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 女子ワールドカップに続き、11月13〜15日にかけて中国・山東省威海市で男子ワールドカップが開催され、樊振東(中国)が3年連続、通算4回目の優勝を果たした。

【迪尚 2020ITTF男子ワールドカップ】
●準々決勝
樊振東(中国) 10、-9、2、5、-7、5 林昀儒(チャイニーズタイペイ)
張禹珍(韓国) 13、9、-2、6、-7、6 鄭栄植(韓国)
張本智和(日本) 9、8、9、-4、9 ファルク(スウェーデン)
馬龍(中国) 9、4、7、-7、5 オフチャロフ(ドイツ)

●準決勝
樊振東 5、8、11、8 張禹珍
馬龍 7、-3、-6、-8、8、6、4 張本智和

●3位決定戦
張本智和 -7、-7、9、6、12、-6、5 張禹珍

●決勝
樊振東 -3、8、3、6、-7、-7、9 馬龍


 樊振東は1回戦の荘智淵(チャイニーズタイペイ)から、林昀儒、張禹珍とアジア勢に勝利して決勝進出。同士討ちとなった馬龍との決勝はゲームカウント3-1とリードしながらも追いつかれたが最後は9点で振り切って王座を守った。これで樊振東は4度目のワールドカップ制覇となり、馬琳(中国)の持つ優勝記録に並んだ。

 男子ワールドカップには日本からは張本智和(木下グループ)と丹羽孝希(スヴェンソン)の2人が出場。昨年準優勝の張本はガルドス(オーストリア)、ファルクを下して準決勝進出。世界チャンピオン・馬龍との準決勝も3-1とリードを奪ったが逆転負け。同じラウンドで馬龍を破った昨年のワールドカップの再現とはならなかった。しかし、3位決定戦では張禹珍を下して銅メダルを獲得。久しぶりの大会は少々悔しい結果となったが、昨年の男子初となるワールドカップメダル獲得から2大会連続でメダルを手にした。
 張本と同じくトーナメントからの登場となった丹羽は、グループリーグから勝ち上がってきた張禹珍に1回戦で対戦。3-1とゲームをリードしたが、第5、6ゲームを落とし、最終ゲームも10-12で奪われ、初戦で姿を消した。

 ITTFの「RESTART」シリーズ、男女ワールドカップが終了後は中国・鄭州に舞台を移して11月19〜22日にかけて「交通銀行2020 ITTFファイナルズ」が開催される。世界ランキング上位選手男女16名ずつが出場するこの大会には、男女ワールドカップに出場した張本、丹羽、伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)に加え、日本から佐藤瞳(ミキハウス)、加藤美優(日本ペイントホールディングス)が出場予定となっている。

※写真提供:レミー・グロス/ITTF
  • 馬龍との決勝をフルゲームで制し、樊振東が吠える

  • 歴代1位タイの4度目のワールドカップ優勝となった

  • 馬龍は追い上げたが、わずかに及ばず準優勝

  • 張本は馬龍を追いつめるも逆転負けで決勝進出を逃した

  • 昨年の銀メダルに続き2年連続のメダル獲得

  • 丹羽は初戦で張禹珍にフルゲームの末に敗れ、上位進出ならず

 熊本県・県立総合体育館で行われてた後期日本リーグは男女1部のすべての試合が終了。男子は協和キリン、女子は中国電力が優勝を飾った。なお、男女1部の上位4チームは12月に開催されるファイナル4への出場権を獲得。男女1部の順位は下記のとおり。

【後期日本リーグ男子1部】
1位:協和キリン(5勝0敗2分)
2位:東京アート(4勝0敗3分)
3位:愛知工業大(4勝0敗3分)
4位:日鉄物流ブレイザーズ(3勝2敗2分)
5位:シチズン時計(2勝2敗3分)
6位:リコー(1勝4敗2分)
7位:日野自動車キングフィッシャーズ(0勝5敗2分)
8位:原田鋼業(0勝6敗1分)

