スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 許シンをはじめ、10名の選手が第2ステージに進出した2013年世界選手権個人戦の中国代表選考会「直通巴黎(直通パリ)」。今回の「直通パリ」では、1月15〜19日に行われる第2ステージに先立ち、衝撃の新システムが採用された。なんとネットでの人気投票による選手選考だ。

 これは1月8日0時から14日0時の間で、4つのスポーツ系ポータルサイトに設けられた投票ページから、ファンが自分の好きな選手(候補は20名)に投票。上位3名が第2ステージ免除で「直通巴黎」の最終ステージに進出できるというもの。この3名に第2ステージの上位4名、協会推薦の2名を加えた9名で最終ステージを行い、7つのシングルス代表枠のうち5つを争うことになる。代表枠の残るふたつは協会推薦で決定する。

 現在の獲得投票数は各サイトから見ることができるのだが、上位の顔ぶれはほぼ一定しているものの、その中での順位がめまぐるしく変わっている。最初は張継科がスタートダッシュをかけたが、次に馬琳が首位になり、1月11日午後3時(中国時間では午後2時)現在では、1位に王皓、2位に許シン、3位に馬琳という順位になっている。ペンドライブ型がトップ3を独占している形だ。

 中国代表の選考会なので、中国の卓球ファンが投票するのが筋かもしれないが、中国リポート担当も一票投じてみた。お気に入りの徐晨皓クンに一票。彼は現在、崔慶磊くんとビリ争いを演じております…。

↓ポータルサイト「新浪」の選手投票画面のURLはこちら。「提交」で投票、「査看」で獲得票数の一覧が見られる。ちなみに投票はひとり1日1回までのようです。
http://sports.sina.com.cn/o/2013-01-07/16126367524.shtml

下写真:左から王皓、許シン、馬琳。ペンドラ三人衆に人気が集まっている。
 1月10日、誠に遅ればせながらの「新年好!(明けましておめでとうございます)」。中国リポート、お伝えする情報が山積みです。昨年行われた超級リーグの結果をしれっとアップしてしまいましたが、続いて年明けに行われた世界選手権代表選考会「直通巴黎(パリ)」の話題から。

 昨年12月30日〜1月3日まで、中国では国家男子1軍チームの若手と2軍(ジュニア)チームの主力選手18名による「直通巴黎」第1ステージを開催。「直通〜」は2006年の世界団体選手権から行われている、世界選手権の代表選考会のこと。男子チームの場合、中国に与えられる7つのシングルスの代表枠のうち、5つまでがこの「直通巴黎」によって決定する。

 第1ステージの1位通過は15勝2敗の許シン。1軍チームの主力チームである彼は、本来なら第1ステージは免除なのだが、劉国梁監督に自ら志願して第1ステージから出場したという。「重点強化選手とはいっても、自分はまだ若手。体力的には問題ないから監督にお願いして(第1ステージに)出ることにした。みんな本気で勝ちに来る試合、自分にとっても得難いチャンスだと思う。その中で自分の力を証明したいんだ」(許シン/出典『新京報』)。
 彼の出身校である曹燕華卓球学校の曹燕華さんから、「許シンは練習は嫌いだったけど、試合は大好きだった。勝負事が大好きだった」と聞いたことがある。彼は本気でぶつかってくる若い世代の選手たちと、ガツガツ試合がやりたいのではないだろうか。

 そして第1ステージでは、閻安(3位)や昨年の全中国チャンピオン周雨(4位)を抑え、世界ジュニア優勝の樊振東が14勝3敗で2位。世界ジュニアで彼のプレーをつぶさに観てきたが、その才能は群を抜いている。世界ジュニアに監督として来ていた劉国正に近いパワープレーの持ち主なので、故障が少々怖い。早いうちから結果を残すためにも、パリ大会で一気に代表の座を射止めたい。
 5位以下は徐晨皓・崔慶磊・劉吉康・呉家驥・馬特・呉ハオという顔ぶれ。昨年の全中国2位の方博が全くの不振で11位に沈んだ。呉ハオまでの上位10名に1軍チームの主力選手を加えた20名で、1月15〜19日に男子第2ステージが行われる。今回の「直通パリ」にはネットでの人気投票という新システムがあるのだが、それはまた後ほど……。

左写真:世界ランキング1位、ノリにノッテいる許シン
中写真:樊振東は早くも頭角を現してきた
右写真:第1ステージで許シンを破った徐晨皓。お茶目な表情が多い選手
☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第13節 12.19 ☆☆☆
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈山東魯能 3−0 八一冀中能源〉
○陳夢 7、−7、10、8 郭躍
○李暁霞 4、5、9 木子
○陳夢/顧玉ティン 8、−10、8−6 木子/曹臻
(済南市皇亭体育館)

