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リオ五輪

 卓球競技10日目(現地:8/15)の大会スケジュールは以下のとおり。
女子団体もうひとつの準決勝と男子団体準決勝2試合が行われる。
(※試合開始時間は日本時間で表記)

8/15 22:00〜 女子準決勝 (中国 vs.シンガポール)

8/16  午前3 :00〜 男子準決勝(日本vs.ドイツ)

8/16  午前7 :30〜 男子準決勝(中国vs.韓国)


【これからのテレビ放送予定】
※今朝方のように番組変更の可能性がありますので、その場合はご容赦ください

8/16 2:50~ テレビ東京系列 男子団体 準決勝

8/16 7:15〜 テレビ東京系列 男子団体 準決勝

8/16 11:20〜 NHK総合 男子団体準決勝(日本 vs. ドイツ)録画
8/16 14:00~ BSジャパン 男子団体 準決勝
8/16 18:50~ NHK BS1 男子団体 準決勝(日本 vs. ドイツ)録画
8/16 22:50~ NHK 総合 女子団体 3位決定戦(日本 vs. ?)LIVE
 8月14日(現地)終了時の団体戦の勝ち上がりは以下のとおり。
●女子団体準決勝
〈ドイツ 3ー2 日本〉
○ゾルヤ ー5、4、ー8、6、10 伊藤
 ハン・イン 6、9、ー6、ー6、ー8 石川○
○シャン・シャオナ/ゾルヤ 6、ー10、ー7、9、7 福原/伊藤
 シャン・シャオナ ー2、ー11、ー12 石川○
○ハン・イン ー7、9、4、ー6、9 福原

……日本、ドイツに敗れ、決勝進出ならず!

トップ伊藤が、ゾルヤとの接戦の第5ゲーム、強烈なバックハンドを次々に決めて9ー3とリード。「これで先制点だ!」と思われた矢先、7連続失点で逆にゾルヤにマッチポイントを取られ、大逆転を許した。一方で2番石川は、0ー2のビハインドからハン・インのカットの変化に次第に慣れ、連続ドライブでの粘りとハン・インのフォアサイドを切るシュートドライブで、3ー2と逆転勝ち。
勝利の女神は、両チームの間でどちらに着くとも決めかねている様子だった。

3番ダブルスは、福原/伊藤がバック表ソフトのストップ、コースを突くバックハンドで粘り強く得点し、ゲームカウント2ー1の第4ゲーム、9ー7と勝利は目前。しかし、ここで福原のサービスが長くなり、レシーブからゾルヤが強烈なフォアドライブ。4連続失点で逆転を許し、最終ゲームも押し切られた。
「五輪では全然緊張していない」と語っていた伊藤だが、普段の対戦相手をコントロールするような球さばきに比べると対応が後手に回り、ブロックの精度も下がった。やはり五輪の準決勝の舞台は別格だったか。

それでも4番石川が、右ペン表ソフトのシャンのバックショートを正確にバックハンドで返球し、要所で回り込みからフォアドライブをクロスに打ち分け、ストレート勝ち。ラスト福原にすべてを托した。

ラスト福原は、時にスマッシュミスが続きながらも、粘り強くハン・インのカットを打った。ネットインしたボールやハン・インのフォアドライブにも瞬時に反応、返球する抜群の集中力。両チームのベンチでは、石川とシャン・シャオナが応援に熱が入り、「アドバイスをしている」と判定されてレッドカードで退場。まさに総力戦の様相を呈する。

その最終ゲーム、福原は3ー7のビハインドから6連続得点で9ー7と逆転。「あと二本!」。しかしここから、最後の決定打となるフォアスマッシュにミスが続いた福原。最後は9ー10から、ハン・インのバックカットがまさかのエッジ。勝利の女神は、最後の最後でドイツに振り向いた。日本は3位決定戦に回り、銅メダル獲得を懸けて、中国対シンガポールの敗者と対戦する。
  • トップ伊藤誠。最終ゲームの9−3からの逆転負け

