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中国リポート

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★★★ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 男子第14節 8.15 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈四川長虹佑康 3ー2 江蘇中超電纜・紫砂〉

 朱霖峰 9、9、ー8、ー10、3ー7 鄭培鋒○
○許鋭鋒 9、ー8、ー6、9、7ー5 オフチャロフ
○頼佳新/朱霖峰 7、9 林晨/蔡偉
 許鋭鋒 8、ー5、ー4、ー4 鄭培鋒○
○頼佳新 5、9 孔令軒
(揚州体育公園体育館)

〈寧波海天塑機 3ー1 覇州海潤〉
○馬龍 6、3、4 任浩
○閻安 ー10、7、4、4 范勝鵬
 閻安/林高遠 ー8、ー6 ジャイ超/程靖チィ○
○馬龍 6、5、2 范勝鵬
(北侖区体芸センター)

〈八一大商 3ー0 広東深圳明金海〉
○周雨 3、5、9 黃鎮廷
○樊振東 9、7、10 劉亜楠
○周雨/周愷 5、ー9、7ー4 劉吉康/尹航
(大連海事大学体育館)

〈上海龍騰 3ー1 天津博士能〉
○許シン 10、ー12、5、6 荘智淵
 尚坤 ー8、ー6、6、16ー18 馬特○
○尚坤/趙子豪 ー7、6、7ー2 魏世皓/劉丁碩
○許シン 8、9、6 馬特
(青浦体育館)

〈山東魯能 3ー2 山東魏橋創業集団〉
○方博 7、6、8 ボル
 ハオ帥 ー7、5、ー4、ー8 梁靖崑○
○ハオ帥/張超 8、8 崔慶磊/ボル
 方博 ー9、6、10、ー10、7ー9 梁靖崑○
○張超 9、9 張煜東
(山東省濱州市オリンピック体育館)

☆☆☆ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 女子第14節 8.16 ☆☆☆

〈八一・哈弗SUV 3ー0 広東二沙〉
○木子 9、2、6 詹李平
○劉曦 5、8、10 張遅
○黄凡真/劉ジン 2、8 楊采穎/童海苗
(鷹潭市体育センター体育館)

〈北京首鋼 3ー1 金華銀行〉
 丁寧 ー6、4、5、ー7、5ー7 張瑞○
○馮亜蘭 9、ー13、8、12 胡麗梅
○馮亜蘭/文佳 3、6 張瑞/劉銘
○丁寧 12、4、2 胡麗梅
(北京首鋼バスケットボールセンター)

〈遼寧鋼都本渓 3ー2 大土河・華東理工〉
 蘭曦 ー8、8、ー4、ー11 車暁曦○
○陳幸同 7、9、7 江越
 蘭曦/李佳イ ー10、8、6ー8 劉詩ウェン/江越○
○陳幸同 ー9、9、8、ー3、7ー4 車暁曦
○李佳イ ー6、9、7ー5 劉詩ウェン
(大土河体育館)

〈武漢安心百分百 3ー2 山東魯能〉
○武楊 8、6、7 范思琦
○李暁丹 9、ー7、5、10 陳夢
 李暁丹/劉高陽 ー8、ー6 范思琦/顧玉ティン○
 武楊 ー7、ー4、9、ー8 陳夢○
○劉高陽 8、ー1、8ー6 顧玉ティン
(武漢黄陂体育館)
※8月17日に開催

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー2 吉林・北京中潤華油〉
○朱雨玲 5、6、5 袁雪ジャオ
 張薔 ー7、ー5、ー10 王曼昱○
 朱朝暉/張薔 3、ー6、5ー7 袁雪ジャオ/陳可○
○朱雨玲 8、7、7 王曼昱
○朱朝暉 ー10、8、7ー4 陳可
(エジンホロ旗全民活動センター)
※日程調整のため7月8日に開催

 中国オープン開催による二回目の中断を経て、超級リーグの第1ステージが再開された。
 男子ではオフチャロフを擁する江蘇が四川に競り負け、14節を終えていまだに最下位に沈んでいる。オフチャロフも、右足を傷めて棄権した第4節の馬龍戦も含めると3勝9敗と勝ち星が伸びていない。一方、首位を並走する寧波と八一はともに勝利。八一の樊振東はシングルス23連勝で、ダブルスの1勝と合わせると今季24戦無敗。男子超級リーグで、18歳でこれほどの活躍を見せた選手はいないが、樊振東本人は「過去の成績にはこだわらないし、自分の立ち位置をしっかり見据えていきたい」(出典:『新華網』)と優等生すぎるコメントを残している。

 女子は大土河、北京、武漢の3チームが11勝3敗で並び、「3強」を形成。プレーオフ進出はほぼ確定か。プレーオフに進む最後のイスをかけた4位争いが熾烈で、昨年度優勝の山東は今節でも武漢に敗れ、苦しい戦いを強いられている。しかもこれから山東は、15節で大土河、16節で鄂尓多斯、17節で北京と手ごわいチームとの対戦が続く。ひとりチームの屋台骨を支える陳夢にとって、まさに正念場だ。

 ちなみに先月募集がかけられていた今シーズンの超級リーグ・プレーオフ開催地は、重慶市の大田湾全民健身センターに決まった。中国リポート担当は、中国の卓球雑誌『ピンパン世界』編集部の協力でIDカードを取得し、男女4チームが出場するプレーオフを現地で取材します。ご期待ください〜。 

★超級男子・第14節終了時点での順位
1   寧波海天塑機     12勝2敗   26点
    八一大商       12勝2敗   26点
3   山東魯能       10勝4敗   24点
4   山東魏橋創業集団    9勝5敗   23点
5   上海龍騰        8勝6敗   22点
6   四川長虹佑康      5勝9敗   19点
7   広東深圳明金海     4勝10敗  18点
    覇州海潤        4勝10敗  18点
9   天津博士能       3勝11敗  17点
    江蘇中超電纜・紫砂   3勝11敗  17点