 男子は今日1試合目の第6戦で首位・協和キリンと2位・東京アートが対戦。勝利すれば優勝が決まる協和キリンは前半で平野友樹、渡辺裕介が勝利して王手。しかし東京アートは3、4マッチで吉田海偉、上江洲光志が踏ん張り引き分けに持ち込む。さらに3位につけていた愛知工業大がリコーを下して勝敗・引き分け数で協和キリン、東京アートに並び、優勝決定は最終戦にもつれ込んだ。
 協和キリンは最終戦で勝利すると優勝、敗れた場合は優勝の可能性が消滅、引き分けとなると東京アートと愛知工業大の対戦結果次第という中で、3-1で勝利。リコーを相手に2-1とリードし、最後は平野友樹が会心のプレーで有延大夢をストレートで下した。自力で2017年後期以来の優勝をつかみ取り、選手兼監督の松平賢二は念願の王座返り咲きに涙を見せた。


【後期日本リーグ女子1部】
1位:中国電力(5勝0敗2分)
2位:十六銀行(5勝1敗1分)
3位:デンソー(4勝3敗0分)
4位:昭和電工マテリアルズ(3勝2敗2分)
5位:サンリツ(3勝3敗1分)
6位:愛媛銀行(2勝4敗1分)
7位:エクセディ(1勝4敗2分)
8位:広島日野自動車(0勝6敗1分)

 女子1部は昨日の試合を終えて首位の中国電力と2位のデンソーが第6戦で直接対決。中国電力は1番の宋恵佳、2番の土田美佳、3番の成本綾海と3連勝でデンソーを撃破。4番の庄司有貴が敗れたが、優勝に近づく大きな1勝をつかんだ。
 続く最終戦、中国電力は昭和電工マテリアルズにマッチカウント1-2、4番の土田も平真由香にゲームカウント0-2とリードを許す。しかし、ここから土田が驚異の粘りを見せる。徐々に平のボールに合いだし、じわじわとラリーで得点を重ねて3ゲーム目は9点、4ゲーム目は10点、最終ゲームも9点と接戦を連取して逆転勝利。今年度限りで引退を決めている土田が、意地の勝利でチームに2期連続の日本リーグ優勝をもたらした。
  • 会心の試合でVを決めた平野

  • 今年度で引退の土田は驚異の粘り勝ち

  • 久々の優勝に松平は涙

  • デンソー戦トップで馬克に快勝した宋

  • 男子1部優勝:協和キリン

  • 女子1部優勝:中国電力

 後期日本リーグは大会4日目を終え、男女1部は各チーム5試合目まで戦い終え、明日最終日の2試合を残すのみとなった。ここまでの順位は下記のとおり。 

【後期日本リーグ1部・途中経過】
※勝敗・引き分け数が同数の場合は得失マッチで順位を決定
◆男子(5戦終了時点)
1位:協和キリン(4勝0敗1分)
2位:東京アート(4勝0敗1分)
3位:愛知工業大(3勝0敗2分)
4位:日鉄物流ブレイザーズ(2勝2敗1分)
5位:リコー(1勝2敗2分)
6位:シチズン時計(1勝2敗2分)
7位:日野自動車キングフィッシャーズ(0勝4敗1分)
8位:原田鋼業(0勝5敗)

 男子は4戦全勝だった協和キリンが今日の最終戦で愛知工業大と引き分け。協和キリンは勝利に王手をかけたが渡辺裕介が松山祐季との激しい打撃戦にフルゲームで敗れた。東京アートは第5戦でリコーから接戦で勝利をもぎ取り勝敗・引き分け数で協和キリンに並んだが、得失マッチ数2差で現在2位。明日11時からの第6戦で協和キリンと東京アートが激突するが、この一戦が大きく順位に関係するだろう。


◆女子(5戦終了時点)
1位:中国電力(4勝0敗1分)
2位:デンソー(4勝1敗0分)
3位:昭和電工マテリアルズ(3勝1敗1分)
4位:十六銀行(3勝1敗1分)
5位:サンリツ(1勝3敗1分)
6位:エクセディ(1勝3敗1分)
7位:愛媛銀行(1勝3敗1分)
8位:広島日野自動車(0勝5敗0分)

