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中国リポート

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★★★ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 男子第9節 7.10 ★★★

[浙商銀行 3-0 寧波海天塑機]
○馬琳 13、9、-9、-6、6 馬龍
○ボル -8、8、4、-7、6 王建軍
○馬琳/ハオ帥 8、-10、7、8 呉ハオ/王建軍
(上海工程技術大学体育館)

[八一熔盛重工 3-1 江蘇金山環保・中超電纜]
○王皓 14、6、11 韓陽
 閻安 -10、-2、-6 陳杞○
○閻安/周雨 6、9、9 林晨/雷振華
○王皓 8、7、8 陳杞
(浙江省寧波余姚体育館)

[山東魯能・中電装備 3-0 錦州銀行・上海]
○張継科 5、-9、-7、7、6 尚坤
○朱世赫 8、-7、-4、9、4 王励勤
○張超/方博 9、9、-9、5 尚坤/ジャイ一鳴
(青島中国石油大学体育館)

[覇州海潤冠軍園 3-2 四川長虹]
 崔慶磊 -8、-8、-6 邱貽可○
○許シン 3、7、5 許鋭鋒
 李平/崔慶磊 11、-5、-10、-8 張ユク/許鋭鋒○
○許シン 9、7、2 邱貽可
○李平 7、8、6 張ユク
(河北省覇州市卓球館)

☆☆☆ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 女子第9節 7.10 ☆☆☆

[広州時代地産 3-2 山東魯能・中電装備]
○劉詩ウェン 9、-9、-7、7、9 金キョン娥
 潘晨欣 -6、7、-4、-8 李暁霞○
○周芳芳/徐潔 14、6、6 彭陸洋/李茜
 劉詩ウェン -11、-8、-10 李暁霞○
○張瀟玉 6、7、-11、7 彭陸洋
(済南皇亭体育館)

[大連新衡業・上方 3-2 山西大土河・華東理工]
○文佳 7、-5、11、6 郭炎
○郭躍 -8、-11、6、6、10 饒静文
 文佳/常晨晨 6、-8、-6、-9 帖雅娜/饒静文○
 郭躍 -6、-5、8、7、-11 郭炎○
○常晨晨 -10、7、9、5 范瑛
(遼寧省大連海事大学体育館)

[八一冀中能源 3-0 北京控股集団]
○曹臻 -7、7、8、6 丁寧
○木子 -4、8、4、6 盛丹丹
○曹臻/李佳 10、9、4 彭雪/朱雨玲
(江蘇省泗洪中学体育館)

[大同雲崗・金地鉱業 3-0 内蒙古銀行]
○李暁丹 8、9、-10、-3、4 姚彦
○武楊 -10、7、-7、8、11 馮亜蘭
○劉娟/王シュアン 8、-8、8、-12、6 姚彦/陳夢
(大同大学体育館)

 ジャパンオープン荻村杯の決勝が行われた7月10日に開催された超級リーグ男女第9節。
 男子では浙商銀行のボルが第8節に続いて出場。トップ馬琳が馬龍を破った流れを壊すことなく、「元柳承敏のコピー選手」王建軍にゲームオールで勝利。浙商銀行はダブルスに馬琳を起用して一気に勝負をかけ、寧波海天塑機を一蹴した。これでシングルスは3戦3勝のボル、ETTU(ヨーロッパ卓球連合)のホームページに次のようなコメントを寄せている。「ドイツでは普通のプレーができれば、あまり負けることはない。だからドイツでのプレーは、ぼくには不十分ということだ。この超級リーグでは、パーフェクトなプレーができなければ勝てない。練習も試合もドイツよりハングリーだし、本当にキツいよ。一日が終わるともうバッタリという感じの時もある」。

 女子では、郭躍・文佳・常晨晨というサウスポートリオを揃えた大連新衡業・上方が、第2節から破竹の8連勝。開幕戦で八一冀中能源に0-3で完敗した時は、苦しいシーズンになることが予想されたが、文佳と常晨晨のダブルスが6勝1敗と好調。エース郭躍は8勝6敗と及第点に届かない成績だが、2試合出場するうち、とにかく1試合は勝つ。あとはダブルスと、シングルスで誰かが1点を取り、総力戦で勝利を重ねている。
 丁寧の北京控股集団はこの第10節もストレート負け。故障中のエースに勝ちきれない若手、2000年代の超級女子を代表するチームだった北京市チームが、転げ落ちるように降格への道を進んでいる。

Photo上:中国式ペンに戻した王建軍は、ボルに惜敗
Photo中:超級男子では勝利数トップの14勝をあげている許シン
Photo下:北京控股集団の盛丹丹はシングルス5連敗と苦戦
(Photo上・下は09年全中国運動会、中は11年世界選手権)
 1961・63・65年世界選手権3連覇、世界の卓球史にその名を刻む伝説の名選手・荘則棟(ジュアン・ヅェトン)。2008年にガンで入院し、二度の手術を経て現在も抗ガン治療を続けているが、70歳にしてブログで健筆を振るい、6月26日には北京を訪問した「外交の達人」ヘンリー・キッシンジャー(元米国務長官)を囲むパーティにも出席。元気な姿を見せている。

