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世界卓球東京大会WEB速報

 香港女子チームの帖雅娜は、昨年12月に男の子を出産。パパは香港男子チームの唐鵬。出産からまだ4カ月だが、香港女子チームの李静監督がチームのまとめ役として代表入りを熱望。異例のスピード復帰となった。
 さすがに試合への出場は、この第5戦クロアチア戦・3番の1試合のみ。まだふっくらとした様子で動きは重そう。クロアチアの帰化選手ティエン・ユアンに敗れた。本人は2016年リオデジャネイロ五輪までの現役続行を希望しており、まだまだモチベーションは健在だ。
 男子グループAは、中国が5試合とも3−0で勝利し、グループ1位通過を決めた。初戦のブラジル戦、第2戦のポーランド戦ではゲームを落とす場面が目立ち、不安定な戦いぶりだったが、第3戦からはロシア、オーストリア、セルビアを3試合ともストレートで退ける圧倒的な強さ。張継科、馬龍、許シンの3人によるベストオーダーは1試合もなく、5人の選手を交替させながら戦っている。

 皮肉なことに、中国はこの会場では驚くほど存在感が薄い。いつもどの台より早く試合を決めて、静かにコートを去って行ってしまうからだ。
  • 豪打健在、馬龍

  • 王皓は球威は落ちたが、安定感は相変わらず

 女子グループC、昨日シンガポールに敗れ、1位通過の可能性が低くなった韓国が、さらなるピンチに見舞われた。グループリーグ最終戦となるルクセンブルク戦で、トップ梁夏銀が倪夏蓮に、2番石賀浄がデヌッテに敗れ、0−2のビハインド。もし敗れれば、韓国はオランダ・ルクセンブルクと3勝2敗で並び、三者間の得失試合数の計算で4位に落ちる可能性もあった。
 韓国は何とか2−2のラストに持ち込み、5番石賀浄も倪夏蓮に2ゲームを先取されながら逆転勝ち。3−2の勝利でグループC2位の座を確保したが、まさに冷や汗ものの勝利だった。グループCは1位シンガポール、2位韓国、3位オランダが決勝トーナメント進出。惜しくも4位に終わったとはいえ、ルクセンブルクの健闘も光った。
  • 石賀浄は、ちょっと顔の感じが変わったような…

  • 石賀浄を2番で破ったデヌッテ

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(リーグ内の6チームの並びは、上からワールドチームランキング順です)

女子は既に昨日の時点で予選リーグ1位通過を決めています。
男子は本日ハンガリーに勝てば1位通過!
★5月1日の日本チームのタイムテーブル
16:30〜 日本男子 vs. ハンガリー
19:30〜 日本女子 vs. オーストラリア

 大会第4日目は予選グループリーグの最終戦。日本は男子がハンガリー、女子がオーストラリアと対戦する。
 男子は昨日フランス、ポルトガルを破り、予選グループ1位通過へ大きく前進したが、まだ油断はできない。ギリシャを破っているハンガリーは、カット+攻撃のパッタンチュース、パワーヒッターのヤカブとコシバがおり、とても気の抜ける相手ではない。昨日右足を傷めた水谷も、温存している余裕はなさそうだ。

 女子はすでにグループリーグ1位通過を決めている。村上監督が「100点の出来」と讃えるほど、ここまで危なげのない戦いぶり。どの選手もきっちり自分の役割を果たしているが、村上監督の用兵術も見事だ。オーストラリア戦ではエース石川は休ませ、平野に若手の田代、森を絡めた布陣か。

 さあ、男子も勝って、揃って準々決勝進出だ!
 日本戦で2点を落としたポルトガル男子のエース、マルコス・フレイタス。倉嶋洋介監督が「今すごく波に乗っている選手。YGサービスの変化があって、レシーブが難しい」と評した。
 日本戦では勝利の女神は微笑まなかったが、回転量の多い両ハンドドライブ、吸い付くようなボールタッチはさすがだった。13時からのギリシャ戦4番で、イオニスとゲームオール16−14という激戦を演じた疲れもあったのかもしれない。「今日は日本のほうが、ぼくたちよりもグッドチームだったということ。(丹羽と水谷に敗れたが)自分としては特に左利きが苦手ということはない」と試合後にコメントした。

 そのプレースタイルは日本の水谷とよく似ているが、本人曰く「特に意識したことはないよ。でも確かに似ているとは思うね」とのこと。ミックスゾーンでは旧知の仲である岸川と、うれしそうに笑顔で挨拶を交わしていた。負けても言い訳はせず、気持ちの切り替えの早さはさすがプロ選手だ。下写真左はフレイタス、右は松平を破ったモンテイロ。
 ポルトガル戦で2勝を挙げ、エースの重責を果たした水谷隼。試合後、取材をパスして治療を受けることを勧められても、ミックスゾーンで報道陣の取材に答えてくれた。