〈大同雲崗・金地砿業 3−1 大連新衡業・上方〉
○李暁丹 7、−2、9、−6、7−2 文佳
○武楊 −6、7、9、8 常晨晨
 李暁丹/李茜 −8、−6 常晨晨/李佳イ○
○武楊 −7、11、5、5 文佳
(大同大学体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−2 内蒙古銀行〉
○馮亜蘭 −7、2、4、−4、7−4 朱雨玲
○劉詩ウェン −8、8、3、7 ユー・モンユ
 范瑛/鄭詩暢 4、−10、5−7 趙岩/朱朝暉○
 劉詩ウェン −9、−10、7、7、3−7 朱雨玲○
○范瑛 −8、6、7−2 趙岩
(山西呂梁市大土河体育館)

〈北京控股集団 3−0 広東二沙〉
○郭炎 5、7、8 楊采穎
○丁寧 9、4、7 王シュアン
○郭炎/李天一 7、−8、7−0 王皓/徐潔
(北京広安体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第14節 12.23 ☆☆☆

〈山東魯能 3−0 大連新衡業・上方〉
○陳夢 8、−5、9、4 文佳
○李暁霞 7、−7、10、9 常晨晨
○陳夢/顧玉ティン −10、3、7−3 常晨晨/李佳イ
(江蘇塩城市建湖県体育館)

〈内蒙古銀行 3−1 八一冀中能源〉
○朱雨玲 −4、4、9、8 木子
○ユー・モンユ 6、8、7 郭躍
 趙岩/朱朝暉 −8、−2 木子/曹臻○
○朱雨玲 10、−9、4、−10、7−3 郭躍
(内蒙古師範大学体育館)

〈大同雲崗・金地砿業 3−2 広東二沙〉
○李暁丹 2、−7、7、8 楊揚
 武楊 −6、6、−7、−5 王シュアン○
 李暁丹/李茜 4、−9、3−7 徐潔/周芳芳○
○武楊 5、6、3 楊揚
○馮天薇 8、15 徐潔
(珠海体育センター体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−2 北京控股集団〉
○劉詩ウェン 4、7、10 盛丹丹
 馮亜蘭 −9、−8、6、−3 郭炎○
○饒静文/車暁曦 −6、3、7−4 李天一/盛丹丹
 劉詩ウェン −8、−9、7、8、4−7 郭炎○
○范瑛 1、5 李天一
(北京広安体育館)

●女子第1ステージ最終順位
1 山西大土河・華東理工(10勝4敗/24分)
2 山東魯能(9勝5敗/23分)
3 八一冀中能源(9勝5敗/23分)
4 北京控股集団(9勝5敗/23分)
↑↑↑ 上位4チームはプレーオフ進出 ↑↑↑

5 内蒙古銀行(7勝7敗/21分)
6 大同雲崗・金地砿業(6勝8敗/20分)
7 大連新衡業・上方(6勝8敗/20分)
8 広東二沙(0勝14敗/14分)
※勝ち点(分)=勝:2分/敗:1分

 2012中国卓球クラブ超級リーグ、女子は新戦力の劉詩ウェンが20勝4敗と活躍した山西、第9節から怒涛の6連勝を見せた山東、郭躍の加入で層が厚くなった八一、丁寧と郭炎の両輪で勝ち星を重ねた北京がプレーオフに進んだ。
 若手の陳夢や顧玉ティンが育っている山東以外は、いずれも今シーズンに新戦力を獲得したクラブが勝ち上がった(郭炎は復帰)。5位の内蒙古銀行は世界ジュニア優勝の朱雨玲が17勝7敗と素晴らしい成績を残した。そして広東二沙は、男子の四川長虹と同じく第1ステージ14戦全敗。劉詩ウェンがひとりで支えていたチームだということを、証明する形になってしまった。

写真左:新天地でも期待にたがわぬ活躍を見せた劉詩ウェン
写真中:第13節で劉詩ウェン、最終節で郭躍を破った朱雨玲
写真右:劉詩ウェンをしのぐ21勝を叩き出した陳夢
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第13節 12.19 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う


〈八一熔盛重工 3−1 渤海銀行・天津〉
○王皓 5、7、−10、7 雷振華
 周雨 −8、9、−6、−5 ハオ帥○
○周雨/尹航 7、6 雷振華/パーソン
○王皓 −6、9、8、6 ハオ帥
(天津紅星職業体育館)