 女子は今日の第4戦を終えて唯一の全勝だったデンソーが第5戦で昭和電工マテリアルズに敗戦。全勝チームがいなくなった。その中で第5戦でサンリツを苦しみながらも下した中国電力が黒星なしで首位に立っている。こちらも、明日9時からの第6戦で現在1位の中国電力と2位のデンソーが対戦となる。

 今回の引き分け導入は、やはり与える影響が大きいようで、東京アートの大森監督も「1点落としただけでかかるプレッシャーがだいぶ大きい」と語る。優勝が決まる明日も、目が離せない戦いとなりそうだ。
  • リコー戦で郡山をフルゲームで下した東京アート・吉田は辛勝にこの表情

  • 協和キリン・渡辺は愛知工業大・松山に打ち負けた

  • 粘るサンリツ・秋田を振り切った中国電力・成本

  • 第4戦まで唯一全勝のデンソーは第5戦で黒星。写真は2番で敗れた野村

 熊本県・県立総合体育館で開催中の後期日本リーグは大会4日目。今日は男子1部が各チーム3試合、女子1部は各チーム2試合を戦うスケジュールとなっている。

 男子2部で新人賞に輝いた熊本出身の松岡優人(協和発酵バイオ)はじめ、開催地ゆかりの日本リーガーも多数出場。男子の熊本出身選手はは協和キリン・硴塚将人、日鉄物流ブレイザーズ・松下海輝、シチズン時計・上村慶哉、クローバー歯科カスピッズ・松下大星、信号器材・福田修也。女子では十六銀行・竹本朋世、昭和電工マテリアルズ・牛嶋星羅、神戸松蔭女子学院大・多武玲帆、オークワ・三島日菜之が熊本出身となっている。
 また、十六銀行・安藤みなみ、朝日大・大城萩一は熊本・慶誠高の卒業生。愛知工業大・田中佑汰、豊田自動織機・田中千秋の姉弟は熊本で過ごしていた時期がある。
  • 日鉄物流ブレイザーズ・松下海輝

  • 十六銀行・安藤みなみ

  • シチズン時計・上村慶哉

  • 昭和電工マテリアルズ・牛嶋星羅

  • 協和キリン・硴塚将人。ここまで4連勝!

  • クローバー歯科カスピッズ・松下大星

  • 信号器材・福田修也

  • 神戸松蔭女子学院大・多武玲帆

 女子2部に続いて男子2部も全試合終了。昨日すでにクローバー歯科カスピッズが優勝を決めていたが、最終順位が確定した。

【後期日本リーグ2部順位】
◆男子
1位:クローバー歯科カスピッズ(8勝1敗)
2位:信号器材(6勝0敗3分)
3位:朝日大(6勝1敗2分)
4位:JR北海道(4勝3敗2分)
5位:協和発酵バイオ(3勝2敗4分)
6位:トヨタ自動車(2勝4敗3分)
7位:関西卓球アカデミー(1勝2敗6分)
8位:豊田自動織機(1勝5敗3分)
9位:琉球レオフォルテ(1勝6敗2分)
10位:熊本県選抜(0勝8敗1分)
※勝ち数の順で順位を決定。勝ち数が同数の場合は負け数の少ないチームが上位。勝敗・引き分け数が同数は得失マッチで順位を決定

 最終戦でクローバー歯科カスピッズに土をつけた信号器材が朝日大を抜いて2位に浮上。協和発酵バイオは千葉悠平が優秀選手賞、松岡優人が新人賞と野田学園OBコンビの活躍で5位となり、ジャンプアップチーム賞を授賞した。

 今日からスタートした男女1部は男子が2試合、女子は3試合を消化。男子は東京アート、協和キリンは今日の2試合とも4-0勝利と好スタート。女子は中国電力、デンソーが3連勝。昨年ファイナル4を制した十六銀行は2勝1敗で初日を終えた。

 また、男女1部でも続々とルーキーたちが日本リーグデビュー。昨年の全日学女王・デンソーの森田彩音はじめ、エクセディの出雲美空と浅井一恵、協和キリンの硴塚将人、シチズン時計の三部航平などが初出場を果たしている。
  • 協和キリンのルーキー・硴塚は開催地の熊本出身