 同時に荘則棟は今、卓球とは違う、もうひとつのコートでも戦いを強いられている。日本語でコートといえば卓球やテニスのコートのイメージだが、英語で「court」といえば裁判所のこと。中国が抱える積年の社会問題、知的財産権の侵害を巡って、荘則棟は現在闘争中なのだ。
 荘則棟・佐々木敦子夫妻が訴えを起こしたのは今年4月のこと。1998年に荘則棟が出版し、60万部を超えるベストセラーになった『トウ小平が我々の結婚に同意してくれた(トウ小平批准我們結婚)』が、違法なオーディオ・ブック(朗読を録音したもの)となり、無料ダウンロードサイトにアップされていたというのだ。アップされていたのは中国では有名な「VeryCD」というサイト。新作の映画やドラマ、CDなど、なんでも無料でダウンロードできるため、中国国内のサイトの中ではトップクラスの人気を誇っている。連続ドラマでも初回から最終回まで、バッチリダウンロードすることができる(筆者はしたことはアリマセン)。

 昨年、何人かの友人から「VeryCD」に自著のオーディオ・ブックがアップされていることを教えられた荘則棟。実際にそれを確認して仰天し、今年4月に「VeryCD」を運営する上海隠志網絡科技有限公司に対し、コンテンツの削除と53万元(約650万円)の賠償金を求める訴えを起こした。荘則棟自身は体調が思わしくないため、第一審の法廷には佐々木敦子夫人が出席している。
 「著作権を侵害したのはアップした人間であって、社員でもないその人間に対して、VeryCDが責任を負う理由はない。当社は一度も著作権を侵害したことはない」というのが上海隠志網絡の主張。そして第一審では荘則棟側が敗訴。上海第一中級人民法院に控訴した荘則棟は、裁判の費用として8万元、日本円にして約100万円を費やしているという。

 荘則棟は自身のブログで、「今回の裁判と判決を通じて、中国のネット社会にはびこる著作権侵害に警告したい。法律が正しく我々の著作権を守るものであってほしい」と述べている。コートでの闘争心はまだまだ健在だが、本業の前陣速攻に比べると苦しい戦いを強いられそうだ。

↓荘則棟のブログはこちら。最近の写真もあります(新浪BLOG)
http://blog.sina.com.cn/zhuangzedongblog
★★★ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 男子第8節 7.3 ★★★

[寧波海天塑機 3-1 江蘇金山環保・中超電纜]
 王建軍 9、-10、-6、-6 陳杞○
○馬龍 5、9、4 韓陽
○呉ハオ/王建軍 6、-4、14、2 雷振華/林晨
○馬龍 5、4、5 陳杞
(江蘇省イエン城濱海県体育館)

[浙商銀行 3-0 覇州海潤冠軍園]
○ボル 9、8、14 崔慶磊
○馬琳 9、-8、8、6 許シン
○ハオ帥/馬琳 8、-7、10、-7、9 李平/崔慶磊
(河北省張家口宣化一中体育館)

[八一熔盛重工 3-1 錦州銀行・上海]
 王皓 6、-8、4、-9、-7 尚坤○
○閻安 9、-8、9、9 王励勤
○閻安/周雨 8、4、5 尚坤/ジャイ一鳴
○王皓 2、7、-6、3 王励勤
(遼寧省阜新市体育館)

[山東魯能・中電装備 3-1 四川長虹]
 方博 3、-5、-9、8、-6 邱貽可○
○張継科 4、6、8 許鋭鋒
○張超/方博 7、9、4 張ユク/許鋭鋒
○張継科 6、-5、3、-5、9 邱貽可
(四川省ウェン文体育館)

☆☆☆ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 女子第8節 7.3 ☆☆☆

[山東魯能・中電装備 3-1 内蒙古銀行]
○李茜 9、5、9 馮亜蘭
 李暁霞 -9、-7、6、5、-6 顧玉ティン○
○彭陸洋/李茜 7、11、-8、3 陳夢/顧玉ティン
○李暁霞 8、8、6 馮亜蘭
[内蒙古自治区赤峰市体育館]

[大同雲崗・金地鉱業 3-0 北京控股集団]
○李暁丹 9、8、4 丁寧
○武楊 10、-10、9、4 朱雨玲
○劉娟/王シュアン 9、8、-8、9 丁寧/盛丹丹
(北京市広安体育館)

[山西大土河・華東理工 3-1 広州時代地産]
 饒静文 -6、9、-4、7、-10 劉詩ウェン○
○郭炎 6、9、9 周芳芳
○帖雅娜/饒静文 -3、-6、6、4、4 周芳芳/徐潔
○郭炎 -8、7、6、9 劉詩ウェン
(広州市黄埔区体育センター)

