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中国リポート

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 最近、中国ではブログが大人気。05年8月の時点で500万人だったブログ人口が、今年中に1億人を超える勢いだというから凄い。ちなみにブログは音訳で「博客(ボォクゥ)」。

 もちろん、中国選手の中にもブログをやっている人は結構多い。特に若手選手に多く、男子では劉国正、侯英超、張継科、女子では劉詩ブン、彭陸洋、白楊、賈君など。美人選手の賈君のブログは一見の価値アリ。中国語の設定ができていれば、Googleの「言語ツール」から中国語(簡体)を選び、「選手の名前(日本語入力でも可)」と「BLOG」のふたつのワードで検索すれば、ブログのある選手なら検索にヒットする。

 ただし、ブログの更新頻度はかなり低い。超級リーグや海外遠征での移動、国家チームの集合訓練などで、ブログを書く暇がないのだ。人によっては3カ月くらい更新がないことも珍しくない。劉国正は故障で練習ができない間、わりと頻繁に更新していたが、王励勤らトップ選手にはブロガーはいない。練習に集中しているせいもあるし、コーチ陣も許可しないのかもしれない。

 昨年5月には、張怡寧の真っ赤なニセモノが「張怡寧BLOG」を開設、訪問者が殺到するという珍事件も発生。深夜の2時半に更新があったため、「消灯時間はないのか」「練習していないのか」と怪しまれ、張怡寧本人に連絡が行って即座に否定されたというから、何ともお粗末な話ではある。

 Photo:張怡寧もニセブログにはびっくり?!
※現在も張怡寧BLOGは、張怡寧選手とは全く関係のないブログなのでご注意を。中国のサイトはあまり安全とは言えないので、深追いしないほうが良さそうです。

☆☆☆ 2007中国超級リーグ 女子第15節 ☆☆☆

[北京首創 3-1 遼寧鞍鋼]
[河北金能 3-2 江蘇麗華快餐]
[八一工商銀行 3-2 北大方正]
[山東魯能 3-1 深セン長園新材]
[上海電信理工 3-2 重慶康徳遠景]

◎宿命のライバル対決はやはり北京首創。注目の一戦!
[北京首創 3-1 遼寧鞍鋼]
○郭炎 9、11、-8、11 王楠
 張怡寧 -8、-4、5、-7 郭躍○
○郭炎/丁寧 8、8、6 王楠/常晨晨
○張怡寧 -6、5、3、-8、4 常晨晨

 超級リーグ女子第15節は、まさに今シーズンの天王山。悲願の優勝に向け、この試合を制すればほぼ優勝確定と言っていい遼寧鞍鋼に対し、前節で河北金能に敗れた北京首創はまさに背水の陣。

 王楠、郭躍という2大スターを抱えながら、遼寧鞍鋼はなぜか超級リーグで優勝できない。昨シーズンは郭躍の故障やダブルスの不調などで9勝9敗の5位に沈み、福原愛(現ANA)がいた2005年も同じく5位。03-04年は2位だったが、首位の北京海菲泰には大差をつけられた。一方の北京首創は右手骨折の張怡寧が長期離脱した2005年こそ3位だったが、03-04年、そして昨シーズンの06年とぶっちぎりの強さで優勝している。