〈山東魯能 3−1 覇州海潤〉
○張継科 10、8、10 程靖チィ
 方博 4、−7、6、−11、6−8 崔慶磊○
○方博/張超 −6、8、7−2 程靖チィ/ジャイ超
○張継科 11、−6、7、8 崔慶磊
(山東大学体育館)

〈寧波海天塑機 3−0 四川長虹〉
○馬龍 9、11、−9、7 許鋭鋒
○閻安 8、9、11 邱貽可
○閻安/ジャイ一鳴 10、−8、7−0 朱霖峰/頼佳新
(浙江省衡州体育館)

〈上海金邁弛 3−1 江蘇中超電纜〉
 許シン 11、−8、−3、−6 馬琳○
○王励勤 8、6、9 林晨
○王励勤/尚坤 9、8 馬琳/陳杞
○許シン 5、2、11 林晨
(上海市青浦体育館)

★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第14節 12.23 ★★★

〈渤海銀行・天津 3−2 覇州海潤〉
 ハオ帥 −6、6、−7、−9 崔慶磊○
○胡彬 −11、10、8、7 程靖チィ
 胡彬/パーソン −8、−9 崔慶磊/ジャイ超○
○ハオ帥 7、7、−7、−5、7−1 程靖チィ
○パーソン 9、−11、7−3 ジャイ超
(天津紅星職業体育館)

〈八一熔盛重工 3−2 四川長虹〉
 周雨 −8、9、−7、−13 許鋭鋒○
 尹航 8、−5、11、−6、8−10 邱貽可○
○尹航/李木橋 9、−8、7−5 許鋭鋒/朱霖峰
○周雨 5、−10、−8、3、7−4 邱貽可
○李木橋 8、11 朱霖峰
(成都市成飛体育館)

〈山東魯能 3−1 江蘇中超電纜〉
○張継科 15、−6、4、5 徐輝
 方博 −6、11、−6、−6 馬琳○
○張超/呉ハオ 11、1 陳杞/徐輝
○張継科 10、5、0 馬琳
(江蘇常州武進職教センター校体育館)

〈寧波海天塑機 3−0 上海金邁弛〉
○馬龍 7、−11、−6、4、7−4 王励勤
○閻安 12、9、−10、−6、7−4 許シン
○閻安/ジャイ一鳴 11、−6、7−5 王励勤/張洋
(上海市青浦体育館)

●男子第1ステージ最終順位
1 寧波海天塑機(13勝1敗/27分)
2 山東魯能(10勝4敗/24分)
3 上海金邁弛(10勝4敗/24分)
4 渤海銀行・天津(7勝7敗/21分)
↑↑↑ 上位4チームはプレーオフ進出 ↑↑↑

5 江蘇中超電纜(7勝7敗/21分)
6 八一熔盛重工(6勝8敗/20分)
7 覇州海潤(3勝11敗/17分)
8 四川長虹(0勝14敗/14分)
※勝ち点(分)=勝:2分/敗:1分

 2012中国卓球クラブ超級リーグ、男子第1ステージは寧波・山東・上海・渤海の4チームがプレーオフに進出。渤海は最終第14節の覇州海潤戦ラストでパーソンが値千金の勝利を挙げ、プレーオフの最後の椅子を勝ち取った。今シーズン、馬琳が移籍した江蘇は、直接対決で0勝2敗の渤海にプレーオフの座を譲った。
 そして四川長虹は、ついに0勝14敗とひとつも勝ち星を挙げられず。最終節でもエース王皓が欠場した八一戦で、2−0のリードを逆転されるショッキングな結末だった。

写真左:馬龍は開幕戦で張継科に敗れてから、怒涛の21連勝
写真中:超級の帝王・馬琳の神通力もさすがに弱まってきたか
写真右:天津に大きな大きな1勝をもたらしたパーソン
☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第11節 11.28 ☆☆☆

〈山東魯能 3−2 山西大土河・華東理工〉
○李暁霞 −3、7、10、8 饒静文
 陳夢 −7、−3、−11 劉詩ウェン○
○陳夢/顧玉ティン 7、−7、7−5 范瑛/鄭詩暢
 李暁霞 −9、−3、−9 劉詩ウェン○
○顧玉ティン 6、−6、7−2 范瑛
(中国石油大学体育館)

〈大同雲崗・金地砿業 3−2 北京控股集団〉
○李暁丹 12、9、7 郭炎
 武楊 6、9、−7、−10、0−7 丁寧○
○馮天薇/李茜 9、−9、7−4 李天一/盛丹丹
 李暁丹 −4、−6、−6 丁寧○
○馮天薇 −10、9、7−4 盛丹丹
(大同市灵丘県体育館)