  • 昨年の全日学女王・森田はデンソーへ

  • こちらは昨年インハイ女王。エクセディの出雲

  • エクセディの新人、浅井は第1戦でデンソー・野村を下す

  • シチズン時計・三部は2敗と苦い日本リーグデビュー

  • 松平はTリーグ・日本ペイントマレッツからサンリツへ移籍

  • 協和キリンは2試合とも4-0勝利と好スタート。写真は松平

  • ここ数年充実ぶりが光る中国電力は4-0で3連勝。写真は成本

 熊本県・熊本県立総合体育館で開催中の後期日本リーグは大会3日目。男女1部は今日から試合がスタート、男女2部は今日ですべての試合が終了する。

 男子2部はクローバー歯科カスピッズが今日の最終戦を待たず、昨日すでに優勝を決めた。混戦となっている女子2部は今日の最終戦の結果で優勝チームが決定。昨日までの試合で3勝2分で首位に立っていた豊田自動織機を最終戦の結果、逆転した百十四銀行が優勝を果たした。百十四銀行の末友栄二監督も「恐らく20数年ぶり」という久々の1部復帰だ。
 豊田自動織機を2勝3分で追う百十四銀行は最終戦でオークワを3-1で破って3勝3分でフィニッシュ。その後に行われる豊田自動織機と神戸松蔭女子学院大の試合に優勝の行方はゆだねられた。豊田自動織機は最終戦で2勝を上げれば、引き分けとなっても得失マッチ数の関係で百十四銀行を上回って優勝だったが、1-3で敗戦。最後は昨日まで5戦全勝の活躍を見せていた高卒ルーキーの原田杏菜が敗れ、涙をのんだ。

【後期日本リーグ2部順位】
◆女子
1位:百十四銀行(3勝0敗3分)
2位:豊田自動織機(3勝1敗2分)
3位:神戸松蔭女子学院大(3勝1敗2分)
4位:オークワ(2勝2敗2分)
5位:朝日大(1勝0敗5分)
6位:JR北海道(0勝4敗2分)
7位:熊本県選抜(0勝4敗2分)
※勝ち数の順で順位を決定。勝ち数が同数の場合は負け数の少ないチームが上位。勝敗・引き分け数が同数は得失マッチで順位を決定

★百十四銀行・末友栄二監督コメント
「練習の成果かなと思います。こっちが『今日はオフにしなさい』と思うくらい選手たちはすごく練習しています。この1カ月くらいは土日も休みなく練習していました。中尾(優子)コーチも神がかったオーダーで選手、スタッフが一丸になった勝利かなと思う。
 引き分けもあってレギュレーションに助けられた部分もあるし、チャンスだと思っていた。これまでなかなか結果が残せていなかったけど、中尾コーチはじめたくさんの方々にサポートしてもらい、上向いている状況だったので、2位以内には入れると選手に話していた」

 豊田自動織機の試合前に最終戦を終了していた百十四銀行、優勝決定の瞬間は観客席で迎えたが、試合を見守る進境を末友監督は「中尾神主様がいらっしゃるので、卓球の神様が勝たせてくれたのかなと思います」とコメント。実は百十四銀行の中尾コーチ、エクセディで現役引退後、実家の神社で神主として修行中。得失マッチ差1での優勝は、休みなく練習で追い込んだ百十四銀行に神様が力を与えた優勝なのかもしれない。
  • オークワとの最終戦で勝利を決めた百十四銀行・横山

  • 淑徳大から加入の松澤は白星を量産。最高殊勲選手賞に輝く

  • 観客席で喜びを爆発させた

  • 豊田自動織機はあと一歩で優勝を逃した

  • 卓球の神様も力を授けた!? 右から3人目が神主の中尾コーチ

 昨日より後期日本リーグが熊本県・熊本県立総合体育館でスタート。日本リーグ選手権・ビッグトーナメント、前期日本リーグ三重大会が新型コロナウイルスの影響で中止となったが、今大会は無観客で開催に至った。2部は昨日から試合が始まり、明日まで、1部は明日から試合がスタートする。