  • 最後まであきらめないで勝利を信じたゾルヤ

  • 1−2から逆転して勝ったゾルヤとシャンのダブルス

●男子団体準々決勝
〈日本 3ー1 香港〉
 丹羽 8、10、ー9、ー7、ー8 唐鵬○
○水谷 5、9、ー3、ー10、8 黄鎮廷
○丹羽/吉村 5、ー8、8、4 唐鵬/何鈞傑
○吉村 8、11、ー5、6 黄鎮廷

〈ドイツ 3ー1 オーストリア〉
○ボル 12、8、10 ガルドス
○オフチャロフ 7、10、8 フェガール
 シュテガー/ボル ー7、2、ー8、6、ー3 Da.ハベソーン/ガルドス○
○シュテガー 8、11、7 フェガール

男子団体準々決勝、ニッポン勝った!
大会前から「一番警戒する相手」と選手が口を揃えた香港を破り、準決勝進出!

初戦のオーストラリア戦では、唐鵬を2点起用した香港。しかし、日本戦ではシングルスで丹羽に敗れたエース黄鎮廷を2点起用し、すべてを託してきた。オーダーは日本がXYZ、香港がABC。日本は2点起用の水谷がラストに回るうえ、さらに前半の1番で、丹羽が世界選手権団体戦で完敗した唐鵬につかまった。そして丹羽は、唐鵬に2ゲームを奪いながら逆転負け。日本チームに重苦しいムードが漂った。

しかし、その空気を振り払ったのは、やはり頼れる男・水谷だった。
丹羽と同様、ゲームカウント2ー0から追いつかれ、第4ゲーム10ー9のマッチポイントも逆転を許し、非常に苦しい展開だった。しかし、黄鎮廷の強烈なフォアドライブ、裏面ドライブにもただ守るだけでなく、積極的にカウンターを狙う水谷。最終ゲーム10ー8で迎えた3回目のマッチポイントは、ミドルへのロングサービスで黄鎮廷を討ち取った。

この水谷の勝利に応え、3番ダブルスは吉村が出足から気合い満点のプレー。丹羽も第1ゲームの逆転負けからしっかり切り替え、フォアの快速ドライブを連発。苦しいボールも我慢してよくつなぎ、吉村の逆襲につなげる。ゲームカウント1ー1の第3ゲームに2ー5から5点連取で逆転し、11ー8で奪取すると、第4ゲームは終始リードを保って会心の勝利だった。

これで2勝目を挙げ、ラスト水谷まで回ってもまず勝利は堅い日本だが、4番吉村が黄鎮廷を破り、きっちり勝負を決めた。最近、日本の天敵となりつつあった黄鎮廷だが、やはり五輪の緊張感は別物か、相手ボールへの予測がわずかに遅れる。特にフォア前へのストップに対して反応が遅れ、裏面ドライブで狙えずにミスも多かった。

第4ゲーム10ー6、サービスエースで勝利を決めた瞬間、その場にひざをついて感極まった吉村。ベンチで抱き合う日本チーム。相手エースから2点を挙げ、見事な勝利でベスト4入り。オーストリアを下して勝ち上がったドイツと、準決勝で大一番を迎える。
  • チームの勝利を決めた4番の吉村

  • 丹羽に勝った唐鵬

●男子団体準々決勝
〈中国 3ー0 イギリス〉
○馬龍 ー6、4、9、9 ピチフォード
○許シン ー9、6、6、7 ドリンコール
○張継科/許シン 4、7、ー11、4 ウォーカー/ドリンコール

〈韓国 3ー1 スウェーデン〉
○朱世赫 5、6、ー9、6 K.カールソン
 李尚洙 ー9、8、ー6、8、ー10 M.カールソン○
○鄭栄植/李尚洙 2、4、7 イェレル/M.カールソン
○鄭栄植 4、ー8、3、7 K.カールソン 