〈八一冀中能源 3−0 広東二沙〉

○木子 3、4、9 楊采穎
○郭躍 3、8、8 周芳芳
○木子/曹臻 8、−4、7−2 周芳芳/徐潔
(珠海斗門体育館)

〈大連新衡業・上方 3−0 内蒙古銀行〉
○文佳 10、7、−9、−6、7−4 趙岩
○常晨晨 11、9、5 朱雨玲
○常晨晨/李佳イ 7、3 朱朝暉/張薔
(鞍山市鞍鋼体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第12節 12.2 ☆☆☆

〈山東魯能 3−2 大同雲崗・金地砿業〉
○李暁霞 3、6、9 李暁丹
 陳夢 7、−8、−5、−7 武楊○
 陳夢/顧玉ティン −8、4、0−7 李暁丹/李茜○
○李暁霞 9、10、9 武楊
○顧玉ティン −6、8、7−3 馮天薇(済南市皇亭体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−1 八一冀中能源〉
○劉詩ウェン 11、7、−11、3 郭躍
○范瑛 −4、8、−8、8、7−4 木子
 饒静文/車暁曦 9、−9、6−8 郭躍/曹臻○
○劉詩ウェン 7、6、4 木子
(江蘇省泗陽中学体育館)

〈北京控股集団 3−1 大連新衡業・上方〉
○郭炎 7、6、7 文佳
○丁寧 −10、−5、8、9、7−4 常晨晨
 李天一/郭炎 −9、−9 常晨晨/李佳イ○
○丁寧 8、5、5 文佳
(鞍山市鞍鋼体育館)

〈内蒙古銀行 3−1 広東二沙〉
 趙岩 7、−8、−8、12、5−7 楊揚○
○朱雨玲 4、4、2 楊采穎
○趙岩/朱朝暉 9、6 周芳芳/周沫
○朱雨玲 4、9、5 楊揚(珠海斗門体育館)

☆女子第1ステージ順位/第12節終了時点
1. 八一冀中能源(8勝4敗/20分)
2. 山西大土河・華東理工(8勝3敗/19分)
  山東魯能(7勝5敗/19分)
4. 北京控股集団(7勝4敗/18分)
  大連新衡業・上方(6勝6敗/18分)
  内蒙古銀行(6勝6敗/18分)
7. 大同雲崗・金地砿業(4勝8敗/16分)
8. 広東二沙(0勝12敗/12分)
※勝ち点(分)=勝:2分/敗:1分 ※山西と北京はともに1試合未消化

写真左・中:ラストで2連勝の顧玉ティン(内蒙古銀行/左)と、第11節の広東戦で2勝を挙げた朱雨玲(中)
第12節終了後の世界ジュニアでは決勝を戦い、朱が勝利
写真右:チームを移籍しても、超級リーグでの強さは健在の劉詩ウェン
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第11節 11.28 ★★★

〈寧波海天塑機 3−0 渤海銀行・天津〉
○馬龍 8、7、4 雷振華
○朱世赫 13、14、8 ハオ帥
○閻安/ジャイ一鳴 9、−12、7−4 雷振華/パーソン
(天津紅星職業体育館)

〈山東魯能 3−1 上海金邁弛〉
○張継科 −5、10、7、6 王励勤
○方博 10、2、−3、4 許シン
 呉ハオ/張超 −16、−5 王励勤/尚坤○
○張継科 4、10、2 許シン
(済南市皇亭体育館)

〈江蘇中超電纜 3−1 八一熔盛重工〉
 陳杞 −3、−6、7、−7 王皓○
○馬琳 5、−12、9、7 周雨
○馬琳/林晨 7、−10、8−6 王皓/尹航
○陳杞 8、6、8 周雨
(江蘇省江寧体育中心体育館)

〈覇州海潤 3−2 四川長虹〉
○崔慶磊 9、−5、5、8 邱貽可
 程靖チィ −6、9、8、−7、6−8 許鋭鋒○
○程靖チィ/ジャイ超 7、9 邱貽可/朱霖峰
 崔慶磊 −10、3、−11、7、2−7 許鋭鋒○
○ジャイ超 5、7 朱霖峰
(河北省覇州市卓球館)

★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第12節 12.2 ★★★

〈山東魯能 3−1 渤海銀行・天津〉
 方博 −9、−10、4、−5 ハオ帥○
○張継科 7、3、9 雷振華
○方博/張超 10、7 雷振華/胡彬
○張継科 6、−8、−7、8、7−2 ハオ帥
(天津紅星職業体育館)