「傷めたところは、昨日から若干違和感があったけど、今日試合をする中でどんどん痛みが広がっていった。でもぶつけたわけじゃなくて、筋肉の張りの痛みなので、少し休めば完治すると思います。お尻のあたり、足の付け根あたりですね。サービスを出す時に低い体勢を保つのがちょっとキツいです。
 5ゲーム目はここまで来たのでやるしかない、たくさんの声援をいただいて絶対に勝ちたいという気持ちでした。足が痛くて、3・4ゲーム目はかばってしまったので、5ゲーム目はバックで処理するようにしたら、それがうまく相手のフォアに決まった。今日はこれからマッサージして、できれば明日も戦えるようにしたい。
 今日の2勝は大きい。明日ハンガリーに勝てば1位で通過できる。前回・前々回と予選で1敗してからメダルを獲得しているので、地元でそれを再現したい」
1番の水谷は、これまでの試合と比べて攻めが非常に早くなっていた。バックサイドをフォアで回り込もうとするアポローニャに対し、打球点の早いドライブやカーブドライブで相手を詰まらせたり、バックでとらせる戦い方が非常に有効だった。フォア前への変化を入れたサービスとストップレシーブで相手の攻めを封じて、先に攻めていったのが勝因だろう。

丹羽は、相手にフォアドライブをフルスイングさせてしまうと劣勢になるので、それを技とコースの多彩さで相手を翻弄した。彼の卓球は独特の世界観がある。一見凡ミスのように見えるプレーもあるが、それが彼の独特の卓球スタイルなのだ。まだ完成されていないので、この先、彼の卓球が完成されるとどんなプレースタイルになるのか見てみたい。小柄で、線が細いので、そのスタイルを完成させるには、これから先、技術を含めたトレーニング方法が重要となるだろう。

松平は非常に惜しいゲームだった。攻め方は決して悪くなかった。1ゲーム目、7-5でリードしていたところまでは松平のペースだったが、そこでサービスミスをしたために少しナーバスになったようだ。そのゲームを取っていれば、松平のペースになっていた可能性があるだけに惜しかった。松平の卓球は非常に速い卓球スタイルで、1秒の何百分の1の世界。その高度なレベルの中で、常に正確にボールをコントロールするのは難しく、その精度が時々低くなることがある。しかし、それが常に高い状態になれば世界のトップは見えてくると思う。

4番の水谷は、1番のアポローニャ戦と同様に攻めが早く、それにプラス、バックドライブからの攻撃も多く見られた。3ゲーム目、相手の選手がバックストレートを多用したため、水谷の流れが止まってしまったが、5ゲーム目の前半に、ストップレシーブを含めて台上プレーで相手の攻撃を防ぎ、後ろに下がらず前で攻撃、ブロックができたのが勝因だ。4ゲーム目終了後に足を気にしてマッサージを受ける場面もあったが、それだけエースとして多くの試合を戦い、相当の負荷がかかっていたと思われるが、それでもなお勝ち切った彼のすごさが際立った一戦だった。

3番の松平はフルゲームで負けはしたが、3選手ともすばらしい試合内容だった。
 〈日本 3−1 ポルトガル〉
○水谷 7、7、9 アポローニヤ
○丹羽 8、−6、10、−4、9 フレイタス
 松平 −9、12、7、−9、−9 モンテイロ○
○水谷 6、7、−7、−4、6 フレイタス

 日本男子、ポルトガルに勝利!
 これで明日のハンガリー戦にかてば、グループC1位通過だ!

 日本はトップ水谷が幸先良く先制点を挙げたものの、2番丹羽は大苦戦。フレイタスの回転量の多いフォアドライブに押され、ラリー戦になるとなかなか得点できなかった。なんとか持ち込んだ最終ゲームも、2−6、4−8とリードを許したが、ここから臆せずにフォアの攻撃を仕掛け、一気の6点連取。11−9で熱戦に終止符を打ち、全日本で初優勝した時のように、静かにこぶしを固めた。

 3番松平は惜しい内容。勝利をほぼ手中に収めていたが、モンテイロの豊富な運動量と、中・後陣での粘りに屈した。最終ゲームは8−5とリードしていただけに悔やまれる。

 そして4番は水谷とフレイタスのエース対決。この試合で水谷は、昨日から違和感があったという右太ももの付け根の痛みが悪化。2−0のリードから2−2としたところで治療を受ける。ここで決着をつけたい日本。水谷はこの絶体絶命のピンチに、前陣を死守しての両ハンド攻撃を選択。特にバックハンドのカウンターで何度もフレイタスのフォアを打ち抜いて、技術の幅の広さを見せた。最後は10−6で、ガツンと切ったフォアのツッツキレシーブをフレイタスが持ち上げられず。安堵の勝利だった。
  • 丹羽、最終ゲーム4−8から逆転!

  • 技術力の幅広さでフレイタスを破った水谷。さすがエース!

  • 22時半を回っても、大きな声援が送られた

日本対ポルトガルの3番。

 松平  ー9、12、7、ー9、ー9  モンテイロ○

 最終ゲーム、出足で0−2とリードされ、日本タイムアウト。2−3、4−4、6−5、7−5、ドライブが決まり8−5。8−7、8−8、9−8、9−9。しびれる。9−10マッチポイントを奪われる。最後はドライブがオーバーミスで9−11。松平敗れる。
 4番はエース同士の水谷対モンテイロ。ここで決めたい日本。