☆超級女子・第14節終了時点での順位
1   大土河・華東理工   11勝3敗   25点
    北京首鋼       11勝3敗   25点
    武漢安心百分百    11勝3敗   25点
4   八一・哈弗SUV    8勝6敗   22点
    山東魯能        8勝6敗   22点
6   吉林・北京中潤華油   7勝7敗   21点
7   鄂尓多斯東方路橋    6勝8敗   20点
8   遼寧鋼都本渓      5勝9敗   19点
9   金華銀行        3勝11敗  17点
10  広東二沙        0勝14敗  14点
(獲得ポイントは勝利が2点、敗戦が1点で計算)
★★★ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 男子第13節 7.28 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天塑機 3ー0 江蘇中超電纜・紫砂〉

○閻安 9、9、9 鄭培鋒
○馬龍 9、ー10、8、8 孔令軒
○閻安/林高遠 8、ー6、7ー4 林晨/蔡偉
(揚州体育公園体育館)

〈八一大商 3ー0 四川長虹佑康〉
○周雨 6、ー8、5、6 許鋭鋒
○樊振東 5、6、ー9、ー9、7ー2 朱霖峰
○周雨/周愷 12、10 朱霖峰/頼佳新
(内江梅家山体育館)

〈上海龍騰 3ー1 覇州海潤〉
○許シン 7、8、ー7、9 任浩
 尚坤 6、ー11、ー9、6、6ー8 王楚欽○
○尚坤/趙子豪 9、9 ジャイ超/程靖チィ
○許シン 2、10、6 王楚欽
(覇州市卓球館)

〈山東魏橋創業集団 3ー1 広東深圳明金海〉
○ボル 7、6、10 劉吉康
 梁靖崑 6、ー9、ー9、ー5 朱世爀○
○崔慶磊/ボル 6、ー9、7ー3 尹航/劉亜楠
○梁靖崑 9、10、ー8、4 劉吉康
(河源市体育場館管理センター)

〈山東魯能 3ー0 天津博士能〉
○方博 10、2、7 魏世皓
○張超 6、ー10、8、ー7、7ー5 馬特
○張超/ハオ帥 7、6 魏世皓/劉丁碩
(済南奥体センター東荷体育館)

☆☆☆ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 女子第13節 7.29 ☆☆☆

〈北京首鋼 3ー1 八一・哈弗SUV〉
○丁寧 8、8、7 劉曦
 文佳 8、ー7、ー8、ー3 木子○
○文佳/馮亜蘭 7、ー9、7ー2 劉ジン/黄凡真
○丁寧 7、6、10 木子
(鷹潭市体育センター体育館)

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー0 広東二沙〉
○張薔 ー9、7、7、5 張遅
○朱朝暉 4、3、ー6、ー9、7ー3 詹李平
○趙岩/朱朝暉 5、5 張遅/劉韵慈
(潮汕体育館)

〈大土河・華東理工 3ー2 金華銀行〉
 江越 ー8、ー8、ー4 胡麗梅○
○車暁曦 7、7、4 張瑞
○劉詩ウェン/江越 7、ー8、7ー2 劉銘/張瑞
 車暁曦 8、ー9、ー10、ー8 胡麗梅○
○劉詩ウェン 10、ー9、7ー2 劉銘
(金華市体育館)

〈武漢安心百分百 3ー0 吉林・北京中潤華油〉
○郭奕宸 11、ー7、5、11 王曼昱
○武楊 ー9、4、7、8 徐孝元
○李暁丹/劉高陽 6、7 袁雪ジャオ/陳可
(長春市体育館)

〈山東魯能 3ー1 遼寧鋼都本渓〉
○陳夢 7、7、2 楊双旭
○范思琦 ー6、9、13、7 陳幸同
 顧玉ティン/顧若辰 ー12、ー9 李佳イ/蘭曦○
○陳夢 ー8、7、10、ー10、7ー5 陳幸同
(済南奥体センター東荷体育館)

 超級リーグ男女13節が7月28・29日に行われた。中国オープン(8月5〜9日/成都)が開催されるため、第1ステージは再び中断され、8月15・16日の第14節から再開される。8月30日の女子第18節で第1ステージは終了し、9月11〜13日のプレーオフに進む男女4チームが決定する。今年はプレーオフを取材する予定の中国リポート担当ですが、開催地は今もって未定。どうなりますやら……。

 さて、男子第13節は、上位5チームがすべて勝利するという順当な結果。山東は張継科の契約問題による欠場が長引きながらも、選手層の厚さを見せて6連勝。プレーオフ圏内をキープしている。山東魏橋はボルが単複2勝の活躍で、山東魯能と並び3位。

 女子も上位チームが確実に勝ち星を伸ばした。単独首位の大土河は、劉詩ウェンをダブルス&5番に起用する「若手育成型」のオーダー。胡麗梅に2点を取られてラストに持ち込まれたが、劉詩ウェンがきっちり締めた。遼寧は山東魯能に敗れて4勝9敗となり、プレーオフ進出は非常に厳しい状況。王楠、郭躍、常晨晨らのトップ選手を揃え、リーグでも指折りの強豪クラブだった時代が懐かしい。

★超級男子・第13節終了時点での順位
1   八一大商       11勝2敗   24点
    寧波海天塑機     11勝2敗   24点
3   山東魯能        9勝4敗   22点
    山東魏橋創業集団    9勝4敗   22点
5   上海龍騰        7勝6敗   20点
6   覇州海潤        4勝9敗   17点
    広東深圳明金海     4勝9敗   17点
    四川長虹佑康      4勝9敗   17点
9   江蘇中超電纜・紫砂   3勝10敗  16点
    天津博士能       3勝10敗  16点

