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欧州リポート

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 ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子予選グループC第4戦は11月13日に行われた。

 ここまでの3戦で失点1と、好調に首位をひた走るスティリルガルダ(イタリア)は最下位のルバロワ(フランス)と対戦。勝てば予選リーグ突破が決まるが、ルバロワの助っ人・侯英超(中国)に2点を奪われ大苦戦。ラストまでもつれた一戦は、モンテイロ(ポルトガル)がルブツォフ(ロシア)をゲームオール7本で下して、スティリルガルダの勝利。苦しみながらも決勝トーナメント進出を決めた。
 ロシアのチームであるUMMCは3-0でプリューダーハオゼン(ドイツ)に勝利して、2位をキープ。あと1勝すれば、決勝トーナメント進出が決まる。

11月13日 UMMC(ロシア) 3-0 プリューダーハオゼン(ドイツ)
○金廷勲 6、3、4 カラカセビッチ
○ガルドス -3、11、-9、6、9 コソウスキ
○プリモラッツ 9、5、12 Jor.パーソン

11月13日 スティリルガルダ(イタリア) 3-2 ルバロワ(フランス)
 モンテイロ 8、-4、-9、-12 侯英超○
○郭瑾浩 11、4、8 ルブツォフ
○ボボチーカ 7、7、11 ルベッソン
 郭瑾浩 -6、-6、-7 侯英超○
○モンテイロ -7、14、-9、6、7 ルブツォフ

●現在までの順位
1.スティリルガルダ(4勝0敗/イタリア)
2.UMMC(3勝1敗/ロシア)
3.プリューダーハオゼン(1勝3敗/ドイツ)
4.ルバロワ(0勝4敗/フランス)
 11月12~13日、ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子予選グループBが行われた。

 3連勝で首位に立っていたシャルロワ(ベルギー)はアウェイでカハスール・プリエゴ(スペイン)と対戦し、ストレート勝ち。鮮やかに4連勝を飾るとともに予選リーグ突破を決めた。
 ロスキレ(デンマーク)vs.ポントワーズ(フランス)の試合は、ポントワーズのマテネ(フランス)がメイス(デンマーク)を破る金星を挙げた。4番でも呉尚垠(韓国)から先に2ゲームを先取するなど追いつめたが一歩及ばず。チームも初勝利を逃し、予選敗退が決定してしまった。

11月12日 ロスキレ(デンマーク) 3-2 ポントワーズ(フランス)
○呉尚垠 -6、6、9、7 フランツ
 メイス -7、-8、9、-8 マテネ○
 ツグウェル -7、-9、-5 フェイヤー-コナート○
○呉尚垠 4、9、-11、-8、10 マテネ
○メイス 9、5、3 フランツ

11月13日 シャルロワ(ベルギー) 3-0 カハスール・プリエゴ(スペイン)
○王健軍 6、8、-8、-5、5 マチャド
○オフチャロフ 12、7、-7、7 チオティ
○コルベル 4、6、-8、2 呉志祺

●現在までの順位
1.シャルロワ(4勝0敗/ベルギー)
2.ロスキレ(2勝2敗/デンマーク)
3.カハスール・プリエゴ(2勝2敗/スペイン)
4.ポントワーズ(0勝4敗/フランス)
 11月13日、ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)男子予選グループAが行われ、デュッセルドルフ(ドイツ)とエヌボン(フランス)が順当に勝利。残り2戦となったが、デュッセルドルフはグループ2位以上が確定し、決勝トーナメント進出を決めた。

 デュッセルドルフは現在最下位のボゴリア(ポーランド)と対戦し、好調の岸川を2点起用するオーダー。2番ではワン・ツォンイ(ポーランド)の前にストレート負けを喫したが、ラストではゴラク(ポーランド)をゲームオールで下して、決勝点を叩き出した。
 エヌボンvs.カハグラナダ(スペイン)はエヌボンがストレート勝ち。エヌボンはあと1勝すれば予選突破が決まる。

