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ジャパンオープン・荻村杯2016

●男子シングルス準決勝
許シン(中国) ー8、9、8、ー5、6、4 馬龍(中国)

男子シングルス準決勝の第1試合は、許シンが馬龍を破って決勝進出!

許シンにうまく裏面を振らせてミスを誘い、第1ゲームを先取した馬龍。第2ゲーム7ー4、第1ゲーム6ー4と中盤までリードしたが、許シンはコースのわかりにくいフォアフリック、フォア前までカバーする裏面チキータなどで逆転。馬龍は試合後、「プレーの出来は普通だったけど、第2ゲームと第3ゲームはチャンスを逃した」と悔しさをのぞかせた。
第5ゲーム、許シンは3ー6から8点連取でこのゲームを奪い、勝利に王手をかけると、第6ゲームは馬龍のバックサービスなどの揺さぶりにも動じず。2大会連続の決勝進出を決めている。

馬龍、敗れたとはいえ体は相当絞れており、今大会についていえば様々な技術を使いながら、自分のプレーを確認していた印象。「リオ五輪まで準備すべきことはたくさんある。今大会の結果も良い教訓にしたい」(馬龍)。
  • 許シン、2連覇まであとひとつ

  • バックサービスも使った馬龍だが、流れは変えられず

  • ベンチは無人でも、しっかり見てます、劉国梁監督

 ただ今、会場では男子シングルス準決勝の第1試合、馬龍対許シン戦が進行中。ゲームカウントは1ー1、勝負の行方はまだまだわかりません。その結果は後ほどお伝えするとして、ジャパンオープンで撮影した写真の中から、ちょっと気になる何枚かを紹介しましょう。
  • こ、ここにも丁寧親衛隊が。出張か、それとも日本支部か

  • その丁寧の入場。後ろの写真がズレてて怖いです

  • 樊振東のフォアドライブ、これで後ろに倒れないのがスゴイ

  • ブラジルベンチに入ったピーター・カールソン。スウェーデン黄金時代の一翼を担った

  • 模範的なファンサービスを見せている張継科。結構時間かけてます

  • 大会終盤の2日は1台での進行。東京五輪ではどんな雰囲気になるのでしょう

★6月19日のタイムテーブル

10:00〜 ●男子シングルス準決勝 馬龍(中国) vs. 許シン(中国)
11:00〜 ●女子シングルス準決勝 劉詩ウェン(中国) vs. 朱雨玲(中国)
12:00〜 ●男子シングルス準決勝 張継科(中国) vs. 樊振東(中国)
13:00〜 ●女子シングルス準決勝 鄭怡静(チャイニーズタイペイ) vs. 丁寧(中国)

15:00〜 ●男子シングルス決勝
16:00〜 ●女子シングルス決勝
《表彰式》

19:00〜 ●男子ダブルス決勝 荘智淵/黄聖盛(チャイニーズタイペイ) vs. 馬龍/許シン(中国)
19:45〜 ●女子ダブルス決勝 丁寧/李暁霞(中国) vs. 劉詩ウェン/朱雨玲(中国)
《表彰式》

 大会最終日の6月19日。男女シングルスの準決勝・決勝が行われ、時間をあけて夜に男女ダブルス決勝というタイムテーブル。ワールドツアーでは男子シングルス決勝が最終試合というのが通例だが、テレビの放映スケジュールなどで、タイムテーブルは結構変わる。今年のドイツオープンやオーストラリアオープンは、男子ダブルス決勝が最終試合だった。そして今大会は女子ダブルス決勝が最終試合。残念ながら、そこに日本ペアの姿はないが……。

 男女シングルス準決勝は中国のトップクラスが顔を揃え、世界選手権並みにハイレベル。願わくば、中国勢同士の対戦でも気合いの入ったプレーを見せてほしい。
 丁寧に全力で挑んだ早田ひな。そのプレーと同様、試合後のコメントも清々しいものだった。「丁寧選手は自分の中では一番の憧れだけど、試合ではその気持ちを捨てて勝ちにいった。フォアでの打ち合いでは負けてしまうので、バック対バックに戻す作戦だった。バック対バックでは思った以上にやれたので、後半はそこで勝負しました。1ゲーム取るチャンスがあったのですごく悔しいし、次に試合する時もどんどん声を出して攻めていきたい」(早田)。

 今年のカタールオープンでは、次のラウンドで左腕の田志希(韓国)と当たる丁寧に練習相手に指名され、緊張しながらも相手を務めたという。「すごくうれしかったです。練習の後で、自分と同じ15歳の時、どんな練習をしていたかを聞きました。フットワークとサービスからの3球目攻撃の戦術練習をすごくたくさんやったと聞いた。『私を超えてください』と言われました」(早田)。