☆超級女子・第13節終了時点での順位
1   大土河・華東理工   11勝2敗   24点
2   北京首鋼       10勝3敗   23点
    武漢安心百分百    10勝3敗   23点
4   山東魯能        8勝5敗   21点
5   八一・哈弗SUV    7勝6敗   20点
    吉林・北京中潤華油   7勝6敗   20点
7   鄂尓多斯東方路橋    5勝8敗   18点
8   遼寧鋼都本渓      4勝9敗   17点
9   金華銀行        3勝10敗  16点
10  広東二沙        0勝13敗  13点
(獲得ポイントは勝利が2点、敗戦が1点で計算)
※すでに行われている第14節の1試合は計算外
 7月22〜26日まで、来年の世界団体選手権の開催地でもあるマレーシア・クアラルンプールで開催された第21回アジアジュニア選手権。中国が全11種目を制し、相変わらずの強さを見せた。日本はジュニア女子団体決勝で加藤美優が陳幸同(ジュニア女子単優勝)を3ー1で破り、ジュニア男子シングルス準々決勝では三部航平が王楚欽(14年世界ジュニア3位)をゲームオールジュースで下すなど、中国のライバルとして存在感を見せたが、金メダル奪取には至らなかった。

 ジュニア女子シングルスで陳幸同が大会史上初の3連覇を達成する一方、男子シングルスで初優勝を飾ったのが薛飛(シュエ・フェイ)だ。1999年2月10日生まれの16歳。王皓によく似たフォームで、裏面打法でのチキータや前陣でのカウンターを得意にしているが、王皓よりもフォアハンドの割合が高く、よりオーソドックスなタイプのペンホルダードライブ型。昨年の世界ジュニアでは準決勝で村松雄斗のカットをまったく打てずに完敗したが、着実に地力をつけている。ボディバランスの良さと打球センスは抜群だ。

 薛飛の出身は内蒙古自治区の呼和浩特(フフホト)市。回民区少年体育学校で5歳から卓球を始め、すぐに頭角を現し、8歳の時から湖北省武漢市に練習拠点を移して実力を伸ばしてきた。『北方新報』の記事によれば、8歳の時に卓球日誌に「必ず世界チャンピオンになる」と書き付けたという。

 国家男子2軍チームの監督として、選手の指導に当たる劉国正(00年シドニー五輪ベスト8)は次のようにコメントしている。「中国卓球チームは常に『百花斉放』を提唱しているし、ペンホルダーは我々にとって常に育成すべきスタイルだ。ヨーロッパと同じように、すべての選手をシェークにするわけにはいかない。もしそうなれば、必ず危機を生じることになるだろう」。中国でも、より早く成績が出せるシェークドライブ型を育てようとする指導者が多い。その風潮は日本や韓国と変わらないが、ペンホルダーの伝統はまだまだ失われていない。
  • なかなか男前の薛飛。サムライ顔です(写真は14年世界ジュニア)

★★★ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 男子第12節 7.25
 ★★★※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一大商 3ー1 寧波海天塑機〉

 周愷 ー10、ー7、ー9 馬龍○
○樊振東 8、6、9 閻安
○周雨/周愷 ー10、14、7ー5 閻安/林高遠
○樊振東 7、6、ー9、9 馬龍
(大連海事大学体育館)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3ー2 上海龍騰〉
○鄭培鋒 9、ー3、6、ー3、7ー5 尚坤
 孔令軒 ー8、ー7、ー3 許シン○
○蔡偉/林晨 10、9 尚坤/趙子豪
 鄭培鋒 ー2、ー13、ー10 許シン○
○オフチャロフ 4、10 趙子豪
(青浦体育館)

〈山東魏橋創業集団 3ー0 四川長虹佑康〉
○梁靖崑 3、4、9 頼佳新
○ボル ー4、2、9、5 許鋭鋒
○崔慶磊/ボル 9、8 頼佳新/唐宇詩
(山東省濱州市オリンピック体育館)

〈覇州海潤 3ー0 天津博士能〉
○范勝鵬 9、ー4、5、9 荘智淵
○程靖チィ 5、ー6、7、10 馬特
○ジャイ超/程靖チィ 8、7 荘智淵/魏世皓
(天津財経大学体育館)

〈山東魯能 3ー0 広東深圳明金海〉
○張超 9、ー6、9、8 朱世爀
○方博 7、10、5 尹航
○張超/ハオ帥 ー7、9、7ー5 尹航/劉吉康
(河源市体育場館管理センター)

☆☆☆ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 女子第12節 7.26 ☆☆☆

〈北京首鋼 3ー1 鄂尓多斯東方路橋〉
 馮亜蘭 ー5、7、ー7、9、3ー7 朱雨玲○
○文佳 12、7、6 張薔
○丁寧/盛丹丹 10、6 朱雨玲/朱朝暉
○馮亜蘭 ー9、4、9、7 張薔
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈大土河・華東理工 3ー0 八一・哈弗SUV〉
○江越 8、10、8 木子
○劉詩ウェン 6、5、ー8、5 劉ジン
○車暁曦/江越 11、ー7、7ー4 劉ジン/劉曦
(大土河体育館)

〈武漢安心百分百 3ー1 広東二沙〉
○李暁丹 ー8、6、8、4 劉韵慈
○劉高陽 5、5、6 張遅
 劉高陽/曾木子 ー7、3、7ー9 麦楽楽/劉韵慈○
○李暁丹 8、ー9、6、13 張遅
(武漢黄陂体育館)

〈金華銀行 3ー1 遼寧鋼都本渓〉
 胡麗梅 4、ー5、ー7、4、4ー7 李佳イ○
○劉銘 ー8、8、ー4、10、7ー4 フー・メレク
○劉銘/張瑞 9、ー9、7ー4 李佳イ/蘭曦
○胡麗梅 11、4、7 フー・メレク
(本渓市体育館)

〈山東魯能 3ー0 吉林・北京中潤華油〉
○顧玉ティン 9、6、9 劉斐
○范思琦 8、10、10 袁雪ジャオ
○顧玉ティン/顧若辰 9、ー5、7ー2 袁雪ジャオ/趙雪
(長春市体育館)

