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世界卓球パリWEB速報

●女子シングルス準決勝
李暁霞(中国) -8、1、-4、11、6、8 丁寧(中国)

前回のロッテルダム大会女子決勝、そしてロンドン五輪の女子決勝の再現となった李暁霞対丁寧の一戦は、李暁霞に軍配が上がった。
勝負を決めた第6ゲーム終盤の数本のプレーに、李暁霞の強さが凝縮されていた。8ー8からラッキーなネットインで9ー8とリードした李暁霞は、ここで守りに入ることなく、丁寧の3球目バックストレートへのフォアドライブをブロックしてから、電光石火の回り込みシュートドライブ。丁寧のフォアへ決める。
マッチポイントでも、丁寧を左右に振ってから、あまくなったボールを上からたたき込むようなフォアドライブでフォアクロスに決め、ガッツポーズ。五輪女王の自信が、万年2位と呼ばれた彼女を変えたのか。初の世界選手権のタイトルまで、あとひとつだ。
●男子シングルス4回戦
松平健太 -3、13、-12、8、9、-3、8 サムソノフ(ベラルーシ)

ケンタ、サムソノフを下してベスト8進出!
この世界選手権で馬琳とサムソノフを破った。アンビリーバブルだ!

健太は鉄壁を誇るサムソノフのブロックとしのぎに対し、飛びつきざまのフォアストレートへのカウンタードライブ、サイドを切る連続カーブドライブなど、その才能をまざまざと見せつけた。サムソノフびいきのベルシーの観客(しょうがないですね)も、そのスーパープレーの連続には驚嘆、また驚嘆。
攻守がめまぐるしく入れ替わりながら迎えた最終ゲーム、サムソノフの3連続ポイントで6ー7となったところで、サムソノフがなんとサービスミス。次のプレーで、サムソノフがストップミス。完全に流れが変わった。9ー7でフォアにようやく飛びついた次のボールを、健太がバックへ飛びつきざまに後陣からバックドライブ!
最後は11ー8で締め、健太が元欧州王者に勝利!

試合後、「動かすタイプなのに、動かされて疲れました。3回戦までは全然汗かかなかったのに、初めて汗出ましたね」と語った健太。…馬琳戦では、汗ひとつかかなかったということか?!
次戦の相手はおそらく世界1位の許シン(中国)。健太、まだまだいけるぞ!
●男子シングルス4回戦
馬龍(中国) 5、ー9、7、ー9、4、7 丹羽

再び「打倒・馬龍」を目標にしていた丹羽、2ゲームを奪い、元世界ランキング1位をナーバスにさせたが、最後は馬龍に押し切られた。
試合後、丹羽は「1年前(丹羽が勝利した五輪アジア予選)は、馬龍は自分のチキータを嫌がっていたけど、今回はそれを狙ってきた。試合前の練習会場でも、チキータを狙い打つ練習をたくさんやっていた」と語った。馬龍はかなりナーバスになっていたが、丹羽のチキータにすばやい反応を見せ、台から出てくるサービスは確実にレシーブからドライブで攻めてきた。スコアは競っても、負けないプレーをしてきた。丹羽はベストに近いプレーをしたが、ややブロックのミスが多かったか。

★試合後の丹羽孝希のコメント
「接戦で取ったゲームの次のゲームの出足が悪くて、常にゲームをリードされるので苦しいですね。次のゲームの出足をもっと厳しく行かないといけない。馬龍は気合い入っていたけど、調子は普通だった。こちらの最初の2ゲーム目の出足の悪さが良くない。中国選手のボールは打たれたら返せないので、もっと守備の部分をしっかりやっていきたい。
 パリは応援も良くて、やっていて気持ちよかったので、まだ終わりたくなかった。ベスト16に入ることも難しいので、入ったことには満足しているけど、欲を言えば、もっと試合をしたかった。でも、全然悔いはないです」
●女子シングルス準々決勝
朱雨玲(中国) 7、5、6、7 馮天薇(シンガポール)
劉詩ウェン(中国) ー7、5、5、9、5 フー・メレク(トルコ)
 男子ダブルス準決勝で敗れて、銅メダルに終わった日本ペアのコメント。