 北京首創のホームゲームとして行われたこの試合。トップは世界ランク2位の王楠と、世界ランク4位の郭炎の対戦。今年6月のフォルクスワーゲンオープン荻村杯決勝では、王楠が勝利を収めていたが、この試合は第2・4ゲームをデュースで制した郭炎に軍配。続く2番のエース対決で張怡寧が勝利すれば、一気に北京首創が突っ走る流れになったが、現世界女王の郭躍が意地を見せ、第6節に続いて張怡寧から勝利を挙げた。新旧女王の対決は、最近は郭躍のほうが圧倒的に分が良い。
 3番ダブルスは、右腕からパワーボールを繰り出す郭炎と、左腕からキレのある前陣攻撃を見せる丁寧の北京首創ペアが完勝。遼寧鞍鋼の王楠/常晨晨はともにサウスポー、コンビネーションが今ひとつなのか7勝8敗と勝ち星が伸びない。現在日本生命で活躍している李佳をはじめ、なぜかサウスポーの選手が多く育つ遼寧省チーム。ダブルスのペアリングにやや難があるようだ。
 ダブルスの勝利で大きく勝利に近づいた北京首創、4番で張怡寧が常晨晨に対し、ゲームオールまでもつれながらも最終ゲームを4本で締め、遼寧鞍鋼に3-1で勝利。12勝3敗で再び両チームが並び、残り3節に雌雄を決することとなった。
「全体的に見て、我々のチームは気合いが入っており、どの試合でも遼寧チームを圧していた」とは北京首創の周樹森ヘッドコーチの弁。しかし、第17節に北大方正、第18節に山東魯能という強豪との対戦を控え、周ヘッドコーチは最後にひと言。「競技スポーツに楽勝なんてものはない」。

Photo上:第6節に続き、遼寧鞍鋼戦でバツグンの働きを見せた郭炎
Photo中:王楠は単複で2失点。疲労が蓄積していたのか、この後のパナソニック中国オープンは出場回避
Photo下:神戸で行われた第2回世界ジュニアで優勝した常晨晨

 9月1日、天津市の環渤海ビル前の広場で、“聖象・康樹チャレンジマッチ”が行わbツ遼寧省チーム。ダブルスのペアリングにやや難があるようだ。
 ダブルスの勝利で大きく勝利に近づいた北京首創、4番で張怡寧が常晨晨に対し、ゲームオールまでもつれながらも最終ゲームを4本で締め、遼寧鞍鋼に3-1で勝利。12勝3敗で再び両チームが並び、残り3節に雌雄を決することとなった。
「全体的に見て、我々のチームは気合いが入っており、どの試合でも遼寧チームを圧していた」とは北京首創の周樹森ヘッドコーチの弁。しかし、第17節に北大方正、第18節に山東魯能という強豪との対戦を控え、周ヘッドコーチは最後にひと言。「競技スポーツに楽勝なんてものはない」。

Photo上:第6節に続き、遼寧鞍鋼戦でバツグンの働きを見せた郭炎
Photo中:王楠は単複で2失点。疲労が蓄積していたのか、この後のパナソニック中国オープンは出場回避
Photo下:神戸で行われた第2回世界ジュニアで優勝した常晨晨

★★★ 2007中国超級リーグ 男子第15節 ★★★

[天山万杰隆 3-1 浙商銀行]
[海寧皮革城鵬翔 3-2 江蘇華都琥珀]
[江蘇江南電纜 3-1 魯能中超電纜]
[遼寧錦州万通 3-2 八一工商銀行]
[寧波北侖海天 3-0 四川全興]

◎寧波北侖海天、ついに首位に並ぶ。注目の一戦!
[寧波北侖海天 3-0 四川全興]
○李静 5、9、9 邱貽可
○馬琳 -7、7、-5、10、9 馬龍
○李静/柳洋 4、-5、4、-5、8 邱貽可/王建軍

 序盤戦で伸び悩み、今シーズンの優勝は難しいかと思われていた寧波北侖海天が、第15節にしてついに首位に並んだ。
 第15節、9勝5敗で同率2位だった四川全興との対戦は、優勝戦線に残るためには重要な一戦。接戦が予想されたが、試合は予想外のワンサイドゲームになった。トップで李静が邱貽可を終始リードして、3-0でストレート勝ち。2番の馬琳vs.馬龍のエース対決は、出足から気合い全開の馬龍に対し、スロースタートの馬琳がリードを許すが、第4ゲーム10-10から2本連取した馬琳が最終ゲームも競り勝ち、試合の大勢を決める1勝。3番でもダブルスの名手・李静が好プレーを見せ、寧波北侖海天がストレートで四川全興を下した。
 単独首位の浙商銀行が天山万杰隆に敗れたため、これで浙商銀行と寧波北侖海天が10勝5敗で同率首位。四川全興が9勝6敗で単独3位となり、8勝7敗の八一工商銀行、遼寧錦州万通、海寧皮革城鵬翔にもまだ優勝のチャンスはある。第17節の浙商銀行と寧波北侖海天の直接対決に注目が集まるが、思わぬ伏兵が飛び出す可能性もありそうだ。