11月13日 デュッセルドルフ(ドイツ) 3-2 ボゴリア(ポーランド)
○ボル 11、8、8 ゴラク
 岸川 -8、-3、-6 ワン・ツォンイ○
 ズース -6、-10、3、-9 フローラス○
○ボル 5、7、5 ワン・ツォンイ
○岸川 -12、8、-6、11、7 ゴラク

11月13日 エヌボン(フランス) 3-0 カハグラナダ(スペイン)
○クレアンガ 6、-8、3、5 ディドゥク
○バイ・フォンティアン 5、9、5 何志文
○柳承敏 3、5、10 V.サンチェス

●現在までの順位
1.デュッセルドルフ(4勝0敗/ドイツ)
2.エヌボン(3勝1敗/フランス)
3.カハグラナダ(1勝3敗/スペイン)
4.ボゴリア(0勝4敗/ポーランド)
 今季よりドイツ・ブンデスリーガに挑戦中の松平賢二(青森大)。10月11日は1部にあたるDTTL(ドイツリーグ)の試合に参戦したが、10月24日、11月8・15日には再び2部の試合に出場している。

 11月8日のミュールハオゼン戦のダブルスで初めて黒星を献上した松平だが、シングルスは未だ無敗で2部9連勝を達成。力の違いを見せつけている。

松平賢二(男子2部南部・グレンツァオII)
 10月24日 9-2 フルダ-マーバーツェルII
○松平/ミチェリ 7、10、3 メン・チンユ/マーナー
○松平 7、7、6 オット
○松平 -9、9、9、8 メン・チンユ

 11月8日 8-8 ミュールハオゼン
 松平/ミチェリ -4、-8、9、-5 タン・ビン/パンスキー○
○松平 8、8、3 デービッド
○松平 9、6、-6、5 タン・ビン

 11月15日 9-0 ザクセン・ドーベルン
○松平/ミチェリ 6、12、9 バゼノフ/リーバイス
○松平 10、8、5 クルコウスキー
1部通算:単1勝
2部通算:単9勝、複4勝1敗
 11月14日、スウェーデンリーグに武者修行中の下山隆敬(協和発酵キリン)が登場。シングルスでは3番で出場し、08年にジュニアサーキット3勝をマークしたM.カールソン(スウェーデン)に勝利。ラストのオベシュロ(スウェーデン)と組んだダブルスでも2-1で勝利を収め、チームの勝利を決めた。

 先日行われた全日本社会人選手権では見事に優勝を飾った下山。スウェーデンリーグは3ゲームズマッチで試合が行われているが、スタートダッシュが非常に重要なこの方式で実戦経験を積んでいたことが、初の優勝につながったのかもしれない。

下山隆敬(マリエダール)
 11月14日 3-2 ワルタ
○下山 7、-11、5 M.カールソン
○下山/オベシュロ 7、-7、11 M.カールソン/ニルソン
 11月14・15日、ドイツ・ブンデスリーガ2部北部のハーゲンに所属している上田仁が試合に出場した。

 14日はジーク戦。これまで無敗だったダブルスで初黒星を喫すると、エース対決となった10番ではワン・ヤンシェン(ノルウェー)にゲームオール9本で敗戦。チームも4-9で敗れた。
 しかし、翌15日のボーサム戦では単2勝、複1勝を挙げる活躍を見せてチームも9-5で勝利。ハーゲンは現在6勝2敗で3位をキープしている。

上田仁(ハーゲン)
 11月14日 4-9 ジーク
 上田/ブロージク -5、-10、8、-2 ワン・ヤンシェン/クショフ○
○上田 9、7、6 ウェイキング
 上田 -9、8、6、-7、-9 ワン・ヤンシェン○

 11月15日 9-5 ボーサム
○上田/ブロージク 10、5、10 アスムッセン/ドーマン
○上田 10、7、-16、9 pietkiewicz
○上田 9、-7、9、4 アスムッセン
通算:単13勝3敗、複8勝1敗
 11月15日、DTTL(ドイツリーグ ※以前はブンデスリーガと表記していましたが、今後1部リーグはDTTLと表記します)にブレーメンの高木和が登場。フリッケンハオゼンと対戦した。