岸川「点数リードしたのが2ゲーム(3,4ゲーム目)あったので・・・1点が遠いですね。最初の2ゲームはしょうがないとしても、3ゲーム目を絶対取って流れを変えたかった。 
 4年前のメダルとは意味が違う。ジュニア時代からメダルを目標にしてそれを横浜で達成してモチベーションが落ちた部分もある。今回、また組むようになってメダル獲得できたので、横浜の時とは全く違ったうれしさもあるし、これ以上のメダルを目指せるペアにまだまだ成長できると思えた大会だった」

水谷「3ゲーム目、10−7でリードしていてそのゲームを取れなかったのが非常に痛い。もっと強気で行けば良かった。 
 もう少し長いラリーにしたかったけど、馬琳に打たれるのが怖くて、そこで戦術的に間違ってしまったかという思いはあります。チャンスボールが何本もあってそこで攻めきれなかったりとか、打つコースを間違って点を取られたことが多かった。
 今回、金メダルを狙えるチャンスがあっただけに悔しいです。今回、シングルスは初戦で負けたけど、こういう大舞台で勝てるように成長していかなければ行けないし、来年の東京で勝てるようにこれからも頑張っていきたいです」
●男子ダブルス準決勝
ハオ帥/馬琳(中国) 7、9、10、12 水谷/岸川
陳建安/荘智淵(チャイニーズタイペイ) 6、6、ー9、ー9、5、8 王励勤/周雨(中国)

水谷/岸川ペアは中国ペアから第3・4ゲームとゲームポイントを奪ったが、中国ペアの強気の攻めに屈した。また、チャイニーズタイペイの陳建安/荘智淵が殊勲の決勝進出。中国ペアがまたも敗れた。

星野美香の眼★
「敗れたとはいえ、水谷/岸川の素晴らしいプレーも随所に見られた。特に3ゲーム目の中盤、水谷選手の攻めは非常に速く、素晴らしかった。ただ、このゲームの10-7のリードで、落としてしまったのは非常に悔しかっただろう。
 中国ペア、特に馬琳選手の台上技術は、相手が予測できないほど多彩だった。そして台上だけでなく、台から出るか出ないかというボールに対しての技術も非常に高度だった。ハオ帥選手も、2ゲーム目、10-6から10-9へ追い上げられた場面で、フォアへ来た台から出るか出ないかというボールをフォアドライブで攻め、そして4ゲーム目、こんどは9-10とゲームポイントを握られた場面で、シュートドライブでサイドを切るスーパーショット。勝負どころでより厳しいコースを突ける技術があった。それは中国の幅広く、高度な技術を証明するものだ。
 最後に、日本は0-4で敗れたものの、中国に勝つ活路を見いだしたのではないだろうか。3ゲーム目中盤で水谷/岸川ペアが見せた、打球点の早い攻撃を連続でできるようになれば、中国に対しても勝負できると思う」
● 女子シングルス準々決勝
丁寧(中国) 6、-9、8、4、6 リ・ミョンスン(北朝鮮)
李暁霞(中国) 12、4、ー6、4、7 武楊(中国)

現・世界女王の丁寧が、3回戦で石川を破ったカットのリ・ミョンスンと対戦。ジュニア時代から対カットが課題と言われてきた丁寧。カットの変化に苦しむ場面もあり、2ゲーム目を落としたが、すばやい戦術転換でこの試合を乗り切った。