 その他の試合。海寧皮革城鵬翔は2番手の金恩華が欠場したものの、エース王励勤がラストを締めて3連勝。遼寧錦州万通は2番で徐輝が王皓を下す金星を挙げ、八一工商銀行に勝利した。

Photo上:トップで邱貽可に完勝し、試合の流れを引き寄せた李静(07年世界ザグレブ大会より)
Photo下:王皓とのペンドライブ対決を制した徐輝。05年全中国運動会では郭躍と組んだ混合複で優勝。写真はその全中国運動会から

 04年アテネ五輪ベスト16で、日本リーグの十六銀行でも活躍した柳絮飛(ラウ・スイフェイ)が中国・深セン(土+川)に「柳絮飛体育発展有限公司」を創立。29日に盛大な創立記念パーティを開催した。
 ちょうどこの日、深センでパナソニック中国オープンが大会初日を迎えたこともあり、会場には中国卓球協会会長の徐寅生、アジア卓球連盟会長の李富栄、国家体育総局副局長の蔡振華、国家女子チームの施之皓・孔令輝など、中国卓球界の重鎮が顔を揃えた。

 柳絮飛はパーティーの席上で、呉啓雄さんとの結婚も同時に発表。呉さんは建設業に携わる資産家で、熱烈な卓球ファンだそうだ。会社はこの新婚夫婦の共同経営という形になり、今後の目標は、「超級リーグで優勝を狙えるようなクラブチームを作ること」、そして「選手を育成する卓球センターの建設」とのこと。

 柳絮飛はもともと中国の江蘇省鎮江市の出身。右ペンホルダー両面裏ソフト攻撃型で、投げ上げサービスと打球点の早いドライブ速攻、要所で見せる裏面攻撃を武器に、中国香港チームの中心メンバーのひとりとして活躍した。今年も精力的にプロツアーに出場するなどいまだ現役だが、選手としてプレーするのは今年で最後になるかもしれない。

Photo:会社創立と結婚でダブルハッピネスの柳絮飛。ちなみに「柳絮」は、春先に風に舞う柳の種子の綿毛のことで、北京の春の風物詩。「柳絮飛」は「柳絮」が「飛」ぶという何とも面白い名前なのだ

★2007中国超級リーグ男子 ~第14節までの順位
1. 浙商銀行(10勝4敗)
2. 寧波北侖海天(9勝5敗)
2. 四川全興(9勝5敗)
4. 八一工商銀行(8勝6敗)
5. 遼寧錦州万通(7勝7敗)
5. 海寧皮革城鵬翔(7勝7敗)
7. 江蘇江南電纜(6勝8敗)
7. 天山万杰隆(6勝8敗)
7. 魯能中超電纜(6勝8敗)
10. 江蘇華都琥珀(2勝12敗)

★男子シングルス勝率 BEST5
1. 馬龍(四川全興/23勝3敗)
2. 王皓(八一工商銀行/22勝3敗)
3. ハオ帥(浙商銀行/16勝5敗)
4. 王励勤(海寧皮革城鵬翔/18勝6敗)
5. 馬琳(寧波北侖海天/17勝6敗)

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☆2007中国超級リーグ女子 ~第14節までの順位
1. 遼寧鞍鋼(12勝2敗)
2. 北京首創(11勝3敗)
3. 深セン長園新材(10勝4敗)
4. 北大方正(8勝6敗)
5. 山東魯能(7勝7敗)
5. 上海電信理工(7勝7敗)
5. 河北金能(7勝7敗)
8. 八一工商銀行(5勝9敗)
9. 重慶康徳遠景(3勝11敗)
10. 江蘇麗華快餐(1勝13敗)

☆女子シングルス勝率 BEST5
1. 王楠(遼寧鞍鋼/12勝1敗)
2. 李暁霞(山東魯能/13勝2敗)
3. 劉詩ブン(深セン長園新材/19勝5敗)
4. 郭躍(遼寧鞍鋼/17勝7敗)
5. 張怡寧(北京首創/14勝6敗)

