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ジャパンオープン・荻村杯2016

●男子ダブルス準決勝
馬龍/許シン(中国) 9、ー7、9、ー1、5 樊振東/張継科(中国)
●女子ダブルス準決勝
劉詩ウェン/朱雨玲(中国) ー6、2、3、8 ユ・モンユ/周一涵(シンガポール)

男子ダブルス準決勝第2試合、中国男子の「ビッグ4」による競演はハイレベル。同士討ちということで、想像どおり気合いの入り方は今ひとつだったが、前陣でのチキータからの両ハンドの攻防、そして中陣に下がればフォアハンドで驚異的なフットワークを披露した。また、馬龍の台上フォアフリックの完成度の高さが印象的だった。女子ダブルス準決勝のもうひと試合は、相手に後陣に下げられても高い守備力を見せた劉詩ウェン/朱雨玲が勝利。世界チャンピオンペアの貫禄を見せた。
  • 馬龍(右)/許シン、同士討ちを制す

  • 樊振東(右)/張継科、チキータからの攻めは強力だった

  • 劉詩ウェン(左)/朱雨玲、決勝へ

男女ダブルス準決勝の第1試合が終了

●男子ダブルス準決勝
荘智淵/黄聖盛(チャイニーズタイペイ) 2、13、ー6、8 カルデラノ/ツボイ(ブラジル)
●女子ダブルス準決勝
丁寧/李暁霞(中国) ー11、4、7、ー10、9 鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ)

男女のダブルスが交互に行われる男女ダブルス準決勝。それぞれ第1試合が終了した。

男子ダブルス準決勝の第1試合は、タイペイペアが勝利。大型左腕の黄聖盛がダブルスでのうまさを発揮した。
ブラジルペアは第2ゲーム以降、序盤でリードしながらもイージーなミスが多かった。サウスポーのツボイがやや硬くなっていた印象あり。団体戦にはこのカルデラノ、ツボイと左ペンドライブのマツモトが出場するブラジル男子。シングルスで得点力のあるカルデラノを2点起用したいところだが、そうするとカルデラノ/ツボイのペアを崩さざるを得ず、マツモト/ツボイという左腕同士のペアリングになってしまう。悩みどころだ。

女子ダブルス準決勝の第1試合は、タイペイペアが健闘を見せた。鄭怡静のフォアストレートへのカウンタードライブは、中国ペアでもノータッチで見送るほどの切れ味。もうベテランの黄怡樺も、伸びのあるフォアドライブは健在だった。第4ゲーム、大きくリードされた場面から追いつき、第5ゲームも最後まで追いすがったが、あと一歩およばず。
  • 荘智淵(右)/黄聖盛、決勝へ進出

  • すでに長いペア歴を誇る鄭怡静(奥)/黄怡樺

  • カルデラノ(右)/ツボイは敗れるも3位入賞を決めた

★6月18日のタイムテーブル

●男子/女子ダブルス準決勝
10:00〜 MD カルデラノ/ツボイ(ブラジル) vs. 荘智淵/黄聖盛(チャイニーズタイペイ)
10:45〜 WD 鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ) vs. 丁寧/李暁霞(中国)
11:30〜 MD 馬龍/許シン(中国) vs. 樊振東/張継科(中国)
12:15〜 WD ユ・モンユ/周一涵(シンガポール) vs. 劉詩ウェン/朱雨玲(中国)

●男子/女子シングルス準々決勝
13:00〜 MS 水谷隼 vs. 馬龍(中国)
14:00〜 WS 劉詩ウェン vs. 帖雅娜(香港)
15:00〜 MS 黄鎮廷(香港) vs. 許シン(中国)
16:00〜 WS 李暁霞(中国) vs. 朱雨玲(中国)
17:00〜 MS 張継科(中国) vs. サムソノフ(ベラルーシ)
18:00〜 WS 鄭怡静(チャイニーズタイペイ) vs. 馮天薇(シンガポール)
19:00〜 MS ゴーズィ(フランス) vs. 樊振東(中国)
20:00〜 WS 早田ひな vs. 丁寧(中国)

※MD:男子ダブルス/WD:女子ダブルス
※MS:男子シングルス/WS:女子シングルス

大会第4日目の土曜日、今日は男女シングルスの準々決勝、男女ダブルスの準決勝が進行する。水谷と馬龍の大一番は午後1時スタート、早田と丁寧のサウスポー対決は今日の最終試合、午後8時から始まる。
 U-21男子シングルスで、史上最年少優勝を果たした張本智和。表彰式の後、ミックスゾーンに現れた時には声がすっかり枯れていた。それだけ声を出し、拳を固め、12歳の少年は戦い抜いた。初戦で第1シードの何鈞傑(香港/リオ五輪団体代表)を下すと、木造勇人、出雲卓斗という先輩プレーヤーを連破し、準決勝でリオ五輪代表のカルデラノ(ブラジル)にも勝利。そして決勝で、昨年のインターハイチャンプの三部航平にストレートで完勝した。

