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ジャパンオープン・荻村杯2015

朱世爀戦で勝利を決めた直後の吉村、振りかぶってからグイッとガッツポーズを決めてみせた。これで鄭栄植、唐鵬、そして朱世爀と世界ランキング20位以内の選手を3連破。リオ五輪をグイッとたぐり寄せる快進撃だ。

そして試合後は、フロアの観客席でサインを求める観客に、一人ひとり最後までサインを書き続けていた。ミックスゾーンに向かう途中には、日本チームのコーチ陣と笑顔で握手。地元開催のワールドツアーで、最終日を中国選手に独占されるのは悔しい。よくぞ勝ってくれました。
●男子シングルス準々決勝
吉村 9、ー6、3、ー6、8、10 朱世爀(韓国)

吉村真晴、朱世爀を破ってベスト4進出!
今日の最終試合で魅せてくれました!

サービスからの3球目でも対カットでも、カット打ちとは思えないほどの鋭いスピードボールを放つ吉村。得意のサービスでも、何度も朱世爀のレシーブミスを誘った。勝利を決めた第6ゲームは序盤に強打のミスが続き、3ー8とリードされたが、ここであきらめないのが吉村の成長の証(あかし)。7ー9、さらに8ー10とゲームポイントを奪われたが、10ー10に追いつき、12ー10で鮮やかな逆転勝利。「朱世爀とは引退するまでに一度やってみたかった」という吉村、日本選手が過去幾度となく涙をのんできた朱世爀の壁を、見事に打ち破ってみせた!

明日の対戦相手は尚坤。2年前のユニバーシアードではストレートで敗れているという相手だが、もうその時の吉村ではない。明日の最終日へ勝ち残った唯一の日本選手として、頂点まで突っ走れ!
  • 吉村、鮮やかな勝利でベスト4入り!

  • 朱世爀、最後は力尽きたか

  • 朱世爀の鉄壁のレシーブを崩した吉村のサービス

●男子シングルス準々決勝
許シン(中国) 10、4、9、11 黄鎮廷(香港)
●女子シングルス準々決勝
朱雨玲(中国) 4、ー8、5、4、ー9、3 徐孝元(韓国)

やはり勝ち残るのは中国勢か、許シンと朱雨玲が明日の準決勝に進出。女子シングルスは丁寧、劉詩ウェン、陳夢、朱雨玲の4人がベスト4を占めた。

許シン対黄鎮廷戦は、ペンドラ対決らしくダイナミックなラリーも随所に展開。黄鎮廷の裏面ドライブ、パワードライブの連打は迫力があったが、許シンのプレーにはまだ余裕があった。裏面でのチキータはさらに威力と安定性を増しており、中陣での打ち合いに持ち込めばまず負けない。
朱雨玲は徐孝元のカットに対し、豪快なパワードライブでグイグイ飛ばした。第5ゲームに9ー6から逆転されたが、第6ゲームはなんと10ー0までリードを広げ、勝負あり。ただ、対カットで連続失点するクセがあるのは気になるところだ。
  • 許シン、まだまだ実力の半分くらい?

  • 裏面打法を巧みに操った黄鎮廷

●男子シングルス準々決勝
尚坤(中国) ー10、5、8、9、5 村松
樊振東(中国) ー10、16、7、6、ー5、ー3、5 閻安(中国)
●女子シングルス準々決勝
陳夢(中国) 2、7、2、7 若宮

男女シングルス準々決勝、ベスト8に勝ち残っていた村松雄斗と若宮三紗子は、ともに中国勢に敗れた。

村松は惜しまれる内容だった。第1ゲームを先取し、続く第2ゲーム、第3ゲームも中盤でリードしながら、相手に連続得点を許した。「技術的には互角くらいだと感じていたけど、中盤でリードしてから追いつかれて、精神的に弱い部分があり、1本のミスから崩れてしまった。打っていったボールにミスが増えてきて、精神的にマイナスになり、どんどん入らなくなった」(村松)。尚坤の強烈なパワードライブ連打もよく拾い、調子は決して悪くなかったが……。バック面の粒高は、「今回初めてまともに試合ができた感じ」と手応えを感じているが、どうしても球質が単調になってしまう部分はある。バック面を粒高でいくか、表ソフトに戻すか、大きな選択だ。

若宮は陳夢のバックハンドに苦しんだ。少しでもあまいボールがバックに行くと、若宮のフォアサイドを切る厳しいコースにバックドライブが飛んでくる。「フォアやミドルを攻めたかった。でも押されて打球点が落ちて、バックにボールが集まってしまった。もう少しサービスから攻撃を仕掛けたかった」(若宮)。それでもベスト8入りは大健闘。「最近、攻撃的にいきすぎて力んでしまうプレーが多かったけど、今大会では力を抜いた状態でラリーができた。今までにない感覚をつかめました」。日本勢、これで残るは朱世爀と対戦する吉村真晴のみだ。
  • 村松、よく動き、よく守ったが及ばず