[大連新衡業・上方 3-0 八一冀中能源]
○郭躍 -9、4、8、-8、5 曹臻
○文佳 9、-11、7、9 楊楊
○文佳/常晨晨 9、-5、-6、9、6 曹臻/李佳
(河北省涿州東方地球物理公司・職工活動センター体育館)

 超級リーグの男女第8節は、江蘇金山環保・中超電纜の韓陽(東京アート)が寧波戦に出場。新人コーチとして、選手兼任で頑張っている韓陽だが、馬龍が相手ではさすがに厳しい。ストレートで敗れ、チームも開幕から8連敗。超級リーグの男女チームを通じて、唯一白星がない。エース陳杞の成績はここまで5勝8敗と及第点はつけられないが、それ以上に新戦力の雷振華が単1勝7敗、林晨とのダブルスでも同じく1勝7敗でブレーキになっている。このままでは、昨シーズンの錦州銀行に続き、伝統ある江蘇省チームの甲A降格ということにもなりかねない。

 また、世界ランキング2位のボルが今季2戦目の崔慶磊戦にストレートで勝利している。「中国vs.世界選抜」でゲームオールで勝利した許シンとの再戦は実現しなかったが、きっちりチームの勝利に貢献した。ヨーロッパ選手で、真に「外援(他協会籍の助っ人選手」の役割を果たせるのはボルくらいか。オフチャロフやズースが超級でどこまでやれるのかも見てみたい。
 その他の試合では、八一熔盛重工の王皓が尚坤に敗れる波乱。チームは勝利して事なきを得たが、「またもサウスポーに敗れた王皓」「対左の不安を払拭できず」とマスコミの論調は厳しい。

 一方、女子は丁寧の率いる北京控股集団が、大同雲崗・金地鉱業に完敗。トップで敗れた丁寧は、今シーズンの開幕戦に続き、李暁丹に2戦連続のストレート負けを喫した。「ずっと左腕を傷めていて、ここ2試合も試合前に薬を塗って出場した。その時はそれほど痛みがなかったけど、今日の試合はなぜか薬の効き目が弱くて、打つ時に痛みがあった。今日のプレーはベストのものではなかったです」(丁寧)。ロッテルダム大会からの連戦の疲れも相当あるはずだが、チームの事情を考えると絶対に欠場するわけにはいかない。この過酷な環境を耐え抜いた選手だけが、女王の称号を手にすることができるのだ。

Photo上:崔慶磊をストレートで破ったボル
Photo中:トップに起用され、馮亜蘭を破った李茜(山東)
Photo下:李暁丹は今シーズン、丁寧、郭炎、郭躍に勝利(Photo上は11年世界選手権、中・下は09年全中国運動会)
★★★ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 男子第7節 6.29 ★★★

[寧波海天塑機 3-2 錦州銀行・上海]
○馬龍 7、6、7 王励勤
 吉田 -11、-10、13、-8 ジャイ一鳴○
 呉ハオ/王建軍 -8、-9、-4 高礼澤/王励勤○
○馬龍 10、4、6 ジャイ一鳴
○王建軍 -9、4、8、8 高礼澤
(海南省屯昌体育館)

[八一熔盛重工 3-1 山東魯能・中電装備]
 王皓 -13、-10、-9 張継科○
○閻安 4、3、-6、4 朱世赫
○閻安/周雨 10、-9、9、-9、4 方博/張超
○王皓 5、5、9 朱世赫
(浙江省イン州体育館)

[浙商銀行 3-0 四川長虹]
○馬琳 7、7、4 許鋭鋒
○ハオ帥 -5、5、11、7 邱貽可
○ハオ帥/徐輝 8、7、9 張ユク/朱舟
(浙江省寧波余姚体育館)

[覇州海潤冠軍園 3-1 江蘇金山環保・中超電纜]
 崔慶磊 -10、-10、9、-9 陳杞○
○許シン 6、-8、4、-9、8 雷振華
○李平/崔慶磊 8、8、10 雷振華/林晨
○許シン -8、9、10、11 陳杞
(山西省晋中市体育館)

☆☆☆ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 女子第7節 6.29 ☆☆☆

[山東魯能・中電装備 3-1 大同雲崗・金地鉱業]
○李暁霞 8、5、3 李暁丹
 馮天薇 -3、-7、-7 武楊○
○彭陸洋/李茜 -10、9、7、10 劉娟/王シュアン
○李暁霞 4、6、4 武楊
(済南皇亭体育館)

[山西大土河・華東理工 3-1 内蒙古銀行]
 帖雅娜 -5、-4、-8 陳夢○
○郭炎 5、6、6 馮亜蘭
○帖雅娜/饒静文 -5、8、-8、10、8 馮亜蘭/姚彦
○郭炎 9、-11、5、5 陳夢
(呂梁大土河体育館)