〈寧波海天塑機 3−1 八一熔盛重工〉
○馬龍 5、−8、9、9 周雨
○閻安 −8、6、−7、8、7−4 王皓
 閻安/ジャイ一鳴 4、−7、6−8 周雨/胡彬○
○馬龍 8、7、−6、9 王皓
(杭州市臨浦体育館)

〈上海金邁弛 3−0 覇州海潤〉
○許シン 4、5、6 程靖チィ
○王励勤 4、11、6 崔慶磊
○王励勤/尚坤 3、8 程靖チィ/ジャイ超
(河北省覇州市卓球館)

〈江蘇中超電纜 3−2 四川長虹〉
 陳杞 9、−9、3、−10、3−7 許鋭鋒○
○馬琳 7、−8、5、6 邱貽可
 馬琳/林晨 −11、8、5−7 許鋭鋒/朱霖峰○
○陳杞 4、−7、6、5 邱貽可
○林晨 6、−9、7−2 朱霖峰
(江蘇塩城大豊市体育館)

男子第1ステージ順位/第12節終了時点
1. 寧波海天塑機(11勝1敗/23分)
2. 上海金邁弛(9勝3敗/21分)
3. 山東魯能(8勝4敗/20分)
4. 渤海銀行・天津(6勝6敗/18分)
  江蘇中超電纜(6勝6敗/18分)
6. 覇州海潤(3勝9敗/15分)
7. 八一熔盛重工(3勝8敗/14分)
8. 四川長虹(0勝11敗/11分)
※勝ち点(分)=勝:2分/敗:1分 ※八一と四川はともに1試合未消化

写真左:開幕戦で張継科に喫した一敗のみで、連勝街道を突き進む馬龍
写真中:第11節の上海戦で許シンを破った方博
写真右:開幕戦から連敗が続く四川長虹で、孤軍奮闘する許鋭鋒
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第10節 11.21他 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う


〈上海金邁弛 3−0 渤海銀行・天津〉
○許シン 1、7、9 ハオ帥
○王励勤 4、−9、−5、4、7−1 雷振華
○許シン/張洋 9、−11、7−5 雷振華/胡彬
(上海市青浦体育館)

〈寧波海天塑機 3−1 江蘇中超電纜〉
 閻安 −5、−11、−8 陳杞○
○馬龍 2、−7、8、8 馬琳
○閻安/ジャイ一鳴 9、9 馬琳/林晨
○馬龍 5、5、9 陳杞
(浙江省湖州市体育館)

〈山東魯能 3−1 四川長虹〉
○張継科 8、−11、10、7 許鋭鋒
 方博 3、8、−9、−9、4−7 邱貽可○
○呉ハオ/張超 8、6 朱霖峰/頼佳新
○張継科 −6、4、3、−5、8−6 邱貽可
(済南市皇亭体育館)

〈覇州海潤 3−2 八一熔盛重工〉
○崔慶磊 9、7、11 周雨
 程靖チィ −8、−7、−9 王皓○
○程靖チィ/ジャイ超 7、9 周雨/尹航
 崔慶磊 −5、−8、10、−6 王皓○
○ジャイ超 2、9 尹航
(浙江杭州市臨浦体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第10節 11.21他 ☆☆☆

〈山東魯能 3−0 北京控股集団〉
○陳夢 6、−3、−6、4、7−1 丁寧
○李暁霞 7、−14、6、−8、7−5 郭炎
○陳夢/顧玉ティン 6、−8、7−4 郭炎/李天一
(北京広安体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−1 広東二沙〉
○劉詩ウェン 9、−9、7、8 楊揚
 車暁曦 −7、−9、−7 王シュアン○
○饒静文/車暁曦 −7、5、7−4 楊揚/徐潔
○劉詩ウェン 6、−10、8、9 王シュアン
(山西呂梁市大土河体育館)

〈大同雲崗・金地砿業 3−2 内蒙古銀行〉
 李暁丹 −7、−10、12、−5 朱雨玲○
○武楊 7、11、8 趙岩
○李暁丹/李茜 7、9 趙岩/張薔
 武楊 8、−8、−6、11、2−7 朱雨玲○
○馮天薇 9、6 張薔
(大同大学体育館)

〈大連新衡業・上方 3−1 八一冀中能源〉
○文佳 7、9、6 劉曦
○常晨晨 5、7、12 木子
 常晨晨/李佳イ −11、6、5−7 曹臻/劉曦○
○文佳 6、7、4 木子
(河北省唐山体育館)