 高木和はトップで相手エースのシュテガー(ドイツ)と対戦。幸先よく2ゲームを連取するも、第3・4ゲームを奪い返され、最終ゲームも10-12で惜しくも敗戦。チームは2番ルンクイスト(スウェーデン)、3番ヒールシャー(ドイツ)が勝利し王手をかけるも、4番、5番を落として逆転負け。ブレーメンは今季1勝6敗で最下位。降格の危機が迫ってきている。

 女子1部・エッセン-ホルスターハオゼンの梅村は好調をキープ。15日のハッシア・ビンゲン戦では2得点を叩き出し、チームの勝利に貢献している。

高木和卓(ブレーメン)
 11月15日 2-3 フリッケンハオゼン
 高木和 6、5、-6、-9、-10 シュテガー○
通算:単3勝6敗

梅村礼(エッセン-ホルスターハオゼン)
 11月15日 1-3 ハッシア・ビンゲン
○梅村 4、-8、9、-3、6 ハダコバ
○梅村 8、4、-9、5 丁亜萍
通算:単9勝1敗、複1敗
 平成20年度全日本ジュニアチャンピオンの上田仁(青森山田高)が今季からドイツ・ブンデスリーガ2部北部にてプレーしている。

 上田がプレーしているのはハーゲン。ドイツ西部にある都市で、人口は約20万人ほどだ。上田はエースとして起用され、これまで5試合戦い、シングルス10勝2敗、ダブルスでは7戦負けなしという好成績を残している。
 チームは5勝1敗で現在3位につけているが、1敗を喫したのは10月25日の試合。この日は上田がジュニアサーキットファイナルに出場していたため、上田を欠いていた。つまり、上田が出場した試合はすべて勝利をしていることになる。今後も上田の活躍に期待したい。

上田仁(ハーゲン/2部北部)
 9月6日 9-1 ボーネン
○上田/ブロージク 14、8、-5、8 ベルケンカンプ/ヴェルナー
○上田 3、-5、3、6 ローゼンホーベル
○上田 5、8、8 ベルケンカンプ

 10月11日 9-7 ベルクノイスタッド
○上田/ブロージク 4、10、6 クシュホフ/エーベルハルド
○上田 5、8、7 クシュホフ
○上田 10、10、-2、2 R.ローゼンベルク
○上田/ブロージク 2、9、3、5、3 R.ローゼンベルク/ブローダ

 11月1日 9-5 アルテナ
○上田/ブロージク 5、6、7 カラクラク/ヴァルベリ
○上田 -9、6、7、8 カラクラク
○上田 6、-8、4、5 ジィカオ

 11月6日 9-7 バートハム
○上田/ブロージク 9、5、-7、2 チュン・ワイルン/シュイ
 上田 -9、3、-3、7、-4 ラン○
 上田 8、5、-9、-4、-10 チェン・ジビン○
○上田/ブロージク 8、5、8 チェン・ジビン/ラン

 11月8日 9-6 ベルリン
○上田/ブロージク 7、8、7 ビンダッシュ/ハサノビッチ
○上田 -8、11、5、9 ボルチャルド
○上田 -5、9、9、3 ビンダッシュ
通算:単10勝2敗、複7勝

写真:先月行われたジュニアサーキットファイナルで優勝した時の上田。決勝では、最後まで集中力を切らさずに粘り強いラリー戦でO.アサール(エジプト)を下した。
 先日のITTFプロツアー・イングランドオープンで、ボル(ドイツ)や陳杞(中国)らを破りベスト3に入賞した岸川。また、今季ブンデスリーガは3番手での起用で6勝1敗の好成績を残しており、その好調ぶりが評価されてか、11月8日のブンデスリーガ・オクセンハオゼン戦では2番手で起用された。
 トップで登場した岸川は、相手エースのクリサン(ルーマニア)と対戦。1ゲーム目を5本で奪うと、続く2、3ゲームも連取してストレートで勝利。この勝利でチームも流れに乗り、ストレートでオクセンハオゼンを下した。