 超級リーグは第12節が終了。男子では寧波を3ー1で破った八一が、10勝2敗で寧波とともに首位に立った。エース樊振東は、第3節でゲームオール7ー4で競り勝った馬龍に、今節も3ー1で勝利。シングルスの連勝記録を「21」に伸ばした。……第11節の結果をお伝えした時に「17連勝」と書いてしまいましたが、数えてみたらその時点で19連勝でした。中国での報道を鵜呑みにしてしまってスミマセン。この21連勝のうち、ゲームオールまでもつれたのは第3節の馬龍戦、第5節の劉吉康戦、第11節の許シン戦のみ。ゲームを落としても要所を押さえる、安定した試合運びを見せている。
 また、今シーズンはなかなか勝ち星が伸びないオフチャロフが、上海戦ラストで右ペンドライブ型の趙子豪を撃破。格上の上海からの貴重な勝利に貢献している。

 女子はアジアジュニア選手権と日程が重なり、エース陳幸同を欠いた遼寧は金華に痛い星を落とした。吉林もアジアジュニア組の王曼昱が出場できず、李暁霞と陳夢が欠場した山東にストレート負けを喫している。最下位をひた走る広東と対戦した武漢は、連敗を「3」で止めて北京と並び2位。もう連敗記録をカウントする気にもならない広東は、2011年の第12節で勝利してから黒星が続き、実に62連敗。今シーズンは12連敗のうち、1勝を挙げた試合が7試合もあるのだが、ラストまでは持ち込めていない。遠い遠い1勝だ。

★超級男子・第12節終了時点での順位
1   八一大商       10勝2敗   22点
    寧波海天塑機     10勝2敗   22点
3   山東魯能        8勝4敗   20点
    山東魏橋創業集団    8勝4敗   20点
5   上海龍騰        6勝6敗   18点
6   四川長虹佑康      4勝8敗   16点
      広東深圳明金海     4勝8敗   16点
8   覇州海潤        4勝8敗   16点
9   江蘇中超電纜・紫砂   3勝9敗   15点
    天津博士能       3勝9敗   15点

☆超級女子・第12節終了時点での順位
1   大土河・華東理工   10勝2敗   22点
2   北京首鋼        9勝3敗   21点
    武漢安心百分百     9勝3敗   21点
4   吉林・北京中潤華油   7勝5敗   19点
    山東魯能        7勝5敗   19点
    八一・哈弗SUV    7勝6敗   19点
7   鄂尓多斯東方路橋    4勝8敗   16点
    遼寧鋼都本渓      4勝8敗   16点
9   金華銀行        3勝9敗   15点
10  広東二沙        0勝12敗  12点
(獲得ポイントは勝利が2点、敗戦が1点で計算)
※すでに行われている第14節の1試合は計算外
 首の故障や練習量の不足により、昨年1月に国家チームから遼寧省チームに戻された07年世界女王の郭躍。その後、遼寧省チームのコーチとして活動していたが、27歳の誕生日を迎えた7月17日、微博(マイクロブログ)で新たな近況を伝えた。北京の清華大学と、香港の香港中文大学が共同で運営している金融財務MBAの取得コースに合格し、その合格通知書をアップしたのだ。

 二度の筆記試験と面接を経てMBA(Master of Business Administration =経営学修士)コースに合格した郭躍。北京にある清華大学の経済管理学院で学ぶことになる。胡錦涛と習近平という新旧の国家主席の出身校で、もともと「理系の大学」「エンジニアの大学」というイメージが強い清華大学だが、現在では数多くの学部・学科を備えた総合大学として発展を続けている。ちなみにMBAを取得するため、2年間で払う学費は30万8千元(約616万円)とかなり高額。スポーツ選手割引があるのだろうか……?

 ビジネスエリートへの登龍門とも言われるMBA。経営学を学び、人脈を築き、郭躍はビジネスの世界を歩んでいこうとしている。昨年2月に行われ、王励勤・馬琳・郭炎・范瑛らが出席した国家チームの引退記念式典に彼女の姿はなかった。正式な現役引退のアナウンスがないのは少々寂しいが、持ち前の負けん気の強さと明晰な頭脳で、第二の人生での成功を祈りたい。
  • 13年全中国運動会での郭躍のプレー

★★★ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 男子第11節 7.21 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一大商 3ー1 上海龍騰〉

 周愷 7、ー6、6、7 許シン○
○樊振東 7、8、6 趙子豪
○周雨/徐晨皓 9、ー8、7ー2 尚坤/趙子豪
○樊振東 ー7、11、ー7、10、8ー6 許シン
(大連海事大学体育館)

〈寧波海天 3ー1 山東魏橋創業集団〉
○馬龍 10、12、12 張煜東
 閻安 4、ー4、6、ー8、5ー7 梁靖崑○
○閻安/林高遠 6、3 崔慶磊/ボル
○馬龍 9、10、5 梁靖崑
(北侖区体芸センター)

〈天津博士能 3ー2 江蘇中超電纜・紫砂〉
○馬特 ー5、ー4、4、7、8ー6 鄭培鋒
○荘智淵 11、ー9、ー7、10、7ー1 オフチャロフ
 馬特/魏世皓 ー9、ー5 林晨/蔡偉○
 荘智淵 ー6、12、9、ー6、6ー8 鄭培鋒○
○魏世皓 8、5 孔令軒
(揚州体育公園体育館)

〈広東深圳明金海 3ー1 四川長虹佑康〉
○黃鎮廷 ー9、12、ー8、10、7ー1 頼佳新
○尹航 ー9、11、9、9 許鋭鋒
 黃鎮廷/劉吉康 7、ー7、6ー8 許鋭鋒/唐宇詩○
○尹航 ー8、ー6、8、9、7ー5 頼佳新
(内江梅家山体育館)