まさに圧巻の勝ちっぷり、大会序盤の話題を独り占めした格好だ。以下は張本の優勝コメント。
 
「大会前には決勝まで行きたいと言っていたけど、本当に決勝に来られるとは思っていなかった。目標はベスト4かベスト8、ベスト4でもちょっとできすぎかなと思っていました。U-21での最年少優勝は、昨日聞いてちょっと意識したけど、今日の試合が始まればいつも通りだった。
 試合の開始時間が延びて、待たされた分、出足が絶対大事になると思ったし、そこで離すことができたのが勝ちにつながった。ワールドツアーで表彰台に立つのは初めてだったので、うれしかったです。今日は1試合しかないので、この試合(決勝)には絶対勝つつもりで、試合前の練習もいつも以上にやりました。
 今大会では格上の選手にたくさん勝って決勝まで来られて、優勝して、成長することができたと思う。今年は全中や全日本ジュニアでの優勝が目標、そして将来的には東京五輪で金メダルを獲りたい」(張本)
  • フォアハンドの攻撃力が増し、手数も増えてきた

  • U-21女子優勝のツォンと表彰台で「自撮り」

●U-21男子シングルス決勝
張本智和(JOCエリートアカデミー) 1、6、11 三部航平(専修大)

●U-21女子シングルス決勝
ツォン・ジェン(シンガポール) ー6、6、6、5 浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)

U-21男子で中学1年生の張本智和が優勝。U-21男女の優勝記録を大幅に塗り替える、驚異の史上最年少優勝となった。
決勝第3ゲームの12ー11のチャンピオンシップ、フォアクロスへのカウンターで打ち抜き、トレードマークになってきた「エビぞりガッツポーズ」。「ハリバウアーと呼んでください」と男子NTの倉嶋監督。圧倒的な両ハンドの攻撃力を見せつけ、昨年のインターハイ王者の三部をストレートで下した。

U-21女子の浜本は惜しくも準優勝。「最近ずっと2位だったので、少し1位にこだわりすぎたかもしれない。相手に先に攻めさせられて、良い展開にならなかった。来週の韓国オープンに向けて、気持ちを切り替えたい」(浜本)
  • 張本、最後は豪快なフォアクロスのカウンタードライブ

  • これぞハリバウアー!

  • U-21男子優勝の張本(右)と2位の三部(左)

  • U-21女子優勝のツォン・ジェン(右)と2位の浜本(左)

●女子シングルス2回戦(ベスト8決定戦)
早田 8、11、ー9、15、8 サマラ(ルーマニア)
丁寧(中国) 7、4、ー10、9、4 伊藤

男女シングルス2回戦がすべて終了。伊藤は4月のリオ五輪アジア大陸予選で勝利した丁寧に1ー4で敗れ、リオ五輪代表の3人がここですべて姿を消した。
一方、早田がサマラとのサウスポー対決を制し、日本勢唯一のベスト8入りを果たした。

伊藤は試合後、「良い試合でした。丁寧選手とは結構ドッコイドッコイになってきたんじゃないかなと思います」とコメント。敗戦にも、悔しさより充実感をにじませた。昨年の対戦では丁寧の回転量に押され、一方的に敗れたが、この1年で6回の対戦を重ね、丁寧のボールに慣れてきた。
 「出足で丁寧選手のミドルを狙いすぎて、そこを懐深く返球された。ミドルを攻めているのに、回り込んでフォアストレートに振られるとか、攻めているはずなのに攻められた。でも、去年よりはすごく競れるようになってきたし、ラリーが続いて良い試合ができている。今大会は攻めるボールは良かった。五輪まではどこかを変えるというより、今持っているものを磨いていきたい」(伊藤)。

サマラとのサウスポー対決を制した早田は、試合後に「すごいうれしいです。丁寧選手と試合をしたかったので思い切って戦いました」とコメント。同じ左シェークドライブ型の丁寧が憧れの選手だと語った。五輪代表選手が相次いで敗れる中、存在をアピールする絶好の舞台になったが、「そういうことは全然考えていない。勝つことに集中しています」とキッパリ。
速く強く振れるフォアドライブの球威、そして確実に先手を取る回転量の多いバックドライブ。「黄金世代」の中で、やや遅れを取っていた感のある大器が、ついに本領を発揮してきたか。
  • 早田、ベスト8に躍進!

  • 伊藤、手応えを残しつつも敗れる。リオ五輪での再戦はあるか

  • 憧れの丁寧が待つ舞台へ、自力で勝ち上がった

●男子シングルス2回戦(ベスト8決定戦)
馬龍(中国) 10、10、6、6 鄭栄植(韓国)
水谷 5、8、ー10、14、9 吉村
黄鎮廷(香港) 6、7、8、10 李尚洙(韓国)
許シン(中国) 9、ー1、7、4、7 方博(中国)
張継科(中国) 9、5、9、ー7、7 林高遠(中国)

1回戦に9人の日本選手が出場した男子シングルス。1回戦と2回戦を勝ち抜き、ただひとりベスト8に勝ち残ったのはやはりこの男、水谷隼だった。吉村との同士討ちを4ー1で制した。