 今年度に入り、新型コロナウイルスによって各種大会の延期・中止が相次いだ中、全国各地から選手、チームが集まって開催される公式戦はこの後期日本リーグが初。大会開催にあたり、一般社団法人日本卓球リーグ実業団連盟は出場チームの選手・スタッフ、大会役員および関係者全員を対象にPCR検査を実施(私、編集部・浅野も受けました)。検査を受けた429名全員が陰性との結果で無事大会がスタートした。試合中も一度にベンチに入れるのは選手と監督、コーチ含めて最大4名までで、他の選手は観客席から応援。コートチェンジもなしで試合が行われている。

 通常は1部所属の各チームは本大会前にホームマッチを2試合行うが、今回はホームマッチは開催っせず。今大会は1部の本大会での試合数が増えた影響で、1部・2部ともに通常時よりも1日に消化する試合数が増えている。また、試合方式も下記のように変更されて大会が行われる。

【2020年度後期日本リーグ試合方式】
・ダブルスは行わず4選手による4シングルス
・勝敗が決しても必ず4番まで試合を行う
・2-2の引き分けもあり
・勝ち数の多いチームが上位。勝ち数で並んだ場合は負け数の少ないチームが上位

 タイトな試合スケジュール、ダブルスなし、引き分けありの試合方式が順位にどのような影響を及ぼすか注目だ。

 今期は1部7位と2部2位の入れ替え戦は行わずに、1部8位と2部優勝が入れ替わるのみ。2部の試合男子はクローバー歯科カスピッズが最終戦を待たずに優勝を決めた。江藤慧、松下大星ら昨年からのメンバーに、今年はゴールド選手として田添響が参戦、日鉄住金ブレイザーズから藤本海統が移籍と大幅戦力アップ。今日の最終戦前まで7戦全勝、17時からの朝日大戦にも勝利し、圧倒的な強さで1部復帰を決めた。
 女子は残り1戦を残して、明日優勝が決定。現在、豊田自動織機が3勝2分で他をリード。今日の最終戦・朝日大との試合で前半0-2のビハインドから引き分けに持ち込み、首位をキープした。豊田自動織機に続くのは2勝3分の百十四銀行と、2勝1敗2分の神戸松蔭女子学院大とオークワ。 明日は豊田自動織機と神戸松蔭女子学院大、百十四銀行とオークワが直接対決と優勝の行方は読めない。

 また、今年度の新加入選手たちにとっては、今大会が日本リーグデビュー戦となっており、フレッシュな新風を日本リーグに吹き込んでほしい。
  • 朝日大・馬渡を苦戦の末に振り切り勝利を決めたクローバー歯科・江藤

  • 田添のボールは2部では群を抜く威力とスピード

  • 豊田自動織機はルーキー・原田がここまで5戦全勝と大活躍

  • 朝日大との試合で粘りを見せて引き分けに持ち込んだ豊田自動織機・佐藤

  • 元関西学生王者・坂根は関西卓球アカデミーで日本リーグデビュー

  • 日本大卒の高原は故郷に戻り、JR北海道へ

  • 協和発酵バイオの新人・松岡は出身地の熊本で日本リーグ初陣を迎えた

  • オークワ・三島も熊本出身のルーキー

 世界選手権や男女ワールドカップなどで、ITTF(国際卓球連盟)のオフィシャル・フォトグラファーとなり、選手の写真を撮影しているレミー・グロス。フランスの古都ブザンソンの出身でスイス在住。ビッグゲームになると大きなレンズを腰にぶら下げ、縦横無尽にフロアを駆け回り、時にはほふく前進でベストショットを狙うプロフェッショナルだ。以前はピンクのポロシャツと喧嘩っ早いところがトレードマークだったが、最近は少し落ち着いたようだ。

 現在、中国で開催されているビッグゲーム3大会、男女ワールドカップとITTFファイナルズにも帯同しているレミー。その絶妙な写真の数々を卓球王国にも送ってきてくれるが、とても本誌では掲載しきれない。オフショットを少しウェブで紹介しよう。
  • プエルトリコのA.ディアス、お得意のラケット回し。コレめちゃくちゃ難しいです