Photo上:若きエース・ハオ帥、ダークホース浙商銀行を優勝に導くのか
Photo下:遼寧鞍鋼、久々の優勝のカギを握るのはやはり郭躍だろう

☆☆☆ 2007中国超級リーグ 女子第14節 ☆☆☆

[河北金能 3-2 北京首創]
[遼寧鞍鋼 3-1 八一工商銀行]
[深セン長園新材 3-1 江蘇麗華快餐]
[北大方正 3-0 上海電信理工]
[山東魯能 3-0 重慶康徳遠景]

◎張怡寧またもや2失点! 注目の一戦!
[河北金能 3-2 北京首創]
○賈君 -7、-6、7、4、6 張怡寧
 白楊 -9、-4、-1 丁寧○
○白楊/牛剣鋒 -10、7、-6、9、8 丁寧/郭炎
 賈君 -7、-8、-3 郭炎○
○牛剣鋒 8、-7、4、-6、13 張怡寧

 女王・張怡寧をシングルスで2点起用し、不動のオーダーを組んだ北京首創が、アウェーで思わぬ伏兵に足元をすくわれた。波乱の演出者は河北金能。
 北京首創の敗因は、第11節に続いて2失点を喫した張怡寧にある。トップでは河北金能の賈君に対し、ゲームカウント2-0の6-2でリードしていながら大逆転負け。2番手の郭炎、3番手の丁寧はシングルスで1点ずつ取ったが、二人で組むダブルスは超級リーグ最強ペアの白楊/牛剣鋒に競り負けた。そして迎えたラストでも張怡寧が攻め手を欠き、圧倒的に分が良いはずの牛剣鋒に対し、ゲームオール13-15という大激戦の末に敗れた。

 勝敗の差は紙一重だったとはいえ、予想外の2失点を喫したエースに対し、北京首創の周樹森ヘッドコーチは「張怡寧は守りに入る場面が多かったし、少し油断していたようだ」と苦言を呈した。しかし、次節(第15節)では宿命のライバル・遼寧鞍鋼との対戦を控えている。会心の勝利に対しても選手を誉めることの少ない周コーチが、「ラストの試合では1-2のビハインドからゲームオールに持ち込んだし、13-15で敗れたとはいえ、張怡寧はよく頑張った」と珍しく教え子を誉めた。このあたりはさすがに老練なコーチだ。

 余談ながら、河北金能のスポンサーである河北金能集団は大手の国有石炭企業。中国はいまだに石炭がエネルギーの主役で、それに伴う大気汚染も問題になっている。なかでも深刻なのが天津市、北京市をはじめとする河北省一帯で、IOCのジャック・ロゲ委員長が「大気汚染度が極めて悪い場合、競技の延期もあり得る」と発言したほど。中国は北京市周辺の工場や建設現場を、五輪会期中の前後2カ月間ストップさせることを計画しているそうだ。

Photo上:シャープな速攻はまだまだ健在の牛剣鋒
Photo中:03・05年世界混合複2位、左シェークフォア表ソフト攻撃型の白楊

★★★ 2007中国超級リーグ 男子第14節 ★★★

[浙商銀行 3-1 江蘇江南電纜]
[天山万杰隆 3-2 江蘇華都琥珀]
[海寧皮革城鵬翔 3-2 遼寧錦州万通]
[四川全興 3-1 魯能中超電纜]
[寧波北侖海天 3-2 八一工商銀行]

◎馬琳の寧波北侖海天、上位へ忍び寄る。注目の一戦!
[寧波北侖海天 3-2 八一工商銀行]
○馬琳 8、-9、5、5 徐克
 李静 -10、-9、-6 王皓○
○李静/柳洋 9、10、6 徐克/ジャク一鳴(ジャクは曜の右側)
 柳洋 -8、-10、8、7、-10 王皓○
○馬琳 8、6、8 ジャク一鳴