 超級リーグの男女第10節、第1ステージ(全14節)も中盤から終盤へと差しかかり、ジリジリと各チームの地力の差が出てきている。
 男子では8勝1敗の寧波海天塑機、7勝2敗の上海金邁弛がともに勝ち星を伸ばした。ホームに3位の渤海を迎えた上海は、トップ許シンがハオ帥に完勝して一気に流れを引き寄せた。試合の前日が母親の誕生日だった許シンは、「生日快楽(誕生日おめでとう)」を言うのを忘れてしまったそうで、「本当に済まない気持ち。今晩ちゃんと電話するつもりだよ」(許シン)。プレゼントを買いに行く時間はとてもないそうだが、海外遠征の際には必ず家族にお土産を買って帰るという。このハオ帥戦の勝利もひとつのプレゼントになりそう。

 プレーオフ進出を射程圏内にとらえている上海金邁弛。人口2千万人を優に超える巨大都市であり、古くは徐寅生・李富栄・張燮林らを輩出した卓球の中心地である上海。体育館は地元の卓球ファンであふれていると思いきや、今シーズンのホームである青浦体育館は、上海市の中心地から数十キロ離れた西の郊外にある。中国リポート担当も同じ青浦区にある朱家角という街に行ったことがあるが、電車やバスで1時間くらいかかる。東京がホームのチームが埼玉の川越、大阪がホームのチームが兵庫の三田(さんだ)でホームゲームをやるようなものか(?)。わざわざ上海からやってくるファンはほとんどおらず、地元の小学生や動員された地元企業の一団ばかりが観客席を埋めている。「どうせテレビで放映するのなら、場所はどこでも同じ」ということか…。

 女子は山東対北京の強豪チーム対決で、陳夢が丁寧をゲームオールで破った。背中を傷め、練習量を落としながら超級リーグを戦っている陳夢は、これが公式戦では丁寧からの初勝利。「数日で一試合をこなす中では、背中の痛みを完治させることはできないと思う。それでもチームのために1試合でも多く勝ちたい」と陳夢。その意気や良しだが、彼女は来月9〜16日にインド・ハイデラバードで行われる世界ジュニア選手権にもエントリーされている。過去9大会で一度も連覇を達成した選手がいない世界ジュニア。陳夢は初の2連覇も十分狙えるが、故障の状態によっては苦しい戦いを強いられることになりそうだ。

photo上:早くから親元を離れ、上海の曹燕華卓球学校で訓練を積んだ許シン
photo中:背中の故障を抱えながら奮闘する陳夢
photo下:古巣の広東二沙から2勝を挙げた劉詩ウェン
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ・男子第9節 11.18 ★★★

〈渤海銀行・天津 3−1 江蘇中超電纜〉

○ハオ帥 8、8、6 馬琳
 雷振華 −8、5、−4、−5 徐輝○
○ハオ帥/胡彬 −9、4、9−7 陳杞/徐輝
○雷振華 9、6、−7、6 馬琳
(天津紅星職業体育館)

〈上海金邁弛 3−1 四川長虹〉
○許シン 4、7、4 許鋭鋒
○王励勤 −9、5、8、3 邱貽可
 許シン/張洋 7、−9、4−7 邱貽可/朱霖峰○
○王励勤 9、4、6 許鋭鋒
(成都市成飛体育館)

〈寧波海天塑機 3−2 覇州海潤〉
○馬龍 7、4、6 ジャイ超
 閻安 3、−9、−11、−8 崔慶磊○
 閻安/ジャイ一鳴 −7、−6 程靖チィ/ジャイ超○
○馬龍 7、−4、−10、4、7−3 崔慶磊
○ジャイ一鳴 −4、5、7−5 程靖チィ
(河北市覇州市卓球館)

〈八一熔盛重工 3−0 山東魯能〉
○王皓 9、10、−8、9 方博
○周雨 −12、7、4、8 張継科
○周雨/尹航 −5、5、7−4 方博/張超
(杭州市臨浦体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ・女子第9節 11.18 ☆☆☆

〈山東魯能 3−0 広東二沙〉

○李暁霞 1、4、7 楊揚
○陳夢 5、8、3 楊采穎
○陳夢/顧玉ティン 4、11 楊揚/周沫
(済南市皇亭体育館)

〈北京控股集団 3−0 内蒙古銀行〉
○郭炎 7、4、−4、7 朱雨玲
○丁寧 5、3、−8、−8、7−2 趙岩
○李天一/郭炎 7、8 趙岩/朱朝暉
(フフハト市内蒙古師範大学体育館)