〈山東魯能 3ー0 覇州海潤〉
○ハオ帥 ー8、7、9、7 范勝鵬
○方博 5、6、4 ウェシュ
○ハオ帥/張超 9、ー10、9ー7 ジャイ超/程靖チィ
(済南奥体センター東荷体育館)

☆☆☆ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 女子第11節 7.22 ☆☆☆

〈大土河・華東理工 3ー1 鄂尓多斯東方路橋〉
○劉詩ウェン 7、10、5 朱朝暉
 江越 ー7、ー6、ー12 朱雨玲○
○車暁曦/江越 7、7 趙岩/朱朝暉
○劉詩ウェン 5、7、8 朱雨玲
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈北京首鋼 3ー1 武漢安心百分百〉
 丁寧 ー7、8、ー17、ー6 武楊○
○馮亜蘭 9、5、8 李暁丹
○丁寧/盛丹丹 13、8 李暁丹/劉高陽
○馮亜蘭 6、7、5 武楊
(北京首鋼バスケットボールセンター)

〈八一・哈弗SUV 3ー1 遼寧鋼都本渓〉
○劉曦 16、6、ー10、ー9、7ー3 李佳イ
○木子 4、6、5 蘭曦
 劉曦/劉ジン ー10、7、7ー9 蘭曦/フー・メレク○
○木子 6、8、ー3、10 李佳イ
(鷹潭市体育センター体育館)

〈吉林・北京中潤華油 3ー0 広東二沙〉
○劉斐 9、ー4、4、4 劉韵慈
○袁雪ジャオ 11、9、9 張遅
○袁雪ジャオ/趙雪 11、7 麦楽楽/劉韵慈
(潮汕体育館)

〈金華銀行 3ー1 山東魯能〉
 張瑞 ー4、ー9、9、ー10 陳夢○
○胡麗梅 ー9、6、8、キケン 李暁霞
○斯文/張瑞 キケン 李暁霞/顧玉ティン
○胡麗梅 9、10、ー6、2 陳夢
(済南奥体センター東荷体育館)

 超級男女11節の結果は上記のとおり。男子では、上海戦で2勝を挙げた樊振東がシングルス19勝0敗と全勝をキープしている。また、ドイツのボルとオフチャロフに続き、昨年のフランス選手権王者のステファン・ウェシュ(覇州海潤)が超級リーグにデビュー。しかし、世界選手権2位の方博にはさすがに歯が立たなかった。もともと台から距離を取って粘るタイプなので、超級リーグでは厳しい戦いを強いられそうだ。

 女子では、エース・劉詩ウェンが確実に勝利を重ねる大土河が、通算9勝2敗で初めて第1ステージ首位に立った。北京は、トップでエース丁寧が武楊に敗れたものの、ここまで不調の馮亜蘭が2得点の活躍で武漢に勝利。そして気がかりなのは、山東の李暁霞だ。金華戦の2番で胡麗梅のカットを打つうち、右太ももの肉離れを悪化させ、無念の途中棄権。ドクターやスタッフに支えられながら、涙でコートを後にした。4番で頼みの綱の陳夢が山東は、格下の金華に痛恨の一敗。ここからまた李暁霞の欠場が続くと、プレーオフ進出はかなり厳しくなる。

★超級男子・第11節終了時点での順位
1   寧波海天塑機     10勝1敗   21点
2   八一大商        9勝2敗   20点
3   山東魯能        7勝4敗   18点
    山東魏橋創業集団    7勝4敗   18点
5   上海龍騰        6勝5敗   17点
6   広東深圳明金海     4勝7敗   15点
    四川長虹佑康      4勝7敗   15点
8   覇州海潤        3勝8敗   14点
    天津博士能       3勝8敗   14点
10  江蘇中超電纜・紫砂   2勝9敗   13点

☆超級女子・第11節終了時点での順位
1   大土河・華東理工    9勝2敗   20点
2   北京首鋼        8勝3敗   19点
    武漢安心百分百     8勝3敗   19点
4   八一・哈弗SUV    7勝4敗   18点
    吉林・北京中潤華油   7勝4敗   18点
6   山東魯能        6勝5敗   17点
7   鄂尓多斯東方路橋    4勝7敗   15点
    遼寧鋼都本渓      4勝7敗   15点
9   金華銀行        2勝9敗   11点
10  広東二沙        0勝11敗  11点
(獲得ポイントは勝利が2点、敗戦が1点で計算)
※すでに行われている第14節の1試合は計算外
★★★ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 男子第10節 7.18 ★★★※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈山東魏橋創業集団 3ー2 上海龍騰〉

 崔慶磊 ー6、ー5、ー3 許シン○
○梁靖崑 ー10、3、12、4 尚坤
○崔慶磊/ボル 6、11 趙子豪/尚坤
 梁靖崑 ー7、ー6、3、ー12 許シン○
○ボル 11、ー9、7ー4 趙子豪
(山東省濱州市オリンピック体育館)

〈八一大商 3ー1 天津博士能〉
○樊振東 ー9、2、6、8 劉丁碩
○周雨 8、4、7 馬特
 周雨/徐晨皓 ー7、7、7ー9 劉丁碩/魏世皓○
○樊振東 9、7、4 馬特
(天津財経大学体育館)

〈寧波海天塑機 3ー0 広東深圳明金海〉
○馬龍 5、7、8 尹航
○林高遠 12、9、8 劉吉康
○林高遠/閻安 5、7 尹航/黃鎮廷
(河源市体育場館管理センター)

〈覇州海潤 3ー1 江蘇中超電纜・紫砂〉
 王楚欽 ー7、ー9、ー5 鄭培鋒○
○范勝鵬 6、ー4、6、ー4、7ー4 オフチャロフ
○ジャイ超/程靖チィ ー4、4、7ー3 孔令軒/蔡偉
○王楚欽 ー9、ー7、8、7、8ー6 オフチャロフ
(覇州市卓球館)