日本時間で15日午前3時から行われる日本対香港、ドイツ対オーストリアに先立ち、男子団体準々決勝の2試合が行われた。中国と韓国がベスト4に勝ち上がった。

中国対イギリスは、イギリスが1番のピチフォード、2番のドリンコールともに1ゲームを先取する健闘。特にピチフォードは出足からバックストレートへのバックドライブを連発し、馬龍を6ー0とリード。ゲームカウント1ー1となった第3ゲームは9ー7、第4ゲームも9ー7と終盤までリードを奪い、互角のラリー戦を展開して馬龍を追い詰めた。
3番ダブルスも、第3ゲーム8ー10とマッチポイントを握られてから逆転するなど、粘りを見せた。卓球の母国と、卓球の帝国の一戦は、決してワンサイドゲームにはならなかった。

一方、韓国対スウェーデンは、2番で右シェークフォア表のM.カールソンが焦りの見える李尚洙に競り勝ち、前半を終えて1ー1。しかし、韓国はダブルスが強い。鄭栄植/李尚洙がストレートで快勝し、再び流れを引き寄せた。スウェーデンは左シェークドライブ型のK.カールソンが、随所に好ラリーを見せながらも2失点。コースが単調になってしまうと、安定性で韓国を上回ることは難しかった。
  • スウェーデン戦の4番でチームの勝利を決めた鄭栄植

 現地での夜7時半、日本では朝の7時半に女子団体準決勝の日本対ドイツがスタートする。
 以下が国際大会の対戦成績。33歳のカットマン、ハン・インは今大会、ドイツチームを牽引しているが、日本の3人はすべて勝ち越ししているが、楽には勝てない相手。またサウスポー両ハンドドライブのゾルヤには3人ともタイの対戦成績。そして、ペン表ソフト速攻のシャン・シャオナには3人とも勝ち越し、特に福原は5戦全勝と負けなしだ。

<日本選手対ドイツ選手の過去の対戦成績>
石川 3−1 シャン・シャオナ
石川 1−0  ハン・イン
石川 2−2  ゾルヤ
福原 2−1 ハン・イン
福原 5−0  シャン・シャオナ
福原 2−2  ゾルヤ
伊藤 2−2  ゾルヤ *最近2試合は伊藤
伊藤 1−0  シャン・シャオナ  *4−3で辛勝
伊藤 1−0  ハン・イン  *4−3で辛勝

 これだけを見れば、日本のほうが有利。しかし、今大会、ドイツは勢いがあるので注したい相手だ。男子同様に紙一重の厳しい戦いが予想される。
  • くせ者、ハン・イン。気をつけたい相手だ

  • 最近、日本に強いゾルヤ

  • 日本チーム女子の鍵を握る伊藤

  • シングルス2点使いの石川

 男子団体の準々決勝は日本対香港が激突。3月の世界選手権クアラルンプール大会でも対戦しており、このときは3−1で日本が勝っている。参考のためにこのときの記録を掲載しよう。

 〈日本 3ー1 香港〉*2016世界選手権結果
○水谷 11、7、ー10、5   何鈞傑
○吉村 ー6、ー5、11、9、5  黄鎮廷
 丹羽 ー5、ー6、ー2     唐鵬○
○水谷 ー9、5、ー11、7、11 黄鎮廷 

 もちろん、試合方式も違うのでこれで占うことは難しい。世界選手権でも吉村対黄鎮廷、水谷対黄鎮廷は紙一重の試合だった。五分五分の試合になると思って良い。
 五輪方式は以下のようになる。

1 A     対    X
2  B     対    Y
3  C/AまたはC/B  対 Z/XまたはZ/Y
4 AまたはB 対    Z
5 C      対   X またはY

 起用メンバーは同じ。日本としては丹羽対唐鵬を避けたい。香港のダブルスは唐鵬と何鈞傑が既定路線と思われたが、1回戦のオーストラリア戦では黄鎮廷と何鈞傑のダブルスで、唐鵬が2点起用と予想外のオーダー。この香港戦は、監督のオーダー、起用の采配が重要なポイントになる。シングルスでは丹羽が競り合いとはいえ、黄鎮廷に勝ったのが明るい材料となっている。
 いずれにしても苦しい戦いになるのは必至。激戦が予想される。
  • 丹羽にめっぽう強い唐鵬