[広州時代地産 3-0 八一冀中能源]
○劉詩ウェン -7、4、8、-10、4 曹臻
○張瀟玉 -8、10、-7、9、6 木子
○周芳芳/徐潔 3、7、-9、-4、10 曹臻/李佳
(江蘇省泗洪中学体育館)

[大連新衡業・上方 3-2 北京控股集団]
○郭躍 13、6、3 リ・ジャウェイ
 文佳 -6、-8、5、9、-9 丁寧○
 郭躍/侯暁旭 -7、7、12、-7、-6 丁寧/朱雨玲○
○文佳 9、9、6 リ・ジャウェイ
○常晨晨 10、10、9 鄭詩暢
(遼寧省大連理工大学体育館)

 …またまた間が空いてしまいました、中国リポート。超級リーグ第7節の結果です。今後は結果だけでもスピーディにアップするようにしたいと思います。

 第7節は日本選手では吉田海偉(寧波海天塑機)が3節連続でシングルスに出場。「東洋のハワイ」と称される海南省が戦いの舞台となったが、試合が行われた屯昌県はかなりの山奥。昨年から超級リーグの試合を誘致し、「卓球の町」としてアピールしようとしている。7時半開始のナイトゲームだったこの試合、吉田は2番で出場し、右シェークドライブ型のジャイ一鳴との力比べになったが、惜しくも競り負け、これで3連敗。「中国 vs. 世界選抜」から転戦した馬龍が2点を挙げ、チームは勝利したものの、日本からのふたりの助っ人、水谷と吉田の通算成績は合わせて単0勝5敗、複0勝1敗とまだ勝ち星がない。
 男子のその他の試合では、八一熔盛重工の閻安が朱世赫に完勝している。すでに王励勤、陳杞、馬琳、馬龍を破っている閻安。八一熔盛重工の頼れる2番手になりつつある。

 女子では、福原愛(ANA)所属の広州時代地産が八一冀中能源に完勝。福原は出場しなかったが、2番で右ペンドライブ型の張瀟玉が木子を破る殊勲の星を挙げ、勝利に貢献している。

Photo上:吉田を破ったジャイ一鳴は、パワフルな右シェークドライブ型
Photo中:閻安はそろそろビッグゲームで好成績を残したい
Photo下:今年1月にトルコ男子チームの鄭長弓と結婚した張瀟玉
(Photo上・下は09年全中国運動会、中は11年世界選手権)
☆☆☆ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 女子第6節 6.26 ☆☆☆

[北京控股集団 3-0 広州時代地産]
○丁寧 5、6、7 劉詩ウェン
○リ・ジャウェイ 5、10、7 周芳芳
○丁寧/朱雨玲 8、8、9 福原/徐潔
(北京広安体育館)

[山東魯能・中電装備 3-1 山西大土河・華東理工]
○李暁霞 6、4、10 饒静文
 馮天薇 -7、7、-10、-7 郭炎○
○彭陸洋/李茜 9、9、5 帖雅娜/饒静文
○李暁霞 5、8、8 郭炎
(呂梁大土河体育館)

[大連新衡業・上方 3-1 大同雲崗・金地鉱業]
○文佳 4、8、8 武楊
 郭躍 9、-7、9、-4、-4 李暁丹○
○文佳/常晨晨 7、4、-7、-10、3 劉娟/李暁丹
○郭躍 4、2、9 武楊
(遼寧大連海事大学体育館)

[内蒙古銀行 3-1 八一冀中能源]
 陳夢 -4、-6、-9 曹臻○
○馮亜蘭 4、-7、-5、7、9 木子
○姚彦/馮亜蘭 10、7、-4、5 曹臻/楊楊
○陳夢 9、4、9 木子
(内蒙古烏海市文体センター)

 超級リーグの女子第6節、福原愛(ANA)が所属する広州時代地産は、開幕から5連敗の北京控股集団と対戦。福原は3番ダブルスで出場したが、トップで劉詩ウェンが丁寧に完敗した流れを変えられず、ストレートで敗れた。福原の個人成績はこれで単2勝1敗・複0勝3敗となった。
 試合後、「ダブルスで勝って、4番の劉詩ウェンに回せば十分チャンスはあったので悔しい。私たちのダブルスはまだ組んだばかりで、まだ練習量が足りない」とコメントした福原。昨シーズンの男子で13勝2敗の好成績を残した呉尚垠/ハオ帥のような例外もあるが、超級リーグのダブルスで外国選手が勝ち星を挙げるのはかなり難しいことだ。

 今季初勝利を挙げた北京チームのエース丁寧は、次のようにコメントしている。「(第5節終了後の)2週間の中断の時期に、選手たちが自分のプレーを見つめ直し、良い訓練ができた。チームの選手たちは若いので、試合を通じて鍛えていかないといけない。第6節での初勝利は確かに出遅れだけど、ここから巻き返していきたい」。助っ人のリ・ジャウェイが出場できる試合では、今回のように丁寧をダブルスに起用し、一気に勝負をつけるオーダーが有効かもしれない。

