーズンが終了したTリーグで、T.T彩たまの一員としてプレーしていたが、フレイタスとモンテイロもラリーに強い「魅せる左腕」。ぜひTリーグに参戦してもらいたい選手たちだ。

バタフライパーティーの中の様子を動画で少しだけお届けします
https://youtu.be/bgz7b1M6MtM
  • 爽やかに登場したポルトガル三銃士

  • バタフライパーティ会場には、看板選手のボルももちろん登場

  • ゾッキことゾラン・プリモラッツはスリムな体躯をキープ

 世界選手権の前日、日本のバタフライが選手と関係者を招待して「バタフライパーティー」を行うのは恒例となっている。

 本日(20日)、夕方からそのバタフライパーティーが開かれ、その中で目を引いたのは「ハンガリーのレジェンド」3人の登場だった。

 1971年世界選手権では男子ダブルス(ヨニエル・クランパ)、1975年にカルカッタ大会ではヨニエルが男子シングルスで優勝、そして1979年平壌大会では決勝で中国を破り、男子団体で優勝した。1970年代はまさにハンガリーの黄金時代だった。

 ヨニエルは両ハンドドライブからの強烈なドライブが得意で、日本では「パワードライブ」の語源になった選手だ。 
 クランパは両ハンドでのライジングでのカウンタードライブが得意で、スウェーデンの若手だったワルドナー(元五輪金メダリスト)にも影響を与えた。また1980年代初頭にはじめてスピードグルー(スピード増強接着剤・その後禁止)を使った選手とも言われている。
 ゲルゲリーは両ハンドの力強いドライブが武器の選手で、バタフライのラケットにもその名前が使われている。

 1970年代にはハンガリーの英雄としてその名をはせたが、その後、1990年代の冷戦の終結、東欧の自由化の嵐の中で彼らは生き延びてきた。
 そんな3人が元気な姿を見せたバタフライパーティーだった。
  • 写真は左からヨニエル、ゲルゲリー、クランパ

シングルスのドローは以下の通り
9〜16シードの馬龍がどこに入るかが注目されたが、カルデラノ(ブラジル)の山へ入った。
前回の決勝戦で対決した馬龍vs樊振東のカードが今年は準決勝で実現するかもしれない。
  • 男子シングルスの組み合わせ

  • 女子シングルスの組み合わせ

 ドナウ川に浮かぶ船上レストラン「スプーン」で行われたドロー(組み合わせ)抽選。シード選手たちが次々と抽選クジを引き、男女シングルスの組み合わせ(64)が決定した(1回戦の相手は明日からの予選で決定する)。

 注目の張本智和は、準決勝まで中国選手と当たらない好位置をゲット。引いてからしばらく「やった!」という表情を抑えられず。
「良かったです。馬龍と梁靖崑が入ってこなかった。今日、午前中に練習して調子も良い。日本であまり練習できなかったので、取り返したい。怪我の不安は10〜20%くらいで、まったくないわけじゃないですが、痛みはあまり感じません。
 3回戦のフレイタス(ポルトガル)とは0勝2敗なのでそこが山場だと思います。こういうチャンスはめったにないので、しっかりと活かしたい。ドローの前と後で気持ちもモチベーションも違う。上がってきました」(張本)

 男子は丹羽がオフチャロフ(ドイツ)、樊振東(中国)のいる山に入った。
 「樊振東と張本のどちらかの山で、樊振東のほうに入った。できれば逆を引きたかった(笑)。3回戦でK.カールソン(スウェーデン)がいて、スウェーデンオープンで負けているので、そこに勝ってオフチャロフに行きたい。ドローは悪くはないと思います」(丹羽)

 一方で、会場に姿を表さなかった水谷のドローは張本が代理で引くと、鄭栄植(韓国)、林高遠(中国)のいるブロックだ。「丹羽さんと石川さんが『いっちゃえ!』っていうので引きました。中国を引いてしまって、申し訳ない」と張本。しかし、最後の世界選手権個人戦、水谷の集大成となるプレーで突破してくれるはずだ。

 女子は、石川と平野はまずまずのドローと言えるだろう。
「まあまあかな。しばらく対戦していない選手もいるので、一戦一戦、毎回が山場だと思います。崔孝珠(韓国)とのベスト16決定は厳しい戦いになると思う。上を見てもしょうがないし、一戦ずつ勝っていかないと。大きい大会になるほど足元をすくわれないようにしたい。スケジュール的にきついので、しっかり休息して、1本目から全力でやります」(石川)
「2回戦の相手(ペソツカ)は去年の団体戦で見てて、強い印象があります。一戦一戦楽しんで、丁寧(中国)までいきたい」(平野)

一方で、3回戦で孫穎莎(中国)と当たるドローを引いたのが伊藤。
「(8シードの中で)私が最初に引いたので、引きそうだなーと思いました。他の場所に比べて『あーー』と思ったけど、向こう(孫穎莎)はもっと『あーー』と思っているはず。私のほうが経験値は高いし、実力で勝とうと思う。自分で引いたんで、自分で勝ちます。もちろん目標は3冠ですが目の前の一戦を勝つことが大事。孫穎莎は同い年なので、しっかり勝っていきたい」(伊藤)

あくまで伊藤節を崩さないコメントで、周りを笑顔にする。
強気でありながら、プレッシャーも感じさせない伊藤。厳しい山は試練であるが、そこを乗り越える力はあるはず。シングルス初戦は23日だ。
  • 引いてしばらくは硬い表情だった智和くんですが、