〈山東魯能 3ー1 四川長虹佑康〉
 ハオ帥 ー9、4、ー6、8、6ー8 許鋭鋒○
○方博 11、ー4、4、11 唐宇詩
○ハオ帥/張超 6、7 頼佳新/唐宇詩
○方博 7、ー7、7、ー6、7ー1 許鋭鋒
(凉山民族体育館)

☆☆☆ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 女子第10節 7.19 ☆☆☆

〈山西大土河・華東理工 3ー2 武漢安心百分百〉

○劉詩ウェン 9、5、10 李暁丹
 江越 ー8、ー4、12、ー5 武楊○
 車暁曦/江越 ー4、8、0ー7 李暁丹/劉高陽○
○劉詩ウェン 4、10、10 武楊
○車暁曦 ー10、11、7ー3 劉高陽
(大土河体育館)

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー1 遼寧鋼都本渓〉
○朱雨玲 5、6、3 蘭曦
○張薔 ー12、5、6、4 陳幸同
 朱朝暉/趙岩 ー13、ー11 李佳イ/蘭曦○
○朱雨玲 14、ー7、ー6、4、9ー7 陳幸同
(本渓市体育館)

〈吉林・北京中潤華油 3ー1 北京首鋼〉
○王曼昱 4、ー7、6、9 馮亜蘭
 劉斐 ー5、ー3、ー7 丁寧○
○袁雪ジャオ/陳可 8、ー10、7ー4 馮亜蘭/文佳
○王曼昱 9、5、ー8、5 丁寧
(吉林大学体育館)

〈八一・哈弗SUV 3ー1 金華銀行〉
 劉ジン ー7、5、ー10、7、5ー7 崔雪聡○
○木子 6、3、9 劉銘
○劉ジン/劉曦 10、3 張瑞/劉銘
○木子 ー8、2、5、3 崔雪聡
(金華市体育館)

〈山東魯能 3ー1 広東二沙〉
○陳夢 7、3、3 童海苗
 顧若辰 ー11、5、3、ー5、2ー7 張遅○
○李暁霞/顧玉ティン 6、7 童海苗/劉韵慈
○陳夢 10、10、7 張遅
(潮汕体育館)

 超級リーグも第1ステージの全18節のうち10節まで消化。男子は山東魏橋の予想以上の健闘、また例年下位に沈んでいる四川の頑張りもあり、リーグ全体が締まった展開になっている印象。第10節では山東魏橋のボルが上海戦で2勝を挙げ、チームの勝利に貢献した。ボルと趙子豪は昨季の第13節でも対戦し、趙子豪がゲームオールジュースで勝利していたが、ボルが見事にリベンジを果たした。一方、江蘇のオフチャロフは覇州戦で2失点を喫し、個人成績は2勝5敗と苦しい戦い

 女子は開幕から8連勝していた武漢が、ここに来て2連敗。混戦模様になりつつある。2位につけていた北京も、エース丁寧が王曼昱に金星を献上し、吉林に苦杯。中陣から一発のバックドライブでラリーを決められる王曼昱、やはり攻撃型との力比べには抜群に強い。
 山東の李暁霞は顧玉ティンとのダブルスで、第2節(5月27日)以来の超級リーグ出場。実力差のある相手にストレート勝ちを収めたものの、手首・ひざ・くるぶしと数々の古傷に加え、右太ももの肉離れが長引き、なかなか復帰できなかった。『遼寧晩報』の取材に対し、「引退前に遼寧に戻って、代表として試合に出たいという思いがすごくある」と語っている李暁霞。リオ五輪への道にも暗雲が立ちこめている。

★超級男子・第10節終了時点での順位
1   寧波海天塑機     9勝1敗  19点
2   八一大商       8勝2敗  18点
3   山東魏橋創業集団   7勝3敗  17点
4   上海龍騰       6勝4敗  16点
    山東魯能       6勝4敗  16点
6   四川長虹佑康     4勝6敗  14点
7   覇州海潤       3勝7敗  13点
    広東深圳明金海    3勝7敗  13点
9   江蘇中超電纜・紫砂  2勝8敗  12点
    天津博士能      2勝8敗  12点

☆超級女子・第10節終了時点での順位
1   武漢安心百分百    8勝2敗  18点
    大土河・華東理工   8勝2敗  18点
3   北京首鋼       7勝3敗  17点
4   八一・哈弗SUV   6勝4敗  16点
    吉林・北京中潤華油  6勝4敗  16点
    山東魯能       6勝4敗  16点
7   鄂尓多斯東方路橋   4勝6敗  14点
    遼寧鋼都本渓     4勝6敗  14点
9   金華銀行       1勝9敗  11点
10  広東二沙       0勝10敗 10点
(獲得ポイントは勝利が2点、敗戦が1点で計算)
※すでに行われている第14節の1試合は計算外
★★★ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 男子第9節 7.11 ★★★※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈天津博士能 3ー2 山東魏橋創業集団〉
○劉丁碩 6、10、5 梁靖崑
 馬特 ー11、9、ー4、6、6ー8 ボル○
○劉丁碩/魏世皓 8、9 于子洋/周啓豪
 馬特 ー5、ー2、ー6 梁靖崑○
○荘智淵 8、10 崔慶磊
(山東省濱州市オリンピック体育館)

〈上海龍騰 3ー1 広東深圳明金海〉
○許シン 4、8、9 尹航
○尚坤 9、8、9 劉吉康
 尚坤/趙子豪 ー10、ー10 尹航/黃鎮廷○
○許シン 5、ー11、6、10 劉吉康
(青浦体育館)

〈八一大商 3ー1 覇州海潤〉
○樊振東 6、7、ー9、4 范勝鵬
 周愷 10、5、ー6、ー9、5ー7 王楚欽○
○周雨/樊振東 6、ー9、7ー2 ジャイ超/程靖チィ
○周愷 ー7、4、8、6 范勝鵬
(大連海事大学体育館)