  • 世界8位の黄鎮廷

  • 日本の鍵を握る吉村

  • 2点取りを期待される水谷

 卓球競技9日目(現地:8/14)の大会スケジュールは以下のとおり。男子準々決勝と女子準決勝が1試合行われる。(試合開始時間は日本時間で表記)

8/14 22:00〜 男子準々決勝
         中国 vs. イングランド
         スウェーデン vs. 韓国

8/15  午前3 :00〜 男子準々決勝
          日本 vs. 香港

          オーストリア vs. ドイツ

8/15  午前7 :30〜 女子準決勝
           日本 vs. ドイツ

【今夜から明朝のテレビ放送予定(LIVE)】
8/15 2:50〜 NHK総合 男子団体準々決勝(日本 vs. 香港)
8/15 7:25〜8:15 NHK Eテレ 女子団体準決勝(日本 vs. ドイツ)
8/15 8:25〜 NHK総合 女子団体準決勝(日本 vs. ドイツの続き)
 男女団体戦の勝ち上がり。男子は1回戦、女子は準々決勝までが終了
●女子団体準々決勝
〈ドイツ 3-1 香港〉
○ハン・イン 6、3、4 李皓晴
 ゾルヤ 9、-3、9、-9、-12 杜凱栞○
○シャン・シャオナ/ゾルヤ 7、3、10 李皓晴/帖雅娜
○ハン・イン 5、-5、7、3 帖雅娜

〈日本 3-0 オーストリア〉
○福原 5、9、8 ポルカノバ
○石川 -5、4、7、7 リュウ・ジャ
○福原/伊藤 5、-10、7、10 ポルカノバ/リ・チャンビン

日本女子、準々決勝を突破。
3−0とスコアの上では快勝だが、内容はほぼ互角だった。

1番福原はシングルスの好調を維持しているように見える。
長身のポルカノバを前後左右に揺さぶっていき、ミスを誘った。中陣からのドライブは強力なポルカノバだが、十分な体勢で打たせなければ威力も精度も半減する。
前陣では速攻、相手を下がらせればドロップと、福原が試合を掌握した。

1回戦でオランダを破った殊勲者、リュウ・ジャが2番に登場。
石川のサウスポー同士の試合は、バック対バックの打ち合いから展開。
動きの良いリュウ・ジャが1ゲームを先制したが、石川がここからギアを上げた。
バック対バックからの展開からフォアの割合を増やしていき、フォアクロスで勝負をかける。打球点が早く、威力のある石川のフォアドライブがリュウ・ジャのフォアクロスに刺さり、連続得点。
威力が増した石川のフォア、これでリュウ・ジャの足を止めた。
広角なコース取りでエース対決を制し、ダブルスへバトンタッチ。日本が2-0とリード。

ダブルスは福原/伊藤が先手を仕掛け、オーストリアペアが盛り返す展開になる。伊藤のフォアカウンターブロック、バックスマッシュは、入れば決まる威力とスピードがあり、随所に点数を重ねた。
途中、リズムを崩されて、ゲームを落としたが、4ゲーム目は8-10から4ポイント連取。競り合いでも攻めを徹底し、逆転!
最後は福原のバックがポルカノバのフォアサイドを切った。
福原と伊藤が両手をあげ、笑顔の勝利!

これで日本女子は準決勝へ進出。
準決勝の相手は、強豪ドイツだ。
世界選手権でエース級の活躍をしたゾルヤに加え、ハン・イン、シャン・シャオナというふたりの強力な帰化選手が加わる。
特にカットマンのハン・インは強く、準々決勝ではカットキラーの帖雅娜にも勝利している。ハン・インから1点をもぎ取ること、それが日本勝利への条件だろう。
ドイツに勝利し、メダルを決め、決勝の中国と再び対峙したい。



●女子準決勝対戦カード
中国vsシンガポール
日本vsドイツ
  • ドイツの帰化選手のハン・イン。シャン・シャオナも強く、ドイツは手強い相手だ

  • オーストリア戦の2番で勝ち、調子を取り戻しつつある石川

  • 福原と伊藤のダブルスは試行錯誤しながら、試合をやりながら強くなっていくのだ

  • 勝利を決めた後のメンバーの笑顔