  • フォアサイドを厳しく突かれた若宮

  • 尚坤はベスト4進出を決めた

●女子シングルス準々決勝
丁寧(中国) ー7、3、4、3、5 石川
劉詩ウェン(中国) ー6、ー9、ー11、7、1、7、7 武楊(中国)

石川は丁寧に敗れ、ベスト8。サービスからの3球目攻撃をビシビシ決めて、快調に1ゲーム目を先取したが、丁寧は第2ゲーム中盤からしゃがみ込みサービスを混ぜてリズムを変えた。レシーブでは深く切ったツッツキを持ち上げさせ、早い打球点のブロックからバック対バックのラリーに持ち込む。上回転のラリーになった時の丁寧の強さは圧倒的。ゆっくりと締め付けるように得点を重ねていった。

「出足はすごく良かったけど、途中から凡ミスが多すぎた。2ゲーム目からしゃがみ込みサービスを出されて、それも少しキツかった。しゃがみ込みサービスの変化自体がイヤというより、3球目攻撃威力があるので、プレッシャーが大きい。
 まだまだ実力不足です。攻めた時にはしっかり攻め切れる選手になりたい。大きいラリーを1本でも取れればこちらに流れが来る。また来週韓国オープンがあるので、それに向けてしっかり調整していきたい」(石川)

準決勝のもうひと試合は、劉詩ウェンが武楊に0ー3から逆転勝ち。武楊のカットを、早い打球点で正確に連打し、広角に攻める技術力に脱帽だ。
  • 石川、第1ゲームの出足は素晴らしかったのだが……

  • 丁寧のしゃがみ込みサービス

●女子ダブルス準決勝
劉斐/武楊(中国) 4、5、ー8、6 杜凱琹/姜華君(香港)
リン・イエ/ジョウ・イーハン(シンガポール) 8、6、8 丁寧/劉詩ウェン(中国)

●男子ダブルス準決勝
馬龍/許シン(中国) 9、6、5 アポローニャ/譚瑞午(ポルトガル/クロアチア)
樊振東/尚坤(中国) 12、ー8、4、14 森薗/大島

男女ダブルスの準決勝が行われ、日本期待の森薗/大島は、樊振東/尚坤に惜しくも敗れた。前陣ならば互角以上の戦いだったが、中陣での打ち合いはやはりパワーの中国ペアが上。サウスポーの尚坤にややミスが多かったが、勝負所では思い切って森薗/大島ペアのボールを狙ってきた。森薗/大島は10ー8でゲームポイントを取った第1ゲームをものにしたかった。

「チャンスがあっただけに負けたのが悔しい。中陣に下がって引き合いになるとパワーでやられてしまった。中盤でゆるいチキータに尚坤が合わなかったので、最後のジュースの場面で2回使ったけど、それを狙われてしまった。」(森薗)
「相手ペアはあまいボールを見逃さなかった。前陣でフォアハンドのカウンターが入った時は得点できたけど、中陣では相手のボールの伸びに押された。伸びてくるボールにもしっかり対応できるようにしたい」(大島)
  • 森薗/大島、中国ペアを2タテはならず

  • 徐々にコンビネーションが良くなっている樊振東/尚坤

●男子シングルス2回戦
樊振東(中国) 6、9、ー7、8、8 江天一(香港)
閻安(中国) ー9、8、6、11、10 方博(中国)
黄鎮廷(香港) 4、4、6、6 森薗
許シン(中国) ー2、7、9、8、ー8、5 アポローニャ(ポルトガル)

男子シングルス2回戦が終了。男女ともベスト8が出揃った。
森薗は香港の右ペンドライブ型・黄鎮廷に完敗。「サービスが全部台から出てしまって、レシーブから攻められて、台上に(サービスを)置きにいったらチキータされた。戦術の転換もできないまま、途中から何をやっているのかわからなくなった」(森薗)。黄鎮廷は中国勢のような前陣での攻めの速さ・厳しさはないが、裏面でのチキータと中陣ドライブは非常に安定しており、フォアドライブも巧みにコースを打ち分けてくる。日本勢にとって強力なライバルになっている。森薗、ここは切り替えて男子ダブルス準決勝に臨んでほしい。

蘇州大会で男子シングルス2位の方博は、閻安に1ー4で敗れた。蘇州大会のファイナリスト2人が、今大会はベスト16止まり。敗れた相手はいずれもチームメイト。少しでもパフォーマンスが落ちれば、こういう結果になるのが中国の厳しさだ。
  • 森薗、無念の完敗

  • 黄鎮廷、もはやジャパンキラーか?