〈寧波海天塑機 3ー0 四川長虹佑康〉
○馬龍 7、5、11 許鋭鋒
○閻安 4、8、10 朱霖峰
○閻安/林高遠 7、5 許鋭鋒/唐宇詩
(北侖区体芸センター)

〈山東魯能 3ー0 江蘇中超電纜・紫砂〉
○ハオ帥 4、ー9、ー10、6、7ー3 鄭培鋒
○方博 9、7、4 オフチャロフ
○ハオ帥/張超 ー7、10、7ー5 孔令軒/蔡偉
(済南奥体センター東荷体育館)

☆☆☆ 権健・2015年中国卓球クラブ超級リーグ 女子第9節 7.12 ☆☆☆

〈遼寧鋼都本渓 3ー2 武漢安心百分百〉
 高宇杰 ー3、ー3、ー6 武楊○
○陳幸同 4、10、13 劉高陽
 李佳イ/蘭曦 9、ー10、3ー7 李暁丹/劉高陽○
○陳幸同 ー4、8、ー4、7、7ー3 武楊
○李佳イ 6、ー4、7ー4 李暁丹
(武漢黄陂体育館)

〈山西大土河・華東理工 3ー0 吉林・北京中潤華油〉
○江越 6、6、9 王曼昱
○車暁曦 ー14、4、ー10、11、7ー5 陳可
○劉詩ウェン/江越 9、12 袁雪ジャオ/陳可
(大土河体育館)
※この試合のみ中断前の6月19日に開催

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー1 金華銀行〉
○朱雨玲 8、5、ー9、7 張瑞
 張薔 ー2、ー11、ー2 胡麗梅○
○張薔/朱朝暉 10、ー8、8ー6 張瑞/劉銘
○朱雨玲 7、9、4 胡麗梅
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈北京首鋼 3ー0 広東二沙〉
○文佳 10、4、6 李予冬
○李佳原 ー7、6、7、8 張遅
○丁寧/盛丹丹 11、11 楊采穎/童海苗
(北京首鋼バスケットボールセンター)

〈八一・哈弗SUV 3ー2 山東魯能〉
○木子 9、9、ー8、ー4、7ー4 顧玉ティン
 黄凡真 ー5、ー5、ー1 陳夢○
 黄凡真/劉シン 11、ー5、6ー8 顧玉ティン/范思琦○
○木子 ー10、7、ー7、4、8ー6 陳夢
○劉曦 9、8 范思琦
(済南奥体センター東荷体育館)

☆女子第14節(7月8日)
〈鄂尓多斯東方路橋 3ー2 吉林・北京中潤華油〉

○朱雨玲 5、6、5 袁雪ジャオ
 張薔 ー7、ー5、ー10 王曼昱○
 朱朝暉/張薔 3、ー6、5ー7 袁雪ジャオ/陳可○
○朱雨玲 8、7、7 王曼昱
○朱朝暉 ー10、8、7ー4 陳可
(エジンホロ旗全民活動センター)
※日程調整のため前倒しで開催

 ジャパンオープンと韓国オープンにトップ選手が出場するため、6月13・14日の第8節を最後に中断していた超級リーグが再開。結局、韓国オープンは出場をキャンセルしたが、その期間も選手たちは国家チームのトレーニングセンターや各クラブの練習拠点で練習に励んだ。

 男子第9節では、山東魏橋と契約しているボルがチームに合流。ホームの濱州市での重要な一戦で、カットの馬特にゲームオール8ー6で競り勝った。しかし、チームはトップ梁靖崑の失点が響き、天津に2ー3で敗れている。すでにお伝えしたとおり、張継科が試合をボイコットしている山東魯能は、ハオ帥の単複2勝の活躍で快勝。下位チームに取りこぼすことなく、エースの帰還を待つしかない。寧波は四川をオールストレートで退け、8勝1敗で第1ステージ単独首位となっている。

 一方、女子では武漢の開幕からの連勝が「8」でストップ。遼寧のエース陳幸同がシングルス2勝を挙げた。昨年の世界ジュニアベスト8の陳幸同は小柄ながら馬力があり、中陣から両ハンドドライブを連発する男性的なスタイルだ。北京は丁寧をダブルスに下げる余裕のオーダーで広東に完勝。山東魯能はエース李暁霞がまだ復帰できず、八一に競り負けている。ちなみに、ひと言も触れていませんでしたが、「八一・哈弗SUV」の「哈弗(ホーバー)SUV」は、中国の自動車メーカー・長城汽車が販売している乗用車のことです。

★超級男子・第8節終了時点での順位
1   寧波海天塑機     8勝1敗  17点
2   八一大商       7勝2敗  16点
3   上海龍騰       6勝3敗  15点
    山東魏橋創業集団   6勝3敗  15点
5   山東魯能       5勝4敗  14点
6   四川長虹佑康     4勝5敗  13点
7   広東深圳明金海    3勝6敗  12点
8   天津博士能      2勝7敗  11点
    覇州海潤       2勝7敗  11点
8   江蘇中超電纜・紫砂  2勝7敗  11点