  • 席に戻ると表情も緩みがち

  • 3回戦で伊藤対孫穎莎の激突となった

  • 丹羽は「天敵」樊振東の壁を越えたい

 明日の開幕を控え、日本選手は午前9時からメイン会場で練習を開始した。それぞれ程よい緊張感とリラックスした表情を見せ、順調な調整を見せている。
 男子では、張本智和がドイツに入ってから左足首を傷めた模様だが、テーピングでしっかり固めているので、練習を見る限りは問題なさそう。
 水谷隼はやはりドイツに入ってから首を痛めたのだが練習ではサングラスを試しながら元気にボールを打っていた。
 会場のハングエクスポはブダペストの市街地から車で20分ほどのところにあるコンベンションセンター。メイン会場には4台置かれ、フェンスはハンガリー国旗のグリーンと赤でコーディネイトされ、観客席のブルーの椅子が実にきれい。

 それにしても、日本の関係者がたくさん詰めかけ、まるでここがハンガリーであることを忘れそうだ。チームスタッフも大勢だが、テレビ東京のスタッフはもとより、他のテレビ、新聞、通信社、広告代理店などの人たちが続々とブダペスト入をしている。

 1990年代から2003年世界選手権パリ大会までは、いても共同通信の記者の人しか世界選手権には来てなかったのだが、来年の東京五輪を控え、ほぼ全新聞社が記者を派遣している。明らかに中国のメディアや地元メディアよりも多いだろう。
 世界選手権では日本は選手団だけではなく、メディアの数でも際立っている。
開幕前に到着した卓球王国取材班は、少しブダペストの街を散策。
大きなドナウ川が市街の中心地を真っ二つにし、中世のキャッスルヒルなどがある「ブダ」と、新古典主義様式の建物群が並ぶ「ペスト」に分かれる。

街にはほんの少しだが、世界卓球の告知広告が貼り出されていたが、それよりもトラムをジャックしたXIOMの広告のほうが目立っているようにみえた。

日差しが強いが湿気のないカラッとした天気は、まさに卓球日和。
日本選手は15時(日本時間)にメインホールで練習予定。その後、プレスカンファレンスやドローもある。いよいよ大会開幕が近づいてきた。

ブダペストの街を撮影した動画を掲載したので、
動画で街を見たい人はぜひ見てみてください

https://youtu.be/kAM8LKLbEMc
  • ブダとペストをつなぐセーチェーニ鎖橋

  • こちらはペスト

  • ブダのほうには教会が多い

  • 世界選手権の広告、いよいよ高まってきた

 いよいよ4月21日の開幕も間近に迫ってきた世界選手権個人戦。ドイツ・グレンツァオで調整合宿を行っていた日本チームは、19日夜にハンガリー・ブダペストに到着し、会場である『hungexpo』近くのホテルに入った。

 ホテルでは卓球日本代表のオフィシャルスポンサーである全農(全国農業協同組合連合会)による、日本産食材の贈呈のセレモニーが行われた。全農所属の石川佳純選手に日本産食品のセットを手渡した全農 広報・調査部の沢登幸徳次長は「私どもは日本人の活躍を日本の食で支えるというスローガンで、選手の皆様方を応援させていただいております。今回も日本食で皆様方の活躍をサポートできれば幸いです。最高の試合をされて、輝かしい成績を挙げられることを祈念しております」とコメント。

 石川選手は旅の疲れも見せず、「たった今ブダペストについて、いよいよ試合だなという気分になっている中で日本食をいただくというのはすごくうれしいですし、ご飯を食べるとすごくパワーをもらえる。試合で最高のプレーができるよう、しっかり栄養をつけて準備したいなと思います」と語った。明日は午前9時から、4台が設置されたメインアリーナで日本チームが練習。大会に向けての最終調整を行う。
  • 卓球日本代表のオフィシャルスポンサー、全農から日本産食材を贈呈。日本チームをサポート

  • 全農所属の石川佳純選手(左)と全農 広報・調査部の沢登幸徳次長

 4月21日にその火ぶたを切る世界選手権個人戦ブダペスト大会。開催都市のブダペストはハンガリーの首都。街は中心を流れるドナウ川によって丘陵地帯のブダ地区と、平地のペスト地区に分かれている。
 その美しい街並みからブダペストは「ドナウの真珠」と呼ばれ、観光名所でもある。 
 卓球王国取材班は、18日の深夜に東京からウイーン(オーストリア)を経由して、ブダペストに入る。観光名所と言っても、フリーの日はなく、19日にIDカードを取得して、20日には日本選手団の練習を取材して、21日の初日を迎える。

 ハンガリーでの世界選手権開催は第二次世界大戦前の1929年、1931年と、戦後の1950年に続いて4度目で、実に69年ぶりの世界大会となる。ハンガリーは国際卓球連盟の創立協会でもあり、かつてバルナ、サバドス、シドという世界チャンピオンを輩出した古豪の協会だ。
 1971年名古屋大会ではヨニエルとクランパが組み、男子ダブルスで優勝し、古豪復活と言われ、1975年カルカッタ大会では両ハンドのドライブを駆使したヨニエルが優勝、さらに1979年平壌大会では中国を破り、男子団体で優勝した。
 しかし、その後、ハンガリーは低迷の時期に入っていく。
 半世紀を超えての世界大会開催に、ブダペストがどれほど盛り上がり、どのような運営になるかは想像できないが、現地から熱いリポートを届けたい。
  • 1979年世界選手権平壌大会でハンガリーが中国を破り、その時のメンバーだったゲルゲリー

  • 1975年に世界チャンピオンになったハンガリーのヨニエル