星野美香の眼★
「さすが丁選手、石川選手と対戦したカットマンに4-1で勝利し、戦術・技術ともに素晴らしかった。
 丁選手は、サービスは相手のフォア前からの3球目を多用、ラリーでは浅いループドライブと、打球点の早いドライブで相手のカットを崩す戦術だった。ただ、相手のリ選手もよく拾い、よく打つ選手。特にバックカットの守備範囲は非常に広い。丁選手は2ゲーム目をとられてから、バック・バックミドルへドライブを集めていた戦術を切り替え、すかさずフォアへのドライブを多用した。
 リ選手はフォアのナックルカットが非常にうまい。それでも丁選手がフォアへのコース取りを選択できたのは、丁選手が回転をよく見極め、ドライブで正確に返球できる技術を持っているからだ。そして、浅いカットとみたらすかさず早い打球点のドライブで攻め、チャンスを作った。その選球眼と技術があるからこそ、成せる戦術だ。リ選手がフォアを警戒すると、またバックに速いドライブで攻めていった。
 高度で多彩な技術を持っていないと、多彩な戦術は使えない。それを丁選手が見せてくれた一戦だった。」
 5月18日、国際卓球連盟(ITTF)のアダム・シャララ会長に単独インタビューを行った。詳しい話は卓球王国の6月発売号に掲載する。
 今回のITTF総会では会長に再選されたものの、事前に対抗馬のイタリアのステファノ・ボッシ氏にお金に関するネガティブキャンペーンを行われたことにも触れた。「こういうことは初めての経験だったけど、すべてクリアに回答した。結果、私への支持が149、ボッシ氏への指示が53だった。もっと私への支持は低いかと思ったけど、私への支持票は意外でもあった」と語った。
 また、これからは卓球のプロモーションを積極的に、卓球以外の人へ伝える活動を行っていくことを言明し、同時に五輪競技として「26競技の中、いろいろな調査項目の結果、卓球は平均で言えば10番目くらいの位置にいた。欠けている部分を分析し、トップ5のスポーツにしたい」とシャララ会長。
 また、日本卓球協会の木村興治副会長から提案された、ラバーのリバウンド検査による、ラバー性能の制限に関しては、「非常に良いアイデアだと思っているし、2,3の大会で実施したい。次の東京大会(14年)での総会では通過するのではないか」と答えた。ラバーの反発力を制限、または検査することで問題になっているブースター(補助剤)の使用は制限しないが、用具の公平さを保つ方法であることを強調した。
 「来年の東京大会には全く運営面で心配していない。ただ東京という大都市でやることで観客を集客できるかどうかが課題だろう」とインタビューを締めた。
●混合ダブルス準決勝
李尚洙/朴英淑(韓国) 9、8、4、ー8、8 王励勤/饒静文(中国)
キム・ヒョクボン/キム・ジョン(北朝鮮) ー11、ー9、ー12、12、8、4、7 張ユク/姜華君(香港)

李尚洙/朴英淑がアグレッシブな両ハンド攻撃で王励勤/饒静文に完勝。韓国ペアは出足から声を出し、おとなしいプレーに終始した中国ペアを圧倒した。王励勤、世界選手権12個目のタイトルはお預けとなった。
この韓国ペアの活躍に触発されたのか、隣のコートでプレーしていた北朝鮮ペアがまさかの大逆転。キム・ヒョクボンが、直前までコースの読めない巧みなフォアの台上処理で、香港ペアを翻弄した。今日行われる混合ダブルス決勝は、なんと朝鮮半島対決だ。

そして中国が世界選手権個人戦のタイトルを失ったのは、同じ会場で行われた03年パリ大会でシュラガー(オーストリア)が優勝して以来。ベストのエントリーではないから当たり前、といえばそれまででだが…。

下写真左は韓国、右は北朝鮮ペア。そして韓国の応援団
大会第6日目の試合開始直前に、編集部ユウが会場内を回って会場のさまざまな光景を撮影してきました。撮影は結構な重労働。プレスシートに戻ってくると、いつも何か食べているユウ。良い写真が撮れるのなら、いくらでも食べるがいいさ!