 第14節を迎え、いよいよ残るところ5試合となった超級リーグ。
 折り返しの第9節の時点で5勝4敗と出遅れ、今シーズンの優勝は難しいと思われた寧波北侖海天だが、第10節から3連勝。第13節は海寧皮革城鵬翔に敗れたものの、他の上位チームが勝ち星を伸ばせない中で、静かに上位進出のチャンスをうかがっている。

 寧波北侖海天は馬琳、八一工商銀行は王皓と、ともにスーパーエースを擁するチーム同士の対戦になったこの試合。オーダーが発表された時点で、馬琳と王皓の対戦は実現しないことになり、勝負のポイントはほぼダブルスの一点に絞られた。
 トップの馬琳vs.徐克は、サービス・レシーブの優位性を生かした馬琳が徐克を圧倒。第2ゲームこそ落としたものの、第4ゲームは9-0と大きくリードして問題なく先制点を挙げる。2番の李静vs.王皓は、1-6、8-10とリードされた第1ゲームを逆転で取った王皓が次第に調子を上げ、前回の第5節での対戦同様、3-0のストレートで李静を下した。2番を終えて、予想どおり試合は1-1のタイ。
 迎えた勝負のダブルス。前回の対戦では3-2で徐克/ジャク一鳴が勝利している。第1ゲームはシーソーゲームの末、11-9で李静/柳洋。経験豊富な李静/柳洋ペアは、勝負のゲーム後半で強さを見せ、第2ゲームも6-9から12-10と逆転で2ゲーム連取。第3ゲームは序盤から終始リードを保ち、最後は徐克がレシーブをネットにかけて李静/柳洋ペアが完勝した。
 勝負のダブルスを制した寧波北侖海天は、これで試合運びがグッと楽になる。「自分が負けてもラストには馬琳がいる」と、4番に出場した柳洋が積極的なプレー。最終ゲームも終盤まで柳洋がリードしたが、最後は王皓がきわどくかわして、ラストでのジャク一鳴の大金星にわずかな望みを託す。
 しかし、馬琳とまだ20歳のジャク一鳴では、やはり実力差は歴然。第1ゲームでは馬琳10-8のゲームポイントで、馬琳のロビングをジャク一鳴がスマッシュミス。馬琳はやや粗いプレーで、第2ゲームは6-1から8-6まで追い上げられる場面もあったが、問題なく勝利を収め、チームの勝利を決めた。
 第14節が終了し、単独首位は10勝4敗の浙商銀行。9勝5敗の寧波北侖海天と四川全興が同率2位。

Photo:無冠の帝王が、超級リーグでは優勝請負人に変身する。この男にはやはりNo.1が似合うのか
Photo:香港の熱血お兄さん、李静。馬琳をアシストして優勝へ突き進む

 日本で漫画・アニメともに大ヒットした『テニスの王子様』(週間少年ジャンプ連載)が、中国で実写でドラマ化される。今月16日に制作発表が行われ、配役はネット投票で決定。キャスティングの中心になるのは、2006年に始まったオーディション番組『加油!好男儿』で上位に進出したスターの卵たち。『加油!好男儿』は訳すると『頑張れ!イケメン』という感じだ。

 この『テニスの王子様』のキャストに名を連ねたのが、昨年の『加油!好男儿』で3位に入った呉建飛(ウ・ジェンフェイ)。この「好男儿」で一躍注目を浴び、ファースト写真集も大ヒットしている。「若い頃の金城武にそっくり」という評判だが、もう少し薄めのファニーフェイスに見える。

 配役は未定ながら、今から元五輪代表のコーチを受け、テニスの練習に余念がない呉建飛。この呉クンが上海でテレビ番組に出演した際、偶然にも楽屋で王励勤と遭遇。「卓球もテニスもネットを挟んで打ち合うのは同じ」「何かテニスの上達のコツになるものを得たい」と、思い切って話しかけ、すっかり意気投合したとのこと。「やりがいのある役でさえあれば、僕はすべて挑戦してみたいし、きっとうまく演じられると思う。それに王励勤さんのような良き師、良き友にもアドバイスを貰えた。本当に、“君のひと言は十日間の訓練にも勝る”です」とは呉クンの言葉。生活面では不遇な少年時代を過ごしたという彼だが、そのハングリーさはさすが。