 その他の試合では、大連新衡業・上方が大同雲崗・金地鉱業を破り、首位をキープ。2番手の文佳がエース郭躍をしのぐ活躍を見せ、常晨晨とのダブルスは今季5勝0敗と絶好調だ。内蒙古銀行はトップで敗れた陳夢が4番で木子に完勝し、ホームゲームで八一冀中能源を撃破している。

Photo:世界選手権ロッテルダム大会・準決勝でも対戦した丁寧(上)と劉詩ウェン(下)、超級リーグでも丁寧が勝利(写真は11年世界選手権)
★★★ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 男子第6節 6.26 ★★★

[浙商銀行 3-0 山東魯能・中電装備]
○ボル -9、7、-9、3、10 方博
○馬琳 6、3、12 張継科
○馬琳/ハオ帥 13、5、-2、10 張超/方博
(杭州市蕭山区義蓬体育館)

[八一熔盛重工 3-0 寧波海天塑機]
○閻安 -8、8、-9、6、4 馬龍
○王皓 1、10、10 吉田
○閻安/周雨 9、-10、12、5 王建軍/呉ハオ
(海南屯昌体育館)

[覇州海潤冠軍園 3-1 錦州銀行・上海]
○崔慶磊 6、-6、11、-4、10 王励勤
○許シン -7、-5、5、9、9 尚坤
 李平/崔慶磊 11、-14、-7、5、-8 尚坤/ジャイ一鳴○
○許シン 8、-9、7、-7、7 王励勤
(内蒙古赤峰市体育館)

[四川長虹 3-1 江蘇金山環保・中超電纜]
 許鋭鋒 -6、8、-12、5、-4 陳杞○
○邱貽可 -11、3、6、13 雷振華
○許鋭鋒/張ユク 5、4、8 雷振華/林晨
○邱貽可 8、-5、7、-5、4 陳杞
(湖北宜城体育館)

 2週間の中断を経て、6月26日に再開された超級リーグ。男子第6節で、ボル(浙商銀行/ドイツ)が今シーズン初出場。09年世界ジュニア4冠の方博をゲームオールジュースで下し、初出場・初勝利を挙げた。

 チームメイトの馬琳とともに、試合前日に上海で行われた「2011フォルクスワーゲン中国vs世界選抜チャレンジ」に出場し、すぐに超級リーグが行われる杭州へ移動したボル。中国男子チームの劉国梁監督をして「ぼくを不眠症にさせる男」「13億人のライバル」と言わしめる男が、ついに超級の舞台に立った。方博との一戦はゲームカウント2-2の第5ゲーム、9-3からプレーが守りに入り、10-10に追いつかれる苦しい展開だったが、積極性を取り戻して振り切った。

 「方博は若手の中では非常に優れた選手だし、ボルは方博とは初めての対戦だが、非常に良いプレーができていた。時差による調整の遅れを取り戻せれば、もっと良いプレーができると思う」(浙商銀行・陳健監督)。ドイツでは中国語の個人レッスンを受け、中国でも浙商銀行の胡衛健マネージャーから中国語を習っているというボル。「中国語を勉強しないと、中国では効率の良い練習ができないし、中国に対抗していく手段を探す上でも、彼らとの交流を深めることが重要なんだ」(ボル/出典『銭江晩報』)。
 トップでのボルの勝利に勢いづいた浙商銀行は、2番で馬琳が張継科に完勝。持ち味である強烈な3球目攻撃を連発し、陳健監督に「馬琳の超級リーグでのベストゲームのひとつ」と言わしめた。浙商はダブルスにも馬琳/ハオ帥を起用して一気に勝負を賭け、山東に今シーズン初めて土をつけた。

 その他の試合では、吉田海偉(寧波海天塑機)が八一熔盛重工戦に出場。2番で王皓にストレートで敗れ、第5節の張超戦に続いて2連敗となった。江蘇金山環保・中超電纜は四川長虹に競り負け、開幕から6連敗。昨シーズン辛うじて超級リーグに残留した四川だが、今季は3勝3敗と健闘している。

Photo上:超級リーグでは通算12勝目を挙げたボル
Photo中:中国オープン優勝の馬琳は、超級リーグでも健在ぶりをアピール
Photo下:馬龍を破った閻安(八一熔盛重工)
(Photoはすべて11年世界選手権)
 2010年のシーズンから、外国選手のみで構成されたチームも参戦が認められるようになった甲Aリーグ。レベルの高い超級リーグでは海外選手の参戦は数えるほどだが、甲Aリーグは日本、韓国、台湾、香港などの若手が数多く参戦し、より国際色豊かなリーグになっている。これら海外の注目選手や、中国期待の若手選手の第1ステージでの成績をチェックしてみよう。