岸川聖也(デュッセルドルフ)
 11月8日 3-0 オクセンハオゼン
○岸川 5、9、8 クリサン
通算:単7勝1敗
 現在、2009-2010シーズンを消化中のドイツ・ブンデスリーガ男子。男子1部では世界ランキングの上位選手と、各国のジュニアのトップ選手がしのぎを削っているが、男子2部に目を向けると、「おや?」という選手の名前を見つけることができる。中には「マスターズリーグか?」という顔ぶれのクラブもあるのだ。
 少々マニアックになりますが、男子2部で現在もプレーする、往年の名プレーヤーたちをちょっとご紹介しましょう。まずは、90年代後半~2000年代にかけて活躍した選手たち。この年代はまだまだ元気で、各クラブの1・2番手でプレーしている。

★馮哲(2部南部:フルダ・マーバーツェル2/中国→ブルガリア)
★ミロスラフ・ビンダッチ(2部北部:ベルリン/チェコ)
★ゲイル・エルランセン(2部南部:グランウェッタースバッハ/ノルウェー)


 …ややマイナーな選手が多い。馮哲は95年世界選手権で劉南奎(韓国)を破り、注目を浴びた右ペンドライブ型。99年世界選手権では混合複で銀メダルを獲得している。ビンダッチはしゃがみ込むように出すフォアのブツ切りサービスが武器で、世界のトップ選手がツッツキでミスを連発するほど猛回転のサービスだった。エルランセンは93年から世界選手権に12大会連続で出場した、ノルウェーを代表する名プレーヤーだ。続いて80年代後半~90年代前半は…。

★アンドラス・ポドピンカ(2部南部:ヒルポルトスタイン/ベルギー)
★ゲオルグ・ベーム(2部北部:ハーゲン/ドイツ)
★カール・プリーン(2部北部:ハーゲン/イングランド)
★ワン・ヤンシェン(2部北部:ジーク/ノルウェー)


 90年代、ヨーロッパ卓球の黄金期を支えた渋い脇役が並ぶ。ハンガリーの名選手・クランパの甥(おい)であるポドピンカは、93年世界選手権では王涛(中国)を破ってベスト8。ベームは鉄壁の前陣両ハンド攻守で、ワルドナー(スウェーデン)らと壮絶なラリー戦を繰り広げた。プリーンはバックツブ高のシェーク異質攻守型という異色のプレースタイル。同じくバックツブ高、カット主戦型の陳新華やサイドが活躍した「ツブ高王国」イングランドは、92年ヨーロッパ選手権団体2位など、欧州を代表する強豪チームだった。
 最後に真打ち登場、70年代~80年代前半にプレーした選手たちは…?

★ミラン・オーロスキー(2部南部:ミュールハオゼン/チェコ)
★インドリッチ・パンスキー(2部南部:ミュールハオゼン/チェコ)


 オールドファンが泣いて喜ぶ、旧チェコスロバキアの両雄が同じクラブでプレーしている。パンスキーは1960年7月30日生まれの49歳、そしてなんとオーロスキーは、1952年9月7日生まれの57歳(!)。
 85年世界選手権でペアを組み、男子複2位のこのふたり。71・73年世界選手権ベスト8のオーロスキーは、69年ミュンヘン大会で世界選手権に初出場というから驚く。しかもこの2人が所属しているミュールハオゼンは、5勝0敗(10月29日現在)で2部南部のトップを快走。4番手のパンスキーは4勝6敗、そして6番手のオーロスキーは8勝0敗の好成績を挙げている。日本で言えば、河野満さんと小野誠治さんが日本リーグの2部でバリバリやっているようなものか…。恐るべし、ブンデスリーガ2部。ちなみに女子2部にも、83・85年世界選手権ベスト16のオルガ・ネメスや、94年ヨーロッパトップ12優勝の名チョッパー、ジィ・ショップらが在籍している。

Photo左:独特な異質反転プレーで、日本のツブ高使用者にカリスマ的な(?)人気を誇ったプリーン。写真は94年ヨーロッパ選手権なので、もう14年も前のものですが…
Photo右:05年上海大会での馮哲のプレー