☆超級女子・第8節終了時点での順位
1   武漢安心百分百    8勝1敗  17点
2   北京首鋼       7勝2敗  16点
    大土河・華東理工   7勝2敗  16点
4   吉林・北京中潤華油  5勝5敗  15点
5   鄂尓多斯東方路橋   4勝6敗  14点
    八一・哈弗SUV   5勝4敗  14点
    山東魯能       5勝4敗  14点
8   遼寧鋼都本渓     4勝5敗  13点
9   金華銀行       1勝8敗  10点
10  広東二沙       0勝9敗   9点
(獲得ポイントは勝利が2点、敗戦が1点で計算)
※吉林と鄂尓多斯は消化試合が1試合多い
 今回の張継科の契約問題に関して、国家卓球・バドミントン管理センターの劉暁農主任は山東魯能と張継科との契約内容を明らかにしている。超級リーグでプレーする選手たちの給料は、基本的に3つの要素で構成されている。「基本工資(基礎年俸)」、「成績奨金(インセンティブ)」、そして「賽季奨金(1シーズンの賞金)」だ。このうち、張継科のような「特級運動員」の基礎年俸は、超級リーグの規定により最低額50万元(約1000万円)とされており、張継科の場合はそれより少し高い57.88万元(約1158万円)。また、インセンティブ(出来高払い)も同様に超級リーグの規定どおり、1試合に出場するごとに1万元(約20万円)の出場給、1試合に勝利するたびに3.5万元(約70万円)の勝利給が支払われる。

 昨シーズンも同じ金額設定だったと仮定すると、単複で31試合に出場し、24勝を挙げた張継科の基礎年俸+インセンティブ(出場給+勝利給)は172.88万元。日本円で約3460万円。これに国際大会で獲得した賞金(選手の取り分は一部分)、山東省チームから支払われる給料、スポンサー収入などを合わせると、やはり張継科の年収は相当な額だ。

 ……少し話がそれてしまったが、今回、山東魯能と張継科の間で契約問題が発生したのは、3番目の賽季奨金、つまりシーズンの賞金に関する査定と分配だったという。今シーズンの契約書の「賽季奨金」の項目でも、「査定と分配については、クラブとの規定に則って行われる」と書いてあるだけで、具体的な数字が示されていない。昨シーズンはエースに相応しい働きを見せ、チームを優勝に導いた張継科。クラブの獲得賞金の中から、かなりの額を手にしたはずだが、こればかりは推測の域を出ない。
 
 張継科の腰の状態は、すでに試合に復帰しても問題ない状態とのこと。「この2週間は北京に戻って、トレーニングセンターで練習しながら治療していた。かなり調子は上がってきているし、クラブに戻ってからも午前・午後と練習して、非常に良いコンディションになっている。すごく試合がしたいけど、クラブとの契約がうまくいかなかったら、試合に出るのは非常に難しい」(張継科/出典『新京報』)。
 クラブのスポンサー名も所在地もコロコロ変わる超級リーグで、育成能力にすぐれた名門クラブとして、男女とも別格の存在感を示してきた山東魯能。看板選手である張継科との間で、なぜ契約問題がここまでこじれてしまったのか。その裏には様々な事情がありそうだが、シーズンは刻一刻と進んでいく。国家卓球・バドミントン管理センターは、山東魯能と張継科に対し、「賽季奨金」の契約問題を速やかに解決するよう勧告している。今少し、事態の進展を見守るべきかもしれない。
  • 張継科の復帰を望むファンは多いはずだ(写真は15年世界卓球)

 7月12日、CCTV(中国中央電視台)のスポーツニュースが、1本のニュースを伝えた。張継科と中国超級リーグの所属クラブである山東魯能との間で、契約問題が紛糾。すでに超級リーグも第9節を迎えているというのに、未だに契約に至っていないというのだ。
 超級リーグに最後に出場した第5節で梁靖崑と崔慶磊に連敗し、その試合を最後に欠場が続いていた張継科。今年5月の世界卓球蘇州大会の後、重い腰痛を患い、腰部にある仙骨の亀裂骨折と診断されていたため、当然故障による欠場だと思われていた。しかし、実際は張継科の欠場は「ボイコット」であり、7月11日に行われた第9節でもベンチにすら入っていなかった。これは超級リーグでも前代未聞の事態だ。

 張継科は『新浪体育』の取材に対し、こうコメントしている。「第1節が終わった後、ぼくは契約書へのサインを済ませていたけど、クラブの首脳陣はサインをしてくれなかった。腰がどのような状態であれ、契約は結ばれるべき。プレーの内容が良ければ契約して、悪かったら契約を結ばないなんて、そんなことは言えないはずだよ。山東魯能で10年以上プレーしてきて、ぼくもクラブを信頼していたし、ずっと(契約するのを)待っていたんだ。でも今になってもまだ何の連絡もない。試合をボイコットするのは、ぼくが持っているひとつの権利だ」(張継科)。
 一方、山東魯能側の言い分はこうだ。「張継科は故障のために、試合でのパフォーマンスが落ちているし、出場機会も減少している。張継科に対する我々の要求は、他の選手より高いものであり、大事なのは良いプレーができるかどうかということ。彼のプレーさえ良くなり、一定の条件を満たすことができれば、もちろん契約を結ぶ。そのことには何の問題もない。」(孫奎明代表/出典『新浪体育』)。

 国家体育総局の卓球・バドミントン管理センターの主任である劉暁農氏は、昨日12日に山東魯能と張継科、双方から聞き取り調査を実施。張継科のような国家チームのトップ選手(特級運動員)の場合、故障で試合に出られない場合でも、超級リーグのすべての試合でベンチに入らなければならない規定がある(重度の故障を除く)。張継科のボイコットを報告せず、また試合へ出場させる努力を怠った山東魯能クラブと、規定に違反した張継科に対し、それぞれ5万元(約100万円)の罰金が課せられることになった。

 しかし、劉暁農氏が発表した契約内容によれば、張継科が第1〜5節まで「タダ働き」をさせられたのかというと、どうも実態は違うようだ。そもそも契約が成立していない状態では、張継科を出場選手として登録することはできない。実際にはクラブ側と張継科の間では、2012年に4年契約が締結。毎年、シーズンが始まる前に、ベースアップやボーナスの部分の協議は行われるものの、今シーズンも基本的な年俸と出場給・勝利給に関しては明確な数字が出ており、契約は成立していた。それでは、どの部分で契約問題が発生したのか。……少々長くなってしまったので、後編に続きます。
  • 超級リーグの舞台から姿を消した張継科(写真は14年男子ワールドカップ)