  • 方博は同年代のライバルに敗れる

●女子シングルス2回戦

丁寧(中国)
 6、3、5、−11、8    伊藤美誠(日本)
徐孝元(韓国) −9、9、−9、5、7、5  
福原愛(日本)
武楊(中国)  3、5、4、10       李皓晴(中国)

劉詩ウェン(中国) −5、10、9、6、9  姜華君(香港)



 世界チャンピオン丁寧に挑戦した伊藤は、丁寧のサービスに苦しみ、ラリーの主導権を奪えなかったが、開き直ったかのように4ゲーム目で積極的に仕掛け、ジュースで1ゲームを取った。5ゲーム目も7−7まで競り合ったが、最後はフォアを突かれ、8−11で落とし、敗れた。
「1ゲーム目から3ゲーム目までは打っても決まらなくて、4ゲーム目からはコースを考えて攻めるようになったら展開はよくなった。丁寧さんとは初めての試合で、もうすこしやれるとは思ったけれど、良い試合だった。丁寧さんは競った時にもっと強くなる感じ。それにサービス力がある。今日は50くらいの出来かな。もう1ゲームやりたかった。プロツアーがあと4大会あるのでひとつずつ頑張って9月の世界ランキングでリオ五輪に出られるようにしたい」(伊藤)。

 福原は2−1とゲームをリードしたが、徐々に徐孝元(韓国)のカットを攻めあぐみ、反撃され、ペースを崩された。
「戦術がうまくいかなかったのが一番の敗因。何度も対戦している相手だけど、自分のイメージと違う戦術を相手も使ってきた。相手の攻めるボールに対してブロックのミスが多かった。まだまだ大会は続くのでコンディションを整えて臨みたい。オリンピックに出るまでの1年前というのはいつも苦しい。私だけが苦しいわけじゃない。相手が誰であっても自分自身との戦いです」(福原)。
  • 伊藤、丁寧に挑むも1ー4

  • 福原にまたもカットの壁

●男子ダブルス準々決勝

馬龍/許シン(中国)
 7、6、−7、10 松平健太/丹羽孝希(日本) 
樊振東/尚坤(中国) 6、8、8 趙彦来/金東賢(韓国)

森薗政崇/大島祐哉(日本) 9、6、9 江宏傑/黄聖盛(チャイニーズタイペイ) 
アポローニャ/譚瑞午(ポルトガル/クロアチア) 不戦勝 鄭栄植/金珉鉐(韓国) 

 日本ペアは2組出場した準々決勝。馬龍/許シン(中国)がパワーで松平健太/丹羽孝希に勝利した。日本ペアは3ゲーム目、一矢を報いたが力及ばずベスト8に終わった。
 中国ペアに勝って勝ち上がってきている森薗政崇/大島祐哉の勢いは止まらない。森薗のカウンター、大島のフォアドライブが炸裂し、準決勝進出を決めた。
  • 森薗/大島、プレーに自信と貫禄が出てきた

  • 松平/丹羽はラリー戦でパワーに屈す

★6月27日の試合予定

10:00〜 ●女子ダブルス準々決勝
馮天薇/ユ・モンユ(シンガポール) vs. 杜凱琹/姜華君(香港)
劉斐/武楊(中国) vs. 田志希/梁夏銀(韓国)
李皓晴/帖雅娜(香港) vs. リン・イエ/ジョウ・イーハン(シンガポール)
陳夢/朱雨玲(中国) vs. 丁寧/劉詩ウェン(中国)

10:30〜 ●男子ダブルス準々決勝
松平健太/丹羽孝希 vs. 馬龍/許シン(中国)
鄭栄植/金珉鉐(韓国) vs. アポローニャ/譚瑞午(ポルトガル/クロアチア)
樊振東/尚坤(中国) vs. 趙彦来/金東賢(韓国)
森薗政崇/大島祐哉 vs. 江宏傑/黄聖盛(チャイニーズタイペイ)


11:00〜 ●女子シングルス2回戦
伊藤美誠 vs. 丁寧(中国)
福原愛 vs. 徐孝元(韓国)
武楊(中国) vs. 李皓晴(中国)
劉詩ウェン(中国) vs. 姜華君(香港)

12:00〜 ●男子シングルス2回戦
樊振東(中国) vs. 江天一(香港)
閻安(中国) vs. 方博(中国)
森薗政崇 vs. 黄鎮廷(香港)
許シン(中国) vs. アポローニャ(ポルトガル)

13:30〜 ●女子ダブルス準決勝
14:00〜 ●男子ダブルス準決勝

14:30〜 ●女子シングルス準々決勝(2試合) 石川佳純 vs. 丁寧−伊藤戦の勝者
15:30〜 ●男子シングルス準々決勝(2試合) 村松雄斗 vs. 尚坤(中国)
16:30〜 ●女子シングルス準々決勝(1試合) 若宮三紗子 vs. 陳夢(中国)
17:30〜 ●男子シングルス準々決勝(1試合)
18:30〜 ●女子シングルス準々決勝(1試合)
19:30〜 ●男子シングルス準々決勝(1試合) 吉村真晴 vs. 朱世爀(韓国)

大会も第4日目を迎えたグリーンアリーナ神戸。今日は男女シングルスの2回戦および準々決勝が進行。最終試合の吉村対朱世爀戦まで、伊藤美誠対丁寧、福原愛対徐孝元、村松雄斗対尚坤など、見逃せない試合の連続だ。男子ダブルス準々決勝では、日本の2ペアがメダル獲りに挑む。