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速報・現地リポート

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全日本選手権大会

 今年の全日本を最後に現役を引退する木方慎之介(協和発酵キリン)。02年度全日本選手権準優勝、球史に残るカット打ちの名手として、またその驚異的な中陣での粘りと反撃で、全日本の主役のひとりであり続けた。今大会もランク入りは確実かと思われたが、4回戦でインターハイ3位の池田忠功(青森山田高)に敗れた。

 試合後、「最後の試合ということで、ちょっと意識した部分もありました。相手がインターハイベスト4ということは知っていたけど、ちょっと油断があったかもしれない。出足が悪かった」と試合を振り返った木方。「最後の全日本とはいえ、このラウンドで負けたということは、それが自分の実力なんでしょう」と最後まで潔かった。「まだダブルスが残っているので、頑張りたいです」と残るダブルスへの意欲を見せた。
●男子シングルス4回戦の主な結果
水谷(明治大) 4、6、5、8 酒井(エリートアカデミー)
岸川(スヴェンソン) 5、12、6、5 水野(東京アート)
吉村(野田学園高) 6、-5、-11、8、9、-9、9 森薗(青森山田高)
池田(青森山田高) 7、-7、7、5、7 木方(協和発酵キリン)
丹羽(青森山田高) 4、8、11、6 谷村(筑波大)
平屋(埼玉工業大) -7、8、-5、7、4、-10、6 神(明治大)
松平健(早稲田大) -10、-9、4、8、7、9 加藤(愛工大名電高)
吉田(OVER LIGHT) -7、5、8、6、8 岡田(明治大)
三部(青森山田中) -3、9、-8、12、4、-11、5 笠原(早稲田大)

男子シングルスでスーパーシードが登場した4回戦。学生卓球界の実力者たちが相次いで敗れた。
笠原は全中2位、カデット14歳以下優勝の三部(さんべ)にまさかの敗戦。ともに両ハンドのバランスが良いドライブ型だが、三部の積極性に終始押される形となった。全日学チャンピオンで今季絶好調の神巧也は、変化の激しいカットを駆使する平屋に苦杯。平屋は3回戦で並木(シチズン)も破っており、台風の目になりそうな気配だ。

※写真は平屋に敗れた神

●女子シングルス5回戦
石川(全農) 2、17、ー7、7、6 加藤(TKOクラブ)
中島(早稲田大) 8、6、9、ー5、8 野上(日立化成)
福原(ANA) 8、7、3、11 松本(四天王寺高)
前田(ミキハウスJSC) 4、9、7、ー12、ー7、ー9、5 大庭(淑徳大)
若宮(日本生命) ー4、9、9、7、ー12、7 宋(青森山田高)
平野(ミキハウス) 7、7、8、5 丹羽(青森山田高)
福岡(中国電力) 6、7、6、6 中尾(早稲田大)
石垣(淑徳大) 2、7、11、ー4、10 野中(日立化成)
小野(サンリツ) 7、ー7、9、13、5 石塚(十六銀行)
藤井優(日本生命) 2、6、13、6 北岡(中央大)
田代(日本生命) 2、ー12、11、8、5 鈴木(青森山田高)
森薗(日立化成) ー8、6、6、8、ー6、3 松平(四天王寺高)
山梨(十六銀行) 5、3、9、8 平野(東京富士大)
松澤(淑徳大) 4、7、7、6 土田(中国電力)
藤井寛(日本生命) ー9、7、ー5、4、5、4 池田(東京富士大)
岡本(サンリツ) ー9、9、9、6、ー8、ー6、10 市川(日立化成)

中島、前田、小野、松澤、岡本が初ランク。全日学女王の松澤はプレーが非常に充実している。昨日の4回戦終了後に「今まで4回戦を突破できなかったので、このラウンドで勝ててうれしい。まずはランク入りが目標で、一戦一戦頑張りたい」と語っていたが、プレーの調子からすると優勝戦線を大いに賑わせそうだ。

下写真:初のランク入りを決めた3人。左から松澤、岡本、前田
●女子シングルス5回戦
藤井優(日本生命) 2、6、13、6 北岡(中央大)

全日本社会人3位の藤井優子が、カットの北岡を下してランク入りを決めた。
試合後、北岡は「手元を見ていても本当にわからない。ループドライブの対策を相当積んできたけど、藤井さんのループは回転がかかっているボールとナックルの変化が凄いです」とコメント。ミドル前やフォア前に小さく落とす藤井のループドライブはまさに職人技。このループでミスを誘っておいて、少しでも浮けばフラット気味に叩く強打で両サイドを抜く。最後まで藤井のカット打ちには隙がなかった。
●女子シングルス5回戦
石川(全農) 2、17、-7、7、6 加藤(TKOクラブ)
平野(ミキハウス) 7、7、8、5 丹羽(青森山田高)
福原(ANA) 8、7、3、11 松本(四天王寺高)

女子シングルスのランク(ベスト16)入りを賭けた5回戦。石川、平野、福原という優勝候補は揃って6回戦へ駒を進めた。
石川は福原に並ぶ記録として、小学6年生での5回戦進出を果たした加藤美優と対戦。加藤は第2ゲームに3回のゲームポイントを奪い、第3ゲームを11-7で奪うなど大健闘。石川のバック前にフォアのしゃがみ込みサービス(横下回転/横上回転)を集め、石川はこのサービスを強く攻められなかった。小学6年生にしては長身の加藤、バックドライブにもかなりの威力があった。