 まず男子Aブロック。昨年の世界ジュニア代表で、裏面打法を操る右ペンドライブ型・呉家驥(遼寧鉄嶺商業銀行・紅)はシングルス13勝4敗の好成績。昨シーズン、遼寧省男子チームが主体の錦州銀行が超級リーグに残留していれば、彼にも超級デビューのチャンスがあっただけに、錦州銀行の降格は惜しまれる。同じ世界ジュニア代表組の林高遠は13勝6敗、プロツアーなどで中国代表に抜擢されている尹航は10勝7敗だった。
 しかし、男子Aブロックには、恐るべき強さで彼らを一蹴した選手がいる。所属する湖南広電金鷹・紅を第1ステージ1位へと導いたジャン・ソンマン(北朝鮮)だ。尹航や林高遠をストレートで破るなど、シングルス17勝2敗。若手が多い甲Aリーグ、パワーでカットを打ち抜ける選手が少ないということもあるが、この成績は際立っている。

 男子Bブロックには、ロッテルダム大会男子複3位の鄭栄植をはじめ、李尚洙、徐賢徳という韓国選手が参戦。鄭栄植は国家2軍チームに所属するカットの劉イ(火×4)に敗れたものの、後半一気に調子を上げて16勝3敗と大活躍。李尚洙は13勝5敗、徐賢徳はシングルスは5勝4敗ながらダブルスで4勝を挙げている。08年世界ジュニアチャンピオンの陳建安(チャイニーズタイペイ)もシングルス14勝5敗の好成績を収めた。
 甲Aリーグに出場している中国選手たちの年齢層が、彼らより2~3歳若いことを差し引いても、男子の甲Aならアジアのホープたちは互角以上に戦える。馬龍や張継科が甲Aリーグをあっという間に卒業し、戦いの場を超級リーグへ移していったように、鄭栄植や李尚洙も早く超級リーグに挑戦したいところだ。

 一方、女子Aブロックは、優勝した江蘇江陽正恒の趙岩がシングルス16勝2敗。昨年12月の世界ジュニアでは準々決勝で石川佳純に完敗したが、彼女の活躍次第では、名門・江蘇チームが超級リーグに復活するかもしれない。同じ江蘇チームでは、女子では珍しい右ペン両面裏ソフトドライブ型の張薔も単7勝、複10勝を挙げている。
 甲Aリーグにも実力者がひしめいている中国女子。海外選手にとっては勝ち越すだけでも健闘と言える。チャイニーズタイペイの黄怡樺はAブロックで単5勝6敗、鄭怡静がBブロックで単9勝11敗。日本勢では平野早矢香が11勝8敗と勝ち越したが、これが超級リーグとなると、1勝を挙げるだけでも大変なことだ。

Photo上:筋肉の塊のようなジャン・ソンマン。昨年の世界団体選手権では、出足で連敗してベンチからこつ然と姿を消した。本当に心配しました…
Photo下:まゆ毛キリリの趙岩。第2ステージでも結果を残したい
(Photo上は10年アジア競技大会、下は10年世界ジュニア選手権)
 6月7~12日に浙江省・臨海市体育館で行われた「2011中国卓球クラブ甲Aリーグ」女子Aブロックの第1ステージ。超級リーグのひとつ下部のリーグであるこの甲Aリーグに、登録チーム名「日本卓球協会」で平野早矢香(ミキハウス)、前田美優(ミキハウスJSC)、森薗美月(えひめTTC)の3選手が出場した。各選手の結果は以下のとおり。

平野早矢香(ミキハウス) ……シングルス11勝8敗
★主な対戦戦績

 -10、-8、-7 易芳賢(10年世界ジュニア3位)
 -11、-7、9、7、-5 張薔(09年アジアジュニア団体優勝)
 9、-7、-9、7、6 羅ユエ(王+月)(09年全中国運動会ベスト32)
 8、7、3 姜美順(韓国/11年カタールオープン複3位)
 -6、7、3、-12、4 賈君(07年フランスオープンベスト16)
 3、-8、5、-8、-9 薛絲雨(09年全中国運動会ベスト32)

前田美優(ミキハウスJSC) ……シングルス4勝8敗
★主な対戦成績

 -2、-7、-7 聶維(09年全中国運動会ベスト32)
 -9、6、-8、-6 趙岩(10年世界ジュニアベスト8)
 -4、7、6、7 史尖(09年全中国運動会団体出場)
 7、11、9 呉穎嵐(香港/09・10年世界ジュニアベスト16)
 -8、6、-5、-9 王大琴(08年世界ジュニア3位)

森薗美月(えひめTTC) ……シングルス2勝4敗
★主な対戦成績

 -3、-9、8、-8 袁雪ジャオ
 8、8、-6、9 徐チィ
 -7、-3、-4 陳ウェン(雨+文)妍(09年全中国運動会団体出場)