水谷は男子シングルスのシード権を争うレースのまっただ中。吉村としても全力で真剣勝負を挑むシチュエーションではない。台上でのサービス・レシーブからの厳しい攻防は少なく、台の横からボールを打ち合ったり、フォアドライブの派手な打ち合いが続く展開になった。
 それでも水谷は試合後、「同士討ちはすごくやりづらい。気にしないようにしていたけど、国際大会では特に嫌ですね。勝つことができてホッとしています」と日本勢同士の試合の難しさを語った。「先にバックドライブを振らせてカウンターを狙って、うまくラリー戦に持ち込むことができた。ただ、台の弾みとか湿気を考えすぎて、集中しきれなかったのは反省点です。明日は馬龍との対戦なので、今日みたいなプレーじゃ勝てない。最近調子は良いので、この調子の良さを見せつけたい」(水谷)。
  • 水谷、きっちりベスト8まで進むのはさすがだ

  • 吉村、敗れるも手応えを感じた様子

  • 後輩の林高遠に完勝した張継科

●女子シングルス2回戦(ベスト8決定戦)
劉詩ウェン(中国) ー9、6、5、6、4 リュウ・ジャ(オーストリア)
帖雅娜(香港) ー6、ー9、ー4、12、9、8、8 周一涵(シンガポール)
李暁霞(中国) 5、6、ー8、1、6 武楊(中国)
朱雨玲(中国) 7、7、ー14、8、ー8、ー4、12 シャン・シャオナー(ドイツ)
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) ー9、ー1、9、9、9、ー8、4 石川
馮天薇(シンガポール) 5、6、6、3 ユ・モンユ(シンガポール)

女子シングルスは2回戦が進行中。チャイニーズタイペイの鄭怡静と対戦した石川は、第2ゲーム10ー0でリードを奪うなど、快調に2ゲームを連取したが、鄭怡静は中盤からストップレシーブを多用。ストップ対ストップの展開で、石川は思うように展開が作れず、先に鄭怡静が仕掛けた。第5ゲーム7ー2のリードから逆転され、ゲームオールまで追いつくも、0ー5、3ー9と一気に離されて勝負あり。

「練習の成果はしっかり出せたけど、鄭怡静とは前回の対戦に比べるとサービス
レシーブで先手が取れず、良いコースを攻めることができなかった。7ゲーム目は出足の2本が良くなかったし、自分から攻めて点を取っていくプレーが少なかったですね。
 今は五輪シングルスのシード権を争っているし、そのライバルである馮(天薇)さんと次で当たるはずだったのに、そのチャンスを活かせなかった。五輪でのメダルを狙う上でも必ず当たる相手なので、挑戦したかった。でも、鄭怡静とも最近は勝ったり負けたりなので、ここでやっておいて良かったです」(石川)。
  • 石川、よく当たる鄭怡静に今回は惜敗

  • 以前の荒々しさが取れ、粘り強さも加わった鄭怡静

●男子ダブルス準々決勝
馬龍/許シン(中国) 6、ー10、8、8 丹羽/吉村
荘智淵/黄聖盛(チャイニーズタイペイ) 7、10、9 鄭栄植/李尚洙(韓国)

丹羽/吉村は馬龍/許シンに1ー3で敗れた。ふたりの調子は決して悪くなく、吉村が背面打ちを決めて会場をどよめかせる場面もあったが、最後は惜しいミスが出た。「最近ダブルスの練習が少ないので、連係でのミスが多く出た。相手に連続得点されている時にもっと落ち着いてプレーしたい。相手もあわてていたんですけどね」(倉嶋監督)。

単複ともに敗れ、ジャパンオープンを終えた丹羽は状態が心配だ。5週間のNT合宿でフットワーク練習や多球練習をやり込み、今大会に乗り込んできたが、この選手の強さは練習をやり込んで築くというより、もっと本能的、感覚的なもの。「世界選手権が終わってから国際大会でも勝てない時期が続いて、そうすると自信もなくなっていく。もうリオ五輪まで試合で自信をつける時間はないので、練習をやり込んで自信をつけたい」と語ったが……。「今日は最後に自分の試合が1台だけ残って緊張した」とコメントした丹羽。ロンドン五輪のリベンジに燃える男は、リオの大会本番で目覚めるのか?
●女子ダブルス準々決勝
鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ) 5、9、ー5、13 サマラ/スッチ(ルーマニア)
丁寧/李暁霞(中国) ー9、11、4、9 杜凱琹/姜華君(香港)
ユ・モンユ/周一涵(シンガポール) ー9、5、7、9 浜本由惟/早田ひな
劉詩ウェン/朱雨玲(中国) 8、4、6 李皓晴/帖雅娜(香港)

女子ダブルス準々決勝が終了し、日本勢で唯一残っていた浜本/早田はシンガポールペアに1ー3で敗れた。シンガポールペアの低く深く、切れたツッツキを3球目で打ちあぐみ、主導権を奪うことができなかった。しかし、今後もさらなる活躍が期待される大型ペアだ。