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フォルクスワーゲンオープン

 最高の愛ちゃんスマイルをお届け!
 明日も明後日も、この笑顔が見たい!
 女子シングルス第2ステージ1回戦。予選リーグを充実のプレーで全勝通過した福岡春菜は、世界ランキング5位の郭炎(中国)に挑戦。
 伝家の宝刀、王子サービスやフォアの大きく伸びるアップサービスも、郭炎は両ハンドドライブで落ち着いてレシーブ。福岡、なかなか郭炎を慌てさせることができない。無理なカウンターはネットに突き刺さる。最大のポイントは第2ゲーム、福岡が10-6でゲームポイントを握ったが、ここから郭炎が丁寧なプレーで6本連取。第3ゲーム以降は打開策を見出せなくなった。

「第1ゲームは相手の回転量のあるドライブに合わなくて、ブロックできなかった。第2ゲームから合ってきて、10-6になった。迷いはなかったのですが、相手に丁寧にプレーされて、ズルズルととられてしまいました。7ゲームマッチではあるけれど、あそこでタイムアウトをとって1-1にするべきでした。
 自分の思ったようなサービスが、自分でも「なんでこんなに出ないんだろう」というくらい出せなくて、それを試合の中で修正できなかった。五輪でもこういうことはあるかもしれないし、修正できなかったのは反省材料です(福岡)」

 また、王越古(シンガポール)と対戦した石垣優香(淑徳大)は、王のループドライブからの強烈なスマッシュを拾い切れなかった。王越古は世界の女子選手の中でも最高のスマッシュの名手だ。

●女子第2ステージ1回戦
郭炎(中国) 5、10、8、5 福岡(中国電力)
王越古(シンガポール) 5、4、-7、6、5 石垣(淑徳大)
 女子シングルス第2ステージ1回戦。07年世界ザグレブ大会で敗れた因縁の相手、ドデアン(ルーマニア)と対戦した福原愛。

 福原はゲーム序盤から我慢強いプレー。無理なバック強打や連続強打での深追いで失点したザグレブ大会とは違い、打点の早いナックル性のバックハンドを慎重にコントロールし、ドデアンのミスを誘う。レシーブも強打するより、回転のかかった低いループを多用していた。
 もちろんチャンスボールには思い切りの良い強打。第3ゲームは10-5のゲームポイントから、バッククロスへのバック強打を連発して観客をどよめかせた。終始安定感のあるプレーで福原がストレート勝ち。実際、両者の実力からすればそれほど意外な結果ではないように思える。それほど完璧な福原のプレーだった。

★福原愛の記者会見
「ドデアン選手には1年前の世界選手権で負けていたのですが、今回はしっかり準備ができていたし、精神面も良かった。昨日の予選リーグで若宮さんとやっていたビデオを見て準備しました。世界選手権で負けたのは、技術面よりも精神面が良くなかったと思うので、冷静に戦うことを心がけました。
(記者)サアーッの声がなくて寂しいですが?
『目指せポーカーフェイス』で頑張ります」

●女子第2ステージ1回戦
福原(ANA) 1、8、5、9 ドデアン(ルーマニア)
 2月の世界団体戦・広州大会で、ルーマニアのフィリモンのプレーにすっかり魅せられてしまった高橋発行人。「ルーマニア親善大使」宣言も飛び出した。今大会は残念ながらフィリモンは大会をキャンセルしてしまったが、ドデアン、サマラ、イリチのルーマニア女子チームとニッコリ。
 女子シングルス第2ステージ1回戦。世界ランク18位のスン・ベイベイに挑んだ石川佳純。
 試合はスンの回転のかかった両ハンドに、石川のミスが目立つ展開になる。国内では返ってこない、あるいはカウンターのチャンスボールになる石川の両ハンドも、スンは1本、2本と返してくる。そのボールを石川は我慢しきれずにオーバーミスしてしまう。
 第1ゲームは石川7-9から石川の3球目強打ミスとサービスミスでスン。第2・3ゲームも石川のプレーに今ひとつ好調時の思い切りとひらめきがなく、スンがゲームカウント3-0と王手をかける。第4ゲームで石川が7-4、8-6とはじめてリード。しかしここでも石川のバックハンドにミスが出て、9-10でスンのマッチポイント。石川も意地の3球目バックドライブを決めてデュースに追いつくが、最後はスンのフリック強打が決まってゲームセット。
 
 石川は試合全体を通じてバックにボールを集められ、当てるだけのバックハンドが多くなってしまった。王楠(中国)のスタイルを参考にしているという石川だが、回転と安定、そして打球点の早さを備えた王楠のバックハンドには、まだまだ及ばない。弾くだけのバックハンドではどうしてもミスが多くなる。今後はそこを改善していかなければならないだろう。

「サービス・レシーブがうまくいかなくて、全然試合にならなかったのが残念です。この大会を通しては、強い相手と試合できて、合宿の成果が出せたところもあったので良かったです。スン・ベイベイはドライブの回転がすごくて、ブロックできなかった。サービスも下回転が切れていて、わかっていても落としてしまいました(石川)」
 今日も夏のような陽光が降り注ぐ横浜文化体育館。館内は空調が効いて快適だが、日差しが少し恋しくなってくる。今日から試合する台は2台になり、観客は日本選手の登場を今や遅しと待ちかまえている。マスコミの入りも上々。撮影するカメラマンに配られるビブス(ゼッケン)が90番台まで配られるほどだ。