  • ディアスのボールは名前入り。書いてくれたのは姉のメラニー・ディアス

  • 選球所でクールにピース。陳思羽は女性ファンが多そう

  • こちらもピース? 1球への気迫を感じるワンショット

  • 優勝した陳夢の担当コーチは、元五輪金メダリストの馬琳だ

  • コロナ禍の新しいスタイルか、リモートでベンチコーチを受けていたスッチ

  • PCR検査を受けるポルカノバ(オーストリア)のコーチ

  • 孫穎莎も「あ〜ん」。こちらはストレッチ中

  • 重装備! 新型コロナウイルス対策に尽力するスタッフの皆さん、お疲れさまです

 11月10日、中国・山東省威海市で開催されていた『迪尚 2020ITTF女子ワールドカップ』は大会最終日を迎え、ベスト4に進出していた伊藤美誠(スターツ)は準決勝で孫穎莎(中国)に2ー4で惜敗。しかし、3位決定戦でハン・イン(ドイツ)に4ー0で完勝し、初の銅メダル獲得となった。準決勝〜決勝の結果は下記のとおり。

●女子シングルス準決勝
孫穎莎(中国) 10、8、6、ー10、ー4、4 伊藤美誠
陳夢(中国) ー4、8、8、9、ー7、ー9、4 ハン・イン(ドイツ)
●3位決定戦
伊藤美誠 2、7、9、4 ハン・イン 
●決勝
陳夢 ー11、6、9、6、8 孫穎莎

 伊藤は6ー10のビハインドから10ー10に追いついた1ゲーム目を10ー12で落とし、そのまま3ゲームを連取される苦しい展開。さらに威力を増した孫穎莎のバックドライブに、バックハンドのミスが続いた。しかし、4ゲーム目7ー9の崖っぷちから12ー10と逆転で奪うと、5ゲーム目は孫穎莎にレシーブのミスが多くなり、11ー4で伊藤が一方的に奪取する。
 
 6ゲーム目は中盤で突き放され、同い年のライバル・孫穎莎に2ー4で敗れた伊藤。しかし、3位決定戦では、準決勝で陳夢を苦しめたハン・インのカットをスマッシュで一方的に打ち抜き、ストレート勝ち。試合後に「やっと自分らしい試合ができたかなと思います。今大会は4試合やって、難しい試合がたくさんあって、自分らしいプレーがなかなかできなかったけど、楽しく試合はできたかなと思います」と振り返った。

 「孫穎莎選手は、いつもの孫選手とは違うプレーをしてきて、前半から私自身が思っていた感じと少し違って対応が遅れてしまった。1ゲーム目は6ー10からジュースに追いついて、惜しい1ゲーム目だったので、そこを取れていたら違っていたと思う。私が練習していたことの良いところ、悪いところが孫選手と試合してわかったので、ITTFファイナルに向けてまた練習を頑張りたい」(伊藤美誠・孫穎莎戦後のコメント)

 今大会を制した陳夢は、念願のビッグタイトル。決勝は1ゲーム目をジュースで制した孫穎莎が、序盤は優位に試合を進めたが、持ち味である懐の深いバックハンドで孫の強襲をしのぎ、チャンスにはストレートへの速攻を混ぜる。相手にうまく打たせる台上プレー、巧みな緩急など、経験の差で孫穎莎を下した。

 「こうして優勝できて、本当に感動しています。私にチャンスをくれた中国チームに感謝したい。ついに世界タイトルを獲ることができましたが、これはひとつのスタートに過ぎません。今大会を通じて、技術や戦術だけでなく、メンタルや総合力を高めることができたと思います。馬琳コーチとは普段からコミュニケーションを取って、私を成長させるよう常に心を砕いてくれますし、全中国選手権(10月1〜10日)前に調子を落とした時には、李隼監督からも貴重なアドバイスをもらうことができました。今大会での自分には80点をつけたい」(陳夢・優勝後のコメント)