〈大連新衡業・上方 3−0 山西大土河・華東理工〉
○文佳 11、−8、7、7 饒静文
○常晨晨 7、8、8 馮亜蘭
○常晨晨/李佳イ 7、−9、7−4 范瑛/鄭詩暢
(鞍山市鞍鋼体育館)

〈八一冀中能源 3−0 大同雲崗・金地砿業〉
○郭躍 11、7、8 馮天薇
○木子 −9、5、−7、8、7−5 李暁丹
○郭躍/曹臻 −6、9、7−2 李暁丹/李茜
(河北省唐山体育館)

 昨日11月18日に行われた中国超級リーグの男女第9節。男子は寧波海天塑機、女子は八一冀中能源がともに8勝1敗で単独トップに立っている。
 山東魯能は張継科が周雨に敗れる誤算もあり、ここまで2勝5敗とペースの上がらない八一に完封負け。張継科はここまで通算10勝3敗とまずまずの成績を残しているが、方博と張超が勝ち星を伸ばせず、張継科が負けるとチームも負けるケースが多い。

 今シーズン、久々に超級の舞台へ返り咲いた天津(渤海銀行・天津)は、ここまで6勝3敗と好調を維持。エース・ハオ帥が第9節までで通算15勝2敗と素晴らしい成績を残し、相手チームとのエース対決にことごとく勝利している。「ぼくの状態はすごく良い。馬琳とやる時はコースが読みにくいんだけど、今日はしっかり対応できたから自信になったよ」(ハオ帥)。4チームで戦うプレーオフ進出に向けても大きな一勝だが、「有利な立場にはいるけど、これからもっと努力が必要だ」とハオ帥に油断はない。

 女子は珍しいことに、すべての試合が3−0のストレートで終了。広東二沙は山東魯能に1ゲームも奪えずに敗れ、開幕から9連敗。第7節で大同と2−3の接戦を演じた以外は、1勝を挙げるのがやっとという試合ばかり。ここ数シーズン、第1ステージを全敗で終えたクラブは記憶にないが、広東はこのままだと14戦全敗もあり得る。
 一方、ここに来て調子を上げてきたのが北京控股集団。序盤で不調だった郭炎が本来の調子を取り戻しつつあり、郭炎を2点起用して丁寧をダブルスに回すなど、オーダーもより自在に組めるようになってきた。張怡寧の引退後、この2シーズンは下位に沈み、甲Aとの入れ替え戦も経験したが、久しぶりに優勝戦線に残ることができそうだ。

photo上:サービスのうまさに定評のあるサウスポー・ハオ帥
photo下:連敗街道をさまよう広東で、苦しい戦いが続く楊揚
(photo上・下は09年全中国運動会)
★★★ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 男子第8節 11.14 ★★★
※1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ。すべて第5ゲームは7点先取で行う

〈渤海銀行・天津 3−1 四川長虹〉

○雷振華 −10、6、10、−1、9−7 邱貽可
 ハオ帥 −6、6、−6、−10 許鋭鋒○
○雷振華/胡彬 5、7 朱霖峰/頼佳新
○ハオ帥 −7、7、11、−4、7−0 邱貽可
(成都市成飛体育館)

〈江蘇中超電纜 3−1 覇州海潤〉
○馬琳 6、11、7 程靖チィ
○徐輝 9、9、9 崔慶磊
 陳杞/徐輝 −5、−10 程靖チィ/ジャイ超○
○馬琳 6、−9、4、8 崔慶磊
(江蘇省江寧体育センター体育館)

〈八一熔盛重工 3−2 上海金邁弛〉
○周雨 6、−9、11、−8、8−6 許シン
○王皓 5、−12、9、−7、8−6 王励勤
 周雨/尹航 −8、−9 王励勤/尚坤○
 王皓 −13、−2、6、−9 許シン○
○尹航 12、−8、7−5 尚坤
(フフハト市内蒙古体育館)

〈寧波海天塑機 3−0 山東魯能〉
○閻安 10、8、5 張継科
○馬龍 10、3、8 方博
○閻安/ジャイ一鳴 10、6 張超/方博
(海南省屯昌体育館)

☆☆☆ 2012中国卓球クラブ超級リーグ 女子第8節 11.14 ☆☆☆

〈内蒙古銀行 3−1 山東魯能〉
○趙岩 5、2、−7、7 李暁霞
○朱雨玲 11、8、10 陳夢
 趙岩/朱朝暉 −7、−4 陳夢/顧玉ティン○
○朱雨玲 −8、7、−7、12、8−6 李暁霞
(済南市皇亭体育館)