★加藤美優の試合後のコメント
「石川さんはすごく強いし、1ゲーム取れたことはうれしい。石川さんは全然体勢が崩れないし、フォアが強い。でもバックドライブはしっかり振れた。これからはレシーブとラリーでもっと積極的に攻められるようにしたい。将来の目標は世界チャンピオンです」

※写真左から石川、福原、加藤
男子シングルス3回戦の主な結果。

●男子シングルス3回戦
森薗(青森山田高)1,11,3三田村(卓楓会)
平屋(埼玉工業大) -6、9、8、5 並木(シチズン)
森下(リコー) -9、11、3、-8、11 出雲(鳥屋クラブジュニア)
村松(エリートアカデミー) 4、6、6 櫻田(トヨタ自動車)

 シチズンで活躍の並木がまさかの敗退。平屋のカットに苦戦し3回戦で姿を消した。
昨日、最年少勝利記録を更新した出雲は森下にフルゲームで敗れ4回戦進出はならなかった。
森薗、村松は社会人選手を沈め、4回戦へ進出を決めた。
今回の全日本では「JTTA公式レーティング」が採用。昨年11月に導入され、話題を集めたこの「レーティング」。試合での対戦結果から選手の実力を計算し、数字で表すシステムだ。数値が高いほど選手の実力が高いことになり、全日本チャンピオンだと2900程度になる。これほどの規模でレーティングが導入されるのは、日本のスポーツ界でも初めての試みだという。

すでに出場する選手には登録用紙が配られており、観戦に来たファンも会場に設置された日本卓球協会のブースで登録できる。報道席や審判員席でもレーティングの登録用紙が配られた。現在は助走期間ということで、日本卓球協会に登録していない人でも無料登録できる。

新しい試みというのは、最初はどうしても手を出すのが億劫(おっくう)になったり、警戒してしまう。だが、卓球の愛好者を増やし、卓球界をより活性化するための試みであれば、まずは参加してみて、それから面白いか、つまらないかを判断すればいいのではないだろうか。
登録はウェブで簡単に行うことができます。

★JTTA公式レーティング ウェブサイト
http://jtta-rating.jp/
昨日1月19日、大会本部前の第13コートは主審と副審のふたりを若い審判員で回した。そのひとり、岡部祐輔さん(下写真左)は今年でまだ26歳。しかし、全日本選手権はもう3回目のジャッジで、「もう緊張はしません」と頼もしい。地元は山梨県、20歳くらいから山梨での全国大会でコートに立ってきたというから、審判員としてはかなりのエリートなのだ。朝7時に家を出て、東京体育館まで毎日通ってくるというから頭が下がる。

トップクラスの選手ともなると、飛び交うボールのスピードは相当のもの。エッジやサイドのボールに対して正確なジャッジを下すには、どうしても審判員の世代交代は必要になる。
試合では黒子に徹するが、審判員あっての全日本選手権であることも頭の片隅にとどめておきたい。
●1月20日のタイムテーブル
10:00~ 男子シングルス3回戦/女子ダブルス3回戦
11:15~ 男子ダブルス4回戦
11:15~ 女子シングルス5回戦(ランク決定戦)
12:00~ 男子シングルス4回戦(スーパーシード初戦)
13:00~ 女子ダブルス4回戦
14:15~ ジュニア男子・女子準決勝/混合ダブルス準決勝
15:00~ 男子ダブルス5回戦/女子シングルス6回戦(ベスト8決定戦)
16:15~ ジュニア男女決勝/混合ダブルス決勝

ジュニア男女と混合ダブルスの3種目でチャンピオンが決定する。その対戦カードもチェックしておこう!

●男子ジュニア準決勝
丹羽(青森山田高) vs. 村松(エリートアカデミー)
町(青森山田高) vs. 吉田(青森山田高)

●女子ジュニア準決勝
谷岡(エリートアカデミー/帝京) vs. 松平(四天王寺高)
平野(ミキハウスJSC山梨) vs. 前田(ミキハウスJSC)

●混合ダブルス準決勝
吉村/石川(野田学園高/全農) vs. 松平賢/若宮(青森大/日本生命)
大矢/森薗(東京アート/日立化成) vs. 上田/鈴木(青森大/青森山田高)

男子シングルス4回戦でも5連覇中の王者・水谷隼(明治大)が登場するなど、とにかく盛りだくさんの大会第4日目、速報担当は粘り強くリポートをお伝えしていきます!
東京に初雪が降った1月20日、到着した東京体育館は雪の中にありました。
大会第4日目の今日は、11時から女子ランク決定戦となる女子シングルス5回戦がスタート。その対戦カードは以下のとおりとなっている。

●女子シングルス5回戦(ランク決定戦)
石川(全農) vs. 加藤(TKOクラブ)
石塚(十六銀行) vs. 小野(サンリツ)
藤井優(日本生命) vs. 北岡(中央大)
中島(早稲田大) vs. 野上(日立化成)
田代(日本生命) vs. 鈴木(青森山田高)
松澤(淑徳大) vs. 土田(中国電力)
岡本(サンリツ) vs. 市川(日立化成)
松平(四天王寺高) vs. 森薗(日立化成)
福原(ANA) vs. 松本(四天王寺高)
大庭(淑徳大) vs. 前田(ミキハウスJSC)
山梨(十六銀行) vs. 平野(東京富士大)
宋(青森山田高) vs. 若宮(日本生命)
平野(ミキハウス) vs. 丹羽(青森山田高)
中尾(早稲田大) vs. 福岡(中国電力)
石垣(淑徳大) vs. 野中(日立化成)
池田(東京富士大) vs. 藤井寛(日本生命)

石川は小学6年生の加藤の挑戦を受ける。カットの石垣 vs. 野中は長期戦になりそうだ。