 ちなみに今朝、ホテルでの朝食で同い年の伊藤美誠にこんな言葉をかけられたという。「頑張ってね、丁寧は対応能力低いから」。……いかにも伊藤らしいコメントだが、早田は自信をもらったという。東京五輪出場を目指している早田、丁寧が東京五輪に出てくることがあったら「絶対に倒したい」と言い切った。黄金世代の中でも随一のセンスと言われた大器が、いよいよ頭角を現してきた。
  • 伸びやかなバックドライブを見せた早田

●女子シングルス準々決勝
丁寧(中国) 5、10、4、6 早田

女子シングルス準々決勝、早田と丁寧のサウスポー対決は、丁寧がストレートで勝利。早田は第2ゲームに10ー9でゲームポイントを奪ったが、ここで決死のチキータを丁寧に狙われ、続く10ー10から苦しまぎれのフォアブロックをエッジでねじ込まれた。フォアでの打ち合いではやはりパワーの差は大きかったが、バック対バックではむしろ優位に立ち、3球目パワードライブで打ち抜く場面もあった。憧れの選手という丁寧にも一本決めるごとに声を出し、闘志を前面に出して戦っていた。

試合後、中国女子の孔令輝監督は「中国だとあの若さではまだジュニアチームで、国際大会には出てこない。日本ではどんどん大会に出てくるので、成長が早くなる」とコメント。早田の成長を認めた。
  • 闘志満々で戦い抜いた早田

  • 丁寧、ゲームを奪うことは許さず

●女子シングルス準々決勝
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) 9、7、ー9、ー7、3、10 馮天薇(シンガポール)
●男子シングルス準々決勝
樊振東(中国) ー7、5、5、6、8 ゴーズィ(フランス)

女子シングルス準々決勝の第3試合は、鄭怡静が馮天薇を4ー2で下した。2回戦で石川を下した鄭怡静は、水平に振りぬくパワードライブの球威もさることながら、それを2本、3本と連打できる合理的なスイングが良い。バックハンドも安定性が増し、バック対バックで簡単には打ち負けなくなっている。これまでは時折スーパープレーはあっても、馮天薇のような頭脳派タイプを攻略できないイメージがあったが、もはやただの強打者ではない。日本女子にとっても怖い選手が、その才能を開花させてきた。

そして男子シングルス準々決勝の第4試合では、樊振東がゴーズィを撃破。馬龍、許シン、張継科に続いてベスト4進出を決め、これで中国がベスト4を独占した。ゴーズィが威力ある両ハンドドライブで第1ゲームを先取したが、台上の緻密なプレーとライジングをとらえるバックハンドの速攻連打で、樊振東が逆転。第5ゲームの0ー0では、樊振東が「ノーバウンドの横入れ(ネットを迂回して、すべらせるように相手コートにボールを入れる)」というスーパーテクも決め、ゴーズィも拍手を送った。

ただ、樊振東の第1ゲームの受け身のプレーは、後からお説教を食らうかもしれない。かつての爆発力は影を潜め、成熟期に入ってきた樊振東。かつての相手をねじ伏せる爆発力も、また見てみたい。
  • 鄭怡静のカミソリスイング!

  • 樊振東、恐るべきテクニックを披露

  • 敗れるも成長のあとを見せたゴーズィ

●男子シングルス準々決勝
張継科(中国) 8、ー5、13、2、ー8、6 サムソノフ(ベラルーシ)

張継科対サムソノフ。12年ロンドン五輪でゲームオールの接戦を演じ、15年世界選手権でも随所に好ラリーを展開したふたりの対戦。身体がシェイプアップされたサムソノフは、以前よりも積極的な回り込みフォアドライブ、そして機を見てバックストレートへのカウンターバックドライブで張継科のフォアを抜いた。何度もゲームポイントを握った第3ゲームを取り、ゲームを先行していれば、もう少し張継科にプレッシャーをかけられたのだが……。しかし、サービスの球種とコースを変えながらサムソノフを揺さぶり、フォアクロスへのカウンターにさらにカウンターを合わせる好プレーを見せた張継科は、やはり強い。大会序盤はまったく気合いの入らない様子だったが、ラウンドが進むにつれて目つきが変わってくるあたり、やはり大舞台になるほど強い男だ。

試合が終わるたび、アリーナ席に座っているファンが選手の退場口にめがけて猛ダッシュ。人垣を作って待っている。素通りする選手もいれば、サインする選手もいるのだが、最後まで残って丁寧にサインをしているのが張継科。……いささか意表を突かれたが(失礼)、五輪金メダリストのサインをもらって、みんなうれしそうだ。
  • 相当仕上がってきている張継科

  • サムソノフ、6大会目の五輪に向けて調子は上々

  • 最強・中国の大黒柱はこの人、劉国梁総監督

●男子シングルス準々決勝
許シン(中国) 7、5、ー8、3、8 黄鎮廷(香港)
●女子シングルス準々決勝
朱雨玲(中国) 8、9、ー5、12、6 李暁霞(中国)