 卓球とテニス。畑は違えども、卓球マスターのひと言が、テニスの王子様の心を動かしたということか。中国の実写版ドラマ『網球王子』は10月にクランクインし、来年6月から放映の予定だそうだ。

Photo:芸能界にも友人が多いという王励勤。思わぬ弟子を持つことになったが、テニスをやっても結構うまそう

☆☆☆ 2007中国超級リーグ 女子第13節 ☆☆☆

[北京首創 3-0 八一工商銀行]
[深セン長園新材 3-2 河北金能]
[遼寧鞍鋼 3-1 上海電信理工]
[江蘇麗華快餐 3-1 重慶康徳遠景]
[北大方正 3-2 山東魯能]

◎苦節13節、ついに念願の初勝利!! 注目の一戦!
[江蘇麗華快餐 3-1 重慶康徳遠景]
 張瑩瑩 -1、-2、-8 李楠○
○范瑛 6、8、7 桑亜嬋
○張瑩瑩/陳晴 7、6、-6、8 李楠/劉純
○范瑛 6、4、-12、-10、6 劉純

 ここまで開幕から12連敗中だった江蘇麗華快餐。
 ダブルスは5勝7敗とそれほど悪くないし、エースの范瑛も慣れられやすいカット主戦型ながら、シングルス8勝8敗はまずまずの成績。しかし、昨シーズンにエースとして17勝5敗の成績を収めた李暁霞が山東魯能に移籍し、変わりに加入した林菱(中国香港)がここまで1勝8敗と不調。昨シーズンは11勝7敗で4位だったチームが、今シーズンは不振を極めている。

 超級リーグの連敗記録ということでは、2005年の男子超級リーグで、黒龍江明星がなんと0勝22敗でシーズンを終えている(当時は12チーム/全22節で開催)。前年まで絶対的なエースだった孔令輝が抜け、その穴を埋めきれなかったのだ。同じシーズンには、王励勤が抜けた上海聖雪絨も超級リーグから降格している。次第に戦力が分散傾向にある超級リーグ、絶対的なエースがシングルスで2点取り、残りの1点を誰かが取るという勝ち方が多くなっている。同時にエースが移籍した時のダメージも大きいのだ。

 さて、江蘇麗華快餐にとっては、勝利への最後のチャンスとさえ思える、9位の重慶康徳遠景との下位対決。
 トップで張瑩瑩(99年世界混合複優勝)が李楠に完敗したものの、2番でエースの范瑛が桑亜嬋(中国香港)にストレート勝ちして迎えた勝負のダブルス。ここで江蘇麗華快餐は、ペンツブ高攻守の陳晴と、左ペンドライブ型の張瑩瑩のダブルスを今シーズン初めて起用。ひとつの賭けだったが、勝利への執念に燃える陳晴/張瑩瑩はペアリングも良く、積極的な試合運びを見せて3-1で勝利。チームの勝利をグッと引き寄せる。
 しかし、ここまで2-3で競り負けた試合が7試合もある江蘇麗華快餐。4番でエースの范瑛が決められなければ、ラストに李楠を配した重慶康徳遠景が圧倒的に有利。そのプレッシャーと、劉純へ送られる大声援の中、范瑛はゲームカウント0-2から2-2へ追いつかれる苦しい試合を制した! 江蘇麗華快餐がついに今シーズン初勝利!

 その他の試合。首位を並走する北京首創と遼寧鞍鋼はともに勝利。遼寧鞍鋼は第4節で敗れている上海電信理工にリベンジを果たした。北大方正に敗れた山東魯能はこれで6連敗。チームの戦力から言うと信じられない成績だが、これから最終節に向けて、リーグに波乱を巻き起こすのはやはり山東魯能か。

Photo上:范瑛、エースの意地で2点を奪い、歓喜のチーム初勝利!
Photo下:99年世界選手権アイントホーヘン大会で、馬琳と組んで混合ダブルス優勝の張瑩瑩。この時まだ16歳だった