〈大連新衡業・上方 3−0 広東二沙〉
○常晨晨 7、9、6 楊采穎
○文佳 3、−8、9、3 王シュアン
○常晨晨/李佳イ −10、6、7−0 王シュアン/徐潔
(珠海体育センター体育館)

〈北京控股集団 3−1 八一冀中能源〉
○丁寧 5、−8、6、4 木子
 郭炎 −9、−8、4、−11 劉曦○
○丁寧/盛丹丹 −7、7、7−1 劉曦/曹臻
○郭炎 8、8、10 木子
(北京広安体育館)

〈山西大土河・華東理工 3−2 大同雲崗・金地砿業〉
○馮亜蘭 7、11、9 馮天薇
 范瑛 −10、9、−11、13、4−7 李暁丹○
○范瑛/鄭詩暢 3、5 馮天薇/李茜
 馮亜蘭 −8、2、−10、−9 李暁丹○
○饒静文 8、6 武楊
(山西呂梁市大土河体育館)

 ついに一昨日に開催された第8節、現時点での最新試合に追いつきました。このようなことは二度といたしません…。
 それにしてもタイトなスケジュールの超級リーグ。第7節が11月11日、第8節が11月14日。「移動日が一日、調整に一日、ハイ試合です」という感じだ。第8節の試合結果を見ると、五輪代表組では李暁霞が2点を落とし、王皓と張継科がそれぞれ1敗を喫し、郭躍は発熱で2節連続の欠場。丁寧も病み上がりで万全ではない。ロンドン五輪まで厳しい訓練に明け暮れ、ロンドン五輪が閉幕したらイベント攻めに全中国選手権、休む間もなく超級リーグが開幕し、長時間の移動と気の抜けない試合。…想像しただけでも疲れてくる。五輪ではシングルスに出場しなかった馬龍と、Pカード(補欠)だった許シンだけが、鬱憤を晴らすかのように大暴れしている。

 男子第8節の最大のサプライズも、やはり張継科が閻安に完敗を喫したことだろう。第7節の許シン戦に続く大物食いを見せた閻安は、出足から張継科顔負けの台上バックドライブで先手を取った。バック対バックでも細かいコース変更で張継科を揺さぶり、機を見て回り込んでのカウンタードライブで張継科のフォアサイドを打ち抜いた。張継科のプレーも淡泊で、第1ゲーム10−8のリードを守れずに落としてからは、最後まで守勢のプレーに終始した。

 女子では八一冀中能源が北京控股集団に敗れ、八一の開幕からの連勝がついにストップ。2番で郭炎が劉曦に敗れ、郭躍を欠く八一に手こずった北京だが、ダブルスで丁寧を起用して勝負に出た。
 この3番ダブルスの第3ゲーム、北京ペアが4−1でリードした場面で、盛丹丹(北京)の打球が際どくエッジをかすめた。主審は「サイド」として八一ペアに得点を入れたが、このシーンが何度も場内のオーロラビジョンで流れた結果、主審らの協議によって「エッジ」と判定が変わり、北京ペアに得点を入れ直した。これに八一の李屹監督が激高、観客と激しい口論まで始め、場内はしばらく混乱したようだ。ここまで快進撃を続けてきた八一だが、何とも後味の悪い敗戦となった。

photo上:鋼の肉体を誇る張継科も、さすがに金属疲労がたまっている様子
photo中:上海戦ラストで勝利を挙げた尹航
photo下:序盤戦では不調だった郭炎、これから調子を上げたい
(photo上は12年ロンドン五輪、中は11年荻村杯、下は11年世界選手権)
★男子
1 上海金邁弛(6勝1敗)
  寧波海天塑機(6勝1敗)
3 山東魯能(5勝2敗)
4 江蘇中超電纜(4勝3敗)
  渤海銀行・天津(4勝3敗)
6 覇州海潤(1勝6敗)
7 八一熔盛重工(1勝5敗)
8 四川長虹(0勝6敗)
※勝利は2点・敗戦は1点で点数計算

★女子
1 八一冀中能源(7勝0敗)
2 山西大土河・華東理工(5勝1敗)
  内蒙古銀行(4勝3敗)
4 北京控股集団(4勝2敗)
  山東魯能(3勝4敗)
6 大連新衡業・上方(2勝5敗)
  大同雲崗・金地砿業(2勝5敗)
8 広東二沙(0勝7敗)
※勝利は2点・敗戦は1点で点数計算