男女シングルス準々決勝の第2試合、中国から許シンと朱雨玲が準決勝に勝ち上がった。
左の許シンと右の黄鎮廷、世界最高峰のペンドラ対決となった一戦は、黄鎮廷も威力あるフォアドライブをストレート、クロスと多彩なコースに打ち分け、3ゲーム目を奪う健闘を見せたが、許シンのフォアドライブは低く沈みながら伸びていき、さすがの黄鎮廷もカウンターできない。少しでも隙を見せると中陣フォアドライブで反撃され、最後は勝機を見出せなくなった。

朱雨玲と李暁霞の中国対決は、見応え十分の両ハンドの攻防。その中でも、朱雨玲の両ハンドの守備力は光っていた。第4ゲーム、10ー8のリードから10ー11と逆転され、ここを落として2ー2とされると試合はわからなかったが、14ー12でしのぎきった。第5ゲーム中盤からは、李暁霞がやや集中力を欠く内容だった。

しかし、李暁霞も電光石火の回り込みフォアドライブでバックストレートに打ち抜くなど、往年の輝きを少しずつ取り戻しつつある。昨年は故障に苦しみ、現役引退も考えたというが、「私を必要としてくれる人がいるから奮起できた。今はリオに向けて順調に調整できている」と語った。「私はチームで最年長だし、経験も豊富だし、失敗の経験もたくさん、たくさんしている。この経験は誰よりも多いでしょう。チームが私に求めるのはその経験だという自覚はあります」(李暁霞)。リオ五輪でも中国女子の精神的支柱は、やはりこの選手か。
  • 許シン、卓球台にからみついていくようなフォアドライブ

  • 敗れたとはいえ、まだまだ伸び盛りの黄鎮廷

  • 朱雨玲は持ち味の守備力を存分に発揮

  • 李暁霞、リオ五輪に向け調整はまずまず

 水谷を破ってベスト4進出を決めた馬龍。試合後、「試合全体としては良かった。前半の2ゲームをスムーズに取れたのがとても大きかった。水谷とはもう2年くらい試合をしていないけど、毎回試合は観ていたし、中国人のコーチがついてレベルアップしている。前は後ろに下がることが多かったけど、ピッチが早くなった印象がある」と語った。

 「この大会は前回は2回戦負けだったので、今回はベスト4に入れてうれしい。毎回日本のファンも歓迎してくれるし、自分も日本がとても好き。日本で卓球のファンがもっと増えてほしい」(馬龍)。

 来るリオ五輪、念願の単複2種目出場を果たす馬龍。「体力的にも技術的にも、自分に要求されるレベルは厳しいものになると思うけど、そこは自覚している」と油断はない。長期の集合訓練の最中だからか、かなり疲労が蓄積している印象もあるが、世界チャンピオンはやはり強い。
●男子シングルス準々決勝
馬龍(中国) 7、8、9、8 水谷隼
●女子シングルス準々決勝
劉詩ウェン(中国) 7、4、4、4 帖雅娜(香港)

 世界ランキング1位の馬龍に挑んだ水谷。各ゲームともスコアは競り合いながらも、ストレートで敗れた。第2ゲーム8ー5のリードから6点連取を許したのが響いた。
しかし、試合内容としては馬龍に対して前陣を死守し、ミスが出ても果敢にフォアのカウンターで狙った。サービス・レシーブでも先手を取るシーンが多かったが、馬龍は水谷の強打も確実にブロックしてミスを誘い、ラリー戦ではフォアストレートをうまく使った。そして少しでも長いサービスは、絶対に見逃さずにレシーブからフォアドライブ。「今日の試合で7〜8本長いサービスを打たれた。卓球選手として一番ダメなプレー」(水谷)。

「馬龍がバック面を粘着性の裏ソフトに変えて、初めての対戦だったので、最初はその変化がわからなくて、第1ゲームは『どうしよう、どうしよう』という感じだった。2ゲーム目から慣れてきて、3ゲーム目以降は普段通りやれた。相手は中国なので、前陣で積極的にカウンターを狙っていかないと勝てない。そのカウンターが今日は1本は入ったけど、それを返された時に2本、3本と連続で打てない。今後はカウンターからたたみかけていきたい」。試合後に馬龍戦を振り返った水谷。
「今日はレシーブからの4球目やラリーで得点できた。今までにない点の取り方がたくさんあったし、後ろに下がってしまうプレーも今までは10本くらいあったけど、今日は1~2本だった」と手応えも感じた様子だった。今日の水谷は、勇気ある敗者だった。その背中には気迫があった。これで人生初というワールドツアー4連戦を戦い終えた。

女子シングルスの準々決勝・第1試合は、劉詩ウェンが帖雅娜に完勝。早いピッチのプレーだけでなく、両ハンドで高い弧線のボールも操る劉詩ウェン。帖雅娜を完璧にコントロールしていた。
  • 普段は狙わないボールまでカウンターで狙った水谷

  • 馬龍、パワフルなだけでなく多彩な一面を見せた