※写真提供:レミー・グロス/ITTF
  • ハン・インに完勝して銅メダルを獲得した伊藤美誠

  • 陳夢は悲願のビッグタイトル。大器がいよいよ本領発揮か

  • 孫穎莎は2位。決勝で陳夢の経験に屈す

  • 女子シングルス表彰。3選手とも19〜22日のITTFファイナルにも出場する

 11月8日から中国・山東省威海市で行われている女子ワールドカップ。大会第2日目の9日、決勝トーナメント1回戦と準々決勝が行われた。結果は下記のとおりとなった。

●女子シングルス・決勝トーナメント1回戦
伊藤美誠(スターツ) ー6、7、7、11、7 田志希(韓国)
陳思羽(チャイニーズタイペイ) ー8、4、ー3、ー10、3、7、6 杜凱琹(香港)
孫穎莎(中国) 5、5、8、ー8、7 A.ディアス(プエルトリコ)
石川佳純(全農) 8、7、5、4 徐孝元(韓国)
陳夢(中国) 6、1、3、7 スッチ(ルーマニア)
ハン・イン(ドイツ) 7、ー9、ー5、9、ー8、5、6 ポルカノバ(オーストリア)
リリー・チャン(アメリカ) 7、8、9、ー8、ー8、11 馮天薇(シンガポール)
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) 5、4、4、3 ウー・ユエ(アメリカ)

●準々決勝
伊藤美誠 6、6、7、ー6、5 陳思羽
孫穎莎 6、4、4、7 石川佳純
陳夢 8、6、3、9 リリー・チャン
ハン・イン 10、ー3、ー7、9、10、6 鄭怡静

 伊藤美誠が決勝トーナメント1回戦で田志希、準々決勝で陳思羽をともに4ー1で破り、準決勝進出。初戦の田志希戦では1ゲーム目を落とし、4ゲーム目も先にゲームポイントを奪われるなど、さすがの「強心臓」伊藤も約8カ月ぶりの国際大会でのプレーに緊張を隠せなかったが、「1ゲーム目はすごく緊張したけど、少しずつ慣れてきて、良いプレーになってきました」と試合後にコメント(出典:ITTF)。新たに披露した新フォームの巻き込みサービスについては、「新型コロナでの自粛期間に練習してきたので、今日の試合で試すことができてうれしい」と語った。

 明日の準決勝では、ライバル・孫穎莎との大一番を迎える。孫穎莎戦に向け、「明日はどちらが勝つことになっても全力を尽くします。中国はもちろん、日本、そして世界中の皆さんに素晴らしい試合を見せられるようにしたい」と抱負を語った伊藤。中国は大会前に四川省成都市で集合訓練を行い、「仮想・伊藤美誠」のプレーヤーを複数揃えて、対策練習に励んでいる。

 ふたりのシングルスでの最後の対戦は、昨年11月のT2ダイヤモンドで、5ゲーム目以降は5点先取となる特殊ルールの中で4ー3で孫穎莎が勝利。その2週間前に東京で行われたチームワールドカップでは、2ゲームを先取した伊藤が最終ゲーム10ー7でマッチポイントを握ったが、惜しくも孫穎莎に逆転を許した。今回はどのような試合展開となるか?

 決勝トーナメント1回戦で徐孝元のカットを完璧に攻略した石川佳純は、徐孝元のミドルを効果的に攻めてチャンスメイク&決定打。危なげない試合運びで準々決勝に進み、孫穎莎と激突した。変化のある巻き込みサービス、回り込んでバックストレートに打ち抜くフォアのパワードライブなど、随所に好プレーを見せた石川だが、孫穎莎は体がひと回り大きくなり、前陣での連続バックドライブは威力と安定性を兼ね備えていた。激しいラリー戦を演じながらも、0ー4で敗れた石川はベスト8。次なる大会は11月19〜22日に中国・鄭州で行われるITTFファイナルだ。

 「今まで石川選手とは何度も対戦していて、お互いのプレーには慣れている。それでも、彼女はとても強い選手ですから、試合前には十分に準備をしなければいけません。試合前にはコーチから、集中して辛抱強く戦うことをアドバイスされました」(孫穎莎)

※写真提供:レミー・グロス/ITTF
  • アジアの強豪を連破した伊藤。いざ、孫穎莎との大一番へ

  • 新しいフォームの巻き込みサービスも披露

  • 徐孝元のカットを攻略し、ベスト8に入った石川

  • さらに力強さを増したプレーを見せた孫穎莎

  • 鄭怡静を破ってベスト4に進出したハン・イン