 今日の男女シングルス第2ステージ1回戦。日本選手の組み合わせはこちら。

★男子シングルス
吉田海偉(グランプリ) vs. 王皓(中国) 
高木和卓(東京アート) vs. 李静(中国香港)
韓陽(東京アート) vs. 李廷佑(韓国)
塩野真人(早稲田大) vs. 馬琳(中国)
★女子シングルス
石川佳純(ミキハウスJSC) vs. スン・ベイベイ(シンガポール)
福岡春菜(中国電力) vs.  郭炎(中国)
藤井寛子(日本生命) vs. 帖雅娜(中国香港)
福原愛(ANA) vs. ドデアン(ルーマニア)
平野早矢香(ミキハウス) vs. 柳絮飛(中国香港)

 会場ではメインイベントのひとつ、石川佳純とスン・ベイベイの試合がスタートするところ。石川にとってはくみしやすい相手ではないだろうか。幸先の良い勝利を挙げて、日本チームを一気に上昇気流に乗せてほしいところだ。
●男子団体準決勝
[クロアチア 3-2 韓国]
○譚瑞午 -3、7、9、9 柳承敏
○プリモラッツ -9、-3、8、5、7 尹在栄
 譚瑞午/ガチーナ -11、8、9、-5、-11 尹在栄/呉尚垠○
 ガチーナ 13、9、-10、-7、-9 柳承敏○
○プリモラッツ -9、6、7、-7、5 呉尚垠

 会場に1台だけ残ったクロアチアvs.韓国戦は、ラストを死守したプリモラッツの健闘が光った。「アウッ!」という、打球時に漏れる独特の声がフロアに響き渡る。93年世界選手権3位、97年ワールドカップ優勝の強豪も、近年は不振が続き、地元ザグレブで行われた07年世界個人戦も早いラウンドで敗退。しかし、今日は足が良く動き、故障明けの呉尚垠を動きの良さで上回った。6大会連続出場となる8月の北京五輪、彼の集大成となるであろう大会に向け、上々の仕上がりを感じさせた。

 一方、韓国男子は不安材料が多い。いまだ調整途中とはいえ、現五輪金メダリストの柳承敏はイージーなミスが多く、本調子にはほど遠い様子。呉尚垠も変化サービスからの強烈な3球目攻撃が陰を潜め、ラリー戦で我慢できずにミスする場面が多かった。尹在栄とのダブルスも完成度はまだまだ。現段階では、たとえ決勝に進出しても中国相手には難しい。これからどこまで調子を上げていけるのか。
 韓国対クロアチアの男子団体準決勝。ラストもやはりゲームオール。現在プリモラッツが8-5でリード。プリモラッツ9-5のリードで呉尚垠が痛恨のサービスミス。プリモラッツがついに決着をつけた。
 決勝進出は連夜の金星を挙げたクロアチアだ!

●男子団体準決勝
クロアチア 3-2 韓国
 今日も22時を回った会場。女子団体準決勝のシンガポールvs,ドイツはシンガポールが3-1で勝利し、明後日の24日に行われる女子団体決勝は中国vs.シンガポール。広州大会決勝の再現となった。
 
 現在、フロアでただ一試合行われているのが、男子の韓国vs.クロアチア。クロアチア、ダブルスで韓国にゲームオール10-10まで迫り、4番でもガチーナがパワープレーで柳承敏から第3ゲーム10-8とマッチポイントを握ったが逆転された。韓国、首の皮一枚残して、エース柳承敏がなんとかゲームオールまで持ち込んでいる。
 現在、最終ゲーム9-9。ガチーナに2本のサービスミスが出ているのだが、柳承敏も決めきれない。
 柳承敏、ここで強烈なパワードライブ! ガチーナ飛びつくが返球できず10-9。あ、柳承敏のフォアサービスをガチーナがネットミス。ゲームセットだ…。試合はもっとも長引く方法を慎重に選択するように、ラスト5番の呉尚垠vs.プリモラッツへとなだれ込んだ!

下写真:シングルス2点起用の期待に応え、ドイツから2点を奪った馮天薇
●男子団体準決勝
中国 3-0 ブラジル
●女子団体準決勝
中国 3-0 韓国

 中国男子チームは格下のブラジルに完勝。打球点の早さ、回転量、プレースメント、やはり二段も三段も違う。ブラジルはオヤマに替えて若手のツボイを起用したが、残念ながら1ゲームも奪うことはできなかった。
 中国女子チームは、トップで王楠が金キョン娥を伸びのあるカット打ちで破り、2番でも郭躍が唐イェ序に完勝。韓国は3番ダブルスで1ゲームを奪うのが精一杯という感じだった。このままでは北京五輪でも、韓国女子は中国のライバルにはなり得ないだろう。

下写真:団体戦でのプレーにはやや不安のあった郭躍だが、ここまでは万全のプレーを見せている