前田美優/森薗美月 ……ダブルス3勝9敗
★主な対戦成績

 -13、10、-9、-4 桑亜嬋(香港)/陳晴
 9、-8、-5、7、7 羅ユエ/楊飛飛
 -3、8、-6、11、-9 黄怡樺(チャイニーズタイペイ)/劉天禄

 初戦から優勝候補筆頭の重慶康徳と当たる厳しい戦いだった日本チーム。重慶には0-3で敗れ、開幕から4連敗の苦しい出足になったが、総合3位の八一(解放軍)から勝ち星を挙げるなど、中盤から持ち直した。最終成績は4勝8敗で全13チーム中11位。2-3で落とした試合が4試合あり、エース平野も敗れた8試合のうち、5試合がゲームオールと惜しい試合が多かった。なお、日本チームはオープン参戦のため、今シーズンの成績は昇格/降格には関係がない。

 また、かなり前になりますが、4月26~30日に行われた甲Bリーグ(甲Aリーグのひとつ下のリーグ)での日本人選手の成績も掲載しておきます。ロッテルダム大会前の慌ただしさにアップを忘れておりました。スミマセン。

★甲B第1ステージ 日本人選手の成績 ※順位は32チーム中のチーム順位
松下海輝(寧波臨海漂流/希望が丘高) シングルス11勝6敗/4位
土井みなみ(成都嬌子/中国電力) シングルス6勝6敗/11位
松本優希(黒龍江斉魯中州電纜・紅/四天王寺高) シングルス8勝3敗/14位
森薗美咲(河北正定万浦/日立化成) シングルス16勝4敗/28位
酒井春香(三起商行/ミキハウス) シングルス5勝11敗/31位
阿部愛莉(三起商行/四天王寺羽曳丘中) シングルス5勝11敗/31位

Photo:甲Aリーグに参戦した平野早矢香(上)、前田美優(中)、森薗美月(下)の各選手(写真はすべて10年度全日本選手権)
☆☆☆ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 女子第5節 6.12 ☆☆☆

[大連新衡業・上方 3-0 広州時代地産]
○文佳 11、8、10 劉詩ウェン
○郭躍 -10、8、9、-8、5 福原
○文佳/常晨晨 -8、11、8、-12、9 福原/徐潔
(広州黄埔区体育センター)

[山東魯能・中電装備 3-1 八一冀中能源]
 馮天薇 -8、-7、-5 木子○
○李暁霞 6、-13、9、-10、5 曹臻
○彭陸洋/李茜 7、8、-10、8 曹臻/李佳
○李暁霞 10、12、8 木子
(石家庄・河北体育館)

[大同雲崗・金地鉱業 3-2 山西大土河・華東理工]
○李暁丹 8、4、8 郭炎
○武楊 6、-5、7、-7、6 范瑛
 劉娟/王シュアン 7、-6、-6、5、-13 郭炎/帖雅娜○
 李暁丹 4、-11、-6、-10 范瑛○
○王シュアン 5、6、6 帖雅娜
(大同大学体育館)

[内蒙古銀行 3-2 北京控股集団]
○馮亜蘭 11、10、4 盛丹丹
 顧玉ティン -2、-7、-5 丁寧○
○陳夢/顧玉ティン 9、8、9 彭雪/朱雨玲
 馮亜蘭 -2、7、-5、-7 丁寧○
○陳夢 3、-8、-8、5、9 鄭詩暢
(北京邱徳拔体育館)

☆女子第5節終了時点での順位
1. 八一冀中能源(4勝1敗)
1. 大連新衡業・上方(4勝1敗)
3. 内蒙古銀行(3勝2敗)
3. 大同雲崗・金地鉱業(3勝2敗)
3. 山東魯能・中電装備(3勝2敗)
6. 広州時代地産(2勝3敗)
7. 山西大土河・華東理工(1勝4敗)
8. 北京控股集団(0勝5敗)

 超級リーグ女子第5節、広州時代地産の福原愛(ANA)は気合い溢れるプレーで単複に奮闘したものの、ともにゲームオールで惜敗。2番シングルスの郭躍戦は第5ゲームの出足で0-6まで離され、挽回するも及ばず。左シェークドライブ型の徐潔とのダブルスは、サウスポーペアの文佳/常晨晨に敗れた。「昨シーズンは1勝しか挙げられなかったので、今年はチームのために1試合でも多く勝って、プレーオフ進出に貢献したい」(福原)。

 この試合、広州にとって最大の誤算は、トップで劉詩ウェンがストレート負けを喫したこと。今シーズン、李暁霞や馮亜蘭を破って勢いに乗る文佳が金星を挙げた。広州の楊華杰監督は「劉詩ウェンはかなり疲労がたまっているのだろう」とエースを気遣った。この第5節終了後に行われた中国オープンでも、準決勝で馮天薇(シンガポール)に敗れた劉詩ウェン。26日に再開される第6節までに、体調を整えていきたい。

 その他の試合では、大同が3-2で山西に競り勝った。ラストで勝利した王シュアンは内蒙古戦、八一戦と2戦連続でラストでストレート負けを喫していたが、この山西戦では帖雅娜に完勝してチームの勝利を決めた。丁寧率いる北京控股集団はついに5連敗。昨シーズンから同じような負け方を繰り返しているが、せめて他のクラブも急造ペアが多いダブルスだけでも、得点力を上げられないものか…。
 超級リーグ第6節は、中国オープン開催による中断を挟み、6月26日に行われる。

Photo上:劉詩ウェンを破った文佳、「王楠2世」が頭角を現してきたか
Photo中:大同のストッパーの役割をようやく果たせた王シュアン
Photo下:今季シングルス4勝0敗、郭躍や李暁霞にも勝利している陳夢
(Photoはすべて09年全中国運動会)
★★★ 2011中国卓球クラブ超級リーグ 男子第5節 6.12 ★★★

[山東魯能・中電装備 3-2 寧波海天塑機]
○張継科 -8、5、12、2 王建軍
 朱世赫 -7、8、7、-8、-7 馬龍○
○張超/方博 9、-11、7、-4、9 呉ハオ/王建軍
 張継科 -6、-10、-2 馬龍○
○張超 9、7、7 吉田海偉
(山東省済南奥体センター体育館)

[覇州海潤冠軍園 3-2 八一熔盛重工]
 崔慶磊 -11、10、-9、-8 王皓○
○許シン 5、8、4 閻安
 李平/崔慶磊 -8、-8、-9 閻安/周雨○
○許シン 8、-11、8、-12、8 王皓
○李平 10、5、-4、11 周雨
(河北省涿州・東方地球物理公司職工活動センター体育館)

[浙商銀行 3-0 江蘇金山環保・中超電纜]
○馬琳 6、6、-5、-9、3 雷振華
○ハオ帥 8、-8、-11、4、10 陳杞
○ハオ帥/徐輝 4、11、3 雷振華/林晨
(江蘇リィ(さんずい+栗)陽天目湖城市広場体育館)

[四川長虹 3-2 錦州銀行・上海]
○邱貽可 6、-5、10、-8、10 尚坤
 張ユク 10、4、-10、-4、-9 王励勤○
○許鋭鋒/張ユク 9、-8、5、5 尚坤/ジャイ一鳴
 邱貽可 9、-5、-3、3、-7 王励勤○
○許鋭鋒 6、-7、7、-5、8 ジャイ一鳴
(内蒙古赤峰市体育館)

★男子第5節が終了した時点での順位
1. 山東魯能・中電装備(5勝0敗)
2. 八一熔盛重工(4勝1敗)
3. 覇州海潤冠軍園(3勝2敗)
3. 浙商銀行(3勝2敗)
5. 四川長虹(2勝3敗)
5. 寧波海天塑機(2勝3敗)
7. 錦州銀行・上海(1勝4敗)
8. 江蘇中超電䌫(0勝5敗)

 超級リーグ男子は第5節の終了時点で、山東魯能・中電装備が唯一全勝を守り、単独首位に立った。
 山東にとって、この第5節の寧波戦が前半戦の大きなヤマ場。寧波にはエース張継科が唯一苦手としている馬龍がいるからだ。そして4番で、世界選手権ロッテルダム大会で対戦しなかった張継科vs.馬龍戦が実現。馬龍が強力な3球目攻撃でペースをつかみ、ストレート勝ちを収めた。「馬龍のサービスをうまくレシーブできなかったのが敗因。国家チームのメンバーとは練習で打ち慣れているし、これからの戦いはもっと厳しくなると思う」と敗れた張継科。張継科にとって、馬龍は越えるべき最後の壁になっている。
 張継科が敗れ、2-2のラストまで持ち込まれた山東vs寧波戦。寧波はラストに今季初出場の吉田海偉を配したが、山東の張超にストレートで敗れた。「吉田はまだチームに合流したばかり、調子を上げるにはもう少し時間がいる」と寧波の劉国棟監督は吉田をかばったが、さすがに相手が厳しかったか。寧波は序盤の5試合で2勝3敗と、もうひとつ調子が上がらない。

 その他の試合では、浙商銀行にストレートで一蹴された江蘇金山環保・中超電纜が開幕から5連敗。試合後、エースの陳杞は「まだチームは1勝も挙げられていないけど、メンバーは協力しあって調子を上げようとしている。何とかここから立て直していきたい」と語っている。ロッテルダム大会から帰国後、超級リーグで各地を転戦し、疲労がピークに達しているという陳杞。27歳になった彼の最大の趣味は、アニメを観ること。「一番好きなアニメは“火影忍者”。もちろん“死神”や“海賊王”も観るよ。アニメは今、この3つが鉄板だね」(陳杞)。火影忍者は『NARUTO -ナルト』、死神は『BLEACH』、海賊王は『ONE PIECE』の中国語の題名だそうです…。

Photo上:張継科の連勝を9でストップさせた馬龍
Photo中:王皓を下した許シン。八一の連勝を4でストップさせた
Photo下:アニメのヒーローに夢中の陳杞、コートではなかなかヒーローになれない
(Photoはすべて2011年世界選手権)